《すばらしき竜生!》第38話 想い
「ねぁねぇツバキ! どうせなら何処か寄ってかない?」「ほう、それならこの前お主の家で食べたケーキを食べたいぞ!」
ロードに言われた通り帰路についた二人だったが、どうせなら遊んでいきたいと思うのが達の楽しみでもある。 シエルとツバキも例にれず竜王國の街をぶらりと歩き回っている。
だが、超絶(中殘念)のシエルと鬼族らしい妖気を纏って和服を著こなしているツバキの二人組は普通の人達には目立ち過ぎた。
「そこのお嬢さん達何してるの? 俺達、いい場所知ってるんだけどさぁ、今暇?」
ツバキもお気にりになった果実亭に向かって歩いている時、三人の男達に囲まれてしまう。そいつらはどれもガラが悪くて調が悪そうな化粧をしている。
「……ほら、早く行かないと日が暮れちゃうわよ」「あれぇ? 無視は悲しいなぁ」
チャラ男が逃げるシエルに覆いかぶさるようにして壁に追い詰める。いわゆる壁ドンというやつなのだが、しもときめくわけが無く。
「………くせっ」
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シエルはチャラ男の香水の臭いにしかめっ面で一言そう言うだけだ。予想外の言葉にチャラ男は気持ち悪い笑顔を忘れて頬をヒクつかせている。 シエルがこいつらをどうしようかとツバキを見ると、同じように他の男達に囲まれていた。シエルから見てもツバキの形相は怖いのだが男達はそれに気づいていない。
「俺達ってそこそこ良い冒険者で通ってんの。だからあまり怒らせないほうが良いかもよぉ?」
ナンパの次は脅迫で男達の肝の小ささにため息をつくシエル。どうしてこういう奴らが我が顔で街を好き勝手歩いているのだろうか。
「ツバキ……さっさとケーキ食べたくない?」「そうじゃな、さっさと甘いが食べたいのぅ」「お? なになに? ケーキ屋行っちゃう?」「――チッ」
シエルとツバキの會話にチャラ男が割り込んでくる。どこまでもウザい男に短く舌打ちをして玉金を軽く蹴り飛ばすと、男は「――オォウ!?」という奇怪な悲鳴をあげてシエルから退く。 もちろん男は激怒しており、シエルを怒鳴り散らす。
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「このクソぁ!」「ナンパ、脅迫と來て次は怒鳴るのね……」「俺を怒らせたこと後悔させてやる! お前らやってや………え?」
チャラ男の言葉を最後まで聞く気も無いシエルは、靜かにさせるために男に接近して拳銃を額に突きつける。
「ばーい♪」
――パァン!
無慈悲に撃鉄を鳴らして頭を撃ち抜く。 ……と言っても、威力をほぼ無にして頭に衝撃がくる程度だ。それでも激しい衝撃のせいで記憶は吹き飛ぶだろうが、それはシエルを相手にした唯一の不幸と言える。
「……あの、殺りやがった」「噓だろ?」
殘りの男二人がシエルを恐れるように見つめるが、その2人は気づいていない。 シエルはまだロードの暴ぶりを見ているので、自分はそうならないように心がけて力を抑えている。
そして、それよりも怖い存在が一人いた。シエルが拳銃をぶっ放したのを見て自分も暴れたいとウズウズしている鬼が。
「お主ばかりずるい……妾も暴れたいのぉ」「言っておくけど私は一切暴れてないからね? あんたは魔剣祭まで我慢してなさいよ」「むぅ……妾も大人じゃ。我慢しよう」「――ざっけんじゃねぇ!」
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なんとか我慢してくれたツバキだったのだが、黙ってれば良いものをプライドが許せなかった男達の片方はツバキに襲いかかる。 襟首を摑みかかろうとしてきた男をツバキは半で避けながら腕を摑んで思い切り引っ張る。
豪腕で知られている鬼族が思い切り一般人の腕を引っ張るとどうなるのか。 ……それは引っ張るというより引っこ抜くと表現したほうが正解になる。
「アァ!? 俺の……俺の腕がぁああ!」「男がそんなに慌てるでない、腕ならここにあるではないか……ほれ」
狂ったようにんで強引に引き千切られた腕を探す男にツバキが持っていた腕を見せる。ありえない景に男は意識を手放して地面に倒れてしまう。なんとも呆気無い終わりとなってしまった。
「結局暴れているじゃない」「あれで暴れるとは言えぬだろう。妾は腕を引いただけじゃ」
