《異世界転移するような人が平凡な高校生だと思った?》60話 事聴取

 ギルド中に轟いたシスティの聲で一悶著あったものの、それもし落ち著きを取り戻したところで、ギルドの一番偉い人とお互い換することになった。

 だがその前に、

「ミスラ、ここはいいからシュナと必要なもの買ってきてくれないか?」

「....はい?」

 ミスラとシュナは別に疑われていないし、事聴取は俺一人で十分。それよりも、ボロボロの服などをどうにかしたかった。ダンジョンでは、水魔法を使ってや服を洗ったりはしていたが、いかんせん戦闘続きだったので、ミスラとシュナはマシにしても、俺の服は切れたり破けたりしていて、そこらのホームレスよりも酷い見た目だ。

「何か問題あるか?」

 俺程度の思なんて分かってるだろうに、何故か疑問形で返すミスラに違和じた。

「い、いえ...買いは別にいいんですが、なんですか、それ」

 ミスラの視線を追うと、俺がミスラに今まさに渡そうとしている皮袋にった次元水晶に目がいっていることに気づいた。

「いや、だって金持ってないだろ?」

 「だったら幾らか取り出せばいいじゃないですか....」

「? でもどれくらい使うか分からないし。これごと持っとけばいいじゃん?」

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 俺は何か間違ってるのだろうか。普通にミスラの考えてることが分からない。

「はぁぁ....あのですね。いくら私達を信じてるからと言って、全財産と武などもったそれを渡しますか?普通」

「渡すけど」

「バカですか?バカなんですね?」

 なんで俺貶されてんの?

「とにかく、何があるかわからないんですからそれは祐が持っていなさい」

「あ、うん」

 そう言ってミスラは次元水晶から幾らか金貨を取り出すと祐に水晶を返す。

 何があるか分からないのはそっちもだと思うんだけど....

 そう思ったが、何となく是が非というミスラの雰囲気の前では言えなかった。

「じゃあ、大丈夫だとは思うけど、一応シュナにこれは持たせといてくれ」

 俺は次元水晶から、シュナの獲。メリケンサックを取り出し、渡す。

「まぁ、それくらいならいいですけど」

「よし、じゃあ1時間後くらいにここに集合な」

「...はいはい、分かりましたよ。時間まで設定するなんて、どれだけ私たちが心配なんですか」

 いや、二人が強い事は知ってるけど、そんな格好をしたの子が二人だけで街を出歩くんだぞ?もうし自分の容姿の良さを自覚してしい。あと

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 シュナがメリケンサックをけ取ると、ミスラは文句を言いながらもシュナを連れてギルドを出ていった。

「そろそろ、宜しいですか?」

 「あ、待たせてしまってすいません」

「いえ、では落ち著いた場所で話す事にしましょう。こちらへ」

 そう言って移を促す偉そうな人。というか、この髪型をオールバックにしたヤクザみたいな顔の人。ギルドではどういう立ち位置なんだろう.....

「ウェストさんはこのギルド支部の支部長なんですよ」

 なかなか聞けずに迷っていると、何故か著いてきているシスティさんが、耳打ちして教えてくれた。

「なるほど、そうなんですか」

 支部長!ギルドマスターとは呼ばないんだな。

「ところで、何故システィさんも來てるんでしょう?」

 付の仕事は?完全に放ったらかしだよね?

「今までやっていた仕事が一気にやらなくて良くなっちゃったから暇なんですよ。クエストもまともなのがないから大丈夫です」

 なるほど.....にしても軽くね?俺今これからギルドの1番偉い人と話すんですが.........

「それに、ティファの事もありま──」

「ティファは無事なんですかっ!?」

 唐突に発せられたその単語に、思わず最後まで聞く前に聞き返してしまった。

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 あの時、ミノタウロスに斬られそうになったティファを庇った時のことはまだしっかり覚えている。下層への縦にはティファは巻き込んでいなかったと思うが、あいつはそこで引き返せるような奴じゃないと知っている。

 短い間しか一緒に居なかったが、ティファはツンツンしていてるが、あれでいて優しい奴という事だけはよく分かってる。

「えっ...?ちょ、一回落ち著いてください」

「........はい、落ち著きました。それでティファは?」

 まだあまり冷靜にはなっていないが、そんな事よりも今は安否だった。もしも、まだダンジョンにいて、行方不明なのであれば、今すぐダンジョンに戻って探そうと思っていた。

「..無事ですよ。ただ、ティファは貴方が死んだと思ったまま旅立ちましたけど」

「は?」

 た、旅立つ?なんでそうなる...?

