《貴族に転生したけど追放されたのでスローライフを目指して自前のチートで無雙します》ミュンヘン戦爭④

 オーガを殺し回ってはや30分。崩壊した前線から流れ込んできた大群は、炎によって4分の1程度には減ってきた。

 これを繰り返している時間もない。今も尚後ろでは兵士達が戦闘を続けているし、どうにかして指揮を見つけたいのだが……。

 とりあえず、また空中から確認してみた方が良さそうだな。

「炎の翼」

 空高く飛び上がり當たりを見回すと、何やら馬を乗った軍勢がこちらへと走ってきている。

「間違いない、あれが上の人間とやらだ」

 明らかに周りの兵士とは格が違うという風を漂わせている騎士は、大きな槍を背負い黒い馬にり全鎧を付けている。

 あの馬も、恐らくは魔だろう。そうでないとあんなに重たい人間を乗せては走れない。

 さて、とりあえず生け捕るか。

………………。なんかものすごくサイコパスっぽい思考回路だが、これはあくまでも戦爭中だからなんだ。普段から偉い人を生け捕っている訳では無い。

 まずは、あの馬を止めないといけないな。

「水よ、拘束せよ」

 指先から放たれた水は、真っ直ぐに馬の足元に飛んで行き、見事腳をからませて転倒させた。

 俺は炎の翼を解除し、倒れた指揮たちの元へと降り立った。

「えっと……。大丈夫ですか? 」

 とりあえず彼らの安否を確認しておいた。死んでしまっては、また次の指揮を探す羽目になるからな。

 勿論彼が最高位と指揮とは思っていない。

「ああ、無事だ。って……」

 俺を見た男はすぐに腰から剣を抜き放ち、起き上がった。だが、右の足が震えている。おそらく骨折でもしたのだろう、痛さで顔が歪んでるのが見て取れる。

「貴様、何者だ! 」

「一応敵だ」

 敵と聞いてか、指揮らしき男も背中に背負った大きな矛を構えた。

「我は帝國に仕える子爵家當主、デミラス・マテリアーだ。我が一族の名にかけて、貴様を……」

 俺は自己紹介を聞くことを放棄し、周りにいた兵士達を鎌鼬で首を落として殺した。

「無禮な! 戦のマナーも知らぬのか」

 何とも面白い事を言うものだ。先にマナーを無視して戦をしかけてきたのは帝國だろうに。おかげでこっちは大変なんだ。

「そんな事はどうでもいい。とりあえず、拘束されてくれ。頼む、キウン」

 俺に纏っていたローブの裾がし短くなる。その切り離したローブの1部が、デミラスの四肢を拘束した。

「むっ、放せ! 卑怯であるぞ! 」

 だが、ビクともしない。龍種でさえ解けない可能が高いこの鎖を、人間ごときがどうにかできるわけが無い。

「さあ、とりあえず牢獄にっててくれ」

 俺はデミラスを転移魔法で平原に1番近い屋敷の獨房へと転移させた。

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