《霊使いと冠位の10人》プロローグ
時間は深夜0時を回ったところだ。
この時間大抵の住宅街では寢靜まり、次の日を迎える準備をして寢るのが普通の過ごし方だろう
 しかしこの日はそうではなかった。
 街中の至る所に狼のような魔獣がうろついているのだ。
 街のあらゆるところでサイレンと人の助けを呼ぶ聲、そして獣のび聲が街を騒がせている。
 今すぐ避難所へ向かってくださいという聲も聞こえるが、外に出て避難所を目指すよりも、家の中に隠れていた方がまだ安全じゃないかと思う。
 実際獣たちは家を壊し家の中にいる人を襲っているのではなく、外にいる人たちに襲っているようであった。
 しかし、そのような避難指示が出てしまえば家の中にいては危険だと思い込むのは明白だろう。 
 我先に逃げんとせんとばかりに街の大通りは人で溢れ、逃げう人達を阻止せんとばかりに獣の群れは遅れて逃げる人たちを喰らおうとする。
Advertisement
 大通りの傍に逸れた路地裏に、親と逸れてしまったであろう逃げ遅れた一人のが泣きながら大聲を上げていた。
 まさに獣達の恰好の標的だ。
の存在に気がついた獣は勢いよくそのに飛びかかった。
しかしに獣の牙が屆くことはなく、高校生くらいの年の毆り飛ばされていた。
「グウォォォォォ」
獣がこの世のとは思えないびをあげ、いきなり燃え上がりその場には獣の灰だけがのこった。
年は泣いてるに近づき、できるだけ明るい聲で話しかけた。
「もう大丈夫っス!すぐそこに避難所があるから一緒に行こう!」
 は半べそをかきながら頷いてくれた。
年は獣に注意しながらを近くの避難所の近くまで連れて行く。
から避難所の方を覗き込んでみると避難所のり口を守る警備兵が何人か見張りをしている。
「あそこが避難所のり口っスね。一人でいけるよね?」
はまだ目に涙を浮かべていたが頷いた。
「お兄ちゃんは避難所にいかないの?」
しゃっくり混じりのの質問に年は
「ああ、お兄ちゃんはやることがあるんだ」
と笑顔で返し、その場所を後にした。
「あーくそっ!なんだって今日に限ってこんなことになってるんスか!」
 深夜の街中での出來事だ。を避難所まで見送ったあと、朱の日本刀で狼のような獣を斬りながら江康太はんでいた。
 康太は先月まるごと學校を休み、「明日の8時までに課題を終わらせ提出しなければ留年させるぞ」と擔任(29歳)いわれ、まさに高校生活の崖っぷちの狀況に立たされていた。
 さらに安全區域に魔獣が出現するという異常現象のせいで泣きっ面に蜂だ。
襲いかかってくる獣を次から次へと毆り飛ばしていく。
 しかし、あちらこちらから獣が現れ切りがない。
(このままじゃ埒があかないな。一旦引いてリーシャと合流するか)
 そうと決めたら次への行は早く、一目散に走り出した。
走りながらパッと後ろを振り返ってみるとさっき戦っていた獣が倍以上の數に増えて追ってきていた。
「グォォォォォォ ︎」
「うおおおおおおい ︎ なんかめっちゃ増えてる!」
 獣の雄びと康太のび聲が混沌としたこの街に響き渡った。
「くそっまだ追って來てるしいいいい」
あそこの路地裏を通れば家の前に出れる!と
路地裏を抜けた近くに康太の家があり、
家の中にいるであろうリーシャと合流出來ると思い浮かんだ。
迷うことなくその路地にっていったのだが、
近道しようとしたのが失敗だった。
半分以上通ったあたりで路地の出口からも6匹の獣が俺に方に走ってきた。
「あちゃー、やっちゃったっスねこれ」
獣は俺の周りに10匹ほどおり、まさに袋の鼠だ。
萬事休すかと思っていると、
目の前と後ろにいた獣が同時に飛びかかってきた。