シエルと同じような理由で責任を逃れようとする。 ちゃんとしているようでどこか外れているのはどちらも同じで、これが似た同士というのかとシエルは頭を抱える。
「騒ぎがあると通報が來たのはここですか!?」「――やばっ、逃げるわよツバキ!」「応とも!」
聲がしたほうを向くと、數人の警備隊の人達がこちらに向かって走ってくる。
面倒事は免とばかりに二人はそそくさとその場を後にして當初の目的だった果実亭に急ぐ。 殘された最後の一人は警備隊の人に事聴取をされたのだが、シエル達が恐ろしすぎて男は何も言えなかった。
ようやく落ち著いて男は一言だけ……
「悪魔がいた……」
と言って、更に警備隊を困らせた。
◆◇◆
男に『悪魔』と言わせた二人組は果実亭でケーキを堪能していた。
「んー、やっぱり果実亭のケーキ最高っ!」
シエルはお気にりのケーキを食べながら足をパタパタとして満足そうな顔をする。
「新作のリンゴパイも味じゃぞ。腹にたまり過ぎない量も良い」「ホント? 一口食べさせてー」「ほれ、あーんじゃ」「あー……んー、これも良いわね! 後でアイとマイにお土産で買ってあげよっと」
この景だけを見ると容赦無くチャラ男の頭を笑顔で撃ち抜いたり、軽く腕を引っこ抜いた者達とは思えない。 シエルなんて綺麗な見た目とメイドが居るという事で明るく元気なお嬢様と言われているほどだ。
「これならば後でロードを連れてデートとかしてみるやも良いかもしれんぞ?」「……あ……うん、そうだね……」
茶化すつもりの言葉が失言だったと理解するにはし遅かった。
他から見てもシエルはロードに特別なを抱いているのが分かった。共にいる時の笑顔、逆にいない時のどこか足りなさそうな表。そしてロードの話をツバキにしてくれた時の生き生きとした聲を聞けば誰だって理解出來るだろう。
それが今日學院から出てから共に歩いていると、シエルが無理をしている気配は薄々じ取っていた。本人は頑張って隠しているのだが、気を読むのが得意なツバキは分かってしまった。 それなのにも関わらず、ケーキを味しそうに頬張るシエルを見て気が緩んでしまったツバキは今の句を言ってしまったのだ。
「すまぬ、余計なことを言ってしまったな」「いいのよ、気にしないで……ツバキが気にしてくれていたのは分かっていたから……私は大丈夫よ!」
(なにが大丈夫じゃ、どう見ても無理してる顔じゃろうに)
「のぅシエル? 悩みは話してみると軽くなると時に聞く。……妾で良ければ聞かせてくれないか?」
ツバキはシエルを見ているうちに、その一途な想いを可憐だと思うようになっていた。そして、出來る事なら不用なシエルを手伝ってあげたいと思うようにもなっていた。
シエルもここまで自分と親しく接してくれたは初めてだったので、優しげなツバキの申し出に甘えてしまう。
――そしてし前の話をし始める。
「……私とロードの出會いは最悪だったわ」
そう、あれはシエルが帝國軍の基地に嫌がらせしようとしてを盜んでいたところ、ミスをやらかして帝國兵に追われていた時だ。
「私の視界にふと黒い影が見えたの。その人はからこっそり私達を見ていたから、巻き込んでやろうと聲をかけた。それがロードだったのよ」
そしたら何キロもあった距離を一瞬で詰めて來て、いつの間にかシエルの真橫に立っていた。
「あれは驚いたわね」
シエルは思い出したように笑う。
「ロードに質問されてそのまま正直に話しちゃった私はロードに縄で簀巻にされたわ」
そして清々しい笑顔でロードは逃げていった。それにはシエルも帝國兵もポカーンとしてしばらくけなかった。
「ムカついた私は簀巻狀態でも必死にいてロードに追いついたわよ」
その時のロードの驚いた顔を思い出すと、また笑いが込み上げてくる。 そして著地に失敗したシエルは頭からロードの腹に突撃して、々と疲れていたロードはそのまま気絶してしまった。
「その後、仲良く牢獄送りにされてね。私はずっと騒いでいたわよ。……そしてロードが起きてきたの。 私はさっさと出しようって言ったんだけど、そしたらあいつは『牢屋っていうのはな、無職で安全で三食晝寢付きの最高の件なんだぜ?』とか冗談で言い始めてね。私は反的に毆っちゃったわよ」
そしたら二人の最初の喧嘩が始まった。 結果はその時、力を制しきれてなかったロードが牢獄を破壊。帝國兵に囲まれたところをロードのおかげで出。
「そしてしばらくしたら村に著いたの。そこで攫われた子供達を助けてくれって頼まれてね」
