《私、いらない子ですか。だったら死んでもいいですか。》第二十二話~彷徨う死者6~

私の目の前で、なんかこう、々と納得できないことが起きている。

児化はないだろう、いやほんと。

ゾンビの児化なんて需要ねぇだろ。そうだよね!?

いや、うーん、一部に需要はあるのか?

蕓人としては、悩むところだね。

私、蕓人じゃないけどっ!

さて、児化したゾンビたちが、何をトチ狂ったのか、私に向かって襲ってきた。

いやまぁ、トチ狂っているわけではなく、正常な反応といいますか?

でも、よくわからないのはさ。

アンリを羽い締めにして、けないようにしてから、私に襲いかかってきたんだ。

え、なんでそんなに落ち著いてるかって?

適當にあしらってますが何か?

アンリが襲われたときはどうやって調理してやろうかと思ったけど、杞憂だった。

い締めにしても、何もしない。

アンリが手に持った包丁でブツブツとさしながら抵抗しても、無反応。

ちょっとだけ、ゾンビすげぇって思ったけどね。

あれなら、ヤンデレ化したアンリに刺されても安全ってやつさ!

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あ、私も死ねなかった……。

それを考えると……私の方がマシなのかな?

だってが腐らないしね。

ゾンビが私に噛み付いてこようとしてきたので、そっと橫に避けて、足を引っ掛ける。

すると、どこかのリアクション蕓みたいに、ゴロゴロと転がっていった。

こいつら、全員蕓人みたいにウケを狙ってきているのではなかろうか……。

鑑定さん、ちょっと調べてよ。

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【リーダーゾンビ】

種族:エルダーリッチ

別:両

【ゾンビお供その1(男)】

種族:グール

別:メス

【くるくるパー】

種族:キョンシー(札なし)

別:(男)

【スーパーダンサー】

種族:ヒューマン

別:バックダンサー

【スケルトンホース】

種族:馬

別:骨

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思ったよりひでぇなおいッ!

まともなの、リーダーゾンビぐらいじゃねぇか!

ゾンビのお供その1(男)ってなんやねん。

しかも別! メスかよ。男かかわからねぇじゃん!

それ言ったらくるくるパーもそうじゃね?

だって(男)だよ!

これってどういうこと! なのか男なのかわからねぇ。

は! まさか、裝男子! 予想外すぎる。

あと、スーパーダンサー! てめぇはゾンビですらねぇ! なんで生きている人間が……。

よく観察してみると、スーパーダンサーなる人? のは、軽く腐っていて、蟲が沸いていて、眼球が飛び出ていて……フローラな香りがするって、完全にゾンビじゃねぇか!

そしてフローラな香りはなぜ? 流行ってんの!

いやいや、それよりも……。

「スケルトンホース、てめぇ! 骨じゃねぇじゃねぇか! 付いてるだろ! 何がスケルトンホースじゃあああああああああああ」

んだ、それはもうんだ。だってスケルトンって骨でしょ? なのにふつうの馬のゾンビ。なめんじゃねぇ!

「馬鹿な! なぜ私が骨じゃないことがわかった!」

「見りゃわかんだろそれぐらい!」

「こうなったら容赦せん! ご覚悟を!」

スケルトンホースが、私に向かって、突進を!

馬が突進って、何かおかしい気がするのだが、気のせいだろうか。

個人的には、馬じゃなくて豬がすることのような……。あ、あれ? どっちだっけ?

まあいいや、考えるのを辭めよう。

私は何もぜず、ただぼーっと立つことにした。

いやね、よくよく考えてみれば、私のステータスってバグっているわけで、あのぐらいじゃなんともないんじゃないのかなーって思って。

そしたらすごいことになったよ。いやマジで。

バシュンってすごい音がしてね。スケルトンホースが消えた。

てか、そう表現するしかなかった。

なんだっけ、昔流行った、妙にグロイ畫、あれに近いかな。

こう、壁にぶつかってべちゃーって、形すら殘らずに潰れちゃうやつ。

いや、それよりもわかりやすいのは……。

同人ゲームから公式ゲームになった、コープスパーティかな?

あそこの、キャプチャー2? 3だったかな。

幽霊に引きづられて、壁に叩きつけられて死んじゃうの子がいるんだけど。

私の今の狀況は、叩きつけられた壁に近い!

服は、ビチャビチャで、どす黒い腐がべっとり。顔まで汚れて実に最悪な気分です、はい。

いやね、防には自があったんだけど……まさかこうなるとは。

いや、でも実際はそうなのかな?

よく、ラノベとかでは、魔がすごい速度で突進しても、ありえない防力で、傷一つつきませんでしたってシーンが多い……気がする。

だけど、そんなありえない速度の突進とかしちゃったらさ、普通潰れるよね。

ようは、あれでしょ。飛び降り自殺と同じ。あれを重力に任せて縦に行くか、持ち前の筋を使って橫に行くかの違いだけ。

んで、何事にもじない、壁のようなありえない防力を持った奴がつったってたら……うん。

でも……うーん、がその速度で當たりしても耐えられる構造になっている訳で……いや、普通、破壊不可能な場所に突進なんてしないか。

今回は現実をれられそうだ。

「う、馬がやられただと……。やっぱり貴様は悪の勇者! このもやっぱり……」

やっぱりって、洗脳がどうのこうのって、まだ続いてるのっ!