どう行するべきか考えていたが自分に近づいてくるのが獣以外にもいることに気づき口角が上がり呟いた。
「ナイスタイミングっス。リーシャ」
康太は後ろの敵には目もくれず目の前から飛びかかってきた獣を毆り飛ばした。
そして後ろから飛びかかってきた獣が康太に噛み付こうとした瞬間、上空から1人のが飛んできて獣の顔面を蹴り飛ばした。
「康太様!!」
ヒラリとスカートを翻し、は綺麗な著地を決めた。
そのは長が160㎝程度、見た目は16歳前後だろか。ブロンドの髪をサイドテールに結んでいる。
「康太様!ご無事ですか!?」
「大丈夫大丈夫。それよりこいつら倒すの手伝ってしいんだけど。」
「はい!このリーシャにおまかせください!」
リーシャはその綺麗な髪を靡かせながら魔に手を向け、短く言の葉を唱えた。
「舞い散るは炎!」
するとどうだろうか。手のひらから炎の弾丸を飛ばし、
その場には消し炭となった獣の灰だけが殘った。
彼の炎をるその姿はまるで炎舞のようで見るもの全てを魅了するしさであったのだが、忘れてはいけない。ここは路地裏だ。
「ーて待って!魔法使う場所は考えて!」
そんなところで炎の魔法なんて使えば下手したら建に燃え移りかねない。
「もっ申し訳ございません!」
幸いなことに建に燃え移ったりしてないようでふぅと康太は一息ついた。
「まあけど助かったよ。走り回ったりして結構しんどかったからさ。」
「いえ、とんでもありません。それでですが、この後はどうされますか?」
このどうされますかというのはこの獣達を倒すか否かという問いだ。
異質の中の異質。
日の當たる場所で目立ってはいけない。
これが自分達の前提條件だ。
ならば隠れてこの天災のようなこの狀況を過ごし魔法省なりなんなりに丸投げしてしまうのが最も楽な回答だ。
「考えるまでもありませんでしたか。康太様の答えは決まっているんでしょう?」
リーシャに優しく微笑みかけられてしドキッとしたがそれを振り払いその問いに答える。
「魔省の人らだけじゃ足りなさそうだし、まあ仕方ないっスよね。」
「バレたらお父様に怒られてしまいそうですね。」
「今頃何をしてるのかね。あの放浪親父は。」
星が映るきれいな夜空をみあげ康太は呟く。
「獣相手に勿無いけど、本の魔法ってやつを見せてやろっか。」
【書籍化】世界で唯一の魔法使いは、宮廷錬金術師として幸せになります ※本當の力は秘密です!
魔法がなくなったと思われている世界で、唯一、力を受け継いでいるスウィントン魔法伯家の令嬢・フィオナ。一年前、友人だったはずの男爵令嬢に嵌められて婚約破棄されたことをきっかけに引きこもっていたけれど、ひょんなことから王宮に勤めに出されることに。 そこでフィオナに興味を持ったのは王太子・レイナルドだった。「あれ、きみが使えるのって錬金術じゃなくて魔法…?」「い、いいいえ錬金術です!」「その聲、聞いたことがある気がするんだけど」「き、きききき気のせいです(聲も変えなきゃ……!)」 秘めた力を知られたくない令嬢と、彼女に興味津々な王太子殿下の、研究とお仕事と戀のお話。
8 127【書籍化】その亀、地上最強【コミカライズ】
