《貴族に転生したけど追放されたのでスローライフを目指して自前のチートで無雙します》大進行⑩
隠れていた騎士が出て行った後、ネメスにも異空間に戻ってもらい、完全に二人きりの部屋で俺は陛下に全てを話した。
「そうか……そのような事に」
俺が話終わったあと、陛下は既に冷めてしまった紅茶に手をつける。
「アルト、私の息子にならぬか?」
「へ? 」
あまりに突拍子もないその提案に、俺はつい間抜けな聲を上げてしまう。
「いや、なんだ……グランの記憶がもどるまでだがな、その間だけでも……私の息子になればいいとな」
「………………」
陛下の……息子。
確かに俺は5歳だ、年齢が低すぎる。
普通ならば、まだ冒険者にもなっていない、大人の保護下にり、守られるべき存在。
この世界で一人で生きていくには、々と大変だろう。
でも、陛下の息子……。
食住は最高を約束され、將來の地位も、人脈も何もかもを手にれることが出來るだろう。
だが……
「誠に有難いお話ではございますが……お斷りさせていただきます。」
「やはり……か。理由はあるのか? 」
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「勿論です。母と兄が殺され、父から私の記憶が無くなった。恐らく、陛下は寄りを與えてくださろうとご配慮して下さったのでしょうが
私にとって母はメリスで兄はファル。父はグランだけですので。
それに、いざとなれば山奧で使い魔立ちとともに靜かに暮らします」
そう言って俺は、機に額がつく勢いで、深々と頭を下げた。
「そうか……グランに似たようだな」
優しい顔で言う陛下は、何か懐かしい、昔の事を思い出しているようだった。
「して、アルトよ。本當に山奧で暮らすのか? 」
「まぁ、最終手段ですが」
新しく淹れられた紅茶に、香ばしいいい香りが広がるクッキーを食べながら話す。
「ならば、私からもう1つ提案なのだが」
「なんでしょう? 」
陛下は、手に持っていたカップを靜かに機に置いて、腕を組み言う。
「騎士にならないか? 」
「騎士ですか? 」
「あぁ、最近''國士騎士''というものが出來てだな、そのメンバーにってしいのだ」
「國士騎士ですか……聞いたことがありませんね」
「そうだろうな。つい先月出來たばかりだからな」
「それは、的に何を? 」
「なに、私お抱えの専屬騎士のようなものだ」
騎士にも、役職が別れている。
大まかには3つに別れており、ひとつは普通の騎士。
一般的な兵士を指し、國に所屬する兵隊の事だ。
そして、竜騎士。
ワイバーンに乗る騎士。竜をることが出來る人間は極わずかなため、稀で、さらに強い為かなりの戦力となる。
最後に、近衛騎士。
これは、主に陛下の辺警護を行う騎士である。
殿下や王などにもつくが、あくまでも主君は陛下である。
今回、新たに國士騎士が追加されたそうだ。
陛下いわく、國士騎士の立場は近衛騎士よりも上らしい。
「本當に……良いのですか? 」
「あぁ、お主ほどの強者。こちらから願いたいくらいだからな」
「有り難き幸せ。
私、アルト。
謹んでおけさせていただきます」
座っていた椅子から立ち上がり、陛下の元にゆき、片膝をついて忠誠を誓う騎士の儀式のようなものをする。
これは、騎士が主君を決める場合、生涯にわたり全てを捧げる場合のみに行うだとこの間本で読んだ。
「ハッハッハ! では、宜しく頼むぞ」
かくして、アルトはトールス王國國士騎所屬の騎士になった。
とはいえ、アルトはまだ5歳だ。そんな子供が騎士になるのは、周りの目が痛いだろう。
と、勿論アルトに解決策はあるのだが……。
この世界の魔法には闇屬魔法がある。
闇屬魔法は、攻撃魔法魔はもちろんのこと、幻影や催眠などに特化した特別な屬の魔法だ。
その中のAランク魔法に
''虛実の幻影''という魔法がある。
この魔法は、込める魔力の量と、者の技量次第ではとてもな噓の実態を作り出すことができる。
この魔法で、大人同等のを創り、それを纏えばアルトの力量ならばほとんどの人は見破れないだろう。
ここは、神たちからの力に頼る他無い。
これも、自分のレベルアップのため。
使えるものは全て使うべきだ。
その事を陛下に伝えると、陛下は
「そこはお主に任せる」
と言ってくれたので、大丈夫だろう。
こうして、アルトはアルトとしての人生を一時中斷し、新たなアルトとしての人生を  歩み始める。
♢
ある森、漆黒のローブに深くフードを被った男が歩く。
その先には、開けた場所があり、大きな家がひとつ明かりをともしている。
男は靜かにその家に近寄ると、1枚の紙をその家の扉にり、跡を去った。
その紙にはこう書いてある。
ーーーーー
我は革命者なり
其方立ちが夢見る''平等な世界''
我と共に目指そうぞ
明日の夜、この先の滝で我は待つ
ーーーーー
アルトが國士騎士になった傍ら、この森では、世界を揺るがす大戦爭の煙が、しづつ立ち上がり始めていた。
- 連載中49 章
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