《異世界転生~神に気にられた彼はミリタリーで異世界に日の丸を掲げる~》第四十七話

No Side

日本帝國において全権力を持つ鹿島良太総統の妻である稲荷輝夜が第一子を無事に出産したという報は瞬く間に國中を駆け巡った。

鹿島良太の能力で誕生した臣民達は無條件に喜び、ガルムンド帝國との戦爭が近いことから暗くなりつつあった表に笑顔とが戻ってきた。特に、最前線と言えるシアーリス半島の駐屯軍の士気は多いに上がっており「ガルムンド帝國が攻めてきても追い返してやる!」と豪語する者まで現れる程だった。

しかし、臣民以外の舊パララルカ王國民の態度は違っていた。良太の子供が生まれたという事は日本帝國による統治が今後も続くという事を意味していた。繁栄していた祖國を圧倒的な力で滅ぼされ、日本帝國民となった彼らの心境は推して知るべしだった。

そんな風に秋津洲で表面上はお祝いムードになっている中、ガルムンド帝國では國を掌握した宰相とグランハムは軍事拡大を行っていた。後退した前線の押し上げに反を持っている將校の更迭や捕縛、処刑などと言った事を行う必要がありそれらの行に忙殺されていた。

Advertisement

「南東方面軍司令アブラエルはこちらに従うと言ってきていますが南西方面軍は聖オクシデント法王國と約をわした様です。恐らく、その周辺で獨立するつもりだと思われます」

「アブラエルに攻撃をさせろ。こちらからも兵を送り徹底的に叩き潰せ」

「ループル公國で離反のきがあります。インテガリア公國はこちらに従うと大公自らが宣言しました」

「西部方面軍に対応させろ。最悪の場合、ループル大公のれ替えも許可する」

「了解しました」

次々とって來る報告にグランハムは素早く対応していく。クーデター以來起きていた問題もしづつ、だが確実に減っていた。そして、急を要する報告を捌ききったグランハムは近くで控えているズーク公爵に問いかけた。

「ズーク公爵、日本帝國の報はったか?」

「勿論です。奴らはパララルカ王國を完全に滅ぼしシアーリス半島を掌握していました」

「何と? 確かあそこには我らを何度も退けた將軍がいたようだが……」

「どうやらアルバ島から逃げる時には行方不明になっていたようです。恐らく捕まったか、殺されたか……」

程な。敵はあの戦家を降す実力は持っていると思った方がよさそうだな。……軍の規模は?」

「新興國らしく低いですな。シアーリス半島に展開している軍勢は五萬以下、何やら國境付近で防壁を建造している様で詳しい報を得る事が出來ていません」

「だがシアーリス半島にまで日本帝國はやってきている。船の建造技は持っていると想定した方が良いか……」

でグランハムは日本帝國をどうするかを考え始めた時、ズーク公爵がもう一つの報を言った事でそれは止まる。

「いいえ、どういう経緯か分かりませんがシードラ王國は日本帝國と友好関係にあるようです。もしかしたらシードラ王國の手を借りた可能もあります」

「日本帝國の力は小さいがシードラ王國の手を借りたおかげでここまでこれたという訳か? 虎の威を借りる狐ではないか。いや、もしかしたら日本帝國はシードラ王國の屬國の可能もあるな」

「その様な事をシードラ王國が行う利點はあるのでしょうか?」

「あるだろう。分からないのか?」

本気で分かっていない様子のズーク公爵にグランハムは冷たく告げる。

「我らと敵対する為だろう。日本帝國を育て我らへと當て馬とする。シードラ王國はこちらに付く代わりに技なり武なりをもらう……。商人國家らしい、姑息な手だ」

「な、程……。ではすぐにでもシードラ王國の外を出頭させましょう。友好國という事で彼らは比較て自由にく事が出來ています。その間に何かしらの工作を行っている可能もあります」

「そうだな。直ぐに兵を向かわせろ。抵抗するような殺しても構わん」

「はっ!」

ズーク公爵は部下を呼び寄せ指示を出していく。その姿を眺めながらグランハムは心の中で呟いた。

「(シードラ王國と日本帝國。貴様等がどんな姑息な手を使おうとも我がガルムンド帝國は世界最強の國家である。真正面から貴様等を砕してやろう。その日を楽しみにしておくがいい)」

グランハムの言葉で日本帝國のみならずシードラ王國にもガルムンド帝國の魔の手がしづつ近づいているのだった。

??? Side

隊して早數か月、ここでの生活は充実している。隊希者はないがその分教員役の上に教えてもらえる頻度が高い。やる気と才能がある人間ならこの狀況はまさに最適と言える。俺はそうではない為多は辛いがな。

「おーい! ゼルキオー!」

「……ん?」

後方から大きな聲で呼ばれた為、俺は振り向く。ゼルキオは本名ではないがここではそう名乗っている。自分の名前として違和ない様になるまで時間がかかったよ。

俺を呼んだのは同期の松井弘まつい ひろむだ。あまり績は優秀とは言えないが臣民の一人らしく総統閣下に対して絶大の忠誠を誓っている人だ。

「教が用事出來たから次の講義は自習だってよ」

「そうか。分かった。教えてくれてありがとう」

「いいって事よ! 困ったときはお互い様だろ!」

……ここの生活は本當に充実している。このまま永住してもいいかもしれないと思ってしまう程に。

だが、俺には大事な使命がある。ここに永住なんてできないし場合によっては彼らを裏切る事になるだろうからな。

    人が読んでいる<異世界転生~神に気に入られた彼はミリタリーで異世界に日の丸を掲げる~>
      クローズメッセージ
      あなたも好きかも
      以下のインストール済みアプリから「楽しむ小説」にアクセスできます
      サインアップのための5800コイン、毎日580コイン。
      最もホットな小説を時間内に更新してください! プッシュして読むために購読してください! 大規模な図書館からの正確な推薦!
      2 次にタップします【ホーム画面に追加】
      1クリックしてください