「えっと.....取り敢えず無事なら良いんですけど、どういう事ですか?まさか俺が死んだのは自分の責任だとか思って....?」

なからずそう思ってたじでしたけど、心配することは無いですよ。1人で抱え込むのはやめたらしいですから。まぁ、細かい事は部屋でしましょう」

「....そうですか」

 今までは1人で抱え込んでいたのか?......何を?

 まぁ、無事ならいいか。と思い、ようやっと落ち著きを取り戻す。

 支部長に案されて、部屋に著く。中には客人を迎えるためのソファが向き合う形で2つ。その奧には數々の資料と書類の山が積み重なっている支部長の機があった。見るだけで普段の苦労が伺える。

「散らかってて申し訳ない。そこのソファに座ってくれるか?システィくん、お茶を」

「はい」

 言われた通りソファに座る。

「こちらも早めに事態を収集させたい。早速で悪いんだが、いいかね?」

「えぇ、もちろん」

 こう見ると支部長、結構イケメンだな。イカついけど、聲も落ち著いてる大人ってじでにモテそう。なるほど、つまり俺の敵ってことだな。

「....なにか、とても不本意な事を思ってないか?」

「いえ、まさか」

 だからなんで俺の周りにいる連中は皆エスパーなんだよ。

「.....すまない、勘違いだったようだ。最近仕事がドッと増えて頭がおかしくなっていたんだろう」

「何かあったんですか?」

 自分でも口がったと思った。この世界の常識などを、全く知らない狀態で聞くべきじゃなかった。この街のことでさえ名前以外、地図上の何処にあるかも知らないのだから。

「君の事だよ、佐野くん。いや、今のし語弊があるな。君と一緒にダンジョンの縦に落ちた、魔王の事。と言った方が適切か」

「魔王....になる可能のある魔。じゃ無かったんですか?」

「世間ではそういうね。希的観測の為に。けどね、知のない魔に知が芽ばえた時はほぼ100%魔王になる魔。と我々は捉えているよ。実際、そうだからね」

....まぁ、確かにシュナは魔王となった訳だし、信憑は高い。

「それで、聞きたいことというのはそのミノタウロスの事ですか?」

「うん、そうだよ。君がダンジョンをクリアしたということは聞いている。そして、そのミノタウロス。君が魔王にならずに倒したというのなら、この場では『異常種』と名付けておこうか。その『異常種』を君が倒したという確証がしいんだよ。我々は」

 証拠か....あるかないかで言えば、ない。

 シュナが人間のになった時、ミノタウロスの死骸は灰になっていた。なんのドロップも落とさなかったのだ。

「確認しに行くのは不可能なんですか?」

 ギルドの方でダンジョンをクリア出來る程の人材を派遣して、隅々まで調査する。出來ないことは無いはずだ。普段、冒険者達が、大人數でパーティを組まないだろう事は何となくわかる。利益が減るからだ。けど、國とギルドの関係然り、ギルドと冒険者の関係も、世界の危機であれば例外ではないはず。

「結果だけで言えば、無理だ」

「....なぜ?」

「君は恐らく腕のいい冒険者を集めて、大人數パーティを作ればいいと考えているのだろう?だがそれはダンジョンの狹い窟の中ではとても困難なんだよ。君は三人でダンジョンをクリアしたと言ったね。とても素晴らしい事だと思うよ。とても普通の人間が出來ることじゃない。けど、だからこそ大人數でダンジョンに潛る恐ろしさを知らない」

.....完全に図星だった。

 確かに大人數で行くなら、數でのチームワークとは違った、また別のチームワークが必要となるかもしれない。それも増えれば増えるほど。

 數であれば戦闘時、皆積極的に行き過ぎてもダメだが、數な分どんどん前に行かなければダメだ。だからこそ戦闘が辛いとじる。ない人數の為、連攜が限られる事で、形にはなるが、もっと人がいれば。と思わなかったことは1度もない。

