《異世界転移するような人が平凡な高校生だと思った?》31話 力の使い方

お待たせしました。では、どうぞ

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「んぁ....? 」

 もう何度目だよ...この世界で気絶するの....

 目覚めた瞬間俺は、自分がなんで気絶してたかはもう分かっていた。

 気絶に慣れすぎて、起きた瞬間の狀況判斷力も強くなってしまったようだ...あまり嬉しくない。

「起きましたか? じゃあ早く行きましょう」

 見上げると、そこにはミスラがいた。また膝枕をして。

 こちらも俺がちょくちょく気絶するから、慣れたようだな....

「ミスラ、窟での膝枕は、本當に膝を痛めそうだからもう辭めような? 」

「む.......」

 ミスラは不満そうな顔をして渋々。

「それは嫌です」

 認めなかった。

「いや、そこは渋々認めるところだろ?それにミスラがこんな所で膝を痛めたりしたら、戦闘に支障が出るんじゃないか? 」

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「一理あります」

「だろ? 」

「はい、ではダンジョンを出たら、1日膝枕で手を打ちましょう。」

「何を言ってらっしゃるんだこの娘....」

「それが無理なら、私はその提案にはのりません」

「いや、別に俺はいいけど....」

「さぁ早くダンジョンから出ましょう」

気が早すぎるミスラに著いていけない祐。

「分かったから、し待ってくれ」

「なんですか。2日も寢込んでたんだからもうけるでしょう」

「え? 2日!? 」

 あぁ、余計に一日も寢たから、あの軋むような筋痛がないのか。

「えぇ、それくらいだったと思います」

「....々と驚いてるけど、まずはさ....」

「まずは?」

 今、俺が1番優先したい事。それは──

「めちゃくちゃ腹減らね? 」

 約3日ほど何も食っていない俺は限界だった。

***

 ダンジョンの奧深く。そんな人の全く居なさそうな場所で、ある男2人がなんとも言えないような顔をしていた。

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「....これ、本當に食べるんですか? 」

「もう2人で決めただろ? こいつしか食えそうなじじゃなかったじゃないか」

「そうですけど....」

そう、俺が腹を減ったと言ってから、どうするか2人で考えた結果。魔を食うしかないという考えで一致した。

 ちなみにミスラが言うには魔は食えるには食えるらしい。だが不味い。もう味に評価を付けることさえ出來ないほど不味い....らしい。

 そして罠もあって、自分より強い魔は食べると、魔力暴走を起こして死ぬ事もあるらしい。自分で狩る分には、そんな事故は起きないだろうが、他人が狩った魔を食べるのは割と自殺行為なんだとか。

 だから、俺とミスラは、行は共にしたものの、自分が食べると決めた魔は、自分で殺した。

「んで、ミスラなんで狼なんだ...?」

 ミスラが狩ってきた魔は、俺がファイアーブレスで消し炭にした時と同じ魔だった。

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「これが1番弱かったのと、食べても罪悪が湧かなそうだったからですよ」

「でも狼って見た目は犬じゃ...」

 そう口にした途端、ミスラがすごい眼で見つめてきた。

「な  に  か  言いましたか?」

「い、いいえ何も....」

 ミスラは、初めから雷とかレベル1とは到底思えない魔法を使っていたが、魔力量などは普通のレベル1冒険者と同じなんだそうで、殺傷能力が足りないらしい。

そこでギリギリ狩れたのがこの狼というわけだ。罪悪がどうのと言うのは、しでもそれをじないために、わざとそう言ったのだろう。

「それで、祐は...なんですか....?それは」

 俺が狩ってきた魔は、一見ただの黒い塊だった。

「イノシシ」

「冗談は良してください、そんな足も顔も分からないがイノシシなわけ....」

「いや、本當だって。火屬の魔法の加減が上手くできなかったんだよ...まぁ焼きの工程を先にやったってだけだ。」

 祐のその言葉にミスラはある事を思い出す。

「あ、祐ステータスカードを確認しましょう。もうレベルアップはしてますよね?」

「あぁ、そういえば見るの忘れてたな。さて、どれくらい上がったかなーっと.....」

 裕は懐からステータスカードを取り出して、容を見る。

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名前: 佐野  祐

種族:人間

Lv:  32

力: 24880

攻撃力:26340

力:28040

魔力:40800

知力:20500

運:42340

スキル:

言語理解、進化、魔法適正、幻刀、潛伏、鑑定、マッピング、蓄積チャージ

稱號:

転生者

転移者

世界に呪われし者

######

######

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「............」

 前にレベルアップしてた時は、そこまでステータスは上がってなかった。

 というか普通になってたのに、また尋常じゃない上がり方に戻ってる....!?

 いや、今はむしろ、力をんでいるわけだから、願ったり葉ったりな訳だけど....

