《私、いらない子ですか。だったら死んでもいいですか。》第九話~不安定な旅人4~

「どうしても……どうしても小雪様のお側にいたかったので、お城を抜け出して、會いに來たんです。その……迷だったでしょうか?」

「いやいや、別に迷ってほどじゃないけど……その……抜け出してきて大丈夫だったの?」

「多分ダメですね。悪臭豚野郎お父様は今頃、発狂しているしょう。いつも追い掛け回されて、こっちも迷しているのです。

これでしは懲りて、あの悪臭をどうにかしてしいものですねっ!」

悪臭王お父様の扱いが余りにも不憫な件について。なんだか聞いていて、悲しくなってくるような、ないような……。

あの死人が出るほどの悪臭だから、嫌われたってしょうがないだろうけど……娘の家出の理由が、自分の悪臭だったって思うと、その……ちょっとな~。私なら自殺するかもしれない。

ま、別にどうでもいいか!

人間、自分に関係ない人がどうなろうと、関心が持てないものだしね。

ほら、近な人が死んだら悲しむけど、自分が嫌いな人だったら喜んじゃうし、もっと関係ない人だったら、へーそうなんだ、ぐらいにしか思わない、薄な生きなんだよ、人間は。

Advertisement

だから、悪臭王が発狂しようが自殺しようが、私には関係ない。

それに、アンリエッタだってそう思っているんじゃないかな。だって悪臭漂う腐った王様が父親だよ。

いじめっ子が死んで喜ぶいじめられっ子とと同じぐらいに、悪臭がいなくなるだけでよろこぶんじゃねぇ。そんな気がする。

「まあそれで、お城を抜け出して來ちゃったことについてはわかったけど、これからどうするの?」

「あ、あの……ご迷でなければ、私も一緒に連れて行ってください。あんな、人を殺すような悪臭漂わせたアレと一緒にいたくないんです。どうか、どうかお願いします」

目を潤ませて、私に懇願してくるアンリエッタ。だけど、どこか噓臭くて、なんだかなーってじになる。

生ゴミ汚と言われている私についてこなくても、連れ出してくれそうな人間なんて山ほどいるだろうに。

勇者とか勇者とか勇者とか?

その場合は、男勇者だったら、お姫様屬やったーとか言い出して、すぐさま犯そうとしてくるだろうけど。

Advertisement

あいつら、頭のネジ飛んでるからな。

この宿のおっちゃんと同じレベルで!

やっぱ、この國終わってねぇ。まあいいや。

「んで、本當のところはどうなのかな? ん? ほれほれ、生ゴミに語ってくだせぇ、お姫様。汚ゴキブリと呼ばれた私には、どうもその理由だけだとわからないんだよね。なんで私なの」

「そ、それは……私が小雪様に助けていただいたからです」

「ん? 私、あんたのこと助けたっけ?」

「はい! 小雪様は私のことを助けてくださいました。私にとって、守ってくれたあの背中が……真なる勇者の姿に見えました」

ん? えっと、あれ? 本當に助けたっけ? 覚えていないなー。

なんかあったような、なかったような……。

「それ、いつの話だっけ」

「ふふ、そうですよね。小雪様は覚えていませんよね。あれは、勇者召喚の儀が行われた日のことです」

「えっと……あ、思い……出したっ!」

どっかのラノベ風に言ってみた。確かに、この子かどうか覚えていないけど、助けたな。

あれは、勇者召喚でこの世界に呼び出された日のこと。

正気を取り戻したことに困していた私は、悪臭から逃げるように、お城を飛び出して、城下町をブラブラと彷徨っていた。

今になってどうして……、私はなんで生きている? 化に宿しているのなら、早く死ななくちゃ。

そう思って、どこかで自殺しようとしていたんだっけ?

こっそり王都の外に出て、死ねそうな場所を探していると、変な魔力をじた。

んで、行ってみると、の子が殺されそうになっているではあ~りませんか!

そりゃ助けるわ。死にたいと思っていようがなかろうが、救いを求める者に手を差しべるのが私の信條。

怯えた瞳、これから何をされるのだろうと困した表。助けなきゃって思うには十分だった。

當然、私は助けたよ。だけどそのの子が誰だか知らなかったし、誰だか知るつもりもなかったから、適當に安全なところに送り屆けたあと、すぐに逃げた。んで、自殺して、死ねなくて、勇者として戦う日々に沒頭したんだ。

それがまさかアンリエッタだったなんて。世の中は狹い。狹すぎる。

「なるほど、それで私の元に來たのね。納得したわ」

「まあ、それだけじゃないんですけど……」

「ん? 他になにかあるの?」

「い、いえ、なんでもないです。聞かなかったことにしてください」

「そう? ならいいわ。それで、私について來たいってことだけど、私は勇者を辭めるのよ」

「それは……分かりました。本當は、勇者を続けてしかった。私を守ってくれた時のように、この人なら私たちを魔族から救ってくれると思ってきました。でも、駄姉と腐父が、あんな暴挙に出るなんて……。みんなにたくさん、小雪様の素晴らしさをお話したのに、洗脳されたとか何とか言われて……悲しかったです。だから、もう、勇者をやめることについて何も言いません。私たちが、ずっと酷いことをしていたのです。見捨てられて……ぐすん…………當然なのです」

「いや! 見捨ててないからね!」

さも私が人間を見捨ててどこかに行ってしまうかのような言い。だけどそんなことはしないよ!

