《魔法の世界でプログラム》別れ

石川からの連絡がって、すぐに施設を管理している人間の所に言って、老人ホームのレクリエーションをしている場所を借りた。ここは、30名位がられる施設になっていて、ホワイトボードやテーブルがあり。會議をするのには適している。また、大型TVが二臺置かれているので、プロジェクタ代わりにもなって便利なのだ。

真辺は、皆にレクリエーションルームに集まるように指示した。作業をしている人間は、その作業が終わり次第合流するようにいった。會社に殘っているメンバーにも急時に備えて、いつでも出られるように指示をだす。合わせて、篠原や社長や”まともな副社長”の居場所を確認させる。あと、できれば、他の部署の部長や主任の居所も確認させる。

真辺がそれらの指示を出し終わってから、レクリエーションルームにると、主任レベルの人間と今朝來た営業が揃っている。一部の営業は青い顔をしている。よほどの弾が破裂したのだろう。それとも、これから破裂するのか・・・。

まずは皆に落ち著くように言う。俺たちが慌てても何も解決しない。それに、俺たちは間違っていない。間違ったのは、SIerだとしっかり認識させる。場を落ち著かせるために、「森君。悪いけど、若いやつに、買い頼んでいい?」「え?あっはい。」「貴子ちゃん。それに、そこの若い奴3人。車運転出來るやつは?」「はい。私は出來ます。」

山本さんが手を挙げる。「そうか、これ、俺の車。4人で近くのショッピングセンターに行って、紙コップと適當に飲みとおやつ買ってきて、余ったら、好きなケーキや甘い買ってきていいからね。」

そう言って、3萬渡す。

「ナベさん。ナベさん。あの車。の子には無理ですよ。」「そんな事ないよね?貴子ちゃん。MT運転できるよね?」「え?無理です。」「やっぱり・・・って、ナベさんの車。ナベさん以外で運転出來る人って居ないと思いますよ。」「そんな事ないだろう?普通にちょっとだけいじってある、一般の1,800ccだぞ。」「ちょっと?まぁいいですよ。貴子ちゃん。俺が送っていくよ。エスティマだからみんな余裕で乗れるよ」

Advertisement

井上がそう言って、立ち上がって、営業の若手を引き連れて部屋を出ていった。

「さて、石川。何があった?」「あっこれを見て下さい。」

「あっ真辺部長。ありがとうございます。」森は真辺に一禮した。

「何のことだ。俺は、甘いものが食べたくなって、私的な理由で、営業に買いに言ってもらった。文句を言われるのなら兎も角、禮を言われるような事はないぞ。」「そうですね。そういう事にしておきます。」

「石川。早く説明しろ。30分位で戻ってくるぞ。今は、時間はエメラルドの粒より貴重だぞ」「はいはい。見つけたはこれです。裏取りも終わっています。そして、問題はこの書類です。こっちは、まだ裏取りしていません。ナベさんに確認してからと思っていました。」

一つ目の書類に目を落とす。斜め上を行ってくれる。その書類は、某ハードウェアメーカの書類で『サーバ及びネットワーク機。貸出契約書』となっていた。先週末に、山本が移したサーバ群は、ハードウェアメーカから借りているだ。期限が、8月末となっている。丁寧に、返卻の催促の通知も2通屆いている。最終警告書が一通屆いていた。

「石川。森。どういう事だ?」「あぁ・・・そういう事です。あれだけのサーバですからね。買って、きませんでしたでは済まないと思って、レンタルにしたのでしょう。現場はそう説明されていたようです。」「そうか、この契約書では、レンタルではなく、短期間の為の無料貸出になっているぞ。」「はい。メーカに連絡して確認しました。SIerの名前で貸し出されたサーバのようです。ただ、設置場所はこの施設になっていないようです。」「ん?ならなんで、催促がこっちに來ているのだ?」「ロットバルトが、実環境でかしてみると言って設置場所の変更をしたようです。」「はぁ俺たちは、無料貸出でもうすでに貸出期間が過ぎているでテストしていたわけか・・・稽だな。」「はい・・・。それで、こっちの経理に確認したら、ロットバルトからサーバのレンタル料金の請求が來ているそうなのです。」「あいつ・・・どこまで腐っているのだ」

