《俺だけ初期ジョブが魔王だったんだが。》第2章 15話 「森の迷い子」

「ふぅ...結構進みましたかね?」

「まあそうだろうな。霧が出てきたから魔の種類や行パターンが変わるかもしれない。」

「今はレベル差でごり押せますがこれ以上進むのはなかなか厳しそうです」

「もう、そうなったら最終変解くしかないか」

「それもそうですね」

奧へ進むほど霧は濃くなり、二人の視界はじわじわ奪われていった。周りの木々も活力を無くしたのか枯木に変貌していく。ついには葉を全て落とし、前の森とは別の森に居るような錯覚に陥る。

「何か出そうな雰囲気ですね...」

「もしかすると低確率で発生するイベントかも知れないな」

「ホラー系は勘弁です...」

意外に乙っぽい所もあるんだな、と思ったが聲には出さないでおいた。

それにしても辺りは霧のせいで一寸先は闇...とはいかないが3m先は既に何も見えない。仕方なく歩くスピードをし落として移することにした。

と、その時だった。

『きゃぁぁぁぁぁぁあああ!!!!!』

「ほわぁぁぁぁぁぁあああ!!!」

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どこからか悲鳴が聞こえ、森中に響き渡った。それにつられてリリスは変な聲を発した。ほわぁってなんだよ。

『きゃぁぁぁぁぁあああああ!!!!!』

リリスの悲鳴、というか奇聲のせいで悲鳴をあげた人がまた驚き、悲鳴を繰り返した。負の連鎖とは正にこの事である。

「ふぎゃぁぁぁぁああああ!!!」

「おい!やめろリリス!向こうの人もお前の悲鳴に驚いて連鎖が止まらないから!」

「あーびっくりしました....」

「向こうの人もびっくりしてるだろうよ...」

とにかく俺達は悲鳴をあげた本人の元へ向かってみる事にした。

「悲鳴はどこから聞こえたっけ」

「闇雲にかない方がいいのでは?やめときましょう、そうしましょう」

「お前がきたくないだけだろ...」

「ん〜、じゃあこうすれば問題ないです」

そう言うとリリスは俺の右腕を自分の両腕でスッと摑んでがっちりホールドした。弾力のあるらかな覚が右腕を襲う。

「行きましょう!」

「あ、ああ...」

わざとか無意識か...リリスの事だ。わざとだろうな。そんな事を考えていたら何やらこちらに迫ってくる様な地響きが聞こえた。

「ん?何か足音が聞こえないか?」

「あー。確かにそうですね。」

音は段々大きくなり確実にこちらに向かっている。リリスの右腕を摑む力が強くなりがより一層増した。

そんな事より、目の前から迫る何者かに備え腰の【ハンドガンホルダー】から【トランプハンドガン】を抜いて左手で構えた。

何も構えないよりかはマシだ。

「ぁぁわわわわわわ!!!」

「なんだ?!」

濃い霧の向こうから急に現れた黒髪ロングのは真正面から俺とリリスに突っ込んで來た。

「どわっっ!!!」

三人仲良く地面に倒れ込む。俺は雀の涙程のダメージを食らった。黒髪ロングのは俺の上に倒れ込んだ為、ノーダメだと思う。

リリスは俺の右腕がクッションになりダメージ判定はされなかった。

フルダイブ型では、五全てを持ち込んでいるので當然痛覚もあるが、ゲームなのでその痛さはかなり軽減されている。今はドッジボールをぶつけられたくらいの衝撃だった。

「いてててて....」

聲に出すほど痛くはないが咄嗟に聲に出してしまう。そういう時ってあるよね。

「わあすみません!すみません!」

「この、何のつもりだ!レンジ様に攻撃しておいてただじゃ済まないぞ!」

「おい、リリス!」

俺は左手の人差し指を口に當ててジェスチャーした。リリスはハッとして口を抑える。

「大丈夫ですか?」

「はぁぁ。すみません、仲間の方とはぐれてしまってですね...」

「そうなんだ、霧が出てるしかなり探しにくいですよね」

リリスはいち早く立ち上がり、に早く俺から降りろと聲を荒らげた。

「すみません!すみません!」

「いや...大丈夫だけど。どうかしたんですか?」

「実はですね。仲間とはぐれたのはこの霧が出てからなんですけど、そのときにとても大きな魔が襲ってきて....」

「それでばらけたんですね」

「そうです、ああどうしよう。私が慌てちゃって、仲間の皆さんに迷かけた...」

「とにかく、早めにこの森を抜けた方が良さそうですね」

俺達はを混ぜ、とりあえず三人でこの森を抜ける事にした。リリスは気にらないようでしムスッとした表を募らせている。

黒髪ロングのの名前はミアというらしい。職業は【騎士】でレベルは25。リリスよりし背が低くて、まぁ...もリリスより控えめである。恐らく中一くらいだろうか。

「はぁ...こんなドジじゃ春休み明けの高校生活が不安だなぁ....」

高一かよ!一つ下の後輩らしいが、現実の事を訪ねたりするのは一応タブーなので追求はしない。

場の雰囲気を変えるために、暗い気持ちになっている彼をからかってみることにした。

「気にしないで、むしろ置いて行った仲間の方に非があると思うよ。こんな可い子をさ」

「...えぇっ?!私なんてそんな!」

「ぶえええええ?!」

ミア(と、リリス)は驚いた反応を見せるが、別に噓を言ったわけじゃない。さらさらな黒髪に小柄で華奢な。そのサイズに見合う顔の小ささにバランスのとれた顔のパーツ。

いが、男子から見ると正に理想のようなだろう。ただ一つ言っておくと決してロリコンではありません。

「レンジくん!私という者が在りながら!」

「そっ、そうですよ!彼さんが可哀想です!」

拳を上下に振って怒るリリスと顔をぶんぶん左右に振って否定するミア。

...絶景100選に認定します。

「別に俺達は付き合ってないぞ」

「えっ!そうなんですか!」

意外そうな顔でこちらを見上げるミア。

「ええっ!そうだったんですか?!」

だからなんでリリスまで驚いてるんだよ。お決まりのチョップを食らわせた後、暫く歩くと事件は起きた。

いや、起きていた事にやっと気付いた。

「...この森抜けれねえんだけど」

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