《貴族に転生したけど追放されたのでスローライフを目指して自前のチートで無雙します》國士騎士⑭
 謁見を終え、応接室へと急ぐ。
 謁見の途中に、念話でミッツェを護衛していたキウンの分裂から連絡がっていたのだ。
 ミッツェの処分をしに、數人の暗殺者が部屋に來たと。
 無論、キウンに歯が立つことも無く呆気なくやられたようだが。
 俺は、人目がないことを確認すると、無詠唱で転移魔法を発させた。
 視界が王宮の廊下から、応接室へと切り替わる。
 そこには、半分に崩れた機と綿が飛び出したソファー、ぐちゃぐちゃに倒れた本棚があった。
 
 その現狀に、思わず問う。
「キウン、狀況は? 」
「うむ、ミッツェ嬢を執拗に狙ってきてな、一掃してやろうとし力を込めすぎた」
「はぁ、まあいいさ。で、こいつらが暗殺者ということか」
 床に転がっている數名の男達。
 皆がボロボロで、口や鼻からを流し、1部のものは指や腕があらぬ方向へと曲がっているものもいる。
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 そして、キウンにより手足を縛られ拘束されていた。
「で、この様子だと拷問は済ませたようだけど」
「ああ、主の手を煩わせる程のことでも無かろうからな、我の方で全て済ませた」
「で、なんか分かったか? 」
「無論だ。こいつらは、王都を拠點とし活する闇ギルドのメンバーらしく、チャン侯爵の屋敷の地下を拠點としているらしい」
「その代わりに、仕事をするってことか」
「うむ。そうだな」
 やはりと言おうか、厄介な荷を背負っている。
 
 有力貴族、それも侯爵家の屋敷とあらば、國ですら迂闊に調べることが出來ない。
 拠なく疑えば、それが真ではなかった時周りからの信頼を失いかねない。
 故に、易々と摘発などとは出來ないのだが。
 これは、とても都合がいいと捉えるべきだろうか。
 國家の闇を取り除けるのに加え、闇ギルドの摘発も出來る。
 
 これは、かなりの大チャンスなのかもしれない。
 そうとあらば、早急に蹴りをつけた方が良さそうだ。
 俺がかずとも、ネメスとその配下に任せておけばそれで良い。
 陛下が応接間に來る前に、全てのケリを付けておこうか。
 ネメスとの念話は切斷される。
 これで、ことは全て片付くだろう。
 この國から不要な汚點が抹消され、いずれ引き起きるだろう帝國との戦爭に集中できる。
 あとは、陛下へご報告するだけだ。
………………
…………
………
……
…
 主様から念話が繋がり、既に制圧の終わったリアヌ子爵家を配下に任せ、転移魔法ですぐさま侯爵家の前にやってきた。
 主様から頂いた時間は5分。
 そして、可能な限り……いや、絶対に死者を出さずに制圧する。
 聞いた話だと、闇ギルドの本拠もここにあると言う。
 かける人員を増やし、數による暴力で制圧してしまおうか。
「こい、我が配下よ」
 俺がそう言うと、背後にいくつもの転移魔法陣が展開され、そこから見知った顔のものがゾロゾロと出てくる。
「お呼びでしょうか、マイロード」
 総勢300名はくだらないであろう上級悪魔の軍隊、その皆が頭を垂れる。
「我が主であるお方から、命をけた。死者を出さずに、3分でこの屋敷を制圧しろ! 」
「意に」
 この軍の代表格、上級悪魔侯が言う。
 主様に、結果をご報告するまでが5分。
 それを考えれば、この屋敷の制圧は3分程で終わらせなければならない。
 そんなもの、余裕だ。
 事実、ピッタリ3分で方がついた。
 屋敷からは、悲鳴が上がることも無く、戦闘の騒音があげられることも無く、人知れず幕は開き、そして靜かに幕を閉ざした。
 これこそが、我が悪魔界屈指の暗殺部隊の実力である。
 「さて、主様に完了の報告を行わなければな」
 
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