Advertisement

「井上。片桐に連絡して、すぐに來いって言ってくれ。」「解りました。理由は?」「俺がすごい剣幕で呼んでいるって言えば解る。それでも渋ったら、白鳥の件だ。とだけ言っておけ。」「イエッサー」

「あぁすまん。石川。それで、施設は払ったのか?」「いえ、まだ支払っていないそうです。」「そうか、それは良かった。なんで支払いをしなかったのだ?」「返還の催促狀が來たので、それをロットバルトに聞いたら、メーカと渉するからすこし待ってしいと言ってきたそうです。」「了解。その裏取りは出來たのか?」「いえ、施設側に來た請求書は抑えましたが・・・。録音などはありません。メールは、來ていましたが、フリーアカウントからでした。メールは抑えました。」「そうか、わかった。山本。後で、メールのヘッダの解析を頼む。」「了解!」

「石川。請求書は、電子ファイルなのか?」「はい。そうです。Excelファイルでした。」「そうか、後で、ファイルを俺に回してくれ。」「解りました。」

(Excelファイルならもしかしたら、関連付けられたアカウント報が解るかもしれない。決定的な証拠にはならないけど、狀況証拠の補完にはなるだろう)

「森。メーカに、今のハードウェアをそのまま買い取れないか確認してみてくれ」「・・・ダメでした。石川さんに言われて、すぐに渉したのですが、まずは一端返してくれの一點張りです。」

「あぁナベさん。あれって、○PとD○LLで、多分余った”球”を回したけど、使い所が出てきたって所でしょ。」「森。ダメ元で、2割増しで買い取るけどダメか?と渉してくれ。オーバ分は、篠原の旦那に渉してもらおう。」

「あ。ナベさん。その件だけど、次の書類を見て下さい。」

石川に言われて、真辺は、もう一つの書類を手にとって、確認した。

「おい。石川。噓だと言ってくれ・・・。」「・・・ドッキリです。と言えれば、どんなに幸せなのかを思います。」

そこには、白鳥から真辺の會社に向けての見積依頼書だ。それに対する返答として、貸出書類にあったハードウェア一覧と同じ構が書かれていて、”約倍”になった値段が書かれていた。作者は、副社長の名前になっている。日付は、9月7日。白鳥が、ドメイン料金の請求書を発効した日付だ。

Advertisement

そして、次には、副社長からSIerに対して、請求書を出している。名目は、ハードウェア一式購の為の前金となっている。前金額は、半額を請求している。振込口座は、副社長が持っている別會社の口座になっている。そこで終わっていたらまだ救いがあったが、終わりではなかった。

施設に充てた白鳥からのメールで、メーカにハードウェアに関する支払いを行いました。要約するとそういう容が書かれていて、振込用紙が添付されていた。勿論、メーカではなく、副社長の會社に・・・だ。

(終わった・・・。)

それが真辺の想だ。多分、それを見た皆同じ思いだったのだろう。

真辺は、最悪な狀況だが、確認しておかなければならない事を、石川に問いただした「石川。この件は、施設側やSIerは知っていると思うか?」「・・・わかりません。ただ、SIerは知っていると思います。」「そうだよな。會社には連絡したか?」「はい。篠原部長には連絡が著きませんでしたが、副社長がいらっしゃったので、先程説明して調べて貰っています。」「そうか、ありがとう。」

まだ何か有るはずだ。會社側で何らかのアクションがあればまだ何か出來るかもしれない。でも、何もけなかったら・・・。考えがまとまらない。このくらいの修羅場。何度も、何度も、乗り越えてきたはずだ。そう心に言い聞かせて、何かないか必死に考える。

ドアが空いて、買い出し部隊が戻ってきた。真辺は皆を見回して、取り敢えず、飲みで落ち著く事にした。買ってきたものは、大量のドーナッツやポテチだ。あと、羊羹やドラヤキもある。なかなか渋いセンスをしている。甘いものを食べながら、怒りと同等の焦りを押さえ込もうとしていた。石川が気を効かせて、熱いコーヒーを持ってきた。

