《異世界転移するような人が平凡な高校生だと思った?》32話 力の使い方 II
 ボス戦に向けての準備を終えた祐達は、90階層の禍々しいボス部屋の扉の前に立つ。
「これで理攻撃しか効かないボスだったら積みますね。」
「それは言わないで....もう経験済みだから....」
 俺は1度、ミノタウロスに敗れている。(正確にはティファを庇って‥だが)正直あのミノタウロスとはもう戦いたくない。
「まぁ、もしそうだとしても対策はしてるよ」
「ほほぅ? やっぱ考えることにはちゃんと考えてたんですね」
「1人で倒すって大見栄切っといてあっさり退散なんてしたくないからね」
 一応、ボスの前の作戦を練ったり、ミスラに魔力量的には使えるとの事で、上級までの魔法を教わった。
 魔法は基本、級が上がるにつれて威力はもちろん上がるが、だからと言って級の高い魔法を打つだけでは素人。ミスラが以前打った雷の魔法のように、初級の魔法を混合させることで威力的には中級にも劣らない魔法を打つことも出來るらしい。
 『ですが、それには相応の努力と経験が必要です。この世界の人は、科學というものを知りません。魔法がその代わりとして、十分な役割を果たせてしまっているからです。ですが魔法をより深く知るためには科學を知る必要があります』
 そうミスラは言っていた。これを聞いた俺は、この世界はやはり発展途上なのだとじた。そして魔力のある世界では殆どがその壁にぶつかる、と。
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 そうこう言っているうちに、準備も整い、もうやることは一つだけ。
 「よし、んじゃまぁ、いくか」
「はい」
それだけ言うと、2人はそれぞれ片方の扉に付き、「せーのっ」という合図で扉が一気に開け放たれる。
 
 まず目にったのは円形の部屋。そして燭臺を挾んで、そこにある生がいた。
 見た目は馬、だがよく見ると上半は人間で、その生は例えるならケンタウロスのような魔だった。
 だが、裕の頭の中にあるケンタウロスとはし・・・いや、かなり違っていた。
 その魔の背中には大剣、槍、片手剣、雙剣、鎌、などの、様々な武を背負っており、弓などは一つもない全て近接戦闘用の武だ。
 と、考察をしているに、ケンタウロスがこちらに気づくと、裕も警戒し、いつでもけるように、制を保つ。
 以前の魔達と同じに、問答無用で突っ込んでくるかと思われた、ケンタウロスの初手の行は裕にとって驚くべきものだった。
「‥‥人間‥か?」
((喋った ︎))
 流石のミスラもし驚いたようで、警戒心を強めて、後ずさる。
 いつまでも黙ってはいられないので、裕はとりあえず自己紹介をすることにした。
「俺の名前は佐野 裕。次の階層進む為にここに訪れた」
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 意外にも丁寧に話し始めた裕に、ケンタウロスはほんのし驚きの表を見せ──
「ほう、名を名乗るか。ならば我も名乗ろう、我が名はケンタウロス、先に言っておくが魔ではない。」
「え‥‥?」
 俺はミスラに視線を送る。それに気づいたミスラは、小さく顔を縦に振った。
 これに裕は、々な疑問が浮かんでくるが、裕が言葉を発する前に、ケンタウロスの言葉で沈黙を余儀なくされた。
「多きを語る必要もなかろう、我が存在する理由は、ここから先を進む者を斬り伏せること、ただ一つ」
 このケンタウロスの言葉に、張を走らせ、次の瞬間。
 ケンタウロスが消えた。
「ッ ︎」
 裕は、辺りを見回しケンタウロスを探す。あの図でこの速さ、そのままの速度で突進などされれば、一瞬ではバラバラになり吹き飛ぶだろう。
 その考えに至った寸前、後ろにずっしりとした気配をじた裕は、咄嗟に橫に飛んだ。
 すると案の定、ケンタウロスはそこに現れ裕がいた場所に片手剣を振り下ろしていた。
 その地面に片手剣は深々と刺さり、もう一歩避けるのが遅れれば、一刀両斷されていたことは確実だろう。
「我の初手の一撃を避けたか。お主、強いな。幾分か余裕もあったように見える」
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 ねぇよ!そんなもん!さてはこいつ力量測るの下手か!しかもさっき多きは語らぬとかなんとか言ってたのはなんだその饒舌さは!!しは有言実行しろよ!
