《異世界転移するような人が平凡な高校生だと思った?》69話 再會

「ミスラっ!」

振り向くとそこには褐がいた。髪は桃で外見的には17歳くらいに見える。出度の高い服を著ているのと、外見的年齢に見合ってないバストとスタイルも相まって、そのが放つ雰囲気は、真面目はミスラとは対照的に、なんだか軽そうだ。

 あのミスラがいつの間に知り合いを?とは思ったが、ここは2人の會話を見守ることにした。なんか褐の子がめちゃくちゃ「の再會!」ってじでミスラに詰め寄ってるからなんか聲掛けずらいし。

「......誰ですか?」

 知り合いじゃないのかよ!!という言葉はグッと堪えて見守る。

「あたしよあたし!え?分かるでしょ!?」

「あたしあたし詐欺なら間に合ってますので、行きましょう、祐」

えぇ....

 ここからが生まれるのかと思いきや、そんなことは無くミスラに俺は半ば引っ張られるように歩き出す。だが、もちろん褐はそれで納得するはずもなく

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「ちょ、何百年も一緒にいた神友を忘れたの!?」

 その言葉にミスラは眉をぴくっとさせて立ち止まり、もう一度褐の顔を見る。

「.............まさか、ロキ?」

「おっそ!きづくのおっっっそ!!」

「だって貴方、そんなに黒くなかったでしょう。髪もそんなではなかった。変わるはずのない神としての自覚あります?」

「変わらないのは中だし?あたしの外見なんてもう數え切れないほど変えてきたの知ってるでしょ?まぁ、ミスラは変わってな....いや、変わったわね。何その口調、気持ち悪!前はどんな人でも話しかけられた瞬間、第一聲が”死──」

「それで、貴方はここで何をしてるんですか?」

 ミスラは笑顔で言ってるがその顔には「それ以上言ったら殺す」というのがありありとじ取れる。

 

「....まぁ別にいいけどー。人にあんな面倒なの事頼んでおいてそれはなくねー?」

「面倒.............なるほど、貴方が協力してれてたのですね」

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「ねぇ、今忘れてなかった?一瞬"何を言ってるんだこのアホ娘"みたいな視線まで送っといてそれ?いつしかの喧嘩再開させたろうかぁ?」

「それは悪いとは思ってますが、この世界に協力を要請した時、手紙の返事に名前を書かなかったあなたも悪いでしょう。あと、アホ娘で々とぺったんこなのは神々の間で知れ渡ってる事実です」

「ぶっ殺すッ!」

「ちょ、まてまてまてまて!なんでそんな空気になる!?仮にも友達通しで久しぶりに會ったんだろ!?」

 喧嘩でもし始めそうな雰囲気だったので仕方なく聲をかける。この2人から「の再會」の1文字もじ取れない。それとミスラが言ってたぺったんこってのはなんだ?このロキと呼ばれた神様は頭の方は知らないけど出るところは出ている気がする。違う意味だろうか?

「...誰?」

「あの手紙の人ですよ。あ、忘れてます?」

「やかましい覚えてるわ!....へぇ、こいつがねぇ......」

「な、なんすか」

 ロキは俺に意識を向けてくる。だが、すぐに興味がなくなったように視線を逸らした。

「ふーん、まぁいいけどさー、うちらのの再會を妨げてどういうつもり?」

「か...なんだって?」

 今のどこにが....人の、いや神の友は複雑なのか..?

「あーやだやだ、うちらが本當に喧嘩すると思ってるわけ?これでも何百年も生きてる神が、今更コンプレックスで怒りなんか湧くわけないでしょってーの」

「そ、そうか」

 確かにそうなの...かも?そんなに長い期間生きたことないから分からないけど。

「──でもパットなんかをしてるって事は、何百年経った今でもそのぺったんこを気にしているという事ですよね?」

「あんたマジでぶっ殺すかんなぁぁぁ!!」

....これは本當に怒ってないんだろうか

 取り敢えず取っ組み合いが始まる前に2人を止めにるのだった。

***

 ここでは落ち著いて話が出來ないという事になり、俺らはシュナの優勝祝いにマンガに出てくるような骨付きを一本買って宿に戻ることにした。

 俺は部屋に著き、1度荷を置くと早速ミスラとシュナの部屋へ行く。部屋決めに関しては3人で一部屋でいいとか言い出したミスラだったが、勿論卻下。結果的に、ミスラとシュナはベットが2つある部屋で同室となった。

 ミスラ、ロキ、祐の3人が同じ部屋に集まり、最初にロキが話し始めた。

「じゃ〜えーっと...もう連れてきていいの?」

「....まぁ、そうした方が早いですね。お願いします。祐、これから起きる事に絶対に驚くかと思いますが、直ぐに説明しますので言いたいことは沢山あるでしょうが我慢してくださいね?」

