《すばらしき竜生!》第7話 走
「「――上等じゃゴラァ!!」」
ロードは先手を取るため、地面を蹴ってに接近しながら"飛爪"を連続で繰り出す。それに対しては、見えているかの様に"飛爪"を半で躱し、二丁拳銃でロードに接近する。
"地"で瞬時にの懐にり、アッパーを繰り出す。目で追い付けなかったはロードのアッパーをもろにけ、上に吹き飛ぶ。 はそのまま牢屋の天井にぶつかるかと思われたが、驚異的なのこなしで衝撃を和らげながら天井に著地し、天井を蹴ってロードに拳銃を向けながら突撃し、ロードはそれを迎え撃とうとして、目掛けて蹴りを放つ。
――ドガァアアアン!
ありえない程の音量と衝撃をけて牢屋は軋み、鉄格子は吹っ飛んだ。
「あんたの蹴りすぎでしょ。どんな足してんのよ!」「どっからお前みたいな細いから、そんな力出てくるんだよ!」
戦いでも口論をしている二人だが、攻撃の手段を止める事は無い。それほどまでに両者共、油斷なき戦いだった。 と言っても、ロードは能力強化系の技能スキルを一切使用していないし、もまだ隠している事がある様に見える。
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はし焦ったのか、二丁拳銃に魔力を込める。紅のスパークが周りに迸り、牢屋の壁が崩れかける。
「埒が明かないからし本気出すわよ――我が敵を狙い穿て"追従魔弾バレットホーミング!"」
周囲に放たれた無數の弾丸は、不自然に角度を変えてロードに迫る。いくら弾いてもすぐさま軌道を変えて迫る弾丸に、ロードは"化"で直にけて耐えきる。
本來この追従魔弾バレットホーミングは敵を貫通し軌道修正を空中でして更に追撃し、敵が消滅するまで弾丸が飛び続ける恐ろしい技なのだが、今回はロードの防力が勝り、衝撃が來るだけだった。
「おまっ!? こんな狹い所で撃つ技じゃ無いだろ、しは考えろ脳筋!」
愚癡りながらも足に"闇屬付與"をしながらお返しだとでも言うように、上に飛んで踵落としをするがはバックステップで避ける。 だが、本気で放ったロードの踵落としは地面に付いた瞬間、轟音と衝撃波となっては吹き飛ぶ。 ついでに二人の戦闘で、既に崩壊寸前だった牢屋だけではなく、牢獄がロードを中心に吹き飛んで周りには何も無くなった。
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「…………………うわぁ」
流石のも、ロードが衝撃波だけで牢獄全てを吹き飛ばした事に引き気味だったが、一番驚いているのはロード自だった。 確かに踵落としを本気で放ったが、直接に當てる気はなく、避けられたのはどうでもよかったのだが、死んだ黒竜達を捕食して大幅に力が増したロードは、未だに力のコントロールが完璧ではなかった。それが牢獄消滅という結果になってしまった。
「あ、あんた馬鹿じゃないの!? あれ當たったら死ぬどころか消し去るわよ!」「うるせえ! お前だってさっき――我が敵を狙い穿て、とか言ってただろうが! 普通だとあれでも死ぬレベルだぞ」「何よ、あんたは大丈夫だったじゃないの。それにね、あれでも私は――――」
「き、貴様ら! いったい何をしている、武を捨てて大人しくしろ!」
「「あぁ!?」」
戦闘の事をすっかり忘れて口論していた二人だが、突然割ってってきた男の聲にふと我に返り、周囲を見渡すと沢山の兵士に囲まれていた。 兵士たちは、それぞれ剣や槍等の武を2人に向けているが、牢獄を壊した犯人がこの二人だと分かっている様子で、威勢は良いが手は小刻みに震えている。
そういえばここは牢屋だったなと思い出すが、今のロード達にとってはそんなのどうでもいい。
「喧嘩の邪魔をするなっ!」
ロードは兵士たちに向かって睨む。すると兵士たちは、立てなくなり地面に座りこんだり、中には気絶する者も出てきた。これも"竜眼"の能力だと理解したが、そんな事より喧嘩の方が大切だと思い、に視線を向ける。
「じゃあやるか」