 そんなことを思っている裕だが、それを口にだす余裕は全くなかった。ケンタウロスが不可視の猛攻をギリギリのところで避けているのだ。余裕なんてあるはずがない。
 実は遠くから見ていたミスラでさえも、ケンタウロスの初手を避けた時の祐の表には、余裕かあったように見えていたのだが、その事実がミスラの口から、裕の耳に屆くことはない。
 なお、ケンタウロスの猛攻の最中、細々とだが、聲が聞こえてくる。
『あか‥‥き‥ほのおよ‥‥‥‥あれ‥‥くるえ ︎』
『ファイアーブレス!』
 ケンタウロスの猛攻に耐えながら、なんとか完した魔法は、前に狼を消し炭にした魔法、ファイアーブレス。
 他にも、魔法はあるが、この猛攻の中、イメージがうまくでき、なおかつ威力が高い魔法となると、裕にはこの魔法しか思い浮かばなかった。
 そして、放たれた魔法は前回のよりはし威力が低いが、スキル『チャージ』のおで、十分な威力を発揮していた。
 それも、直撃は免れない至近距離での発、ケンタウロスは目を見開き、だが、きわめて冷靜に、
『斬』
 ブレスを切った。
 裕は、発した魔法で今現在最大の魔法を切られたことに、なからずショックをけたが、瞬時に驚いてる場合ではないということに気づき、心の中で躊躇しながらも、ある魔法を発する。
『ダークネス』
 そう唱えた瞬間、辺りはみるみるうちに暗くなり、あという間に闇が部屋全を覆った。
 裕は気配を消し、ある魔法の詠唱を開始した。
「ここにきて、目くらましか、いいだろう、吹き飛ばしてくれる」
ケンタウロスがそう遠くない場所で、それを口にした途端、剣を振る音と共に、暴風が巻き起こる。だが『ダークネス』はただの煙玉ではない。その結果風で、全を一瞬で晴らすのは葉わない、ケンタウロスはそれに気づき、何度も剣を振り風を巻き起こす。部屋の黒煙が晴れるまでに、かかった時間15秒。だが裕にとっては、それだけあれば十分だった。
晴れた部屋にはミスラ、ケンタウロス、裕が、『ダークネス』を発させる寸前の位置から全く変わっていなかった。
 唯一変わっていたものが───
「どこにそのような剣を隠し持っていた?」
そう、裕の手に握られているのは、沢を帯びた、漆黒の剣だった。
「さぁね、どこでしょう」
 ちなみに、なぜ裕が持っているはずのない剣を持っているかということに関して、まず剣を作る魔法は存在しない。
 ミスラでさえも固まって、意味がわからない、と言った表をしている。
 そう、魔法ではない、科學だ。
裕が持っている剣、それは、黒曜石で出來た剣。裕はそれをあろうことか、火と水の魔法を複合させて、たったの15秒で完されたのだ。
「ほら、俺も魔法ばかりで飽きていたところだったんだ。やろうぜ」
 そう言うと、裕は不敵に笑い、剣先をケンタウロスに向け、走り出す。
 するとまた、先程の不可視の攻撃を仕掛けてくる。だがこれに裕は
『幻刀!』
 スキル 『幻刀』で自分の分を作り出した、5ほど──
「小賢しい真似を、だが目の前で分などすれば、そんなもの何の意味もないぞ!」
 ケンタウロスは臆すこともなく、6人の裕の中に一瞬で現れ、本を確実に斬った。  はずだった。
「なにっ ︎」
切られたのは分。そして殘り5人の裕に囲まれ、その5人が同時に黒曜剣を振り下ろす。
 さすがのケンタウロスでも、囲まれていれば逃げることは不可能。イチかバチか、持っている剣で2本の振り下ろされる黒曜剣をけ止める。まさに賭け、この5本のうち止めようとしている2本に本がいなければ、斬られることにだろう。
 そして ギィン! とケンタウロスの剣は黒曜剣を止めた、2本ともを・・・・・。
「ぐはっ ︎」
 ケンタウロスが疑問をじる前に、答えは殘りの三本の黒曜剣により示された。
「分が攻撃できないなんていつ言ったよ?」
「き‥さま!」
 そう、裕が生み出した分は、打撃を與えることができたのだ。裕もそれに気づいたのは、魔と戦ってた時、牽制に分を突っ込ませたら、打撃を與えることが出來た事がきっかけだった。
その時はそりゃもう驚いていた祐だが、何故か分も驚いていた・・
 
 使っている自でさえ気づかなかったのだから、それを見た他人なら確実にそう錯覚するだろうということを、そしてそれを利用した。
 ケンタウロスに刺さった箇所は後ろ足、馬の部分の腹、そして人間の部分の左腕だった。
 以前囲まれていたケンタウロスは、それでも覇気は消えず、持っている片手剣で回転切りをして振り払った。
 今の攻撃で裕の分は、2人消されたが、裕は冷靜に2人の分に指示を送る。
 ケンタウロスも、もう先程のような瞬足の攻撃はできない。それを察してか、片手剣をこちらに向け、ある言葉を発した。
『付與エンチャント 雪嵐ブリザード』
 
すると持っていた片手剣に吹雪を纏う。それをケンタウロスは予備作も無しに振り上げ、氷雪の斬撃を飛ばしてきた。
「ヤバっ!避けろ!」
 分にそう呼びかける。軽く念じるだけでくのだが直接言葉に発した方が反応は早い。だがそれでも氷雪の斬撃は周りまでもを凍らせ、分を氷に閉じ込めた。
「チッ なんだよそれ反則だろ」
 『付與エンチャント  炎獄フレイムプリズン』
 次は片手剣に今にも発しそうな炎が渦を巻き、斬撃を放つ。
 どうする..!避けるか?でもこの範囲攻撃じゃ間に合わない.....!