 だが、大人數となると、連攜はもちろん。メンバー全員の調管理、そして様々な陣形などがあり、一朝一夕で出來たパーティでは到底出來ることではない。

それこそがダンジョンの攻略が難しい理由か。多すぎたら連攜が難しくなる。數であれば、魔の數とボスの圧倒的強さにすすべなく死んでいく。

 犠牲を厭わないというのなら、多は戦えるだろう。だが、冒険者は國の為に命を掛ける兵ではない。協力はしても結局、一番大切なのは自分の命なのだ。

「証明する方法、ある限り提示して貰えますか?」

 考えが及ばない以上、外部から聞くしかない。生憎、あのダンジョンにもうミノタウロスが居ないのは確実だ。だから今してるのは、シュナの正を隠す為のものだ。聞く限り、魔王は絶対討伐!って口ぶりだからな。

「...そうですね。簡単なものであればドロップ品。またはその魔の核。後者は核を攻撃して倒した場合は100%殘りませんが。あとは....最悪の場合、その時の戦いで負傷した傷などでも構いません」

 傷?急に審査基準軽くなり過ぎじゃないか?そして、それで証明できるとしても、俺は目に見えるほどミノタウロスの時のシュナにに大した傷は負わされてない....

 殘念だが、どれも無い。そう言おうとする前に、ウェストさんが口を開く。

「見ると貴方は、腕を無くしているようですが、それが『異常種』と戦った時の傷でしょうか?」

 言葉に釣られて自分の無くなってしまった腕を見る。これなら言い訳としては十分かもしれないな。......けれど

「いえ、違います。これは最終階層で負わされたです。ミノ...『異常種』に負わされた傷は殘念ながら殘ってないですね」

 正直に言うことにした、ここで噓を言っても仕方ない。最悪、ミスラとシュナ。そして1人、証人を連れてダンジョンに潛ればいいだけの事だ。シュナを守るためならどんな遠回りもして見せる。

「........ふむ、分かりました。じゃあ『異常種』の事は解決という事で」

「え?」

 解決....?言い間違えだろうか。

「えぇ、解決です。それでは次に──」

「ちょちょちょっと待ってください」

「はぁ..?何でしょう?」

 さも、俺が會話を止めた理由が分からないといった顔をするウェストさんだが、その目はどこか面白そう。

「何故今ので解決なんですか?」

「これでも私は目には自信がありましてね、ティファくん程ではないが、噓を見破るのは得意なんだ」

 いろいろ初耳の報が頭を駆け回る。ティファ?何故そこでティファが出てくる.....?

「.....えっと....つまり?」

「君が『異常種』を倒した事に関して噓をついてないと私自じた。それが答えだ」

 それでいいのか支部長.....俺が信じたからこいつは大丈夫だって言って信じる奴いるの?

「それで上は納得するんですか?」

「するさ、私が進言すればね」

 この人何者だよ.....

「というか、噓を見破れるんだったら、最初から分かってたんじゃないんですか?」

「うん、知ってたよ」

 そう簡単に言ってみせるウェストさんにガックリと項垂れる祐。

「でもね、私は噓の反対は真実とは限らないと思うんだよ。もしも君の言っていたことが全て噓で、でも君自は妄想の中で『異常種』を倒し、ダンジョンを攻略したとしたら、噓を噓だと見破ることが出來ない」

「.....いやでも....ダンジョンをクリアした証はありますよね?」

「うん、そうだね。だから『異常種』を倒したという言葉は疑ってなかったよ」

「じゃあ何を」

 言っていることがめちゃくちゃだ。ダンジョンクリアも『異常種』討伐も疑ってないのなら、何を疑ってる?

「何か、誤魔化してるような気がしてね。そこが引っかかるんだ」

「っ」

 この人、思ってた以上にヤバい人だ。真実にしばかりの噓を混ぜただけで、「何か違う」と勘づいてしまうとか、もはやチートレベルだろ.....

