《霊使いと冠位の10人》幕開
リーシャが一通り暴れた後、
康太は食卓にリーシャが作った料理を並べながらリーシャに謝っていった。
リーシャは暴れ終わったあとずっと機の上でうつ伏せたままだった。
「ほんとごめんってばリーシャー。機嫌なおしてよ」
「恥ずかしすぎます......」
俯いていてもふくれっ面だと分かる態度を取るリーシャはこれでもかというほどに機嫌が悪かった。
いい加減機嫌を戻してしかったが、何度謝っても機嫌を直してくれない。
話題を変えて見ようと思って気になっていたことを質問してみた。
「そういえばさ、リーシャさっき著てたエプロンて新しく買ったんスか?」
伏せているがピクリといた。
「知りません」
そっけなくリーシャは答えた。
「いやあ、あのエプロン可いな。すごい似合ってたっスよ」
「......ありがとうございます」
顔を伏せていても耳が真っ赤になっているので全く隠せていない。
思わず笑いそうになる。
「ほら、とりあえず食べよう。折角味しい料理が冷めちゃうし」
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わかりました。と言いながら顔をようやくあげたのだが、案の定顔も真っ赤になっていたので笑ってしまった。
またリーシャが顔を伏せて、説得する頃には夕飯は冷めてしまったが
夕飯を食べ終わるころには、リーシャの機嫌も直っていた。
リーシャは夕飯を食べ終わった後に今日の出來事を報告してくれる。
「そう言えば本日奏様からお電話がありました」
「奏さんから?」
「はい。康太様が帰ってくる數十分前に」
赤松奏という人は康太の師匠の友人で々お世話になっている人だ。
基本的に康太の師匠は唯我獨尊自分勝手な人であり今どこにいるかすらも分からない。
赤松奏には康太が分からないことやどうするべきかなどと々アドバイスをもらっているのがこの赤松というだ。
「なんか伝言とか頼まれた?」
「いえ、なにか直接お話があるとかないとか」
「そうか、ちょっと電話してくるっスわ」
「はい。わかりました」
部屋を出て行くときに、そうだと思い出した。
「リーシャ、今日もご飯味かったよ」
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照れるけど、こういう意思表示は人に言わなければならない。
「いえ、お末です。」
リーシャは笑顔で返事をしてくた。
電話をかける前に著替えようかと部屋に戻り、私服に著替えているときであった。
攜帯電話が鳴り出し、その著信音と同時に思い出した。
そういえばさっきの電話を確認するのを忘れていたのを今思い出した。
攜帯の畫面を見るとそこには赤松という名前が表示されていた。
こうたは慌てて電話に出た。
「ちょっとーさっきから電話してたんだけどー」
「いやすいません赤松さん。夕飯食べてたもんで」
「リーシャちゃんの料理?いーなー私も食べたいー。とっそうだった。とりあえず用件だけ伝えちゃうよ!」
「はいはい」
「ちょっとこれから面倒なことが起きそうでね。君たちの力を借りたいんだ。とりあえず概要だけ伝えたいから康太君だけでも今から來てくれないかな」
「え、今からっスか?俺先月學校休みすぎて単位かかった課題が「早く來てねー」」
「えっ噓赤松さん!あの人マジで切りやがった!」
一方的に電話を切られた。
先月學校を一月休んだ原因がこの赤松さんなのだがそれはまた別の話だ。
しかし、なんだかんだで赤松奏には今までに何度も世話になっている。
その二つを天秤にかけるとやはり赤松奏には勝てないなと観念した。
課題は最悪土下座でもすればどうとでもなるだろ。
わかんないけども。
と康太は後ろ向きに前向きだった。
「リーシャ!赤松さんとこに行ってくるから留守番頼むっス!」
「はい、お気をつけてください」
