《霊使いと冠位の10人》トロール
「なんなのよこいつ!」
神草埜々は今目の前にいるトロールと対峙している。
の魔で目眩しで視界を奪ったが、果たしてどれほど効果があるかは埜々にも分からなかったが、生徒であふれている校庭のグラウンドでは無闇に魔を使えない。
埜々の魔は広範囲に効果が及ぶものが多く、下手をすれば他の生徒にすら當たりかねない。
「埜々!大丈夫!?」
埜々によって來たのは智香だ。
校庭外にいる人達の避難を先生や魔科の生徒の人間に頼んで、魔獣のいるグラウンドに降りて來たようだ。
「智香!危ないから下がってて!」
「分かってる埜々。後ろで援護するためにきたんだから!」
埜々の魔をよく知っている智香からすれば埜々の前に出ると邪魔にしかならないと言うことをよく分かっている。
だからこそ、サポートをするために埜々の元に來たのだ。
「水の迷宮(アクア・ラビリンス)!」
智香は魔を発させてキューブ型の水牢の中にトロールを閉じ込める。
無理矢理水牢から出ようとするトロールだが、暴れても水の壁に阻まれ外へ出ることが葉わない。敵のきが止まったことで埜々は詠唱を唱え始めた。
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「天翔ける星々よ!響け!」
埜々は手を上に掲げる。
するとトロールの真上に大きな魔法陣が描かれた。
30メートルほどの大きさまで魔法陣が大きく広がり回転を始める。
「極門、星門、天門、門。四門を解き放ち、暗雲を切り開く一筋のとなせ!撃ち抜け!」
大きく広がっていた魔法陣は徐々に小さくなっていき、いつのまにか両手ほどの大きさまで小されて、回転數が上がっていく。
そして埜々が掲げていた手を下に勢いよく下げる。
「閃の弓矢(ライトニング・スナイプ)!」
魔法陣から一閃のが降り注ぎトロールの半分にかき消すように直撃する。
トロールが立って居た場所の半分が埜々の魔でが空くほど威力だ。
トロールを囲んで居た水牢もなくなりただの水となってあたりに散らばり、が半分になったトロールは仰向けに重々しい音を上げながら倒れこむ。
「はあ、はあ。終わったの?」
「だね。ありがと、智香」
智香の「水の迷宮(アクア・ラビリンス)」はかなりの魔力を消費する。
智香は荒げた息を整えながら埜々の元に駆け寄る。
しかし、何かが蠢く音がしたのを埜々は聞き逃さなかった。
音のする方へ埜々は視線を向ける。
「噓.....!」
トロールの消えたはずのの半分がものすごい勢いで再生されている。
トロールは立ち上がり、いつの間にか完全に元どおりのとなっていた。
そしてそれだけではない。
急にどこからともなく上空から同様のトロールが2降り落ちて來た。
地響きが鳴り響き、トロールたちは大聲でび出した。
「こんなのって....」
智香の表が凍る。
攻撃しても再生されるをもつトロールが3。
一撃でこの巨を葬るがなければすぐに再生されてしまうだろう。
埜々の大技「閃の弓矢(ライトニング・スナイプ)」を持ってしてもの半分程しか消し去ることができなかった。
埜々は意を決したように智香の一歩前へ出る。
「智香、時間を稼ぐから逃げて。きっともうすぐすれば魔省からの援軍が來るからそれまで私がなんとかする」
「でも......」
「早く行って!!」
苦い顔をして智香は埜々に背を向けて走り出す。
自分がいても埜々の足手まといにしかならないとわかっているからだ。
智香は走っている最中「ごめん」と何度も繰り返しつぶやいていた。
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