「なんだ、コーヒーか。」「今は、これしかありません。紅茶じゃないと納得できなのは知っています。でも、今は飲んでもいいと思いますよ。」「無粋な泥水か・・・まぁ気分的には、こっちのほうが合っていそうだな。」

真辺は一口コーヒーを飲んで、渡されたドラヤキを口に運んだ。

もう家の會社とSIerが切られるのは確定だろう。それだけで済めばいい。最悪は、システム未稼働で賠償問題に発展する可能さえもある。もっと悪いのは、白鳥や副社長が、施設側に10/1でコミットしてしまっている事だ。もし、システムの作り直しなんかになった場合には、今から最低でも半年、普通に考えれば1年位は必要になる。その間、施設が運営できない場合の損害補償や従業員への保証。居者への保証。CMを出している事から、信頼回復にかかる費用なんかを請求されたら、SIerは兎も角、真辺の會社の様な中堅のシステム會社は飛んでしまう。

不安な顔を見せてはならない。俺は、ここのリーダだ。そんな思いから、真辺は努めて笑顔を作るようにした。長年付き合った部下たちはそれが虛勢だという事はすぐに解って、自が最悪な方向に進んでいるのを認識した。

悪い事は重なる。片桐と連絡がつかないという。

(アイツ。逃げたか?)

「井上。片桐の會社の住所しっているよな?」「あっはい。」「事務所に待機している人間に、片桐の事務所までいかせてくれ。二人で行くように行っておけよ。」「イエッサー」

「森。どうだ?」「ダメだ。メーカは、それは出來ないと言っている。」

「ナベさん。俺の知り合いに聞いたら、メーカの一部で、貸出サーバの時に、ハードディスクを耐久年數保証出來ないを付けて出している時があるって話しだ。もしかしたら、メーカは、スペック的には、OKだけど、保守メンテを行う時の耐久年數を考えると劣化版を出したのかもしれない。」「・・・そうか、そうなると、ダメだな。」「山本。ハードディスクをまるまるコピーする奴。この前買ったよな?持ってきている?」「あぁ事務所だ。」「誰かに持ってこさせろ。その時に、今のサーバのHDDの用量と同じだけの”弾”を買ってこさせろ。」「あっそうか、解った。それは手配しておく。」「あぁ後、最悪の事を考えると、サーバOSのライセンスもほしいけど・・・。これは、ネットで買えたよな?」「あぁ大丈夫だ。」

(これで、サーバの構が同じを用意すれば、一日程度で復元できる環境は出來た。OSとデータ領域を分けておいて正解だったな。)

「よし、皆。まずは、今週一杯で、システムを本稼働に耐えられるレベルまで持っていくぞ。今、ここで話した容は、それまで忘れていてくれ。」「「はい!」」

「あっ主任以上と森は殘ってくれ。すこし相談したい事がある。他の者は作業に戻ってくれ」「「はい!」」

「森。山本さんは?」「殘して下さい。」「いいのか?」「はい。」

皆が作業に戻っていく。

真辺は皆を見回して、「最悪の事を考えなきゃならない。」「最悪ですか?」

森がそう返してきた「あぁ最悪、會社が飛ぶ。幸いな事に、振り込まれた口座が、あの馬鹿の口座だから、言い逃れは出來るだろうけど、SIerはトカゲの尾切りでこっちを切り離すだろう。」「・・・・」「『副社長がこの口座に振り込んで下さいといったので、振り込みました。會社の副社長だったから信頼していました。』とか言われるだろう。裁判にでもすれば、勝てるかもしれないけど、そこまでの力が続くとは思えない。そこで、俺たちに殘された道はない。それを相談したい。」

真辺が、皆に殘された道の説明をしようとした時に、真辺の攜帯がなった。まともな副社長からだ

『はい。真辺です。』『すまん。忙しい所に』『いえ、大丈夫です。』『そうか、石川君から話を聞いたのだな。』『はい。それで、何か解ったのですか・・・。』『あぁ最悪な事が解った。解ったじゃなくて、起こったが正解だな。』『何が有ったのですか?』『そこには、君だけか?』『いえ、主要メンバーと営業の森です。』『そうか、作業はしなくていい。事務所に來てくれ。』『わかりました。真辺。森。石川。井上。山本。小林。で戻ります。』『あぁ疲れているだろうから、タクシーで帰ってきなさい。費用は會社が出す。』『解りました。』『そうだ、事務所ではなく、どこか個室で聲がれない所がいいな』『それでしたら、會社の前にあるカラオケボックスでどうですか?』『わかった。お前たちがったら連絡くれ。こっちは、私と社長とSIerの専務と後二人の5名だ。』『解りました』

それで電話を切った。(篠原の旦那がいない。どういう事だ?)