ロードは子供が浮かべる様な笑顔でそう言った。
「………勘弁してください」
はこめかみを抑えて拒否した。 軽く牢獄を吹き飛ばす相手と誰が戦おうと思うのか、の選択はいたって正しかった。
「おまっ! 久しぶりに楽しい喧嘩出來るっていうのに中止とか、つまらねぇだろ!」「うっさい規格外の戦闘狂馬鹿! あんな景見せられて再戦なんかするわけないじゃない! ……それに睨むだけで兵士たちを戦闘不能にするとか意味分かんないわよ」「チッ、興醒めだ。――じゃあ逃げるぞ」
ロードはに歩み寄り、お姫様抱っこで逃走を図る。が「待って、この格好は恥ずかしいから!」と言っているが、そんな事を気にするロードではない。そして、ロードの威圧から回復し始めた兵士の數名が再びロード達を包囲する。
「貴様! さっきはよくも妙な魔法をやってくれたな! 生きてここを出れると思うなよ犯罪者め!」「すまん、今は雑魚に構ってる暇無いんだ」「―――なっ!?」
隊長格らしき男は憤怒に顔を真っ赤にして切りかかってくるが、ロードの軽い蹴りで後方に吹き飛ぶ。一瞬の出來事で他の兵士たちは驚愕に目を見開いている。
「おいガキ」「……き…じゃないわ」「ん? なんだって?」「ガキじゃないわ。私は――シエラよ」「そうか……じゃあシエラ。し踏ん張れ、喋ると舌噛むぞ」「え……何をす――グエッ!」
ロードは足に力を込めて空に跳び上がり、――シエラはカエルのような悲鳴をあげ、兵士たちは突然の事態に呆然と空を見上げている。 ロードはそんな事を気にしないで"天軀"にて空を駆ける。この時點でロード達を視認している者はいなかった。
◆◇◆
「………ん、村が見えるぞ。一旦休むか?」
――コクコクッ!
「けどお前、金持ってるのか?」
――ブンブンッ!
「………大丈夫か?」
――ブンブンブン!!
シエラは首を振りすぎてロックバンドの人達みたいになっていた。思い切り頭を降って、れた髪がロードの顔に當たって先程からチクリとした痛みにロードは悩まされているが、ひたすらロードの移速度に耐えているシエラにとっては知ったことではない。
ロードは村の前で高度を落として、靜かに著地してシエラを優しく降ろす。優しくするのはシエラに無茶をさせてしまったロードの、多の謝罪の気持ちでもあった。
「……はぁはぁ……この短時間でわかった事があるわ」「どうした、いったい何がわかったんだ?」「――あんたが規格外過ぎるって事よ!」「お前が人の事言えるのか?」「うっさい……ん、あれは村の人達よね? なんであんな所に集まっているのかしら」
シエラが指をさして村の中に注目しているのでロードも釣られて見てみると、村の人達が村の中央に集まって議論していた。見たじ良い雰囲気ではなさそうだ。
「どうする? 無視して他の場所探す?」「いや、面倒事な予はするが俺もシエラも疲れているからな、それに周辺の地図とかもしいし……問題を解決したら、報酬として金も貰えるかもしれない。ほら、俺達って金ないじゃん」「……わかったわ、あんたに従うわよ。正直、私も限界だったし……どっかの誰かさんのせいでね」「そいつは悪い奴だな、一発毆ったそうが良いんじゃないか?」「……そうね、そうさせてもらうわ。――どぉりぁああああ!」
―――ゴチンッ!!
「――イタァ!? あんたすぎでしょ!」「ただで毆らせるわけ無いだろ」
シエラがフルスイングで毆ってくる部分をロードは本気の"化"で防いだ結果、シエラの絶が響いた。 絶は村人達にも聞こえたらしく、皆驚いてこちらを見てくる。
「これはこれは旅のお方。こんな貧相な村へようこそおいでくださいました」
村の代表らしき老人が前に出てきて、丁寧に出迎えてくれる。その老人は痩せほつれていて、どう見ても健康とは言えない様子だった。 他の村人を見ても皆同じく痩せており、問題を抱えているのは一目瞭然というじだった。
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