右のみから生えた角、腰のあたりまでびている紫の髪の、し青ざめた、鋭い爪。

「お前は……人……では無いな」

「あぁ、我は神に造られし魔人だ」

「魔人？ お前は魔族なのか？ 」

だが、おかしい。魔族は角が2本生えているはずだ。のも青ざめたではなく、もっと禍々しい紫だったはず。

以前に訪れたフルム魔王國のものなどは皆そうであった。

「我は魔族などと下賎な存在では無い。我らが革命者の至高なる長、インガエムル様より力を授かった高貴なる存在、シラブルだ！ 」

「インガエムル？ 聞いたことがない。そもそも、革命者とはなんだ？ 」

「はっ、貴様如きが知ることでは無い。それより、我らの計畫を阻む貴様の罪は死に値する。よって高貴なる我が、貴様の息のを止めてやる」

シラブルはそう言うと、アルトに向かって駆け出す。

アルトは刀を強く握り、迫ってくるシラブルに備えた。

「しは楽しませろよ！ 」

そう言い放ち、振り下ろすシラブルの右手を刀で起をそらす。

金屬同士がぶつかりあった時のような甲高い金屬音があたりに鳴り響いた。

「なんだそのさは」

能力によって欠けては居ないものの、その力強さとさにアルトは相手のを蹴り、後ろに飛び退いた。

「へっ、そんなものか？ 所詮人間だな」

「ぬかせ、お前も人間だろう？ 」

アルトは、しじる人間の気配に覚えていた違和を相手にぶつける。

「貴様……何故」

「やっぱりな、お前から半分ほど人間の気配がじられる」

「巫山戯るな！ 我は高貴なる魔人。人間如きと同じにするな」

人間である事を否定する様に、それを自らに言い聞かせるように手を大振りにして言う。

「お前が何者かは後でじっくり聞かせてもらう。恐らく、今回の騒もお前が主犯だろう？ 」

「クッ……」

「直ぐに終わらせてやる、安心しろ」

「ここまでコケにされたのは初めてだ！ 我の全力を持って殺してやる」

シラブルの魔力は次第に高まり、青ざめたに管が浮き出る。

「いくぞぉぉ！ 」

先程とは比べにならない速さでアルトに迫る。

常人ならば捉えることも出來ぬだろうが、あるとは別だ。

刀を耳の橫で構えると、腰を落とし呟く。

「參の型 ーー 天蜂ーー 」

地面を強く蹴り、刀を突き出す。

力強く突き出された刀は、シラブルの心臓を捉えている。

殺してしまっても問題ない。死者をる魔法を使う分の魔力(力)は殘っている。

アルトは殺すことを前提としていたようだ。

だが、その強い突きはシラブルの心臓を捉えることはなく、彼の顔の橫を突き抜けた。

その衝撃で、後ろにあった木にが空いた。

「なんだ？ 外したのか」

ニヤリと笑ったシラブルに危険をじたアルトは転移魔法を無詠唱で発し、彼の背後へと距離を取った。

「し人だと意識すれば、斬れない……」

刀を持つアルトの手は震えており、とても戦えるさまでは無かった。