《異世界転移するような人が平凡な高校生だと思った?》33話 脅威再來

「やった....んだよな?」

 ケンタウロスの首を完全に斷ち切った。

これでまだ戦い始めたらもう魔力も力も底をつきかけてる祐にはどうしようもない。

「そんなにチラチラと死を見なくとも死んでますよ 」

「そ、そっか....うぉぅ!?」

 祐がミスラの言葉に相槌をすると、突然ケンタウロスがり始めた。

「ミ、ミスラさん? 大丈夫なのこれ?」

「何ったくらいでビビってるんですか。 多分このケンタウロスは自分の元いたところに帰るだけですよ」

 ミスラの言ってることがイマイチよく分からない。といった風の顔をしていると、それに気づいたミスラが説明しだした。

「初めに言ってたでしょう。魔ではないとかなんとか。それはこれが召喚されたものだからですよ」

「召喚?」

 祐はケンタウロスが言っていた事を思い出す。

「じゃあつまり、俺と同じ転移者.....って事か?」

々と狀況は違いますがね。まぁ種別としてはそうでしょう。ですが今回は、ケンタウロスに運がなかったようです。恐らく、召喚したのは魔王ですから」

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 確かに、それならなんとなく辻褄は合う。あのケンタウロス、如何にも武人 ってじのだったし、強き者には従う。みたいなところありそうだったからな。

「ん? でもあれが俺の知ってるケンタウロスなら、なんで弓じゃなかったんだ?」

 初めにじた疑問。近接武しか持っていなかった。歴史が間違っていたと言われればそれで終わりだが、戦った俺には分かる。槍を投げてきた時、まるで弓で矢を飛ばしてきたようにじた。あれは完全に弓を使えるだろうと思った。

 そして祐の疑問に答えたミスラの発言は、ある意味拍子抜け、というじのものだった。

「知りませんよ、そんな事。 召喚された時魔王にでも調教されたんじゃないですか? 90階層のボスが弓を使うなんて認められない!みたいなじで 」

「哀れすぎる....!」

 祐はもう殆ど消えかけてるケンタウロスの死骸を見て、手を合わせる。

「まぁこれでボスは攻略かー....ん? なんだこれ。もしかしてあれドロップ的な?」

たまたま目に止まった場所にはケンタウロスが持っていた武や謎の水晶みたいなのがあった。

「そのようですね。これで武には困らなくなりそうです。」

「確かにそれはそうだけど....あの量の武は持っていけないぞ? 選別するのか?」

「それもアリですが、90階層のボスなら多分あれがあります。」

そう言うとミスラが沢山落ちてる武の中から水晶を取り出す。

「ふむ、これですね。 祐、これを鑑定してみて下さい。」

 祐は言われるままに水晶を鑑定する。

 