 どうする、言うか?けど、ギルドがどうくか分からない以上、俺だけの判斷で打ち明ける訳には行かない。

「.........うん、でもやっぱ君は大丈夫だ」

「へ?」

「もしかしたら、目的はわからないけど、『異常種』を庇ってるんじゃないかと思ったんだ。さっき聞いた傷の話、もし庇ってるなら欠損した左腕を『異常種』のせいにすれば話は早かった。けどそうしなかった。疑問は殘るけど、今回は私の勘を信じてみようと思う。不思議と私の勘を疑う人は知り合いには居ないんだよね。あ、因みに言っておくと傷だけでは、魔を倒したという証拠の片鱗にもならないよ」

「..........」

 開いた口が塞がらなかった。この人は本當に何者なんだ?

 ただ、一つだけ言えること。それは「この人は絶対に敵に回しちゃいけない」という事だけだった。

***

「さて、これから聞くことは、答える義務はありません。黙したければ黙して良いです。それでまた疑ったりすることはありませんので気軽に答えてください」

「じゃあもう聞きたくないです」

「まず1つ目」

 無視か?おい無視か?  答えなくてと良いとか言ってるけど黙してもどうせ、導尋問して噓ついてるかついてないかで判斷する気なんだろ?筒抜けなんだろ?

「貴方はたった最近までレベル1の新人冒険者でしたよね?どうやってダンジョンの深層で生きていられたのですか?」

 黙しても意味ないのは分かってる。勝手に探られても面倒だし、正直に言うか。

「あるスキルのおかげです」

「ほう?スキルですか?聞いても?」

 わざわざそんなこと聞くな白々しい。

「『転生者』。わかります?」

「.......えぇ、知ってますよ。前世の能力をけ継げるスキルですよね。そんなに稀でもないスキルです」

「え、そうなの?」

「詳しい容は知らないようですね。どこまでご存知ですか?」

「前世の能力をけ継げる。と言うことだけですね」

「なるほど、ではけ継げる割合については知らないと?」

「はい?え、100%じゃないんですか?」

「もし100%だったら、今この世界は化けだらけでしょうね」

.....まぁそうだよな。単純に人生2回分の能力ってことだもんな。

「『転生者』でけ継げる能力は10%です」

.........え?

「じゅ、じゅっぱーせんと?」

「? 妥當な割合だと思いますよ?」

 あぁ、そうじゃないんだ。確かに妥當な數字だ。それくらいであれば、世界のバランスが崩れることも無い。だから、1番意味不明なのは、俺のステータス。

「すいません。ちょっと」

 斷りをれて直ぐにポケットにってるステータスカードを見る。

---------------------------------------

名前: 佐野  祐

種族:人間

Lv:  100

力: 867560

攻撃力:952600

力:864800

魔力:1054550

知力:1107550

運:863900

スキル:

言語理解、進化、魔法適正、幻刀、潛伏、鑑定、マッピング、蓄積チャージ、付與、気配知(+熱源知)、気配遮斷、剛力、剣、障壁プロテクション、強化ブースト、重力作:増幅グラビティブースト、重力減衰グラビティダウン、質化、魔剣創造

稱號:

転生者

転移者

世界に呪われし者

神殺し

姫の加護

---------------------------------------

 なんか、々と項目が増えているが、今はそんなことはどうでもいい。それよりも大切なのは數字の方。Lv100になって數値はもう上がってないが、それもどうでもいい。

 一番大切なのは、80萬〜100萬まで増えているステータス。きっと殆どは『転生者』のスキルで増えた數値だ。これは何となく分かる。何故分かるのかと言われれば、自分のだからとしか言い様がないが、簡単に言えば、自分自の能力と見合ってない・・・・・・とじたからだ。

そして、け継げる割合は10%ならば、前世ではやく800萬〜1000萬の數値。超越者だったとしたらそれ以上。ここまでは良い。前世がどう考えても化けなステータスというのはあるが、そうではなく。1つ、俺の力を制限させられている稱號があるのだ。

 『神殺し』....神を殺したものに與えられる稱號。この稱號を所持している者は、全ステータスの90%が使用不能となる。

 つまり、ここでも10%に制限させられている。....という事はだ。俺は実質、前世の能力の....ぃ...い..1%しか......力を引き出せて....ない?

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