一つだけ、見てみるフリは出來ない項目があった。

「どうなってましたか? 」

「....ミスラ、俺 世界に呪われてるらしい。」

「はい? 」

何を言ってるのか分からない、と言ったじのミスラに、俺はカード手渡す。

「はぁ..また何か変なスキルでも発言したんですか? ..........ふむ、やはりあの『ファイアーブレス』の尋常でない威力は、蓄積チャージのせいでしたか。」

 その蓄積チャージっていうスキルは使った記憶がないんだが.....まぁ今はいいか。

「ですけど、祐が言った世界に呪われてると言うのは........? 」

 あまり容量を得なかったのか、俺に聞き直す。

「稱號の欄....」

「稱號? .......っ!? これはまた........」

「稱號ってあまり気にしてこなかったんだけど、それってどんな影響があるんだ? 」

「稱號は殆どが加護のような効果のものが多いです。ですが今回のはどう考えても加護では無いでしょう。『鑑定』で調べてみてください。」

 俺は言われた通りに、スキル『鑑定』を発する。

転生者    :  1度死んで転生したものに送られる稱號。

 この稱號が送られた者は、長するにつれて転生前の力を上乗せで手にれることが出來る。ただし、ここで言う長とは、様々である。

転移者    :  転移したものに送られる稱號。

 この稱號が送られた者は、転移する瞬間に持っていた私、力、記憶の全てを持っておくことが出來る。

 試しにまずはずっと気になっていた2つの稱號を『鑑定』した。

 結果は普通にチートみたいな稱號だった。転移はまぁ多分そのままの意味だろう。対象を転移させる側からしたら、召喚みたいなだ。

 そしてもう1つの稱號。転生者。これについては正直本當にチートだと思う。

 転移と違って即戦力にはならないが、鍛えていけば自分の限界を超えた力を手にれられるということだ。

 

 年だってリセットされるから、時間もある。

 あぁ。強いさこの稱號は。けどそれと同時に、ほぼ確信に近い。謎が生まれる。

────俺は、いつ死んだんだ?

「....さっきから神妙な顔をして、どうしたんですか? そんなにヤバかったんです? 」

「あ、あぁ....えっとだな」

 つい目的を忘れて思考に沒頭してた。直ぐに例の稱號を『鑑定』する。

世界に呪われし者    :  世界に呪われ、世界を誰よりも憎んだ者に送られる稱號。

 この稱號を送られた者は、運-1000000

「ひゃっ!? 」

 思わず変な聲が出てしまった。

「何の子が驚いた時みたいな聲を出してるんですか....ちょっと可いですね」

「いや、驚いたは驚いたんだけど! そういう事じゃなくて! ........ってかいつもなら最後のところは罵るところだろ!? 」

「えぇ、わざとです」

  格悪っ!! 

「それで? 容はなんだったんですか? 」

 言葉にするのが怖くて言いたくなかったが、渋々教える。

「運........マイナス100萬........」

「うわぁ....」

「そんな可そうな目で見るなよ! 」

「だってただでさえ馬鹿げたステータスを持っているというのに、それで差し引いてもまだ96萬もマイナスが.....」

「それを言うなぁぁ!!!」

 數字の暴力って怖い。これが借金が溜まりに溜まった人の気持ちか.....

 確かに、ここに來るまでの運で言えば最悪、どころの話じゃなかった。だけどステータスだけ見れば、運は割といい方だったので、運の項目はあまり信じていなかった。

「まあまあ、私は幸運の神ではありませんが、運は高い方なんですよ? 」

「........どらくらい?」

「まぁ....今は仮のなので....5萬くらいです」

 俺と大差ないじゃないか........ん?いやでも待てよ?今、ミスラはレベル1....もしくはしは上がってるかもしれないが、3くらいだろう。なら今後に期待できるかもしれない。

「よし、ミスラ、ノルマは50萬な?」

「馬鹿なことを考えてますね」

 きっと上がる、いいや絶対に上げてやる。

「ほら、ミスラそのもう焼けてるぞ?食おうぜ」

「そ、そうですね」

 さっきまであんなに話し込んでいた二人が、揃って出來上がった料理(?)を、靜かに食べ始めるのだった。

***

 魔は取り敢えずかった。そしてとにかく苦かった。例えるなら、めのゴムに、カメムシをすり潰して塗りこんだような味....