別に戦爭だけが、人々を助ける手段じゃないしね。戦爭意外にも問題が出ることだってあるのさ。

魔獣に襲われたりとか、病に冒されたりとか、理由なんていくらでもある。

勇者はやめた、やめさせられた。どうせ私はいらない子。この國では汚と同等の扱い。

だったらこっちも自由にさせてもらおうじゃないか!

そう思って、旅をしながら、困っている人たちを助けようと思っていただけなんだけど……。まあ、旅をしながら人々を助けるのは、死ぬ手段を見つけるついでなんだけどね。

でも、だからといって、勇者を辭めさせられたから、人間滅んじまえ! なんて思うほど、私は墮ちてないよ!

はあ、この子の勘違いを正しておこう。じゃないと、ずっと落ち込んだままのような気がしてくる。それに、今すぐにでも泣きそうだ。こんなのずるいよ。を武に使うなんて。効果があるのは私だけかもしれないけど!

私は落ち込むアンリエッタの頭をそっとでてこう言った。

「アンリエッタ、聞きなさい。別に、私は全てを恨んでいるわけでもないし、困っている人を見捨てたりしないよ。助けを求めている人がいる、それだけで私はきっといちゃう。

別に魔族と戦うだけが、誰かを助ける手段じゃない。だから私は、勇者をやめて旅に出るの。いろんな國に行って、いろんな人に関わって、困っている人がいたら手を差しべて、人々を助ける。そして、私の旅の最後は……」

「……最後は、どうするんですか?」

一瞬なんて言うか迷った。だけど、人々を助けたい、その気持ちは噓じゃない。だけど、それよりも強く想っているものがある。

隠すのは、良くないよね。

そう思ったから、私は、はっきりとアンリエッタに告げた。

「死ぬわ。私は死にたいの。死にたくて死にたくてたまらない。でも死ねない。そういう呪いをかけられているから。私は長く生きすぎた。だからもう死なないといけない。もうほとんど壊れているのよ、私は。狂って、暴れて、殺戮と快楽の限りを盡くす。そんな化り果てたことだってある。だから、死ななくちゃいけないの。でも、それを許してもらえないから、自分自の手で探すしかないのよ。ごめんね、こんな話をして」

私の言葉を聞いたアンリエッタは、瞳を潤ませながら、私にしがみついた。

「嫌です、死ぬなんて、小雪様が死ぬなんて絶対に嫌です。ずっといてなんて無理なことは言いません。だけど、だけどッ! 二度と會えなくなるなんて、辛くて……苦しくて……嫌なんです……」

こんなに嫌がられると思っていなかった。だからちょっとだけ戸ってしまう。

こういう時は、ぷはー、さっさと死ねよ汚! とか、ゴキブリなんだからたたきつぶされれば? とか言われるシーンじゃないの。

なんなのこの子! 何がこの子をそうさせるのよ!

「あ、アンリエッタ? 大丈夫、すぐに死んだりしないから。てか死ねないから。ね、泣かないで!」

「な、泣いていません!」

目元をゴシゴシとこすりながら、アンリエッタは再び私に向き直る。

「私も、小雪様の旅に一緒に連れて行かせてください」

「もう、わかったよ。だけど一つ聞いていい?」

「は、はい! なんなりと!」

「それじゃあ、なんでそんなに必死なの。なんか、悪臭王から逃げるためってだけじゃない気がするんだけど」

「え、えっと……その……はうぅ……」

頭から湯気が出ているような錯覚をするほど赤面して、アンリエッタは俯いてしまった。

こ、これはなにかの病気か?

鑑定さん! おねしゃす!

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【アンリエッタ・フォン・エムリア】

種族:神の如きしい人間(

別:処

力:72

魔力:898

攻撃力:13

力:15

魔攻力:82

魔防力:54

素早さ:37

神:一途な想いは絶対無敵

魅力:

運:表示できません(エロすぎて)

【魔法】

『治癒魔法:極み』

『水魔法:極み』

『ストーキング魔法:匠』

『炎魔法:素人』

【スキル】

『キューピットハート』

と嫉妬の心』

【狀態】

する乙

『一途な心』

【稱號】

『同した乙

『エムリア王國第二王

『希を與えし者』

の忠実な下僕』

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

…………ツッコミどころが多すぎて頭が痛くなってきた。

てか、別ぐらいにしてやれよ。なんだよ処って。

って、ちょっと待て。私も処。なのにって表記された。え、え、やだ怖い。気がついたら非処にされているの!

鑑定さん! 真面目に仕事してください!

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【西條小雪】

種族:得たいの知れない何か

別:(自稱処

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

そうじゃねぇよ。ちげぇだろ。なんなの、自稱処って。

てか、種族!

の知れない何かって何! 怖いよ、怖すぎるよ!

もういいよ、こんちくしょう!

    人が読んでいる<私、いらない子ですか。だったら死んでもいいですか。>
      クローズメッセージ
      あなたも好きかも
      以下のインストール済みアプリから「楽しむ小説」にアクセスできます
      サインアップのための5800コイン、毎日580コイン。
      最もホットな小説を時間内に更新してください! プッシュして読むために購読してください! 大規模な図書館からの正確な推薦!
      2 次にタップします【ホーム画面に追加】
      1クリックしてください