《俺だけ初期ジョブが魔王だったんだが。》第2章 19話 「ライドシティ」
先程までとは180°人が変わったかのような口調で俺たちにまくし立てるミア。
「そっか。じゃあ、君がもう一人の¨ミア¨なんだな」
「そうよ。文句ある?」
「大有りよ!!」
リリスは顔を真っ赤にしてミアに摑みかかる。その手をはらってミアはリリスを睨んだ。
「嫌ね、熱くなっちゃって。ほんの冗談じゃない」
「まあまあ、二人共」
リリスを宥なだめる為に頭を軽くでるとすぐに落ち著きを取り戻した。
「あっ、ずるーい」
ミアは俺の空いている方の右手を自分の頭の上に乗せて、でてと言わんばかりに見つめてくる。
「はいはい」
正に両手に花。が、その実態はなかなかカオスである。
「人格のれ替わりはどんなタイミングで起こるんだ?」
「ミア、あのタイミングは最悪よ...」
「そうね。でも仕方ないじゃない。極まったり、逆に何も考えずぼーっとしてる時、無意識に勝手にれ替わっちゃうのよ。」
「ほんとかしら?」
「リリス、仲間になったんだから疑ったりするなよ」
Advertisement
「ですが...」
「れ替わりは不可抗力なの。だから病気扱いされるのだけど決して悪意は無いわ」
「....わかったわ。でもあまり失禮な態度は控えて」
きっとミアにも々あるんだろう。でも此処はあくまでもゲームの中である。プライベートに踏み込むのはナンセンスだろう。
「さ、どっちの人格にしたってミアはミアなんだ。むしろ會えて良かったよ」
「レンジくん...優しい!」
そう言うとミアは俺にしがみついてきた。
「でもやっぱり気にりませーーん!!」
この先は更に波な冒険になりそうである。
ーーーーーーーーー
「さ、一先ひとまずシルバーゴーレムを倒して得たの整理をしよう」
「ええ、そうですね」
「¨私¨は參加してなかったのね」
ミアは不服そうな顔で口を尖らせた。
「仕方ないさ、ミアはまだ通常職だったし」
「レンジくんありがとう、【暗黒騎士】なんてなかなかなる事ができない職業じゃないの?」
「そうよ。かなりのレア職。更にレンジくんの支配下になれる職の一つでもあるわ」
「リリス、他にもそんな職があるのか?」
「はい!どれもレア職がメーンになりますが...」
「所でミア、これからは死に戻りができない。魔王側に著いたプレイヤーは恐らく魔判定でゲーム復活が出來なくなる可能があるんだ」
「なるほど〜。でもレンジくんが守ってくれるんでしょ!」
「あぁ..はは、まあな」
ここは苦笑いで流しておいた。じゃないとリリスの堪忍袋の緒が切れるかもしれない。
「話が線したから話題を戻そう。とりあえず得た寶石は売って旅の経費にあてるってことでいいな?」
2人のは黙ってコクリと頷いた。こいつらは黙ってちゃ人形みたいなんだけどなあ。
「んで、俺は【魔王】の方のレベルが33に到達した。それに伴っていくつかスキルも覚えたから一応パーティーである二人には教えておこうと思う」
パッシブスキル【闇の支配者】Lv.1仲間のみに発。自を除くパーティーメンバーの全ステータスを25%アップさせる。
アクティブスキル【インフェルノ】Lv.1 前方20mに不滅の業火を放。ダメージをけた敵は戦闘終了まで決して炎が消せず、10秒に1回、相手の最大HPの3%のダメージを食らう。
【シャドウハンド・パイロット】Lv.1 全長2mの漆黒の右手を自周辺の空中に生み出す。右手で作することが可能で遠距離攻撃も可能。
【ダークマター】Lv.1 掌から絶大な威力を誇る闇質の線を放つ。発後30秒間、半徑1mから出られなくなる。
「かなり攻撃スキルが増えましたね!」
「ああ、マジで助かったよ。これで戦略の幅も広がるからな」
スキルはまたいつか試すとして俺達は折角到著したの観と、【大司教】探しを同時進行することにした。
まずは寶石をNPCの商人に売り、金を荒稼ぎして暫くは全く困らない程の金を得た。
「まさか寶石にこんなに価値があるとは」
「念のために一つだけ売らなかった【ダイヤモンド】はまた、俺が預かっておくよ」
「レンジくん、私が預かろーか?」
「ダメです!今のミアは特に信用できないので辭めておきましょう」
「なによーっ!」
「君らすぐ喧嘩するな....」
ーーーーーーーーー
には既にかなりの數のAESプレイヤーが流れ込んでいた。トッププレイヤー達が道中の攻略法や、その畫などを公開して他のプレイヤー達もそれを見てに辿り著いたという訳だ。
「そういえば、今現在トップと言われている大型ギルドに並ぶギルドが頭角を現しているらしいですよ」
「噂を聞いたことがあるわ。確かチームでの連攜がとても上手なギルドだとか」
「そう。でも彼らは目立つのを避けて表にはあまり出てこないらしいです」
「そうなのか。力を誇張する達とは対極にある様なギルドだな」
「ミアはあの人達、嫌いです」
「まあ、嫌いな人も多いかもしれないな。攻略畫だとかは、助かっている人もいるとは思うが....ってあれ?」
「ミア、あなたいつも間に戻ったの?」
