《お姫様は自由気ままに過ごしたい ~理想的な異世界ライフを送るための能力活用法~》第十七話『お部屋改裝會議』
「くちゃいのもなくなったので、ちきちき、お部屋改裝會議!」
「「「……えっと、どういうこと(だっぺ)」」」
突然、ザブリェットが宣言した意味不明な會議。それに三人は困する。言っている意味は分かる。要はザブリェットの部屋となるこの場所を改裝するための計畫を練ろうということだ。だが、何故三人も含めて會議する必要があるのかと。そこがわからない。
ザブリェットの部屋になるのだから好きにすればいいとヘルトは思う。それに一號も二號も、ザブリェットがやると言ったら手伝うのだ。會議をする理由がないのではと三人は思う。
「……なんで変な顔するの。私はただ、魔國領の知識が足りないから、これからしたい改裝容に無理があったら教えてしいだけなんだけど」
「え、それだけだっぺか?」
「うん、そう。それに材料の調達ならヘルトに聞けば早いだろうし」
ザブリェットの言葉を聞いた三人はなぜか安心した。自由をするザブリェットが自分の意思を遠ざけて部屋を改裝するわけがないと安心する。
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「さて、會議を始めるんだけど、私は寢た狀態のままでいいよね。くとが痛いの」
「そ、それはしょうがないですよ、お姉様」
「そうですよ、ご主人様。ご主人様が元気にならないと部屋はこのままなんですから」
「二人共……ありがと!」
一號と二號の優しい言葉にちょっぴり嬉しい気持ちになるザブリェット。ひこやかに笑いながらお禮を言う。すると、一號と二號はボンッと顔を赤くさせて固まってしまった。そんな様子を見たヘルトは呆れた。それはザブリェットの笑があまりにもあくどいじがしたからだ。ニヤリと笑うその顔はどこぞのボスのような雰囲気があり、それに喜ぶ一號と二號は実は相當な大じゃないかとヘルトは思う。
こんなジメジメとした汚い牢屋を掃除させられ、何度魔法で攻撃されて、この部屋で倒れてもくじけないその心。將來、きっと大になるだろうとヘルトは期待し始める。
「お姉様~ぐへへへへへ」
「ご主人様、私は、私ふあぁあぁぁぁぁあ」
二號はザブリェットの手に頬をこすりつけながら、怪しげな笑みを浮かべていた。その笑顔はの子が浮かべていいものじゃない、どこぞのやばいストーカーのような笑い方。かなり混沌カオスである。
それに一號もかなりやばい。手は握っていないが、ザブリェットが寢ている布団に顔を突っ込んでもじもじとしている。「ふわぁ、ふわぁ」と怪しい聲を上げるあたり、もうダメなんじゃないのだろうかとヘルトは思う。
呆れた目で見ていると、ザブリェットに聲をかけられた。
「ねえヘルト。この二人……ちょっとどけてくれる?」
「あ、ああ、そうだっぺ。流石にが痛いちゅうやつにそげなことしたらいかんっぺ。ほれ、一號、二號」
「い、嫌です。お姉様ぁぁぁ」
「ご主人様が遠くに、いや、いやぁぁっぁぁぁ」
まるで親の離婚が原因で、引き裂かれた姉妹のように泣く一號と二號。どっちかっていうと、車に乗せられて去っていくときに、窓から顔を出して、「やだ~行きたくない、離れたくないよ」と言っている奴だ。でもこれはドラマや漫畫の中だけの話で、実際にはあまりいないのが事実なのだが。
それほど喚く一號と二號をヘルトが抱っこして、し離れた場所に置く。そして「これでいっぺか?」とザブリェットに聞いたヘルト。コクっと頷いたので、元いた場所に戻る。
ザブリェットは人差し指をまた向けて、こう言った。
「『ちゃんだ~ぼりゅと』」
「「ぎゃぁぁぁあああっぁああぁぁぁあ」
ああ、またか。そんな風に思いながら今の景を眺めるヘルト。こんなにされてもくじけない一號と二號の打たれ強さに心しながら、早速本題にる。
「さて、姫さん。一どんな部屋をすくりたいんだっぺ?」
「う~んとね。超ハイテクなやつ」
「よくわからん。もうし詳しく教えてくでねぇとわからんだな」
「詳しく……えっと、木造チックな裝で、私はベッドに寢ているだけでご飯の用意とお水を持ってきてくれる機械が存在していてね。いつどこでも好きなときに食べられるように空間系魔法を完備。一日座っていても家のことを全てやってくれる最高の部屋を作りたい……」