「お、おぅ」

 ミスラがそこまで言うってことは俺が確実に驚く事なのだろう。でも、それならこんな小さい部屋で大丈夫なのだろうか。

「じゃあやるよ〜〝契約に基づき、我が元に集え〟『契約召喚サモン』」

 部屋の地面に青くる魔法陣が出現する。その中から強いが盛り上がるように出てくると、そのは形を変え行き、変化しなくなった時には人の形となっていた。その數....3名。

 召喚が無事終了したのか、魔法陣は消えてなくなり、外裝に纏っていたかのようにが剝がれ、霧散して行くと共に、その人達が顕あらわになる。

 そして、それは俺にとってとても見知った人であった。

「......え.........?」

 召喚された3名はそれぞれ驚いており、キョロキョロと辺りを見回すと、最初に俺を見つけた1名が目を見開いて飛び掛ってきた。

「おにぃ!!」

 そう、突然俺の目の前に現れたのは、紛れもなく俺の妹である佐野 結さの ゆい。そして後から俺に気づき安堵の表を浮かべた馴染の坂上 蓮さかじょう れんと香山 麗華かやま れいかであった。

 確かにこれは驚く。なんせ友人と家族が俺と同じように異世界に來たんだ。なんで來た?俺の時と同じように邪神の討伐を頼まれたのか?というか異世界転移させる人材の條件は?この3人は俺よりも相當優秀のはずだ。個人差はあるだろうけど、勉強、運共に平均は軽々と上回っているはず。

 ミスラの忠告は結果的に要らぬ心配となった。驚いてはいるし、聞きたいことは山ほどあるが、それが纏まらず、口を開くことすら葉わなかった。出來ることといえば、ずっと抱き著いている妹をでるくらい。

「1番に思った事は、『なんでここに?』ですよね?」

 ミスラがし落ち著きを取り戻した俺に一つ一つ説明していく。

「理由は簡単です。私が転移させたからです。それでは次に『なぜ転移させた?』という部分ですが.....貴方をここへ連れてくる時、貴方は元の世界に戻ることより、家族に事を説明することを考えていました。ここで一つ、神の行原理をおさらいしましょう。神とは何で・  ・出來ていると思いますか?」

 何で....?多分分的なことを言っているのではないだろう。ならばなんだ....?神には役割があって....その役割を強いているのは人間で......

「はい時間切れです。正解は『願い』です。つまりは信仰。私たち神は、人の願いによって生み出されます。ならば私達神はその願いを葉える事こそが行原理であり、存在理由なんです。では話を戻しましょう。貴方がもし自分の世界に帰りたいとんでいたのなら、私は貴方に『邪神を倒せば帰れるでしょう』と言っていたと思います」

 わざわざ邪神を倒す理由は前に言っていた、邪神のせいで、神の力はここではまともに効力を発揮しない。というものだろう。

「.....じゃあもしも、この世界で神の力が十分に効力を発揮するのならば、元の世界に返すっていう願いを無條件で葉えたのか?」

 ミスラの表から薄々わかっていたが、聞かなければ確信は得られないので、恐らくミスラがんでいるであろう質問を返す。

「...いいえ、願いの葉え方は、基本その者自信に努力させる方法を選ぶのが神々の中でのルールです。神が直接手を加える時は、特例中の特例。の丈に合ってない願いは無視されます。つまりその場合、邪神を倒すことで世界を転移させる価値がある者として認め、元の世界に返します....」

 ここでようやく理解できた。ミスラが俺に伝えたかった事。それは神のずるさだ。きっとここに転移させた者全てに、「元の世界に戻るには邪神を倒さなければいけない。でなければ神の力がこの世界では使えないから」と言ったのだろう。表面上は止む負えずという形で。

 でも俺にはそれがずるいとは思えなかった。だってもしも神の行原理が『願い』だとするならばその行も『願い』から來ているのだから

「そろそろ分かりましたか?祐は家族に事を伝えたいと言った。邪神を倒して元の世界に帰ってから事を話すのはただの事後報告。それだと貴方の願いは葉わない。だけれど別段の丈にあっていないという願いでもなかった。だから今回、このような手段を取る事になったのです」

 ミスラの話を聞いて、経緯は理解することが出來た。けれど、それを聞いた上で一つの疑問が殘る。

「確かに家族や友人に事を伝えたいとじたし言葉にもしたけど、神に願った覚えはないだが」

「願ってなくても貴方は神である私にその事を言ったんです。流石の神でも、神社に出向きお賽銭をしてからお願いしますと言って手を合わせないと願いを葉えないなんて言う事はしませんよ。そして貴方は私を神として認知していた。私がその願いを葉えるには十分だったということです」

「......な、なるほど」

 なんか早口で捲し立てられたような気がするが別段変なことは言っていない。というかまぁ、結たちに會えたのはちょっと嬉しかったりもする。

 説明は終わったと判斷したのか、ずっと抱きついていた結は、満足したのか腰に回していた手を離し、一歩下がって俺のをマジマジと見ると、今まで聞いたことの無いくらい圧のこもったような聲でこう言った。

「おにぃ、そのローブいで」

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