やってません、その子、私のストーカーです。

なんて言っても分かってくれないんだろうな……なんて思っちゃったりして。

「っち、なら、フォーメーションでるららだ!」

『りょ!』

でるららってなんだよ。デルタか? デルタなのか! ならちゃんと言えっ!

ゾンビたちはわらわらと私を囲う。

もちろん、アンリを羽い締めして刺されまくっているゾンビも一緒にだ。

アンリはこっちに來るかと思いきや、ゾンビたちを背後から包丁で刺しまくっている。

なんか「くふふ、大丈夫ですよ、小雪お姉ちゃん。私たちの邪魔をする奴はすぐに排除して上げますから」と、生き生きしたじだ。

やっぱり、あの子は怖いよ……。

「さて、一何をするつもりやら」

ゾンビたちは、腰を低くして、肩を私に向けてきた。なんていうか、これからタックルしますっていうようなじかな?

そして、リーダーゾンビの掛け聲と共に私に向かって走り出した。

これもはやタックル。

そして……。

ーービシャァ!?

何故か全員が消し飛んだ。

これ一どういうことっ!

すごい突進をしてきた馬と明らかに威力が違うよね!

なのになんで潰れるのさっ!

っと思ったら、リーダーゾンビがギリギリで原型を保っていた。でもすぐに死にそうだ。

「やっぱり……我々では勇者を倒すことは…………こうなったらやむおえん。我が命を持って、キサマらを葬ってやる!」

「っく、アンリ!」

ハイライトのない目でブツブツ言っているアンリの元に咄嗟に駆けて、かばうように抱きしめた。

その時、私のお腹に包丁が刺さったのは言うまでもない。い、痛い……。

リーダーゾンビが消え去る間際に放ったのは、かなり特殊な魔法っぽい。

當たり一面が、真っ白なで包まれた。

◇ ◆ ◇ ◆

が収まってきたので、あたりを見渡すと、ちょっと行った先に、雲が見えた。

ちなみに、空に雲が見えたってわけじゃないよ。こう、雲が地面に降り立ってるじ? と言いえばいいのかな?

なんか頭のおかしいことを言っているなーっていうのはわかるよ。だけど見えるんだよ、雲が。

多分、あれが噂のニートリッヒかな。まさかその近くまで転移されようとは思ってもいなかった。

あのリーダーゾンビとやらは、一何がしたかったのか……。

はっ! まさか、あいつみたいなゾンビが大量にいるの!

このままじゃ、私がツッコミ死しちゃうっ!

って、そんなこと考えている場合じゃなかった。

私は、お腹に刺さった包丁をさっと抜いて、放り投げる。

そして、アンリが負傷していないかを確認した。

「アンリ、怪我はない?」

「は、はい。ありがとうございます。その変なシミ、ラズベリーのような匂いがして心地よいです」

っほ、なんともないようだ。よかったよかった。

だが、勘違いしてくれるなよ、アンリ。

私にべっとりついているのは、あのゾンビたちの腐だからな。なんでラズベリーのような香りがするんだよ!

「あ、小雪お姉ちゃん、あれ!」

「え、何か見つけたの!」

あれっと言いながらさりげなく包丁を拾って、丁寧にしまうアンリにツッコミをれず、アンリが教えてくれた方を見ると、霧とは別に、変な砂煙みたいなのが見えた。

というか、馬車っぽいのがこっちに向かってきているっ!

リーダーゾンビが言っていたことはこのことか!

まさか、援軍が來るとは…………やるな、あいつ。

「またゾンビとかめんどくさ。こっからあの馬車を吹っ飛ばしていいかな、魔法で」

「だ、ダメです! よく見てください! 馬車にはさっきと同じ勇者軍の紋章が刻まれていますが、乗ってるのは人間ですよ!」

「え、マジで!」

私は目を凝らして見ると……マジだ、今にも死にそうなじの表をしているが、人間だ。

ちなみに、私は魔法を使っていています。

この【極】ってスキル、マジで便利だな。

遠くの人を眼で雙眼鏡を使ったみたいに確認できるなんて。

でもあれ? 私はそんなスキルを見たことも聞いたこともないよ?

どうしてかな。

…………ひとつだけ、思い當たる魔法がある。

アンリが持っている、ストーキング魔法。

え、まさか、私がこんな魔法を使えるってことは、アンリも使っているってことだよね?

え、え、え? なんか、これから來る勇者軍関係者よりも、アンリがいつストーキング魔法を使っているのかが気になってきた。

考えようによっては、あの勇者軍よりアンリの方がよっぽど怖いよ!

そんな私の心境を察したのか、くるりを私の方に向き直り、ニコリと笑った。

その笑みが、逆に怖くじた。

この子、マジやべぇ。

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