そこからシエルの驚きは盡きることが無かった。
まずはロードの正が黒竜ということ。 ただの人ではないと分かっていたシエルだが、まさか黒竜だとは思わずに驚きすぎて土下座してしまった。
次に、素っ気無い態度を取るくせに意外と周りを心配してくれてること。 オークのアジトに行く時、黒竜形態の速さについていけずにグロッキー狀態になっていたシエルを常に心配してくれていた。
「あの時は誰のせいじゃボケェ……って思ったけどね」
そして中にった時、シエルは影から飛び出してくるオークに驚いて転んでしまった。ロードも遠くにいるし、短い間の仲なので助けてくれないだろうと諦めていたらすぐさま助けてくれた。
「恥ずかしいのがその後ね。私がロードのを飲んでテンションが上がった後のことよ」
狂戦士の如く暴走気味になっていたシエルをそっとしておいて、いつの間にかオークのボスを逃すまいと外に行っていた。 シエルが理を取り戻したのはその後だ。そしてなぜか凄い恥心が芽生えてきて死の山の上で転がって恥ずかしがっていた。最終的にはどうしょうもなくて泣いてしまった。
「その時にね、ロードは言ってくれたの。戦闘中にキャラが変わるのは変じゃないって、それでもお前は可いって。咄嗟に出たお世辭だとしても、私は嬉しかった」
そして子供達を助けた後に事件は起こった。 子供達に特訓をしていた時、ロードは故郷に帰ると言って數日間出掛けていた。タイミング悪くその時に帝國軍が村に攻めてきて村人はシエル達のせいで命の危機に陥ってしまう。
「私は、私の目の前で大切な人達が死ぬのが嫌で無謀にも一人で戦ったわ」
結果はシエルの魔力切れで瀕死まで追い詰められてしまった。流石に未なシエルでは半分としを減らすだけで限界だった。
「そして覚悟を決めた時に空が黒く染まったの。その影は私のすぐ側に降りて優しく包んでくれたわ。……あの時の溫もりは忘れない」
その後、すぐに気絶してしまったシエルはロードから殘りの帝國軍は全員逃さず殺したと教えてもらう。
「それから子供達を連れて竜王國まで來たの。そして家も買ってロードと一緒に住み始めた」
シエルはいつも一緒にいるロードのことを知り盡くしていると勝手に思ってしまっていた。ロードは我儘で悪逆非道な事を時々やらかすけど、何事にもじなくて常に余裕を纏っている凄い奴なのだと。
「……だけどね。さっきの顔を見て私は何もロードの事を分かっていなかったって、理解しているつもりだったんだと分かったの」
あれほど揺を隠せていないロードは初めてだった。
そして、まだを言えるほど信頼されていないのでは? と思ってしまう。そう思うと、何かが騒がしくて、でもなぜか寂しい気持ちになってしまった。
「……おかしいわよね。私だってロードに話せてないことがあるのに、逆は嫌だと思っちゃうんだもの」
自分自でも我儘だというのは理解しているのだが、もうシエルには分からなかった。
シエルの頬にはいつの間にか水滴が流れ始めている。
「妾はお主らが言いしれぬ信頼関係があるのを知っておる。というよりも見ていれば互いに信頼し合っているなんて誰にでも分かるほどじゃ」
今までシエルの話を靜かに聞いていたツバキが重い口を開く。それは言い聞かせるような優しい聲でとても真剣な表だった。
「ロードも咄嗟には説明が出來なかったのじゃろう。もう一度、家に帰ったら話し合ってみるが良い、ロードはきっと話してくれる」「……でもっ! 本當にロードに信頼されているのかな、私は」
その聲は弱々しく、とても學院のエースを瞬殺したと同一人とは思えない。
「ピクルス、あの雑魚君と呼ばれておる奴とシエルが戦う時、ロードは言った『シエルが俺以外に負けるとかありえねぇ』とな。その瞳は一切の曇りが無かった。 それを信頼と呼ばずして何と呼ぶ? ……安心せい、お主は間違い無くロードにとって信頼以上の存在じゃよ」
シエルは顔を俯かせて靜かに悩んでいる。だが、これくらいでシエルは大丈夫だろうとツバキは思う。 これで信じられないのならその程度の信頼だったというだけの事。殘念だがかな想いは消え失せたほうがシエルの為だろう。
「――ありがとう、ツバキ。私、ロードに直接聞いてみる!」
顔を上げたシエルは迷いが無く、良い笑顔だった。
「それでこそ妾の友じゃ」
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