《貴族に転生したけど追放されたのでスローライフを目指して自前のチートで無雙します》國士騎士⑬

 ついこの間、俺がここに足を踏みれた時はまだ5歳の背格好で、母様も兄様も生きていた頃。

 まるで昨日の事のように鮮明に思い出すが、今の俺の立場からすればその幸せなど微塵も無い。

 1度大進行の際に謁見を開いてはいるものの、急時の謁見とあり參加貴族は極小數で、これと言った勲章も行われなかった。

 

 それゆえの、2度目の謁見だろうか。

 恐らく、正式な禮をしたいというのも本心だろうが、その大半は既存の貴族に俺の存在と騎士団の存在を公にするということが目的か。

「今日、貴殿をここに呼び出したのは報の真偽を貴殿の口から確かめるためだ。皆は知らぬだろうが、昨日アルト騎士団長からある報をけ取った。それは、帝國貴族が、帝都へと軍を率いて進行した。と、言うものだ」

 控えていた貴族達が、ざわめき出す。

「その真偽と、詳細を本人に問うべく謁見を開いた。さて、話してくれたまえ」

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「分かりました」

 他の貴族達からの熱い視線の中、俺はネメスから仕れた報を話す。

「昨日、私が信頼する従者よりとある帝國貴族が武を買い漁っているとの報をけました。帝國が好戦的なことは有名であり、たわしも耳にれていたのでもしかすればと、偵察者をその貴族の元へと忍ばせ増した。その後、陛下へとこのことをお伝えしようと王城へ向かっている最中、忍ばせた者より帝都への進軍を確認したとの報を得ました」

――誠なのか?

――分からんが、ぽっと出のガキの言うことであるぞ。

――だが、彼は優秀だ。恐らくは、事実だろう。

 王國貴族のひそひそ話は、張り詰めた謁見の間の靜かな空間には響くように聞こえる。

「それで、新たな報を謁見の前に耳にれたのですが……」

「申してみろ」

「はい。帝國貴族による進行で、皇帝ラングルが死去。皇帝一家は、転移魔法陣により何処へと隠れられたようです」

「なに! 」

 一瞬にして、先程のざわめきとは比にならぬほど騒がしくなる。

 陛下も、宰相のシルウェも困しているようだ。

「アルト、それはいつ時點の話だ? 」

「謁見の前、応接室にて従者より聞きれました」

「では、まだ新しい報なのだな? 」

「はい」

 綺麗に整えられた髭をさすりながら、暫く考え込む。

 

確かに、これほどの短期間で帝都を落とせるほどの力の保有者ならば、このご直ぐに戦爭を他國に仕掛けることもやりかねない。

 

「うむ、直ぐに戦爭を吹っかけられてはこちらは負け戦となろう。各々、保存食と治癒薬をかき集めておけ。あとは、戦力の確保と領地の村への伝達も忘れるな」

 陛下の指示に、貴族達は頭を垂れる。

 それは、了解したとの合図である。

「アルトは、國士騎士の出準備だ。裝備を整えろ。戦爭になれば、恐らくだが最前線に出てもらうことになるだろう。その意を各隊員に知らせておけ」

 俺も同様に頭を垂れた。

「では、次に移ろう。以前謁見を開いた時に、アルトに褒を與えたのだが、あれは実質的な戦力強化でな。また別の褒賞を與えようと思っての」

「僭越ながら陛下、私は既に満足のいくものを頂いております故、それ以上むものはありません」

「そう言われると思ってな、こちら側で勝手に用意しておいた」

 あれを持ってこいと、近くにいた従者に指示する。

 その従者は、手のひらサイズの小さな箱をひとつ、陛下に手渡した。

「これより、貴殿を王國貴族とし、伯爵の地位を與える。尚、騎士団の団長としての職を有するため、領地は與えないものとする。異論反論その他は認めない。これを持って、謁見を終了とする」

 そう言って、玉座から立ち上がりその場をあとにする。

 

「アルトよ、後に応接室へ參れ」

 去り際にそう言って、部屋から退室してしまった。

「………………」

 なんか、前にもこんなことがあった気がする。

 あれは確か、初めての謁見の時か。

 ムルーア侯爵が、俺の報酬に異論を唱えた時だったか。

 あの時はムルーア侯爵が危険な立ち位置であったが、その彼をおしのけて今はチャン侯爵が危険、と言うより排除すべき人間になっている。

 あのころと比べれば、かなり俺の環境も変わったものだな。

 まぁ、とりあえずはチャンをどうするかを検討しなければ。

この間紹介した、フィクショナライザーメンバーの一部紹介。

『炎呪転生~理不盡な吸鬼~』

未硝詩 うい

あらすじ

鬼、アルゴライム・クローバーは、吸鬼が忌み嫌われている世界に、人間だったころの記憶を持ちながら産まれた。

が理不盡なのにも関わらず、理不盡を嫌い、する姉のために問題を解決しようとする。

桜花時雨

サタン・ザ・オブ・ブレイブ

あらすじ

とある世界”アルガ"の魔人族領にて、赤子が産まれた。

その赤子は小さい時から才能に溢れておりや、らせればなんでもできる神だった。

この赤子は後々最悪にして救世主の魔王として語り継がれたもの。

彼の名前は”ライル・バーゼガン"

これは、魔王が神々からの宿命を背負った優しい魔王の語。

この他にも、転生貴族のハーレムチート生活のゼクトや、異世界転移は分解で作チートのテトっち。

コミカライズ佳作の異世界スキルガチャラーのクロイズク氏などなど……。

有名な作家さんも沢山いるので、ぜひお聲がけ下さい!

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