「ならば..迎え撃つ!!」
 あれを止めるには黒曜剣では到底無理だ。ならやるのは魔法。それも中級では威力が足りない。出來るだけ強く、それでいて広範囲に及ぶ水魔法....!
........そんな魔法ミスラから聞いてねぇ!!!
ヤバいヤバいヤバい!どうする!チャージはさっき使っちゃったから當分貯まるたまでは無理だ!となるともう中級魔法を連続で発して────
必死に解決策を探す祐。だがもう広範囲の荒れ狂う炎が迫ってきている。何もしなければ丸焦げ、そして考えているうちに中級魔法の詠唱の時間さえなくなった。
そのとき──
〔うるせーな....ちょっとは靜かに出來ねぇのか..ろくに眠れやしねぇ....替われ〕
そんな聲が聞こえた時、祐のに何かが起こった。
「............うぉ、いきなりこんな場面とは....人使いが荒いな....」
 その聲の主は誰が聞いたとしても、裕の聲だった。
『氷獄ホワイトプリズン』
 そして祐がそう発した途端、ケンタウロスが放った広範囲の炎と同等の、いやそれ以上に広がる吹雪が炎とケンタウロスをも巻き込んだ。
やがて吹雪がやみ、円形の部屋は一面白銀の世界になっていた。
「な、何が起きたんですか....?」
ドアの隅で見していたミスラでさえも、今の狀況はあまり分かっていないらしい。
「なんだ、ここは部屋だったのか、もっと広いと思って加減を間違えてしまったな」
 するとそこに聞き覚えのある聲が聞こえてくる。
「祐‥ではないですね」
「ん? おぉ、お嬢さんまた會ったな。元気だったか?」
「はぁ、まぁ」
 ミスラは困ったという様子で、返事を返した。
「なんだ、俺の正は知っているのだろう? 何をそんなに呆然としている」
「・・取り敢えず、本人はどうなったんですか?」
「んぁ? あぁ、しっかりいるぞ? 命の危機だったんでな、一時的に替わったのさ、まぁ正確には『戻った』と言うんだろうがな」
「そうなんですか。じゃあその調子でそこに倒れてる中ボス倒してくれませんか?」
 ミスラは雪に埋もれているが確かに生きているケンタウロスを指してそう言う。
「こいつの記憶は俺にも屆く。まぁそりゃ本人の記憶なんだから當然なんだがな。それを踏まえて言うと、あの馬野郎は本人....祐の奴が1人で倒すって言ってんだろ?それなら俺の介はここまでだ」
「え?ちょっと!待ってください貴方にはまだ....逃げましたね......」
ミスラは、一見何も変わってないように見える祐の雰囲気が変わったことにより、居なくなったことを察したらしい。
「....あれ?ここは....?炎は?」
「祐!早く制を立て直さないとケンタウロスがすぐ起き上がりますよ!」
 ミスラは取り敢えずその場しのぎの説明を、と考えたが急に面倒になったのでやめたようだ。
「え?あ、あぁ」
 祐も周りの景が変なことになってるのは
気づいていたが、々と頭が混して、敵だけに集中することにしたらしい。
「ぐはっ...!」
 盛り上がった雪から出てきたのは當然、ケンタウロス。
「貴様....何をした........?」
そんな事を言われても何も覚えていない祐はこう答えるしかない。
「....何も」
「ふざけているのか?」
 死ぬ寸前だった敵から詠唱もなしに自分の攻撃を上回る魔法で返してきたのだ。それなのに返しが「....何も」では納得は行くはずもない。
「悪いけど覚えてないんだ。この雪は俺がやったのか?」
「そうだが....もういい、今ここでは殺るか殺られるかの2択しかない。余計な詮索は無意味だろう」
「....お前それ言いたいだけだろ?」
 さっきから無口な武人みたいなの気取ってるけどこいつめっちゃ喋るやん!というのは祐の心からの突っ込み。
「....ハァァッ!」
 俺の言葉を無視して、背中の槍を取り、炎を纏わせ始めた。
