《貴族に転生したけど追放されたのでスローライフを目指して自前のチートで無雙します》國士騎士⑫

 今俺の手元にいる従者のうち、人間であるものは1人としていない。

 悪魔、天使、霊、そのどれもが人を逸した、言わば化け達だ。

 

 無論、その事に対して不満は欠片も無いのだが、ここは魔法の世界。

  宗教絡みでどうしても人で無ければならないという事態など、想定しておきたい。

 それに、次にくる奴隷達の教育も任せたいと思っている。

 人であり、それも貴族の3とあらば、養だとしてもそれなりの教養と知識はもちあわせているはずだし。

「貴方の、元で? 」

「うん、そうだよ」

「本當に、私を解放してくれるの? 」

 貴族の三、それも養子である彼は、その生活の日々が辛かった事だろう。

 日々の訓練は辛かっただろう、兄妹たちからの対応も辛かっただろう。

「全ての鎖から、俺が解き放ってやる。だから、俺の元にこい」

「よろこんで」

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 頬を濡らす涙からは、彼の今までけてきた苦労がじ取れる。

 ミスをすれば、罰と稱して傷つけられ。

 そんな生活は、今日で終わりだ。

まず、ネメスに念話を繋げる。

 ネメスとしては、俺の事を殺そうとした輩をタダで返す気は無いらしい。

 言葉に篭もっている棘が、明らかにじられる。

 やはり、奴隷達の教育や人間との対応では、ネメスやスーリヤとの価値観の差が大きくでるな。

 これは、意地でもミッツェを確保したいところだ。

 子爵家を抑えれば、恐らく高確率で裏帳簿が殘っているだろう。

 資金の流れ、繋がり、悪行。

 その全てが呈してしまえば、この王國の腐り切った部分が一掃される。

 これを使わない手はない。

 だが、ここで使用人や子爵家の親族や騎士を殺してしまえば、後々突つかれるポイントになりかねない。

 可能ないにしろ、可能な限りの懸念點は解消しておきたいし。

 俺は、服の下に忍んでいるキウンに念話を繋げる。

 俺に纏っていたキウンの鎧が、ゆっくりと剝がれ、右手を伝い彼の元へと行く。

「これ、は? 」

「これは自我を持つ鎧だ、護衛替わりに付けておく」

「す、凄い……そんなもの」

「わかってると思うが、他言無用だ」

「わかった」

「では、俺はし行ってくる。くれぐれも、この部屋から出るな」

 俺はそう言い殘し、その場をあとにした。

◇◇◇

 私は今、奴隷商の前にいる。

 ご主人様からの命で、適正のある奴隷の購を命じられた。

 

 私が知る限り、この世界……と言うより、この國では奴隷制度を認めている。

 借金の形に売り払われた借金奴隷や、犯罪を犯したものを奴隷とする犯罪奴隷。

 中には、盜賊達が借金奴隷と偽り、拉致してきた人を売る違法奴隷もいるけれど。

 まぁ、どの奴隷も必要悪として目を瞑られている。

 もちろん奴隷に人権など無く、法律としては主人の言葉が全ての正とされ、それに応じた罰を主人が決められるという、言わば何でもありだ。

「早く購してしまって、訓練所にら連れていかないとね」

 奴隷商の中にる。

 とても豪華な店は、いかに奴隷商が儲かっているのかを顕にしている。

「いらっしゃいませ。この度は如何様で? 」

「奴隷を買いに來たわ、見せてしいのだけれど」

 とても骨に、品定めするように商人は私に目を向ける。

 金を持っていない相手は、お斷りって事のようね。

 私は、ポケット――収納魔法からご主人様から預かっているお金を取り出した。

 麻袋には金貨が數百枚、パンパンにしまわれている。

「これでいいかしら、早く済ませたいのだけれど」

「ははぁ、失禮致しました。では、早速こちらへどうぞ」

 私が店にってきた時とは比にならない程の高待遇とえばいいのか、直ぐに判斷し腰を低くする彼はやはり商売人と言ったところかしら。

「お客様は高貴な方でしょう、犯罪奴隷など似合いますまい。まずはこちらの、借金奴隷からご拝見ください」

 そう言って扉を開く。

 その先には、一つの檻に3人づつ、足に重りをつけられた奴隷達がいた。

 ご主人様は、確かこの道呈は避けたいと言っていたわね。

「ねぇ、出來れば私一人にしてしいのだけれども」

「申し訳ございません、それは致しかねます」

 まぁ、當然といえば當然ね。

 もし私が、この奴隷達を皆殺しにでもすれば終わりだね。

 仕方がない、ここを出る時に記憶をいじるしか無いみたいね。

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