「……そで、無理じゃねぇでか」
「……ふぇ」
満面の笑みで夢を語っていたザブリェット。今世界は科學と魔法の二つが発展したおかしな世界。これぐらいありえるだろうと思っていた。ずっと、中世ヨーロッパ的な雰囲気はデザインを注視しているだけで、ハイテクな家なんだろうと思っている。
現にザブリェットが人間領にいた時の部屋がそういうじだった。
食事は決まったもの以外、空間魔法と転移魔法の組み合わせ技によって作られた魔法陣に一聲かけると出てきた。
が疲れたが誰もいないとき、「マッサージ」のいうだけで、謎の機械的で手のような腕があわられ、いいじにんでもらった。一日中座って仕事をしていても大丈夫な環境がそこにはあった。
きっと技師の人たちと國家魔導師の人たちが共同開発を進めてできたものだとザブリェットは思っている。
つまりそれと同じレベルのものを作りたい。慣れ親しんだ機能を持つ素晴らしい部屋にしたいとザブリェットは思っていた。
しかしここは魔國領。そんな都會と一緒にしないでしいとヘルトは思う。膨大な畑。かな自然。機械的文化はあまり発展せず、自然由來の魔法が主流。農業主とした生活がここにある。確かに、機械は便利かもしれない。それを発展させてしまうと、せっかくの自然が壊れてしまうことがある。それを恐れた歴代の魔王たちは、魔法を主流として広めたらしい。
そんな話はどうでもよくて、魔法でできる範囲ならどうにかなるが、機械が関わってくると魔國領での作は困難である。
それに、自然を壊しかねないものを作ってしくないと言う想いがヘルトにはあった。
「姫さん……できれば、機械はやめてほしっぺ。こんな綺麗な自然があるっちゅうのに、それを壊してしまうかもしれないものを、俺たちはけれられんだよ」
「そ、それもそうね……でも、あのレベルの快適空間はしい……」
相手の主張を無理やり押し通したいところだが、魔王に救ってもらった恩義がある以上、特攻することはできない。なんだかんだ言ってヘルトのことを気にっているザブリェットは、どうすればヘルトの要に応えつつ、自分の理想を葉えられるか考える。
「う~ん、全て魔法でできたらいいんだけど……」
「出來るっぺ」
「……う~ん、魔法でできたらいいな~」
「いや、だからできるっぺよ」
「……えっ」
「だ~か~た、できるっていってるだよ!」
ヘルトに怒鳴られてちょっぴり凹むザブリェット。やりすぎたかも……とし俯く。
そんなザブリェットに対してオロオロするヘルト。
そんな時に目が覚める一號と二號。
二人から見た景は俯いて泣いているザブリェットとやっちまった~的な表をしているヘルトだった。
「「魔王様のばかやろぉぉぉぉぉぉぉ」」
自分が部下であることをわすれ、主に手を出す一號と二號。それはゆえの行。
心からしている人が泣かされているのだ。これでかなければしているとは言えないとでも言うような迫力である。
直撃したヘルトは三回転半回って綺麗に著地した。
ザブリェットは「すごい……」と聲をらし拍手を送る。
「何すんだっぺ。オラが魔王っちゅうことを忘れたんか!」
「そんなのは関係ありません! 大切なご主人様が泣いているんです」
「する人のためならば、僕は主でも毆ります。そう……決めたんです」
「かっこよく決めているところ悪いけど、ヘルトは何もしていないよ」
「「……えっ」」
ザブリェットの言葉にふたりは固まる。「う、噓ですよね」などと言って來たんので、哀れんだ瞳を向けながら首を橫に振った。
「……覚悟は決まったっぺか?」
深く重たいヘルトの言葉に、錆びた人形のようにぎこちないきをしながら振り返る一號と二號。激怒魔王を前にして、ふたりはらし出す。
「…………くちゃい」
そんなことをいながら、二人の行く末をザブリェットはニヤリと笑いながら見つめる。
「お仕置きだべ~」
「「ぎゃぁあぁぁああぁぁぁぁぁ」」
どっかで聞いたことがあるセリフをいうヘルトとヘルトの魔法によって黒い煙を吐きながら崩れ落ちる一號と二號を見ながら「會議が全然進まない……」と愚癡をこぼすのであった。
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