《すばらしき竜生!》第18話 報告

『………それで……本當なのか、黒竜種がほぼ全滅と言うのは』『何匹かは父さんの指示で逃げれたらしいけど行方不明だ。そして父さんと母さんも生きてるかは分からない』

ラゴウに家――というより屋敷に案され、早速中で今回の事について質問をされた。ロードは黒竜種の現狀や襲撃者について出來るだけの事を話した。

『…………信じられん。その"奴"と言うのは、どこの國か分かるか?』『………これは襲撃してきた奴らの死から取ったやつだ。この紋章に見覚えはあるか?』『これは、帝國の紋章だな。新しい王が帝國に君臨してから、この様な紋章になったと潛している奴に報告をけている』

(………やっぱりか。予想はしていたが、こうも帝國絡みの事が続くか)

『それに、それほど遠くない場所に帝國軍の基地があった。結構でかい建だったぞ』『それは知らなかったぞ。後で調査に向かわせる』『あ、それはいらないぞ。多分……もう潰れてると思うから。再建設はまだ後だと思う』『―――はぁ!?』

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予想通りの反応で、うんうんと頷くロード。り行きの喧嘩で監獄を木っ端微塵にして、逃走する時にロードは見たのだ。 司令塔っぽい所の最上階の窓からこちらを見る男が、その男は全てを諦めている顔で遠くを見つめていた。あれは絶対に司令を辭める顔だったとロードは思っている。 牢獄の再建と新たな司令を任命するまで、帝國軍基地は放置される事だろう。

『ま、まぁいい、一応調査しといて損は無いと思うからな。報をありがとう。すぐに他の"七天竜"にも知らせが屆くと思う。 君は々と疲れているだろうから、泊まっていったら良い』『あぁ、それじゃあお言葉に甘えて1泊させて貰うわ』『おう、我が家だと思ってくれてもいいぞ?』

ガッハッハ! と笑うラゴウ父だが、強面が笑うと更に恐怖が増すだけだった。 そこで、扉がノックで叩かれる。ラゴウ父がるように言うと、細い竜がって來た。その竜は伝達役らしく、話が終わる時に"念話"で呼び出したと言う。

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ラゴウ父が即座に伝達役の竜に話をしている。すぐにでも連絡は行き屆くだろう。これで突然の襲撃の対応は大丈夫だと思われる。 ふと、ロードはそこで言い忘れていた事があったのを思い出した。

『あ、それと襲撃された場合は仕方が無いので敵を殺してもいいけど。自分達から襲撃しに行くのは止と追加で伝えてくれ』『なぜだ? すぐにでも殘りの"七天竜"を結集させて潰した方が―――』『――あいつらは俺が殺す・・。たとえ"七天竜"でも邪魔する奴は同じく殺す………と付け加えておく』『………分かった。その事も伝えてもらおう』

本來なら『何を言うか、未な子供が!』と言い放つところだが、ロードから言い知れぬ気配をじ取り、その條件を承諾する。ラゴウ父の首筋には、いつの間にか冷や汗が垂れていた。

だが、気を取り直して伝達役に追加の報を伝えて即座に走らせる。切り替えの良さは、流石は雷竜の長だと言える速さだった。

『それじゃあラゴウに案してもらってくれ。家は広いからな、迷ってしまうかも知れないからな』『――ははっ、この年でも迷子は恥ずかしいな。お気遣いありがとう』『――ラゴウ! って來い』

ラゴウは部屋の前で待機していたらしく、すぐにって來た。だが、その表し不満そうだったのは、話が盜み聞きされないように、部屋全に音聲遮斷の"結界"が張られており容を聞けなかったからだ。

『………隨分と早かったじゃねぇか』『疲れているロード君に、込みった話は神的にも疲れさせるだけだからな、必要な事だけ聞いた。お前はロード君に空いてる部屋まで案してやれ』『はいよ。じゃあ行くぞロード』『うーい』

その後、気遣ってくれたのか豪華な食事が出てきて、十分に寛いだロードだった。

◆◇◆

「ロード、友達の所に行くって言ってたから泊まってくんだろうなぁ………」

二人部屋で取った部屋は、今は寂しい雰囲気が漂っていた。一人で居るとスペースが無駄に広く、シエルは場所を持て余していた。

「友達って絶対に現七天竜の子供よね………家も広くて、ご飯も豪華そうよね。寛いでいるんだろうなぁ………はぁ」

ほぼ無意識でため息が出る。 そのまま、ベッドに橫になる。シエルは、子供達の稽古をして疲れが溜まっていた。シエルも晝までと思っていたのだが、子供達の稽古に夢中になっているに、いつの間にか夕暮れになっていた。

(ロードが帰ってくるまでは、子供達も強くなっているはずだけど………あいつと剣の打ち合いってのも気が引けるわよね。 というかロードっていつの間に剣覚えたのかしら? まぁ……いいか。あの理不盡の塊ロードは何でも出來るって思っていた方が、こっちの気も楽だわ)

シエルは予想以上に疲れていたらしく、ぼーっとしていたら自然と欠をしてしまう。

(………あぁ、まぶたが重い。ロード……無事だといいけど…………)

ロードに何かあるとは思えないが、それでもシエルは心配をしてしまう。安全に目的地までたどり著けたのか、変な奴に絡まれてないか、逆に絡んでいないか、心配し始めたらキリがない。 一心に心配されている等の本人は、ラゴウ家の居心地の良さにエンジョイしまくっているが…………。

「………はぁ、明日も頑張るか。………おやすみ、ロード」

そうしてシエルは深い眠りについた。

◆◇◆

「――ングングッ………プハァ! この酒うめぇな! というかアルコール度數高すぎじゃねぇかこれ」「………あぁ? これぐらいでびるんじゃねぇぞロードォ! まだまだ酒は腐るほど殘っているぜ」「おう! どっちが倒れるか勝負だ!」「むところだ!」