ミアの聲の質がガラリと変わった。最初に出會った頃の聲質である。目元も心做こころなしか優しい雰囲気に戻った様にじる。
「あ...すみません。急に元に戻るんです...」
「そ、そう。変なタイミングで変わるのね」
「はい...すみません、すみません」
どうも主人格のミアは謝り癖が付いているのか口を開けばすぐに謝っている気がする。
「気にする事はないさ、ちなみに俺はどっちのミアも好きだよ」
「あっ..ありがとぅございまふ...」
耳を赤くして俯うつむく彼に噛んだことを指摘して追求するのは酷だろう。
「にしてもに匹敵するギルドか。どんなギルドなんだろうな」
「ギルド名は確か...」
。俺はそのギルド名を頭の片隅に留めておくことにした。
家から逃げ出したい私が、うっかり憧れの大魔法使い様を買ってしまったら
◇SQEXノベルさまより書籍全3巻発売中!3巻は完全書き下ろしで、WEB版の続きになります。幸せいっぱい、糖分過多のハッピーエンドです。 ◇ガンガンONLINEさまにてコミカライズ連載中! コミックス2巻が発売中です。 ◇ 書籍ではWEB版のラストを変更しています。 伯爵家に引き取られたジゼルは、義母や妹に虐げられながらも、持ち前のポジティブさと亡き母に貰った『やさしい大魔法使い』という絵本を支えに暮らしていた。 けれどある日、自身が妹の身代わりとして変態侯爵に嫁がされることを知り、18歳の誕生日までに逃げ出す計畫を立て始める。 そんな中、ジゼルは奴隷市場でムキムキの青年を買うつもりが、ついうっかり、歳下の美少年を買ってしまう。エルヴィスと名乗った少年は、ジゼルをクソガキと呼び、その上態度も口もとんでもなく悪い。 ──実は彼こそ、最低最悪の性格のせいで「人生をやり直してこい」と魔法を封印され子供の姿にされた後、神殿から放り出された『大魔法使い』だった。 魔法によって口止めされ、自身の正體を明かせないエルヴィス。そんな彼に対しジゼルは、あまりにも辛い境遇のせいでひねくれてしまったのだと思い、逃亡計畫の傍らひたすら愛情を注ぎ、更生させようとする。 (あれ、エル、なんだか急に身長伸びてない?魔法が少し使えるようになったって?ていうか距離、近すぎるのでは……?) 世話を焼き続けるうちに、エルヴィスに少しずつ不思議な変化が現れ始める。彼に掛けられた魔法が、人を愛することで解けることを、二人が知るのはまだ先で。 家を出たい心優しい少女と、元の姿に戻りたい優しさの欠片もない魔法使いが、幸せになるまでのお話です。
8 181銀河戦國記ノヴァルナ 第2章:運命の星、摑む者
『銀河戦國記ノヴァルナ』シリーズ第2章。 星大名ナグヤ=ウォーダ家の新たな當主となったノヴァルナ・ダン=ウォーダは、オ・ワーリ宙域の統一に動き出す。一族同士の、血縁者同士の爭いに身を投じるノヴァルナ。そしてさらに迫りくる強大な敵…運命の星が今、輝きを放ち始める。※この作品は、E-エブリスタ様に掲載させていただいております同作品の本編部分です。[現在、毎週水曜日・金曜日・日曜日18時に自動更新中]
8 190超迷宮奇譚伝 『このアイテムは裝備できません!』
これは、剣と魔法―――― そして『ダンジョン』のある世界の話 初めてのダンジョン探索の日。予想にもしていなかったアクシデントで、僕――――トーア・サクラはダンジョンの縦穴へ落下してしまう。 そこで手に入れた武器は、人類史上、誰も手に入れた事のない最強の武器。 しかし――――當然ながら―――― そんな武器を僕が裝備する事はできなかった!
8 127ゆびきたす
『私達は何処に心を置き去りにしていくのだろう』 高校生活二年目の夏休みの手前、私は先輩に誘われてレズビアン相手の援助交際サイトに書き込んだ。そこで初めて出會った相手は、私と同じ學校の女生徒だった。心の居場所を知らない私達の不器用な戀の話。
8 125高一の俺に同い年の娘ができました。
主人公神山 優はこの春から高校生活の始まるごく普通の男子。 一人暮らしをするために引っ越しの片付けをしていると部屋に知らない美少女がいた。 「私未來からやってきたあなたの娘の神山 奏です。これからよろしくね、お父さん!」 未來からやって來たという俺の娘の目的は何と、俺の青春時代の學園ラブコメがみたいとのことだった。しかも、俺自身のラブコメが見たいから、誰が俺の嫁になるのかを教えないという。 娘を中心に動き出す父と幼馴染とクラスメイトと、先輩と、後輩と、それから娘と、が織り成す學園青春ラブコメディ
8 125黒竜女王の婚活
女として育てられた美貌の王子アンジュは、諸國を脅かす強大國の主《黒竜王》を暗殺するため、女だと偽ったまま輿入れする。しかし初夜に寢所へと現れたのは、同い年の美しい少女。黒竜王もまた性別を偽っていたのだ! 二つの噓が重なって結局本當の夫婦となった二人は、やがて惹かれ合い、苛烈な運命に共に立ち向かう――。逆転夫婦による絢爛熱愛ファンタジー戦記、開幕!
8 119