《貴族に転生したけど追放されたのでスローライフを目指して自前のチートで無雙します》ミュンヘン戦爭②

「死ねぇ! 」

 前方から迫り來る敵兵の槍ををずらして避ける。そして、手に持った短剣で敵兵のを切り裂いた。

 ゴポっと、空気が抜ける音と同時に、敵兵は口から大量のを溢れさせながら倒れる。

 それを見た兵士が、俺を殺さんと勢いよく槍を突く。どうもこの兵士達の質は宜しくないようで、型にハマった同じような攻撃を軽々とわして確実に兵士を殺す。

 崩壊した戦線。オーガはそこから先へと攻めてくる様子はなく、追い打ちをかけるように逃げう兵士を殺していく。

「やな奴だな」

 しかし、流れ込んできた兵士が多い。大型の魔法で一掃したい所だが、味方の兵士も多く存在する。そう簡単に魔法で処理は出來ない。

「仕方が無い、し面倒だけど――雷針――」

 數十の雷の針がアルトの背後に生される。

「行けっ! 」

 手を振り下ろすと、その針は敵兵の頭部を目掛けて確実に突き刺さる。

 大きな槍では無いため威力はなく、1発で仕留められるような魔法ではないが、この針は雷を纏っている。狙い所さえしっかりとしていれば……。

 針が刺さった兵士は、ほんの僅かにを震わせ次々と地に伏していく。

「やっぱり便利だな、この魔法は」

  この魔法は込める魔力で雷の威力を調節することが出來る。魔力が強ければ強いほど、より鋭く、より早く、より強くなる。

 今回アルトは、この針の雷を強くした。それほど鋭くない、それほど早くない針だが、刺さった兵士たちのに流れた電流が確実に死に至らしめる。

「この調子でどんどん片付けていくか」

 また魔法を生し、次の標的へ向けて駆け出した。

 何を考えたのか、帝國は10萬の軍勢の7割を前線へと駆り出した。平原の帝國側にある軍の本部の守りは確実に弱いだろうが、前線の數の暴力のせいでこちら側は攻めきれない。

 俺だけならば抜け出せるが、そうすれば更に圧迫してくるだろう。この後ろにある領地に攻め込まれるのも、時間の問題になる。

 クソっ、俺がここを離れるわけには行かないが、このままだと拉致があかない。

 ネメスとスーリヤが帰ってくれば……。 

 丁度いいタイミングで、ネメスから到著の念話が頭に響く。

 これで、俺がこの場を離れられる。

 ネメスがこちらに來るとなれば、俺がここにいる必要も無いだろう。それに、島も山脈もそれほど距離は変わらない。時期にスーリヤも參戦するはずだ。

 俺は近くにいた敵兵を切り捨てると、大きく飛翔した。

「――炎の翼――」

 空中で魔法を発させ、にまとった大きな炎の翼を羽ばたかせて前進する。

 本の數秒で、人ではない何かが目にる。

「あれが、新手のオーガか。確かに奇妙なをしてやがる」

 はピンクと派手で、2本の腕とは別に背中から2本の腕が生えていた。

 

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