シエルが心配している時にロード達は人型になり、ラゴウがしずつ集めたと言う酒と、ラゴウ父が特別にくれた酒を飲み比べしていた。

「しっかしお前の"人化"は完璧じゃねぇか。初めて見た時は驚いたぜ」「一発で完璧に功するのは珍しいらしいぞ。普通はお前みたいにしだけ竜の部分が殘るらしいな」

完全な人型のロードに対して、ラゴウの"人化"は腕にし鱗が付いており牙も鋭い。ロードにとっては、不完全な方がチョイ悪があってカッコいいと思っている。

「………まぁそんな事はどうでもいいか。今は酒だ」「おっしゃあ、俺はまだまだ余裕だぜ?」「ハッ! 俺も全然余裕だよ!」

結局二人は互いにぶっ倒れるまで飲みまくり、飲み比べの勝敗は分からずに終わった。 馬鹿な二人は仲良く酷い二日酔いになり、ラゴウ父に笑われながら一日中寢込んでいた。ゆっくり雷竜の集落周辺を散歩しようとしていたロードの予定は自業自得で潰れた。二人は人型から戻る気力も無く、ラゴウ母が用意してくれた布に包まっている。

二人がここまで酷い二日酔いになった原因は、ラゴウ父が渡してきた酒の度數があり得ないほど高かったからなのだが、二人が知るわけがなかった。本當はロードの"竜眼"での鑑定をして度數もわかるのだが、完全に油斷していた結果がこれだった。

「………うぅ、頭痛え」「……こんなに酷い二日酔いは初めてだ」

シエルの心配は杞憂となっていた。

「………なぁロード」「ん、なんだよ」「この後、お前はどうするんだ?」「あー、昨日の話し合いで黒竜の集落を襲撃してきた奴らの正は分かったから、そこを目指しながら旅をする予定だ」

ロードが村人から聞いた話だと、村から一番近い場所は竜王國らしいので、そこをシエルとゆっくり行くのがロードの予定だ。そこで々買う為に、集落に売れそうなを取りに來たのだ。

「そうか、一人でか?」「いや、俺にも信頼できる仲間が居るんだ。そいつと一緒に行く」「………は? お前に仲間が出來たのか!? しかもお前が信頼できるって………強いのか?」「あぁ、仲間が本気出して俺と戦ったら、俺の本気で勝てるくらいだ」

シエルは"吸"をすると、とてつもなく強くなるがロードが負ける程ではない。というより前世で一度負けてから、絶対に負ける気は無かった。その為に毎日魔を狩りまくって強くなるように、ロードも努力しているのだ。

「……マジかよ。お前の本気を出させるのか、俺じゃ絶対に勝てないな」「噓を言っても、意味が無いから言っちゃうが………お前より強いのは確かだな」「俺より強いのがうじゃうじゃいるな………特訓のしがいがあるな」「おう、頑張れ」

ラゴウはロード以上の努力家だ。毎回恒例の出會ったら喧嘩で、ロードが一度も本気を出した事が無いのをラゴウは知っている。 もし仮にロードが本気を出したならば、ラゴウは一回もロードにれることなく瞬時に倒されると分かっているのだ。 それでも諦めずに特訓をして、更に上を目指そうとしているのだ。

(ホント、俺には良い友達ダチ過ぎるな)

いくら負けても喧嘩を挑んできてくれる。その事にロードは多大な謝をしている。ラゴウという存在が無ければ、ロードは竜族の中でも孤立した存在となっていただろう。

強すぎる力は、強すぎる故に己を孤立させる。 これは良くある話だ。だからこそ隣に立ってくれる、シエルやラゴウの存在はロードにとって大切な者となっていた。

「――そうだ、お前には言っておくか。俺はしばらくの間、竜王國を拠點にするだろうから、暇だったら遊びに來いよ」「おう! お前の仲間にも會いたいしな。その時は更に強くなって行くから覚悟しとけよ!」「ははっ! それは楽しみだ、俺も強くなって引き離してやるよ!」「はっ! やれるもんならやってみろや!」「俺の有言実行は絶対なんだぜ?」

その日は二日酔いの頭痛など忘れて、今後の事やし昔の話等を二人で語り合った。

◆◇◆

「―――へッブシ!」「おや? シエラさん、風邪ですかな? 辛かったら休んでても問題無いですぞ?」「いやぁ? きっと誰かが私の噂でもしてるんでしょ。大丈夫よ」「はぁ………そうですか。無理はなさらないでくださいね、あなた方は村の大切な客人なのですから」「はーい」

シエル達は稽古の休憩中だ。それでもロードに課題を出された年達は自己練習に勵んでいる。シエルは、無理をしないようにとだけ言い見守っている。 シエルが魔法を教えている二人は、日でだらけていた。達も自己練習をしたいと言ってきたのだが、シエルは許可しなかった。なぜなら、最初に魔法を使うには、集中をしなければ功しない。魔法の練習こそ休憩が大事なのだ。 ちなみに村長はただの年で休憩が必要だった。

前に「なぜそんなに頑張っているの?」と年達に聞いてみたところ、全員が口を揃えて「ロードさんの驚いた顔を見たいから!」と笑顔で返して來た。 ロードも意外と懐かれてると思い、シエルは自分の事ように嬉しくなった。それに、シエルもロードの驚いた顔を見てみたいと思っているので、地味に年達を応援している。

「よーし、明日にはロードも帰ってくる予定だから、気合れて稽古の続きするわよ!」「「「「「「オー!」」」」」」

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