《貴族に転生したけど追放されたのでスローライフを目指して自前のチートで無雙します》國士騎士 1.5

日は沈み、依頼から帰ってきた冒険者達が集まり、酒を飲んでいる酒場の一角にアルトは30歳後半の男と座っていた。

「アルトさん、これで良かったでしょうか? 」

「あぁ、悪いな。ほら、これが今回の報酬だ」

アルトは懐から取り出した――本當はボックスからだが――金をその男に渡した。

「ほら、約束の銀貨5枚。それと思ったより効果があったから金貨を1枚れて置いた」

「ま、マジですか。ありがとうございます」

「あぁ」

男は丁度屆いたばかりの酒を流し込むように飲むと、満足そうな顔でお代わりを注文した。

「それにしても、アルトさんも考えましたね。俺を使ってあんな小芝居するなんて」

「あぁ、関係はのちのち作るとして、初めは力を見せつけるのが手っ取り早いからな」

「流石っすね、若くして隊長になる方は凄いなぁ」

「そうでも無いぞ……っと。じゃあ俺は行く」

まだ居てくださいと、男はアルトを止めるが、明日の合宿に向けて用事があるアルトは銀貨を數枚置いてその場から立ち去った。

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