異世界カジノが開店して1週間、評判はまずまずであり、お金を使った娯楽という事もあってか、ターゲットにしたいうちの1つである鉱山労働者の使用率は、極めて低い。

 逆に、あまり見込みの無かった冒険者の使用率は、極めて高いといえる。冒険者は、防等の費用の為に金を溜め込んで居るのが常識かと思ったが、1度の依頼で大量に稼ぐことが出來る高ランク冒険者や、そもそも生活費とし程度しか稼ぐ気のない冒険者に関して言えば、娯楽に使う金も増えるのだろうか、湯水の如く金を消費してくれる。

 これにより、冒険者が活発に活する事だろう。

 因みにだが、異世界ギルドという名前としては、俺の中では異世界に作ったギルドと言う意味を込めたが、この世界ではまるで別世界のような天國の地と言うような意味合いらしい。

 俺がカジノの売上報告書を確認していると、ノックをして部屋にネメスがってきた。

「どうした？ 」

「はい。夕方頃にご到著の貴族の皆々様のお部屋の手配が完了致しました」

「そうか、費用はどの程度だ？ 」

「街にある中で最大規模のホテルを貸し切ったので、2億ルンほどかかりました」

 2億ルンか。白金貨2枚の出費は大きいな。

 だが、王國中の貴族を招くとなれば、最低でもそのレベルのは用意しなければ不敬にあたるか。

 王國では、上位貴族――伯爵位より上の爵位の持ち主が領地を任されると、その貴族は王國から全貴族を招いてパーティーを開く事となっている。

 これは昔から伝統とされており、伯爵となったものの顔を広めると共に、繋がりを作る場となる訳だ。

 正直、繋がりとか要らないんだけどな。

 まぁ、辺境伯である父様はその義務が無いのが幸いか。

 辺境伯は、余りにも領地との距離が遠い事と、その領の管理を疎かにならないように、王名意外は強制力を持たないとされている。

「ネメス、パーティーに出す食事の方は？ 」

「完璧にございます。昨日仕留めて參りました、ワイバーンのをステーキにし、今朝取れた新鮮な野菜をふんだんに使い、飲みは上のワインをご用意致しました」

「そうか、ありがとう。それと、キウンのきはどう？ 」

 ネメスは、にしまった手帳を取り出し、パラパラと開いた。

「キウンから言伝を預かっております」

「なに？ 」

「昨日、帝國の近衛兵として正式に任命されました。隨時、ご報告致します。と」

「流石はキウンだな、仕事が早い」

 ――コンコン

「失禮します」

 突如、部屋がノックされ奴隷の1人であるメイド長がってきた。

  彼も、キウンに買わせた奴隷であり、3ヶ月間読み書き計算にメイドとしての仕事を叩き込み、元々の容量の良さも合間ってか完璧に仕上がった。

「なんだ？ 」

「先程、ゼーバス子爵様がご到著になりました」

「かなり早いな。まぁいい、部屋に通してお茶を」

「かしこまりました」

 予定よりかなり早くのご到著か。集合時間に遅れるのも迷だが、早すぎるのもかなり迷だな。

 だが仕方ないか……。

「スーリヤ、服の用意を」

「かしこまりました」

 ネメスが來る前より同室にいたスーリヤに聲をかけ、正裝を用意させる。

「ネメス、待機している悪魔達に街の警備の強化をさせて。ネメスは、街門 で來た貴族達の案を。その時、街にる貴族には悪魔を2ほど付けておいて」

「けたわまりました」

 ネメスが部屋から出ていくと、紺の貴族服を持ったスーリヤがれ替わるように部屋にってきた。

「ご主人、用意出來ました」

「うん、ありがとう。それじゃあスーリヤは、天使達に食の用意をさせて、メイド達を優先的に貴族の方に回して」

「了解よ」

 スーリヤが出て行った後、俺は紺の貴族服を見にまとい、ゼーバス子爵が控えている客室へと足を運んだ。

 このような場では、自分が今後も仲良くしていきたいと思う貴族の元には自主的に挨拶に向かう。

 ゼーバス子爵は、陛下の信頼している貴族のうちの1人であり、その事は陛下から何度か聞いている。

 陛下が信頼するということは、俺も信頼出來る人であるということ。今後も仲良くしていく必要があると思い、挨拶に向かった。