「何時になるか分からないから先寢てていいっスよ」
「はい、わかりました」
けど、リーシャの事だから結局起きているだろうなと思い、ははっと笑いながら家を後にした。
康太が家を出たのと同時刻
この康太の住む名古屋も街に名と言える高さ250メートルを誇るセントラルビルがある。
そのビルの屋上にひとり、男が街を見下ろしていた。
「さあて、そろそろ時間だ」
気に男は言った。
男は夜の闇夜で赤の髪のが生え目立ち、片耳に付けたリングのピアスが月のを反し不気味にり輝いていた。
「せっかく東京からわざわざ來たんだ。俺のところに當たりいねえかなー」
男は楽しそうにひとりで笑い、目を閉じて一呼吸おいた。
するとその瞬間、男の周りの空気が変わった。
風が吹き荒れるとともに、男の顔つきが変わる。
「さあ、イッツショータイムってね」
男がそう告げると街のあちこちにどす黒い球狀の形をした闇が生まれた。
「まあ手ぶらで行くのもあれだしな」
康太は赤松奏の家に向かう途中にコンビニに立ち寄っていた。
奏にいつも世話になっている禮に何か買っていこう思い、デザート系の商品そ何個か買っていた。そしてコンビニを出るときにそれは突如として訪れた。
「なっ!?」
街のあらゆる所から魔力の気配がした。
魔力には二つの種類がある。
人間が持っている魔力はの魔力、魔獣の持つ魔力はの魔力だ。
そしてこの魔力は魔のそれだ。
街の中に魔が出るということは魔法壁が発明されてから一度もない。
道の反対側から狼のような獣二匹がものすごいスピードで走って出てきた。
一匹の獣は俺のもとを狙って飛びついてきた
手足に魔力を纏い、咄嗟に下にしゃがみ込んで獣の顎を目掛けすくい上げるようにアッパーを繰り出し、アッパーの遠心力を利用して回転し、左足のかかとで獣のを橫蹴りしてなぎ払った。著地すると同時に続けて頭の上に獣が喰らいに來た。
康太はそれをかわし獣の頭を鷲摑みしそのまま地面に叩きつけた。
魔獣は絶命し灰となりその場から消える
「なんで急に魔獣が...!」
まず優先するべきことをどうするか考えた。
家まで戻りリーシャと合流するべきか、このまま奏の家に行き狀況を把握するべきか。
こういう修羅場は康太の父親と赤松奏のせいで何度も経験してきたためにこんな狀況でも冷靜でいられる。
すると攜帯の急サイレンが鳴り出し機械的なのアナウンスが流れる。
「壁に魔獣が出現しました。至急各避難所、魔法省の駐屯所に避難をしてください」
「駐屯所はともかく避難所なんて場所覚えてねーーつての」
ボソッと康太じゃ呟いたが、こういう時に常々の危機管理の甘さが浮き彫りになるなあと心ので思っていた。
考えていると近くの路地裏から悲鳴が聞こえた。
思考するよりもが先にいた。
先ほどと同じような獣がに向かい飛びかかっているのを康太は目撃した。
「間に合えっ!」
間一髪。に獣の牙が屆くことはなく、高校生くらいの年の毆り飛ばされていた。
「グウォォォォォ」
獣がこの世のとは思えないびをあげ、いきなり燃え上がりその場には獣の灰だけがのこった。
年は泣いてるに近づき、できるだけ明るい聲で話しかけた。
「もう大丈夫っス!すぐそこに避難所があるから一緒に行こう!」
は半べそをかきながら頷いてくれた。
年は獣に注意しながらを近くの避難所の近くまで連れて行く。
から避難所の方を覗き込んでみると避難所のり口を守る警備兵が何人か見張りをしている。
「あそこが避難所のり口っスね。一人でいけるよね?」
はまだ目に涙を浮かべていたが頷いた。
「お兄ちゃんは避難所にいかないの?」
しゃっくり混じりのの質問に年は
「ああ、お兄ちゃんはやることがあるんだ。」
と笑顔で返し、その場所を後にした
銀河戦國記ノヴァルナ 第2章:運命の星、摑む者
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