《俺だけ初期ジョブが魔王だったんだが。》第1章 7話 「圧倒的戦力戦 #2」
俺が【剣士】を倒して、リリスが【騎士】と【魔師】を瞬殺したので、殘りはカイザーと【武闘家】【魔師】【僧】を倒すのみである。
ちなみに俺が【剣士】を倒した際、裝備の【ネクロファージレイブンローブ】の能力が働いた。HPをゼロにした相手の殘りMPの1/5を吸収、回復させることができる。しかし俺のジョブから言うと微々たるものなので言うまでも無かった事かも知れない。
「こ、こいつら何だ..?!」
「チートだ!不正行為はAESの永久利用停止だからな!」
まあチートっちゃそうかもな。
ま、故意じゃないからセーフとしてくれ。
「ちーと?......良く分からないが貴様ら如きが馬鹿にしていい方ではない!」
リリスはスキル後直から解放されると、「チートだ!」とんだ【魔師】に向かって走り出す。
「さっきの衝撃波はもう食らうかよ!」
【魔師】は杖を上から下へ縦にふるう。
「喰らえ【メテオライト】!!!!」
巨大な隕石が高速で落下してくる為、迂回せざるを得なくなる。
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「ちっ」
「ふははどうだ。俺のとっておきは!」
隕石は凄まじい音を立てながらリリスの目の前に降り注いだ。バックステップで避けるとリリスは落ちてきた隕石に向かって右手をばす。
再び空間を曲げるようなギュワンッという鈍い音が、連続してフィールドに鳴り響く。
「オイ...噓だろ?」
【魔師】は慌てて防魔法を発し目の前に巨大な半明のシールドを何重にも出現させた。
【僧】は【魔師】が出した半明のシールドに強化魔法をかける。結果、5枚のシールドの厚さが2倍程になり並の攻撃じゃ1枚も突破できない、即席ながら優秀な連攜魔法を披した。
隕石がシールド目掛け一直線に吹っ飛ぶ。
パリン!!!パリン!パリン!
割れはするがその威力は確実に落ちている。
【魔師】はシールドの維持するため必死に堪える。【僧】は彼に付加魔法をかける。暫くすると隕石は四枚目のシールドにひびをれた後消滅した。
「...はぁはぁ...どうだ見たかよ!止めてやったぜ」
【魔師】は満足気に言い放ち【僧】の方に振り向いた。
その瞬間、ぐにゃりとが重くなった。
「はっ?」
【僧】が何故か味方の自分にデメリットしかない鈍足魔法をかけている。
かけ終えると次は麻痺魔法をかけるための詠唱を始めた。
その目は虛ろというか、どこか気が抜けている。
「おいっ!お前!ふざけんな!!」
【魔師】のに弱い電撃が走りを制できなくなる。そのままその場に崩れた。
「ぐっ...なぜ......」
「貴方はもういいわ。死んで」
【僧】はいつの間にか現れたリリスにより無抵抗のまま大鎌で首を狩られる。【僧】はエフェクトに変わり、弾けた。
「【デビルズ・テンプテーション】。かなりの格下の異にしか効かない技だけど...。喧嘩を売る相手を見誤ったわね。」
「くそっ!」
麻痺狀態でけない【魔師】はリリスの鎌で首を狩られる。三撃目で【魔師】のHPが底を突いた。
一方その頃....
「おい、こいつの近くに居るとAGIが極端に減る!近付くな!」
「厄介なパッシブスキルだが気付いたらなんてことねぇ。遠距離からじわじわ減らしてやるぜ」
カイザーと【武闘家】は俺から距離をとり剣と拳を構える。こうなると厄介だ。俺はまだ【魔王】だけがLv upで覚えられる基本のアクティブスキルを三つしか持ってない。
となると、これ使ってみるか。
「【従屬者召喚】」
そう言うと目の前に魔の名前と特がズラリと並ぶ。
魔の名稱を頭の中で念じるとステータスや特徴の説明が出てきて、魔の名稱+「召喚」と言うと実際に召喚できるらしい。
基本的に指定しない限り、魔のLvは自分と同じレベルで召喚される。
の中にも強さの序列はあるらしく、消費MPはばらばらだが俺のMPは底無しみたいなもんなので気にしない。
とりあえず急を要するので適當に出してみる。
「  リトルワイズマン100召喚!」
リトルワイズマン。深く帽子を被った長1mくらいの小さな魔法使いである。INTは高いが他のステータスが碌ろくでもないので倒すのは比較的容易な魔なはずだ。
しかし、それは単のみでの話。
集団ともなると処理しきれなくなりかなり手古摺てこずるはずだ。
しかも俺の周りに配置する事であいつらは不用意に近付けない。
「魔召喚?!それが奧の手って訳かよ!」
「でもこの數召喚したってことはMPはもう殆ど殘ってない筈だ!こいつらが魔法発する前になるべく多く処理するぞ!」
カイザー、中々リーダーシップを発揮するじゃないか。伊達だてにグループのリーダーやってる訳じゃないらしい。
ただ一つ惜しいな。おれのMPは未だ3割程しか消費されていない。
「リトルワイズマン、全員あの2人に【ファイアボール】!」
無數の赤い玉が小さな杖から大量に放たれる。一斉放した【ファイアボール】はスピード・威力こそそこまで無いが、數の暴力により確実に相手のHPを著実に削った。
「11は雑魚だ!殘り70程度は早く処理するぞ!」
第二波を発する前にどんどん數を減らされていくリトルワイズマン。
「リトルワイズマン!【武闘家】を一點狙い!」
命令したことに背く事なく仕事をこなしている。パッシブスキルの【カリスマ】のおだろうか。
「う、やめろ!ああああぁぁ...!」
【武闘家】を何とか消滅させたがカイザーが殘っている。リトルワイズマンの數は10數にまで減っている。
「よし...勝機が見えてきたぜ」
そう呟くとカイザーは半徑3mにってきてAGIを半減させた。が、俺とリトルワイズマンは足が遅いので関係無いと踏んだのだろう。
事実、リトルワイズマンは全て処理された。
【魔剣ブロウ】でカイザーの攻撃をけ流す。もとより、全て吸収している。
カイザーの攻撃は中々早く、DEXは俺を上回っているじがした。
早さに付いていくだけでいっぱいである。
互いの剣先が剣戟を鳴らす。鳴らす。鳴らす。
細かく速く鋭く。槍のような猛攻撃に遂に耐えかねた。
一撃が俺の肩を貫いたのだ。
「よしっ!よしっ!」
にやにやと笑みを浮かべ喜びをわにする。だが與えたダメージをみて驚きの表を見せる。
「...は?有り得ねぇ!」
「お前が弱いだけだ」
【カルネージペストマスク】
30秒間中27秒間でけた攻撃回數は50と數回。半減して下がりきったステータスで俺のHPは一撃では削りきれなかったらしい。
肩にカイザーの剣を貫かれながら、俺はカイザーの頭に手を置いてこう呟いた。
「【弱強食】」
カイザーは、何言ってんだ?と言いたそうな表でこちらを見ている。もっとも、【カルネージペストマスク】でこちらの表などは何も読み取れていないだろう。
そしてカイザーのは一瞬にしてエフェクトに変化し、パリンと弾けた。
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