「石川。電話聞こえていたらな?」「はい。今、タクシーを呼んで貰っています。」「ありがとう。」「5分位で來るそうです。」「そうか、それじゃ一旦ばらして、5分後に正面玄関に集合しよう。貴子ちゃん。悪いけど、ここの片付けと、施設側へのお禮をお願いしていいかな?」「解りました。その後、私はどうしたらいいですか?」「そうだね。頼んでいた資料を仕上げてもらえるかな。今からの話はそれだと思う。よろしくね。」「はい!」

片桐の所に向かわせた一人から連絡がる『ナベさん。片桐さんの會社に言ってみたのですが、誰も居ないようです。』『そうか、ありがとう。今日は、もうあがっていいぞ。』『え?解りました。それでは、お先に失禮します。』「あぁお疲れ様。」

二臺のタクシーに分乗して會社に向かう。料金が2萬に屆きそうになった時に、目的地に付いた。

會社近くには、カラオケボックスが何店舗可ある。その中で、パーティルームがある店舗にって、パーティルームを借りた。この店舗は、貸出でプロジェクタがあるから、プロジェクタも借りておく。部屋にってから、「森。悪いけど、副社長達を呼びに行ってきてくれないか?説明するよりも、其の方が早いだろう。後、タクシーの清算もな!」「あぁ解った。歌でも唄って待っていろよ。」「そうする。」

森がカラオケボックスから出ていった。殘された面子に明るい顔はない。重い空気が場を支配していた。

「あぁぁそうだ。」「なんだよ。石川」「ナベさん。今日、誕生日ですよね?」「今日って何日だ?」

「えぇと8月49日ですよ。」「あぁそうか、それなら、誕生日だな。」「なんで、8月って言うかな。この人達は、普通に9月18日って言えないのかな?」

「石川。今更だよ。そんな事。それよりも、ナベさんの誕生日。よく知っていたな。」「だって、機費のパスワードじゃないですか?」「そういやぁそうだ。忘れていた」

「それで、ナベさん。何歳になったのですが?」「俺か?確か、記憶に間違いがなければ、今日で、2F歳だな。最後の二十代だ!」「え?57じゃないのですか?」「だれが、8進で考えるか、プログラマなら、16進か2進だろ?」「あの、だれか突っ込んでしいのでだけど・・・私一人じゃ無理です。」

「石川。諦めろ。」

こうしている間にも、部下からいろんな報があがってくる。30分後、森が副社長を連れて戻ってきた。

続いて、副社長がってきて、次にSIerの専務だろう、ついで社長がってきて、最後の二人は、どう見てもシステム関係者には見えない。なくても、この業務が始まってから見たことがない顔だ。

ドアを閉めて、最後にった二人組の年長の方が、最大の弾を落とす「自分は、新宿西署の西沢です。真辺さんは?」「私ですが?」「片桐さんをご存知ですよね?」「あっはい。今朝から連絡をしているのですが捕まりません。」「そうですか、営業の篠原さんも勿論ご存知ですよね。」「はい。勿論です。」

西沢と名乗った警察が「片桐さんが刺されて、先程死亡が確認されました。」

「え?」

「現場の喫茶店に一緒に居たのが、営業の篠原さんです」

「え?」

「片桐さんは、篠原さんと會っている時に、白鳥に刺されたと、篠原さんは主張しております。現場となった店の従業員も後ろに居た人間が片桐さんを刺して逃げたと証言しております。」

