《お姫様は自由気ままに過ごしたい ~理想的な異世界ライフを送るための能力活用法~》第二話『神様は本當にいるらしい』
落雷をけて死んだはずの天。なのに、なぜか目を覚ました。これは一どう言うことなのか。狀況を把握するために、キョロキョロとあたりを見渡して確認するが、そこは何もない場所だった。上を見ても、下を見ても、右を見ても、左を見ても、前を見ても、後ろを見ても、全てが同じ白一の景。
(あれ、ここどこ……)
いくら見渡しても変わることのない景。一どうすればいいのやら、途方にくれていた天。両手を地面? なのかわからない白いものにつけて項垂れる。一人は寂しいなっと、ひとり悲しんでいると、目の前にの粒子が現れる。
まるで蛍が舞っているような幻想的な景。それに心奪われた天はぼうっと見ってしまった。
の粒子は次第に形をしていき、年の姿が浮かび上がる。アッシュブロンドのしい髪を持ち、子供のような顔つき、碧眼で、白く神的なまるで神様を思わせる服裝。そんな年が突然現れた。
でも、その年の目線が不安定で、肩を落とし、暗い表。まるで死んだ魚のように生気がない。
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「はあ、またか、またなのか」
「はて、何がまたなのやら」
天は年が言っている言葉の意味が分からず、つい聞いてしまった。その言葉を訊いた年は、恨みのこもった視線を天に向ける。
「お前……、自分がなんで死んだのか言ってみろ」
「雷に打たれて!」
「そうだよ、お前は雷に打たれたんだよ。なに、お前馬鹿なの。特異點って、本當にロクでもない死にかなしかしないよね。そのせいで誰が苦労していると思っているんだ。今後の世界発展のために作り上げた、特別な魂のはずなのに……。
なんで、世界を発展させる前に死ぬのさ。しかも事故とかじゃなく、自分自の手によって!」
その言葉に天は疑問をじた。
あれ、自分自の手によって死んだっけ……と。
やっぱり天は馬鹿だった。そもそも、常人が雷に打たれたいなんて、自殺願者ぐらいなものだ。
いや、自殺願者でもそんなことを思うかどうか怪しい。
それを、自分の娯楽でやるなど、馬鹿しかありえない。そんな事実をどこかに置いて、天は思うのだ。
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あれは自然現象による偶然の死だと。
そもそも、避雷針をに纏っていたのがいけないのだが、それを全く考慮しない天。
だから、自分のことじゃないよね、なんて考えに至っていた。
「お前、まるで自分が関係ないといった顔をしているな」
「だって、私は雷に打たれただけですから。自殺じゃなくて事故ですって」
「そうだよ。避雷針、、、を背負ってな!
自分から雷にあたりに行くってなに!
本當になんなのさ!」
年は激怒だった。多分ゲームだったら、何かしらのアイコンが連発しているぐらい激怒だった。そんな年の様子を見て、天はそんなに怒ったら顔にシワができちゃう、と全く違うことを考えているあたり、とっても馬鹿な何だろう。怒った顔が面白かったのか、今にも笑いそうになっている。それを見ている年は、怒りでワナワナと震える始末。もう手に負えない狀況で、一番重要なことを聞いていないと天思った。
「えっと、そもそも、あんた誰?」
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そのそもここがどこで、年が誰なのかわからない天。いわれのないお説教は納得できず、まずは報確認をせねばと空気を読まずに突っ込んだ。そんな天に対して、まるでゴミでも見るような目線を送りながら年は答える。
「っち、俺は名もない神だよ。地球を管轄しているね。んで、俺はお前の魂の製作者でもある」
「へ~。じゃあ、さっさと私を地球に返してよ。私はまだやりたいことがいっぱいあるの。だからね、お願いお父さん!」
「誰がお父さんじゃ!」
「だって、製作者なんでしょ?」
「まぁ、そうだけどさ……」
「それに、そんなに怒ったらシワが……」
「誰のせいだ、誰の!」
息を切らし、肩を上下にゆらす名も無き神。天は、そんな神が心配になった。
ここで疲れ果ててしまったら、ずっと、何もないつまらない場所に居続けなければならない。そんなのは嫌だと天は思う。自由に生きられないほど辛いことは、この世にもあの世にも存在しないのだから。
そんな、どこまでいっても自分勝手である天をキリッとした目つきで、神は睨みつけた。
「お前を地球に戻させるわけにはいかない」
「……え?」
天は神の言葉に絶する。まだやりたいことがたくさんあった。読みたい本もたくさんあった。生まれてから十五年。自由気ままに、やりたいことだけやって生きてきた天。それでも、まだ、まだ足りない。そう心がんでいた。だから、天は、あの寶石のように『楽しい』に満ち溢れた世界に戻りたかった。
「でも、削除すると、無駄にエネルギーを消費するからな」
(この展開……もしかして)
「地球とは別の世界、デポトワールに転生させてやる」
(來た、來たよ、來ましたわ! 異世界転生!)