「技で誤魔化すなよ!『ウィンド!』」
それに対抗して祐が繰り出したのは、水の魔法ではなく風だった。その狙いはケンタウロスのし下、雪に向かいその風で雪を持ち上げ、槍の火を消した。
「何故かもう魔力があまり無くてな、節約させて貰うぜ」
「小賢しい真似を...!」
ケンタウロスは魔法をまた使うと思いきや、槍に何もしないまま全力投球してきた。
 時速200キロは超えているであろうそれを祐は、黒曜剣で軌道を逸らして弾く。
「そろそろ、先取代だ」
それだけいうと祐は一気に距離を詰める。
ケンタウロスも長剣を取り出して、祐の撃退を狙う。
ギィン!剣と剣があい、そしてその音を合図に無數の剣戟が始まった。
け止め、弾き、斬り、弾き、流し、斬り、の繰り返しを凄まじいスピードで行っている。一瞬でも剣筋を見失えばその瞬間には、首が飛んでいるであろう戦い。
「んぐっ!」
 それが數十秒ほど続き、ついにその剣戟が崩れた。
 崩したのは祐、剣の腕では耐久戦に持ち込まれば勝ち目はないと知っていた。だから剣戟の中のほんの數瞬の隙、そこに的確にある複合魔法、雷を流した。ミスラが使った『サンダー』と比べると、威力は10分の1程になってしまうものの首に當たればスタンガンほどの威力はある。
 つまりそれが當たると電気により、その隙を大きくできる。そしてその隙を祐は見逃さない。
『付與エンチャント ファイアー』
 それを発したのは祐、ケンタウロスが使っていた魔法、それを再現したもの、だが付與させる魔法が弱いと、ケンタウロスに安堵の目が浮かぶ。だがそれは間違いだった。
 付與された『ファイアー』はただでさえ祐が放つことにより威力が高まっていると共に、ある程度溜まったチャージにより、『ファイアーブレス』ほどの威力を持っていた。それを熱気と祐の目を見てじたケンタウロスは、一気に顔を青ざめ、未だかないをかそうとする。
「させるかぁぁぁぁ!」
先手必勝。祐はケンタウロスの首を狙い──
焼き斬った。
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ボス系の戦闘シーンを書くのは初めてだったのでし迷ってたうちに時間が掛かってしまいました。
不老不死とは私のことです
うっかり拾い食いした金のリンゴのせいで不老不死になってしまった少女、羽鳥雀(15歳)。 首の骨を折っても死なず、100年経っても多分老いない彼女が目指すは、不労所得を得て毎日ぐーたら過ごすこと。 そんな彼女は、ラスボス級邪龍さんに付きまとわれながらも、文字通り死ぬ気で、健気に毎日を生きていきます。 ※明るく楽しく不謹慎なホラー要素と、微妙な戀愛要素を盛り込む事を目指してます。 ※主人公とその他アクの強い登場人物の交遊録的なものなので、世界救ったりみたいな壯大なテーマはありません。軽い気持ちで読んでください。 ※魔法のiらんど様に掲載中のものを加筆修正しています。
8 64VRゲームでも身體は動かしたくない。
多種多様な武器とスキルや様々な【稱號】が存在するが、職業という概念が存在しない<Imperial Of Egg>。 古き良きPCゲームとして稼働していた<Imperial Of Egg>もいよいよ完全沒入型VRMMO化されることになった。 身體をなるべく動かしたくない、岡田智恵理は<Imperial Of Egg>がVRゲームになるという発表を聞いて気落ちしていた。 しかしゲーム內の親友との會話で落ち著きを取り戻し、今日も<Imperial Of Egg>にログインする。 當作品は小説家になろう様で連載しております。 章が完結し次第、一日一話投稿致します。
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