次元水晶    :   水晶にをしまうことが出來る。容量は未知。

「あー....出たよRPG要素」

「なんで便利なものをゲット出來たのにとょっと困った顔してるんですか貴方は....」

「いや、いいんだけどね....  んでこれ鑑定してみたら、容量が未知って書いてあったんだけど、もしかして、無限にったりしないよな?」

もしそうだったら流石にチートすぎる。

「えぇ、多分それは鑑定のレベルが低くのが原因でしょう。無限になんて神レベルですから」

一応あるのね....無限にるのも

「なるほどな、まぁでも90階層でドロップしたものだし結構りそうだな。あ、ミスラ何か武使う?」

 ミスラは、そもそも魔法と理、どちらが得意なんだろうか。

「えぇ、では護用に短剣だけ」

「おっけー好きなのとってってくれ」

 護用ということはメインは魔法と言うことで良いんだろうか。

「祐は何を使うのですか?」

「ん?いや、俺は自分のがあるからいいかな」

そう言って祐は手元にある黒曜剣を見せる。ケンタウロスと剣をえた後のものだがそれには全く刃こぼれ無く、黒い刀沢によってっていた。

「戦闘中ずっと思っていたのですが、それは本當にただの黒曜石で出來た剣ですか?」

「....?  どういう意味だ?」

ミスラの言ってる意味が分からず聞き返す。

「もしそれがただの黒曜石出で出來ていると言うのなら、おかしいんです。黒曜石は鉄より固く無いはずですから」

それを聞いてようやく理解出來た祐は、直ぐにまた先程の顔に戻り、じゃあ何故?と言う顔をした。

「その顔....自分でも理解出來ていませんね?」

「い、いやぁ....俺、科學とかそこまで詳しい訳じゃないからさぁ..あはは」

「はぁ..鑑定してみてはどうですか....」

ジト目で見てくるミスラはそう提案した。

祐も言われたとおりに鑑定をしてみる。

魔剣  :  黒曜石でできた魔剣。特殊効果はないがすごくい。

「魔剣....? これ魔剣らしいぞ? この世界だと魔剣ってどういう立ち位置なんだ?」

「はい....? 聞き間違いでしょうか、今魔剣と聞こえたのですが、真剣ですか?漢字を読み間違えたんですか?」

「どんな間違え方だよ....そしてそれは剣じゃない......魔剣だよ。 魔の魔と書いて魔剣だ。ってかなんだ?またなんかやばいものなのか?」

「やばいと言うかなんと言うか....居たたまれないと言いますか.... 魔剣生や魔剣の創造は魔人族や魔王といった者達しか出來ないと言われてるので........」

 それを聞いてミスラが言いたいことをなんとなく理解した祐は、驚くでもなく特になんとも思ってないという風に、會話を続けた。

「なんだ、そんな事か。別に気にしないぞ? 出來ることが増えたんだから寧ろプラスだ」

「そう..ですか、ならいいんですが」

「おぅ、でも元はただの黒曜剣を作ろうとしてこうなった訳だから、魔剣の作り方なんてよく分かってないんだけどな。 ミスラはなんか知ってるか?」

 そう言うとミスラはし悩むような顔をする。

「私は鍛冶については専門外です。今度魔族にでも聞いてみてはどうですか?」

「え? 話が出來る相手なのか?」

てっきり魔王に従えられて、人間にとっては敵。みたいなものだと思ってたけど....

「そりゃ魔人族にだって一応・・考える頭はあるんですから當たり前でしょう」

「今なんか言葉に棘がなかったか....?」

「ありません」

 絶対にあったと思うんだけどなぁ..

「じゃあ魔族にも結構友好的な奴はいるってことか」

 祐がそう結論づけると、ミスラがそれを否定する。

「いえ、友好的の友の字もないですよ? 」

「....ん? どうゆこと?」

「だから、友好的ではないと言ってるんです。ですけど流石に猿よりは知能がありますから、半殺しにして捕まえれば話を聞けると言ってるのですよ。前の察し能力はどこにいったのですか?」

「今そんな騒な話してたの!?」

 まるで普通に話しかける方法なんてそれ以外に無いだろ? 何言ってんだ? みたいな顔でこちらを見てくるミスラ。

「普通に話しかける方法なんて──」

「いや、言わなくていいから」

 俺の考えてたことを一言一句間違えずに言いそうだったミスラの言葉を遮る。

「まぁ魔剣の話はまた後ででいいや..まずは100階層まで行ってボスを倒して、ダンジョンを出しよう」

ミシッ

「そうですね」

これに賛するミスラは、立ち上がり準備をする。

ミシッ メキメキッ

「「........」」

無言で準備をする2人はフラグとなりうる、ある言葉を言うかどうか迷っていた。

ピキッ

痺れを切らして祐がそれを口にする。

「なんか....音が聞こえないか..? まるで壁が....ひび割れているような..」

「そう..ですね。 聞こえます。 天井から・・・・──」

ミスラが妙に響く聲でその言葉を発すると──

ズドォォォン!!

天井から瓦礫とともに何かが落ちてきた。

それは瓦礫に埋もれていたが、やがて蠢き、這い出てきた。

漆黒の、全て筋でできているかのような軀、そして頭には2本の角が生えていて.....手には大剣を2つ持っていた。

「....ミノ..タウロス....」

忘れもしない、祐をここまでピンチな狀況に仕立てあげた魔。そして同時に1度負けた相手だ。

「ガァァァァァ!!」

 脅威は迫る。最悪、では説明しきれない祐の悪運によって。

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