ブルーノは八歳の頃、祭りの出店で一匹の亀を手に入れた。 その亀、アイビーはすくすくと成長し続け……一軒家よりも大きくなった。 ブルーノはアイビーが討伐されぬよう、自らを従魔師(テイマー)として登録し、アイビーと一緒に冒険者生活を始めることに。 昔のようにブルーノの肩に乗りたくて、サイズ調整までできるようになったアイビーは……実は最強だった。 「あ、あれどうみてもプラズマブレス……」 「なっ、回復魔法まで!?」 「おいおい、どうしてグリフォンが亀に従ってるんだ……」 アイビーによる亀無雙が今、始まる――。 5/28日間ハイファンタジー1位! 5/29日間総合3位! 5/31週間総合5位! 6/1週間総合3位! 6/2週間ハイファンタジー1位!週間総合2位! 6/14月間5位! 【皆様の応援のおかげで書籍化&コミカライズ決定致しました!本當にありがとうございます!】
8 198転生魔王、冒険者になる
「あれ、ここどこ? あー、俺転生して魔王になるんだんだっけ?」 俺ことユウキは高校でのいじめにより自殺した。だが、たまたま自分の納めている異世界の魔王が壽命で死に、次期魔王となる転生者を探していた神に選ばれ、チートをもらい魔王になることになった
8 152精霊使いと冠位の10人
今から500年ほど前に世界各地に魔獣と呼ばれる異形な存在が出現し始め、その魔獣は人間を食い殺し、世界人口の約2分の1が魔獣によって殺された。 魔獣は銃や戦車による砲撃などの兵器を使用しても大したダメージを與えることができず、人類はなす術なく滅亡の危機に陥れられた。 しかし魔獣の出現と同時期に魔法という異能の力を持つ人々が現れ始めた。 魔法を扱える人間の數こそ少ないが、魔法による攻撃は魔獣にとって有効なものであるとわかり、各國で魔法を使えるもの達を集め、魔獣の討伐組織が結成された。 その組織の名は魔法省。 中でも最強と呼ばれる上位10人が冠位の10人(グランドマスター)とよばれており、今においてはヒーローのような存在だ。 そして現在、とある高校生入江康太もそんなヒーローに憧れ、魔法省への入るのを夢見る男子ではあるのだが、殘念なことに彼には魔法が扱えない。 世間の人から見れば魔法を使えない=一般人という方程式が成り立つのだが、彼にはそんな常識とはかけ離れた「力」を持っていた。
8 126自分が作ったSSSランクパーティから追放されたおっさんは、自分の幸せを求めて彷徨い歩く。〜十數年酷使した體はいつのまにか最強になっていたようです〜
世界一強いと言われているSSSランクの冒険者パーティ。 その一員であるケイド。 スーパーサブとしてずっと同行していたが、パーティメンバーからはただのパシリとして使われていた。 戦闘は役立たず。荷物持ちにしかならないお荷物だと。 それでも彼はこのパーティでやって來ていた。 彼がスカウトしたメンバーと一緒に冒険をしたかったからだ。 ある日仲間のミスをケイドのせいにされ、そのままパーティを追い出される。 途方にくれ、なんの目的も持たずにふらふらする日々。 だが、彼自身が気付いていない能力があった。 ずっと荷物持ちやパシリをして來たケイドは、筋力も敏捷も凄まじく成長していた。 その事実をとあるきっかけで知り、喜んだ。 自分は戦闘もできる。 もう荷物持ちだけではないのだと。 見捨てられたパーティがどうなろうと知ったこっちゃない。 むしろもう自分を卑下する必要もない。 我慢しなくていいのだ。 ケイドは自分の幸せを探すために旅へと出る。 ※小説家になろう様。アルファポリス様でも連載中
8 186聖戦第二幕/神將の復活
ラグズ王國を國家存亡の危機に陥れた逆賊トーレスとの反亂があってから2年後、列國はバルコ王國を中心にラグズ王國に波亂を巻き起こし、ラグズ王國は新たなる時代を迎える事となる。 この物語は前作"聖戦"の続きで、ラグズ王國の將軍であるラグベルト、グレン、そして新キャラであるバーレスを中心に巡る物語です。予め申し上げますが、文章に変な箇所があると思いますが、お許しください。
8 164