「え?篠原さんは無事なのですよね?」

「篠原さんは、手に軽いけがをしただけです。安全の確認が出來ていないので、警察病院に居てもらっています。」

「そうですか・・・良かった。でも、白鳥さんが、片桐を刺したのは間違いないのですか?なんで、片桐なのですか?」

「えぇ証言だけではなく、防犯カメラからも間違いなさそうです。今、逃げた白鳥の行方を追っています。機は解っておりません。それで、篠原さんの會社にお邪魔した時に、副社長さんと専務さんがお話をしていたので、私達も話を聞かせてもらったのです。そして、真辺さんや石川さんや森さんや井上さんにお話をお聞きしたいと思ったのです。」

「そうだったのですか・・・。警察の話は解りました。でも、その前に、副社長と専務とお話させてもらっていいですか?」

「構いませんよ。その代わり、私達も同席させていただきます。」

「えぇそれで構いません。いいですよね。社長も副社長も専務さんも!」

真辺は覚悟を決めて、今自分たちが知り得た報を全部ぶつけた。システムの完まで後ちょっとである事。それができれば、この問題を丸められるのではないかという事を、推測部分も含めて話をした。

専務が口を開いた「真辺さんのおっしゃっている事はよくわかります。でも、もう遅いのです。白鳥が事件を起こしてしまいました。そうなる前に聞けていれば・・・。」「専務様。一つ私が勘違いしていたらまずいので教えてください。これは、貴方達會社の問題ですよね。確かに、家の馬鹿が一人絡んでいますが、現場は関係ありません。起こす前に聞ければ。ふざけた事を言ってくれますね。俺たちは睡眠時間や家族と過ごす時間、それこそ、貴方たち立派な人達が食事をしている時にも現場で一分でも一秒でも早くと作業をしていました。えぇ過去形で語らなければならないのが悔しいですがね。貴方たちが高級な鉄板焼屋でらかいを食べている時に、コンビニのおにぎりとのびきって冷えてしまったカップラーメンで飢えを凌いで・・・。貴方たちが大きな風呂で一日の疲れを癒やしている時に、俺たちはパイプ椅子を並べて仮眠して居たのです。そんな俺達の知らない所で発生した事を、俺たちの貴重な休憩時間や食事の時間を使って調べるのが當たり前なのですか?答えて下さい。馬鹿な俺に教えてください。殘業時間が300時間を超えるような無能者にわかりやすく説明して下さい。えぇどうですか?早くなんとか言って下さい。」

「ナベさん。」「違うのです。真辺さん。」「何が違うのですか?専務様。違うのなら、違うで教えてください。お願いします。俺には、答えが出せません。部下になんて説明したらいいのですか?俺たちの作業が遅くて、片桐が殺されて、篠原さんが怪我をしたって言えばいいのですか?俺たちは、23時間、馬車馬のごとく仕事をしていればよかったのですか?SIer様の言うことをハイハイ聞いて、裏金にも応じて何も見ないで黙っていればよかったのですか?俺たち現場の人間なんて、何人倒れようが死のうが苦しもうが、家庭が壊れようが、大手SIerの専務様には関係ないことなのでしょうね。」

「真辺!いいすぎだ。すみません。堀井さん。真辺はすこし混しているようです。」「いえ、いいのです。私の配慮が足りませんでした。真辺さん。申し訳ありません。」

「あの・・・それで、システムはどうするのですか?顧客への説明とか、いろいろ殘っていますよ。馬鹿と白鳥がしでかした事の後始末だけでもかなりの作業が発生しますよ。」

石川と山本と井上と小林が、真辺の変わりに説明を始めた。システム自は、なんとか顧客や各施設の擔當者レベルでは問題がないにはなっている。連攜部分は問題が殘されているが、外部からの接続を遮斷しているし、部から外部への接続も一部を除いて出來ないようにしている。その上で、問題が発生した時の為に、數ヶ月はメンバーが常駐する事になっている。最初のデータ數がない時に、連攜に関する問題點を全て解決してしまおうという説明をしてOKを貰っている。

殘っている問題は、サーバや”無償貸出”になっているハードウェアに関してだ。これが解決したら、運営する事は出來る。

「真辺さん。ハードウェアに関しては、弊社が責任持って手配します。」「・・・・。」

「山本さん。デッドエンドはいつですか?」「そうですね。今週半ば最低でも木曜日あれば、最悪なにか有っても來週対応する事が出來ます。」「解りました。明日の朝にはどうするのかをお伝えします。」「解りました。連絡、お待ちしております。朝の9時までにお願いします。」「・・・解りました。刑事さん。會社に電話したいのですが、よろしいですか?」

