《貴族に転生したけど追放されたのでスローライフを目指して自前のチートで無雙します》大進行⑰
ーーと、言うことだ。
張り詰めた空気の応接室に、トールスの聲が響き終わるとしばらくの靜寂が訪れた。
王城の応接室に迎えられた國士騎士のアルトとハヴェは、國王陛下であるトールスから魔の進行狀況や、簡易的な治癒院の設置狀況等を詳しく聞いた。
魔の発見は早く、今回の戦いにおいて準備する期間が十分とまでは行かないものの、ある程度確保出來た事が不幸中の幸いであろう。
さらに、魔が進行してくるのは、アジュワの森の方角からのみであり、真反対にあるラジュワからの進行は全く見られない。
これら二つのおかげで、恐らくであるが想定される被害はないとされている。
これは、以前ーと言っても50年も前だがー起きた魔の大進行の時よりも好條件だ。
50年前に起こった魔の大進行は、アジュワ、ラジュワ両方の森から魔が進行し、発見と対策が遅れたせいで被害は甚大なものになった。
その頃、生をけていなかつたトールスであるが、大規模進行として書に記載され、語り継がれているため把握しているだろう。
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故に、この対応の速さなのだ。
「では、私達は遊撃を行えばいいということですね? 」
事をトールスから聞いたアルトは、訊ねる。
まだ何も言われていないものの、自分達がくということは、それ以外に考えられない。
「その通りだ。お前達には魔の殲滅をお願いしたい。」
トールスは首を縦に降りながらそう答える。
「先生、背後は任せた」
「おう、任せろ」
ハヴェはニヤリと口角を上げると、そう言った。
己の背後を相手に信託する事はそうできるものでは無い。
信頼出來る強さと、それまでの積み重ねがあって初めて立するものだ。
だが、今回は違う。積み重なってきたものはたかが2週間程のものだ。
アルトがハヴェに信託出來たのは、ハヴェの強さと、師という立場がほとんどを閉めている。
と言っても、積み重なりがない訳では無いが……。
「そうか、では宜しく頼む。今回は國士騎士の初陣だ、絶対に功させろ」
「「意に」」
2人は椅子に著いたまま手をにあて頭を下げる騎士式の禮をする。
「では早速だが、門の方へ向かってしい。それとこれ、騎士団の分証だ。これがあれば思うようにけるだろう。」
「ありがとうございます陛下。貴方様の期待に添えるよう、全力を盡くす限りです」
「俺もだ。陛下、あんたに貰った恩はしっかり返す。」
アルトとハヴェは、手渡されたトールス王國の紋章と新たに作られた國士騎士を示す紋章のったミスリル(魔銀)製の板を、アルトはボックス(本來のボックスではなく神から授かったボックスであるため、本來のものよりずっと高能である)に、ハヴェはポケットに閉まった。
アイテムボックスの魔法を使う程に魔法技の無いハヴェは、そうせざるを得ない。
そもそも、アイテムボックスの魔法はその有用から過去に研究を重ね簡略化されているものの、中級程度(魔法ランクD)の難易度である。
中級の中では簡単な方であるが、魔法を、不得意とするものには難しいものだ。
侍たちに見送られ、國士騎士団の2人は王城を後にする。
街では既に避難勧告が発令されており、本來戦力に回されるはずの兵士達が多人數員されて、街の地下シェルターへと避難導が行われていた。
この地下シェルターも、以前の大進行の時の対策案として挙げられ、実働されたものの一つである。
兵士達が多員されたのは、トールスの気遣いだろう。
恐らく、一般兵であり冒険者ランクで言えばC、B、程度の兵は、役に立つどころか大規模な魔法を使うアルトに取っては、邪魔であろうと判斷しての行だろう。
だが大衆の前故、兵士が全くいないとなっては存在の認知が低い國士騎士だけでは不安を煽る為、なからずの兵は出るだろうがしでもない方が言いに違いない。
それに、取りこぼして街に來た場合の対処や、火事場泥棒のような対処にも覿面である。
流れゆく人の波に逆らいながらも、足速に街門 を目指す。
人々は、不安を口にしながらも冷靜さを失っているものは極なく、殆どのものが兵の導に従い、速やかに、それでもって確実に避難を進めていた。
それと並行して、簡易的な治癒員の設立、治癒の魔法薬の手がほとんど完了していた。
これも、大方兵士を使った為であろう。
人の波に逆らい、人と人の隙間を駆け抜ける2人は今回の戦いについて話していた。
「先生、アンタの使い魔出すのか? 」
「そのつもりだ。恐らく、2人では手が回らんだろう」
「俺が大規模の魔法を連発すれば大方片付くぞ」
「いや、兵士達も居るだろう。それに、門付近の地形を荒らす訳にもいかない。大規模魔法は離れたところで使う事になる」
だが……と、アルトは続ける
「アンタの使い魔でっかい龍だろ」
「なんか問題あるか? 」
いや、あるだろ……と、アルトは思う。
ハヴェの使い魔は全長10メートル程の大きな龍だ。
大昔に契約を結んだ龍なのだが、あれは繊細な攻撃技に欠けている。
アルトの大規模魔法とまではいかないものの、あの龍が暴れれば門はおろか、街の中まで被害が行きかねない。
あの龍が咆哮(ブレス)を放てばあたり一帯が更地になる事だろう。
そんな龍を従える彼も彼だが、あれを解き放つのは不味いのだ。
「だがな……そうなると街に魔がりかねない」
「なら、俺の使い魔を使えばいい」
「お前の? てか、使い魔いるのか」
「あぁ、門を出たら呼び出そう」
そう言って、迫る危機に備えるべく彼らはスピードを上げた。
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