《霊使いと冠位の10人》參戦
黒いに飲み込まれ、視界がゼロになる。
ああ、これはまずい。
康太が手遅れになる前に奧の手を使おうとした時だ。
ふいに音が聞こえた。
それと同時にが薄寒くじた。
まだ夏だというに、風が吹いただとか、そういうレベルではなく、寒いのだ。
「おまたせー康太っち」
「奏さん?」
座り込んでいる康太の前に現れたのは赤松奏だった。
その小さなはずの背中がいまの康太にはとても大きく見えた。
「あんた一?」
「どうやってここへってきたかって?それは私が天才だからさー」
完璧だと思っていた結界が破られたのだ。
カトレアは心穏やかではない。
そんな様子のカトレアを他所にその場でくるりと回って決めポーズを取る奏。
「何それバカにしているわけ?」
「いいや、この私がここを見つけるのに手間をかけたんだ。誇っていいよー」
カトレアがて前にかざすと再び黒雷が放たれる。
轟音を響かせながら放出されるそれは、さも全てを飲み込む勢いだった。
「危ない!奏さん!」
慌てる康太とは裏腹に、奏は指を鳴らし地面から強大な氷の壁を出現させた。
雷と氷が激突する。
雷鳴が鳴り響くが奏の出現させた氷には傷一つつけることは葉わない。
「黒い雷、黒魔かー。君らはそういう集まりなのかなー?」
「氷で私の雷を防いだですって?」
カトレアは驚愕の表をわにする。
屬の相的には、互いに優劣はない。
しかし、奏の氷魔はその相すら関係ないと言わせるほどに雷を防いだのだ。
それも、通常の雷魔の上位互換とも言える黒魔の雷をだ。
「無駄無駄ー。それじゃあ、私の氷は砕けないよ」
「黒雷に匹敵する魔?いや、魔力濃度か?」
カトレアは奏の氷壁を観察するが答えがまるで見出せない様子だった。
「どちらにせよ、さっきの一撃でダメなようならもう私の敵じゃないねー」
「あら、まだ私の本気見ていないでしょう!」
不敵に笑う。
カトレアはトライデントを構えて、奏に向けてそれを投擲した。
「トライデント・ボルテックス!!」
黒雷を纏いながら迫り來る槍。
雷の速度で迫るそれはもはや康太の目では追いきれなかった。
だが、おそらく奏には見えていたのだろう。
トライデントが氷壁に激突するコンマ數秒前に指を鳴らした。
康太からすれば激突の衝撃音で指を鳴らした音すら聞こえていなかった。
特に氷壁に変化は見られない。
だが先程の黒雷同様、投擲を危なげもなく防ぎきったのだ。
「だから無駄だよー」
「そんな馬鹿な・・・」
「言ったでしょー。私の氷は砕けないって」
康太はその一部始終をみて、奏は心底敵に回したくない人だと心に刻んだ。
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