「ここでして頂けるのなら構いません。」

堀井は會社になにやら指示を出している。白鳥のデスクはすでに押収されてしまっているので、ハードウェアのスペックが解らないという事だったが、山本が作した一覧があるので、それをメールする事になった。警にもBCCする事になった。

が「さて、真辺さん。幾つか質問していいですか?」「えぇ構いません。」

が知りたいと言ったのは、いつごろ、白鳥の不正に気がついたかと、片桐と白鳥の関係はどんな関係だったのか?片桐の事で知っている事を話してしい。篠原さんと片桐が會っていた事は知っていたのか?

「ありがとうございます。」

もう一人の警が、西沢と名乗った人間に耳打ちした「皆さん。行方がわからなかった副社長が、飯田橋の番に保護を求めてきたそうです。腕を切られていたので、警察病院に搬送したそうです。」

「無事ですか?」

「はい。対応した警が言うには、元気だったそうです。『白鳥に切られた、裏切られた。』と言っていて、會社に連絡しろと騒いでいたので、會社に連絡して元がわかったそうです」

「そうですか・・・。それで、白鳥は?」

「まだ行方はつかめていないそうです。」

その後、警は形式的な質問とアリバイ確認をしていった。

「”萬が一”があっては困りますので、しばらくは、皆さん一人にならないようにして下さい。それから、なるべく連絡がつくようにして下さい。それから、何かあったらすぐに警察に連絡ください。」

それだけ言って警は帰っていった。専務も疲れた顔をしながら、謝罪の言葉を口にして、後の事は社長と副社長と相談したいと言ってから、帰っていった。

社長と副社長も、篠原さんと馬鹿が居る警察病院に行く事にしたようだ。

「真辺。今日は、帰って休め。いいか、絶対に現場に出るなよ。」「わかりました。社長。篠原さんに會えたら、俺が連絡しがっていたと言って下さい。それから、迷料でV-MAXをもらうと伝えておいて下さい。」「あぁわかった。いいか、本當に、今日は休めよ。今、お前に倒れられる方が問題だからな。」「はい。はい。解っていますよ。」

「お前たちも、今日は休め。森。悪いが、向こうに行って現場の狀況を確認してきてくれ。」「解りました。それじゃ俺たちは、真辺さんを家に送っていきますよ。この人、一人にすると、勝手に仕事始めるから、見守っている人間が必要だろうからな」「そうしてくれるか、山本。石川。小林。井上。悪いが、真辺の事を頼むな。ここからタクシー使ってでも、真辺を家につれて帰ってくれ。」「解りました。」

「森もいいな」「はい。」

「帰りますよ。でも、タクシーじゃなくて電車で帰ります。この時間だと、その方が早いですからね。」

それだけ言って、真辺は立ち上がって、カラオケボックスから出ていった。會計は、先に出た専務がしていたようだ。追加料金もかなり払っていたそうだ。

社長と副社長はタクシーで警察病院に向かった。途中まで森も一緒に乗って、途中で電車に乗り換えるのだと言っていた。

真辺達は最寄り駅まで歩いていた。「今日って休みだったのだな。」「なにを今更。毎年の事でしょ。自分の誕生日を忘れたのですか?」「・・・街が靜かだな」「・・・そうですか、かなりうるさいと思いますけどね。」

山本と小林と井上は後ろを歩いていて、石川が真辺の隣を歩いている。石川が、真辺を慕っているのは皆が知っている。心なのか解らないが、近いが有るのではないかと思っている。一度、酔っ払った時に、井上が石川に聞いた事があるそうだ。否定はしなかったそうだ。真辺がどう思っているのかは解らない。一番付き合いが古い。山本だけは知っていた。真辺が、中學から高校まで付き合った彼が居る事を、その彼がいじめられて自殺してしまった事を・・・。そして、今でも、真辺がその彼の事を思って居る事を・・・。そして、子供の時に、事故だと言っていたが、死んでしまった妹の事を忘れていない事を・・・。