先ほどと全く逆で、天の心は舞い上がった。語フィクションとわかっていても、実際にそれがあるように思わせる面白そうな世界観。もし行けるとしたら、一度は行ってみたい場所。それが異世界。空想から生まれる世界は天にとって『楽しい』が詰まったおもちゃ箱のようにじられた。
でも、語フィクションは語フィクション。現実ノンフィクションではないのだ。絶対にありえないことだと、馬鹿の天も分かっていた。
絶対に無理……そう思っていた展開が天の目の前で提案された。自分の願いが葉って喜ばない人はいないだろう。今の天はそんな心境となっていた。
ただ、忘れてはならないことがある。
この神、一言も記憶を持った転生と言っていない。
つまり、神がやろうとしていることは、語フィクションのようなものではなく、ただ、異世界に転生するだけであり、能力の付與とか記憶を持ったなんか一切ない。
それに、名も無き神が言った世界の名前も、天は全く気にしていない。落ち著いて考えれば、誰もが分かること。
『デポトワール』とは、フランス語でゴミ捨て場だということだ。
つまり、天は普通じゃない魂であるがために、廃棄に近いことをさせられるのだ。そんなとんでもない魂しかいない世界に押し留めておく的なじである。そんな世界、誰が行っても不幸しかない、地獄と呼べるかもしれない場所。様々な世界から、特異點と呼ばれる魂のみを押しとどめた結果、化學も魔法もなんでもありな世界になってしまった、神でも手の付けられない問題の多い世界。そのことを、神は天に一切言わなかった。
言って拒否られた場合、とてつもなくめんどくさいことになりそうなのを、雷に打たれた経緯を知った時に思ったからだ。
だが、神は天を見誤っていた。喜ばせても、碌でもないことしかしない天のことを。
「そうだ、こんなに嬉しいことをしてくれるなら、なにかお禮をしなくちゃね!」
「はあ、お禮? いらないよ、そんなもの」
天の一言で、名も無き神の表が、一気に青ざめる。絶対にロクでもないことを考えるやつだ。何かする前に止めないと、と思って、神が行を起こそうとするが、遅かった。
「名も無きってことは、名前が無いんだよね。私が付けてあげる、えっと、ぺちょめほぺほぺ神!」
「ちょ、まぁ!」
「よかったね、ぺちょ。名前だよ、名前!」
「ふ、ふざけんなぁぁぁぁ」
名も無き……ぺちょめほペほペ神は激怒した。當然である。神様の名前は、一度つけられると二度と変更できない。それはなぜか。名前に力が宿るからだ。
神の名を使い祈りを捧げるのは、名を通して神の力を借りうることができるからであり、その逆も同じ。神自が力を振るおうとする場合、その名を持って使用することになる。
名前がない神の場合、自由に使える力がない。それは名前がないため、力の固定ができていないからだ。
そして、一度名前が決まってしまうと、神としての概念を固定し、その神の力となる。でも、名前に力が宿るということは一気に位の高い神になれるメリットがある反面、二度と名前が変えられないというデメリットが出てしまう。だからこそ、名前選びは慎重にしなければいけないのだが……。
そんなのは知らないとばかりに、天が勝手に名付けてしまった。しかも、良かれと思ってやった分たちが悪い。
ぺちょが天に怒鳴り散らそうとすると、空? と呼べるかわからない、上側の白い空間に大きな魔法陣が形された。
