《貴族に転生したけど追放されたのでスローライフを目指して自前のチートで無雙します》領地運営と戦爭準備⑰

 アルトの剣は、度々異質な軌道を描く。空中を空振るはずの剣が、甲高い金屬音を立てて弾かれる。

 やはりそうか。あいつの能力をずっとワープだと錯覚していたが、実は消す能力だったのだ。正確に言えば、対象の気配や見た目や魔力などを全て隠す。ただそれだけの能力だったんだ。

 剣が飛ぶ仕組みは簡単。魔法にその能力を付與して、短剣を魔法土飛ばしていた。普通の魔法にこれを付與しても良いはずなのだが、何が制限があるのだろう。

 俺は、キウンに念話を送る。

 俺はおそらく、あいつを剣で切れない。魔人と言われるものも切れなかったのだから、恐らく墮天使も無理だろう。だが、あの魔法を使って無理に切る事も無い。

 正直、Zランクの魔法で一気に方をつけてもいいのだが、1度Zランクの魔法を使ったのと、この後の後処理を考えても使える回數は多い方がいい。

 あいつを倒した後、魔の発生源を潰すのに恐らくかなりの魔力がいるだろう。

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 俺は、飛びう剣を捌きながら、キウンが隙を見つけられるように防戦に徹する。

「あらぁ。貴方、私の力に気づいたのかしら? 全く通じなくなってるわ」

「ああ、薄々とづいていたよ。だから、もう効かない」

「それはどうかしら! 」

  突然、腹部に痛みと衝撃が走る。

 突然の予期せぬ出來事に、またもや膝をついてを吐いた。

「ふふっ、膝をついたわね」

「どういう、ことだ……」

 キウンを纏っていたから、外部からの攻撃は絶対に通らないだろう。スーリヤやネメスと同格のキウンが源の防だ、墮天使如きが貫通させられるわけがない。

 そんな事を思考しながら、腹に突き刺さった短剣をゆっくりと抜き、治癒魔法をかける。

「大地を司る地母神よ、世界の恵みを我に――大地の癒し」

 傷は塞がり、は戻る。普通の回復魔法と違うのは、魔力が必要な割に治癒力は低いが、も元に戻すという事だ。このを流しすぎた俺にとっては、とても心強い魔法。

 だが、し魔力をつかいすぎた……。

「今のは、なんだ……」

「ふっふ、貴方は気づいたみたいだから教えてあげる。私の消す能力で空間魔法のワープを消して、貴方の鎧の側にワープさせたのよ。まあ、あまり大きなものは出來ないけれどね」

 笑いながら言う彼

 俺は、々と腑に落ちた。ただ気配や魔力を消すだけの魔法で、それも大きなものは出來ない。つまり、大規模な魔法や派手な魔法には使えないと言うこと。ならば地味な魔法を消すよりも、短剣を飛ばした方が強いという訳だ。

 それに、彼が元々持っていた空間魔法の魔法適正。ワープは初期魔法であり、規模の小さな魔法である。

――やられた。まさか、空間魔法の適者であるとは思いもしなかった。

「極大魔法に大地の癒しこれだけ魔力を使えばもう空っぽでしょ。力もないはずよ……。ふふっ……これで、終わりよ! 」

 先程と同じように、短剣を飛ばしてくる。恐らく、どこかのタイミングでまた鎧の中に短剣をワープさせるだろう。そうなれば、死にはしないがとても厄介だ。

 し反撃して、相手にワープを使わせる暇を與えない程度で回避して隙を伺っていると、どういう訳か頭にステータスが過ぎった。

――スキル:威圧(神)

 スキルは、人が授かるものは軽度なものがほとんどで、その全てに副作用は確認されていない。強いものでも、軽度の魔力消費程度だ。だが、強力なスキルを持てば持つほど、人は副作用が発生する。龍種などにはそれは無いが、人である俺にはそれがあるため使用は控えてきたが……。

 威圧のスキルは、簡単に言えば相手をひるませる能力だ。恐怖を與え、圧迫させ、戦意を、神を殺す。

 基本的にこのスキルは魔しか保持しておらず人が持っている事は無いのだが、俺は神の力を真似した為保持している。

 

 これは、魔で言うところの魔素――魔力の元を直接ぶつけて與えるものであり、魔に當然に持っている質であるため副作用はなく発できる。

 だが、俺が発するにはまず魔素を作らなければならない。それを行うのが創生だ。

 神であれば魔素をることは容易であるし、には無限に蓄えてあるが、俺が無限なのは魔力だけ。

 そして、創生の副作用は脳の処理が過多になる故の頭痛。

 でもまあ、魔素程度の魔力の源と言えるの作であれば、さほど副作用も強くは無いだろう。

「スキル発! 創

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