「疲れたな・・・」「そうですね。ナベさん。どっかで夕ご飯食べていきますか?」「・・・あぁいいや。お前たち、いつもの所で食べるなら、俺の名前だしていいぞ」「いえ。今日は、ナベさんを送ってから帰ります。」

石川は何かじていたのかもしれない。後からそう思ってしまった。後からならなんとでも言える事だが・・・。

休日の21時過ぎ。都心でも、人はそんなにいない。オフィス街だけあって、いつもの喧騒が噓のように人がない。ホームに上がると、電車が遅延していると掲示板に出ている。

「ナベさん。どうしますか?振替探しますか?」「いいよ。急いでいないし、待っていれば、き出すだろう?それよりも、疲れたよ。ベンチにでも座って待っていよう。」「そうですね。」

皆揃ってベンチに座った。何をするでもなく、スマホで報を見ている。

「二つ隣の駅で人事故みたいですね」「ほぉそうか、それじゃ1時間位はかないかな?いつ?」「30分位前ですね」「そうか、それなら、き出すよな。」

「そうですね。俺。駅員に聞いてきますよ。」

井上が立ち上がって、近くの駅員に予想を聞いている。人事故だと解ると、ホームに居た他の人間たちも振替を検索し始めて、出來そうな路線を見つけると、移し始めた。ホームには、真辺達を除くと、數人だけしか居なくなっていた。

「ふぅ・・・ちょっと疲れた。すこし寢るから、電車來たら起こしてくれ・・・(あぁ頼んだよ、宿題終わったら・・・で・・・いいからな、たかこ・・・。)」「え?」

井上が戻ってきた「ナベさんなんか言っていたのか?」「ちょっと疲れたから寢るって、電車が來たら起こしてくれって言ったよ。」「良かったな。石川。ナベさんが寄りかかってくるかもよ。」「バカ。だから、そんなんじゃないって、たしかに尊敬しているけど・・・。」

「もう寢ちゃったのか?」「そうみたい。しばらく、しっかり寢てなかったからね。」「あぁでも、この人のおかげで、俺たちは・・・。」「そうだな。火消し部隊って、最初はなんだよって思ったけど・・・。」

「し。起きちゃうでしょ。」「はい。はい。奧様。」

これも、石川をからかうときの定番の言葉だ。

「う~ん。(ちあき。ゴメンな。守れなくて、ゴメンな。)」

「バカ。ほら、起きちゃうでしょ。(ちあきって確か妹さんだったよね?)」その時に、真辺のが傾いて、石川の膝の上に頭が乗る形になった。

「ほら、旦那さんが膝枕をご所みたいだな」「な。バカな事言ってないで・・。」

そう言いながら、石川の短く切りそろえている頭をでようとした

「ううん・・・。(ちあき。たかこ。い・・・ま・・・い・・・・く。まっ・・・て・・・よ)す~・・・ふぅ・・・。」

「しっかり寢ているから大丈夫だよ。それにしても、ナベさんがここまで落ちるのも珍しいな。いつもなら、名前呼ばれたらすぐに起きるのに・・・。だから、旦那とか呼んでいたのに・・・。」「ねぇ。なんかおかしくない?」

「え?」石川が慌てだした。膝の上の真辺の息がさっきまで足にかかっていた。それが今、じられない。「ナベさん。息してない。ナベさん。真辺さん!!起きて、ねぇ起きて!真辺さん。ナベさん。ナベさん。ナベさん」

石川は必死に、真辺の名前を連呼する。

「AED!」「救急車!!早く、早く、誰か・・・あぁぁぁぁぁ・・・・。」

「誰か、真辺さんを・・助けて・・・。」

(石川。山本。小林。井上。ありがとう。)

    人が読んでいる<魔法の世界でプログラム>
      クローズメッセージ
      あなたも好きかも
      以下のインストール済みアプリから「楽しむ小説」にアクセスできます
      サインアップのための5800コイン、毎日580コイン。
      最もホットな小説を時間内に更新してください! プッシュして読むために購読してください! 大規模な図書館からの正確な推薦!
      2 次にタップします【ホーム画面に追加】
      1クリックしてください