「な、なにあれ!」
天は興し、ペちょ神は涙目になる。魔法陣を見つめていると、中央付近が歪みだし、白いなにかがひょこっと顔を出した。
あれは、白い羽だろうか。それが小さな歪みをこじ開けるように広げる。
そして、一定の大きさまで広がった歪みから、まるで振ったあとに開けた炭酸飲料の如く、白いなにかがわらわらと溢れ出した。
わらわらと湧いて出てくる白い何かを見て、天は、激しく気持ち悪いと思った。
というより、吐いた。吐きまくった。
胃の中が何もなくなるぐらいにだ。
それも無理はない。白い何かが湧き出るたびに、カサカサとした音がなるのだ。もし、あれが黒ければ臺所に潛む這いよるGを連想させただろう。
だからこそ、白くてよかったと、普通の人なら思う。だけど天は無駄に知識が多かった。小さな時に、蟲にはまったあの頃に読んだ図鑑に載っていた。あれが脳裏から離れない天は、この景を見て常人の何倍も気持ち悪くなっている。
そう、Gは皮直後だと白いのだ。本當に真っ白なのだ。まるで、降りしきる雪のように白いそれは、ある意味しいとも言える。だけど、所詮はG。生理的嫌悪が半端ないそれを、どうしてけれられようか。
誰もけれられるはずがない。
それは天も同じだったようで、すでに涙目になっていた。
數えるのも面倒くさい量の白い何かが、天とペちょ神を囲む。
そして、代表らしき一人が前に出てきた。
ペちょ神と同じ、アッシュブロンドの綺麗な髪。白い羽を広げたしいは、まさに天使だった。
「この度は……クス……失禮。上位神への昇進。誠におめでとうございます。ぺ、ペちょめほペほペ神……様……プフフ」
天使は、必死に笑いを堪えながら、上位神に昇格したぺちょ神に挨拶をする。
その顔は、あまりにも酷いものだったので、ペちょ神の額に青筋が浮かび上がった。
「あーはははははは。ぺちょ、ぺちょだって。ぷーくすくす。うけるんですけど。そんな面白い名前の神様って、あなただけじゃないですか。いやだ、もう。本當に面白いわ。
こんな素敵な贈りをしてくれた、可い特異點ちゃんには、プレゼントをしなくちゃ」
「おぇぇぇぇぇ……ふぇ、あだだだだだぁぁぁ」
天は頭を抑えて転げ回った。突如きた頭痛。天使の祝福により、大量の何かが魂に刻み込まれる。となる天の魂は、大量の報を注がれることによって悲鳴をあげる。
「やめて」いう天の言葉を無視して、億以上は確実にいるであろう、天使たちの祝福をけ続けた。
天使たちの祝福が終わった頃、天はすでに真っ白くなっていた。もう、右も左も上も下も分からない。
大量の報のせいで、記憶が混してきた。
そんな天を哀れんだのか、ぺちょ神自ら天に祝福を與えた。
それは、大量に與えられた他の祝福により、自が壊れないようにするための祝福。
痛みが次第にひいていき、自分が何者なのか思い出した天は、嬉しさのあまり、ぺちょ神に抱きつこうと起き上がった。
「ああ、もう。めんどくさい。さっさとデポトワールに行きやがれ!」
ぺちょ神に抱きつく前に、天のはだし、転生処理が行われてしまったのだ。
あーあー、ちゃんとありがとうって言えなかったな~と思いながら、天は全てをに任せた。
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