《異世界転生~神に気にられた彼はミリタリーで異世界に日の丸を掲げる~》第二十一話 パララルカ王國殲滅戦5~決戦1~

No Side

彩雲の偵察より三日後、アクラは遂に日本帝國軍と接敵した。正確には偵察に出した兵が敵軍を見つけたのである。アクラも実際に偵察に向かい自の目で確認をしていた。

「確かにいるな」

アクラの目の前には豆粒程度の日本帝國軍の姿があった。日本帝國軍だと分かるのは彼らの國旗である白地に赤い丸が書かれたシンプルなものだからだ。それは遙か遠くからでも十分に確認できた。

「敵の攻撃範囲は異常だ。大砲と言う武らしいがどうやって倒せばいいのか……」

5年前に戦った際にはまともに近づく事も出來ずに敗北していた。今回はあの時よりも狀況は悪い。5年前の二の前になる可能を考えてアクラは悩む。

その時だった。アクラは敵軍がまだ配置についていない事に気付く。詳しい所までは見えないが明らかに今到著したばかりの様な様相を見せており大砲と思われる武の姿は見えない。し小高い丘から見ているアクラはし上から覗いている限りまだ勝機はあると考えた。

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「(このまま敵の配置が整うのを待つのは愚策だ。ただでさえこちらの勝利は難しいのに敵が萬全な狀態になれば絶的になる。ならば勝機は今か……)」

アクラは敵に見つからないように丘を降りて自軍の下に戻る。この時、アクラの中では敵の罠と言う可能も上がっておりそれが不安を掻き立てていたが自分の任務は日本帝國軍の撃退であると決意を固めその不安を見ないようにしていた。

その為であろうか?日本帝國軍の本陣よりアクラのいた方角を雙眼鏡で見ていた朝霞博の姿や気配、視線と言った普段なら気付くものに全く気付いていなかった。もし、彼が気づいていれば決戦を行おうとはせずにすぐに退卻を開始していただろう。しかし、それもこの時點ではどうしようもなくなっていた。

日本帝國軍は丘に挾まれた小さな平原の先に展開していた。その為パララルカ王國軍は近づくにはここを通るしかなかった。迂回しての攻撃する場合敵に気付かれる可能があり奇襲は出來ない。それは正面の場合も同じだが距離が違うため敵が展開しきる前に攻撃出來るとアクラは予想していた。

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「進め! 我らが祖國を脅かす敵を倒すのだ!」

「「「おおぉぉぉぉぉっ!!!」」」

アクラの勇ましい言葉に兵たちは雄たけびを上げた。ここまでまともに行軍出來なかった彼らも敵を目の雨にして士気を高めていた。敵は強大だが彼らの中からは不思議と恐怖は消えていた。戦場という特異な空間に彼らは酔っていたのである。本來は軍の暴発を招きかねない為きちんとした指揮統制が求められるのだがアクラは特に締め付けるような事はなく士気を高める兵たちに簡単な指示を出すのみだった。

これはまともな兵とは言えない彼らに規則を強めて押し付けるよりもその士気の高さのまま敵陣地に突撃した方が良いと考えたためである。故に彼らの攻撃はまとまった陣を形する事もなくがむしゃらに進んでいくだけだった。

そんな彼らを見ても日本帝國軍のきはない。何やり陣地いている様子だったが迎え撃つつもりはなさそうだった。それはアクラに取っては予想されたきの一つでしかなく敵の様子から充分に突破可能だと思っていた。

しかし、そんな彼の思を崩す最初のきがあった。兵の最前線で発が起きたのである。それも複數で発した場所にいた兵は宙高くに打ち上げられている。敵の大砲の攻撃か!?と思ったがそれは地面から発しており兵が通ると発していた。それらは規則的に起こっているわけではなくまるでバラバラで適當に並べたと思っても可笑しくない狀況だった。

一日前・・・に到著していた日本帝國軍はここを通ると予測して予め地雷を仕掛けていた。規則は無いが仕掛けたものは後で回収できるように日本帝國軍は把握しているが地雷と言うものを知らない敵兵は大混に陥る。何せこの先も地雷が仕掛けられているかもしれないのだから。実際は日本帝國軍が仕掛けた地雷は僅か20個だ。兵の充足率を優先した事と防用の裝備と言っていい為良太は大した數を揃えていなかったのだ。そして、発は既に20回起きている。その為これ以上発する事はないがそれを知っている者はパララルカ王國軍の中にはいない。彼らは皆足元を見ながらそろりそろりと前進している。呆れるほどの遅さだが地雷の力を知る日本帝國軍はその行を笑ってしておらずむしろ同すらじていた。パララルカ王國軍の方は発が起きた事でなりふり構わず進めという訳にもいかず、むしろしづつでも進んでいる兵に関心すらしていた。

とは言え日本帝國軍は敵が近づくまでの時間稼ぎに功した。この間に日本帝國軍は左右の野砲陣地にて野砲の準備を行った。用意されたのは第一次南部領土防衛戦で用いた155mm榴弾砲FH70ではなく舊日本軍が運用していた九五式野砲である。155mm榴弾砲よりも程は短いがコストも高く兵も増えてきた今は威力の高さより數を優先した結果であった。

素早い日本兵のきによって野砲はあっという間に撃てる狀態になり地雷を警戒するパララルカ王國軍に向けて標準を合わせていく。それはパララルカ王國軍の後方で指揮を執っていたアクラにも確認できた。

「っ!? 全員走れ! 前方に向けて走れ!」

アクラの悲鳴と聞き間違えるようなび聲と九五式野砲より榴弾が放たれるのはほぼ同時だった。弾に當たりを吹き飛ばす兵士に発によって解き放たれた金屬片を全に浴びていく兵士たち。地雷で足止めしつつ敵に向かって必殺の一撃を叩きこんだ。この時點でパララルカ王國軍は二百人近い兵を失っていたが彼らの悲劇はまだ続いた。

「ん?何の音だ?」

最初に気付いたのは両翼に展開していた兵士である。地の底から響くような音を聞き怪訝に思うがその正は直ぐに姿を現した。左右にある丘の頂上より鉄の箱、90式戦車が5両ずつ姿を現した。

「な、なっ! ……!」

驚き固まる兵士たちに砲塔が向けられ一気に砲撃が開始されるのだった。

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