 もう出來れば食いたくない。

 腹ごしらえを終えた2人は、マッピングをしながら、レベルを上げていた。

『ファイアーボール!』

 祐が放った火の玉は、蜥蜴と龍が合したような魔の目に直撃する。

「ギャッ! 」

 『ウォーター!』

 祐は続けて魔法を放つ。今放った魔法は特に攻撃のない。逆に蜥蜴と龍のヒュージョン。リザードマン、と呼ぶことにした。そいつには、先程放ったファイアーボールのダメージを和らげてしまう。

 そして、リザードマンに満遍まんべんなく水がかかったところで──

「今だ! ミスラ! 」

 祐が指示を飛ばすと、後ろで待機していたミスラが前に出ていき詠唱を始めた。

『雷よ、煌めき、吹きとばせ!』

『サンダー!』

「グゥギャァァァァ!!!」

 リザードマンに雷が迫る。水により雷は一瞬で全に回り、みるみるうちに黒焦げになり、絶命した。

「ナイスアシストでした。祐」

「おぅ」

 こんなじで、まずは祐が先行して敵をけなくして最後の一撃をミスラが打つことによって、ミスラのレベルを上げていた。

 正直いえば、この深さの敵は意外と俺は倒せることに気づいた。それなら上を目指して出するより、このダンジョンを有効活用してやろうという事で、逆に下へと潛っていくことになった。

 目的地はダンジョンの一番最下層。ダンジョンのボス部屋。

 ミスラから聞いた話だが、ボスを倒せば地上に転移することが出來るらしいから一石二鳥だ。危険を除けば。

「結構倒したと思うけど、どんなじ? 」

 もう、1時間くらいはさっきのを続けていた。俺もいろんな魔法が試すことが出來て、その結果。戦闘のバリエーションも増やす事が出來た。

「はい、多分この階層の敵なら祐のアシスト無しで倒せるくらいにはなりました」

 ミスラも、魔法自のバリエーションは元からあったので、レベルをあげれば魔力が上がり威力もあげられるとの事で、特訓っぽい特訓はせずに強くなった。

 なんでもレベルは1になっても技量、知識などは神の時のままだから特訓は不要。らしい。

「じゃあそろそろ次の階層に行くか」

「そうですね。 ......あ、待ってください。言い忘れてました。多分次で90階層ですよ」

「へ?そんなこと分かるのか? 」

ここまでマッピングしてきたわけだが、ここがどの階層か分かりそうな手掛かりは無さそうだったけど。

「はい。前に次の階層への道を見つけましたよね? 」

「あぁ、扉があったな。その時はまだ見送ったけど」

「その扉は90階層にいるボスの部屋です」

 ボス?どういう事だ?

「ダンジョンにはですね、主に三の中ボスがいます。その間隔は30、50、90階層、そして最後に100階層にラスボスがいるって訳です」

「あぁ、なるほど。理にかなってるな」

 ここに來るまでし疑問に思っていた事、それは魔の強さだ。普通なら下に行くにつれて強くなるもんだと思っていた。

  

 勿論、1~20階層の魔よりは強かった。けど強さが一定だったんだ。っと言うことは....

「普通の魔の強さは1階層ごとではなく、中ボスを倒して、その先から、つまり3段階まで強くなる....ってことか?」

「........ほんと、察しがいいことで....あーぁ、ラクダナー....」

 ミスラはまるで自分の楽しみを取られた。と言うじで拗ねた。

「ミスラ、一つだけお願いがあるんだけど」

「....なんです?」

 未だしだけ拗ねているミスラに、祐はある提案をする。

「中ボス、俺一人でやらせてくれないか? 」

「....中ボスはここの比にならないくらい強いですよ? それでも、ですか?」

「あぁ、1度....今の実力を試してみたいんだ。」

 ミスラは一瞬驚きの表を浮かべて、立ち止まる。

「えぇ、分かりました。でも、これだけは約束してください」

「なんだ?」

 ひと呼吸れ、口を開く。

「生きて帰ってくる事。本當に危なくなったらさがる事。」

 それくらいなら、全く問題ない。と思い了承しようとする祐。

「あぁ、わか──」

 分かった、と言おうとしたところで、祐の言葉は遮られた。

「中ボスを1人で倒したら私とデートする事。1人で抱え込まない事。私をもっと褒める事。私をもっとで──」

「分かった! 分かったから止まれぇ!」

 このままだと一生言い続けそうだったので止める祐。これにミスラは。

「分かった...? 分かったと言いましたか?言いましたね? 約束したということでいいですね? 」

「い、いや........分かったと言うのはそういう意味じゃないから!取り敢えず約束するのは前半2つだけな? 」

そう口にするとミスラは「は?何言ってんだこいつ」って顔でこっちを見てきた。

「は?何言ってんだこいつ」

「言葉にしなくていいから!! 」

 ジト目でこちらを見つめるミスラはどう見ても獲を逃がさない獣のそれだった。

「わ、わかった。じゃあミスラをもっと褒めると言うのは約束する....」

「もうひとつ」

「........中ボス一人で倒したらミスラとデートする事も約束する...........」

「よろしい」

 やっと満足したのか、まるで新作ゲームを買った帰り道みたいなほくほく顔で歩みを再開する。

「あ、でも」

「まだあるのか....?」

「1人で抱え込むのも、出來ればしないでくださいね」

「あ、あぁ....そうだな」

 約束は出來ないけど、とは言わなかった。

言えなかったのかもしれない。

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