《魔法の世界でプログラム》旅立ち前夜
「アル。それで、もう一つはなんだ?」「あぁすまん。後二つある。二つとも報告でもう変えられない事実としてけ取ってしい。」「わかった。話せ!」
ユリウスが何故かイライラし始めている。
「”アリーダ”という名前に聞き覚えはないか?」「アリーダ?」「え?」「・・・それは・・・。」
エヴァとザシャはやはり知っているようだ。
「エヴァ。ザシャ。その考えは間違いない。ここに居る俺達は、アリーダに會った。それも、”様”を付けるなとも言われている」「やっぱり、霊神なのですね。」「やっぱり、それで、私は解りました」「そうですね。ザシャの言うとおりです。私も、ユリアンネ様やラウラやカウラがこうして目の前に居るのも納得できました。そもそも、アリーダ様のお名前を、アルノルト様が知っている事自が不思議です。」
やはり、エヴァは頭の回転が早い。「そうだな。まずは、俺の測定式のときの事を話す。」
測定式で、アリーダと會って話をした事、ヒルダも赤ちゃんの時に會った事を話した。
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「おい、ヒルダ。お前おかしくないか?最初の測定式は、1歳か2歳のはずだぞ。お前。その時の事を覚えているのか?」「ユリウス。俺も、産まれた時からの事を覚えている。」「アル。どういう事だ?クリス。そんな事ありえるのか?」「わかりませんわ。なくても、私が覚えているもっとも古い記憶は、3歳か4歳のときに、ユリウス様にキスされた事ですから・・・。」「なっそんな事・・・「していないとは言わせませんわよ。」今はいいだろう。それよりも、アルとヒルダだ。本當なのか?」
「あぁ本當だ。俺は、産まれてすぐにルグリタに抱かれた。その後で、母上に抱かれて、それから、父上に抱かれた。間違いない。その後で、1歳位だと思うが、父上に言われるがまま、魔法を唱えて、気を失った。その場に居た3人ともすでに居ないので、証明は難しいけどな。」「・・・。」「・・・。」「アルノルト様。橫から申し訳ありません。ユリウス殿下。失禮いたします。」
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ルステオが発言をしてきた。
「ユリウス殿下。今、アルノルト様がご説明した話ですが、私はその場には居ませんでしたが、エルマール様からお話を伺っております。侍も侍長も話を知っておりまして、アルノルト様に魔法を使わせないようにと厳命されました。ですので、なくても、1歳からのご記憶は間違いないと思います。」
「・・・。」「アル。それは解った。信じるしか無いのだろうな」「あぁそうしてくれ。そして、俺とヒルダとアンネリーゼには、前世の記憶がある。」
皆の沈黙が痛い。
「アル。それは、そこのルトラウトさんみたいに一度死んで生き返ったという事か?」「ギルベルト様。私の事は、ルトでいいですよ。」「え?あっそれなら、俺の事も、ギルでお願いします。」「解りました。ギル様。私の場合は、たしかに死んで生き返りましたが、ご主人様とは違います。」「それは。どういう事?」
「違う。ギル。生まれ変わりという意味なら同じだけど、もともと、俺達は、この世界で産まれたわけじゃない。」「アル!はっきりしろ。俺達は、お前の事を親友だと思っている。何があっても驚かん!」
皆がユリウスのセリフに頷く。自然と涙がこぼれそうになる。
「ありがとう。ユリウス。俺達は、”地球”という場所で産まれて、そこで死んだ。そして、この世界に”転生”した。地球の日本という場所で、俺とヒルダは兄妹だった。そして、アンネリーゼは、俺の彼だった。」
「!!!」「かのじょ・・・。」「いもうと?」「ちきゅう?にほん?」「・・・・転生?本當に、勇者様?」
何か、ザシャが不穏な言葉を言ったがスルーさせてもらう。
「地球での話は長くなるから、省略するが、簡単に言えば、魔も魔法もない世界で、そのかわり、”科學”という力がある。特に、日本という國は、科學が発達していた。そこで、俺は、プログラムという仕事をしていた。ヒルダ・・地球では、”チアキ”と呼んでいたが、病で子供のときに死んでしまった。アンネリーゼ・・・地球では、”タカコ”と呼ばれていたが、事故で死んでしまった。」
「・・・・。」
「アルノルト様。し待って下さい。そうすると、”チアキ”さんや”タカコ”さんの方が、アルノルト様よりも先に死んでいる事になりませんか?」「俺も、それが気になって、アリーダに聞いたが、教えてくれなかった。”乙の”だと言うことだ。」「そうですか・・・。」
「なぁアル。その”ちきゅう”とやらでは、”リバーシ”みたいなが沢山あったのか?」「あぁ星の數ほどあったはずだ。」「そうか!アル。それなら、いろいろ教えてくれ!」「いいけど、俺も全部を知っているわけじゃない。知っているだけだからな。それに、曖昧に覚えているも多いからな。」「それでもいい。幸いな事に、ライムバッハ領なら、ある程度の事をやっても問題無いだろう?な。ユリウス。」「そうだな。実験という意味ではいいのかもしれないな。」
「アル。し聞きたい。」「ディアナ。何かあるのか?」「あぁもしかして、”たたら製鉄”を知っているのか?」「・・・知っている。正確には、言葉を知っている、やり方も、曖昧だけど知っている。」「そう・・・やっぱり、教えてしいと言ったら、教えてくれる?」「いいけど、正しいやり方じゃない上に、かなり曖昧な部分はあるけどいい?」「問題ない。それができたら、私達一族の悲願が達出來る。」「どういう事?」「アルが持っている。刀の生が目標。」
ディアナに、”たたら製鉄”を教える事を約束したが、他の奴らも”地球”の事には興味があるようだ。「ごめん。個別の話は、別途話すよ。それでいい?」
話を切らないと、永遠いろんな事を聞かれそうだ。
「一ついいですか?」「ザシャ。俺は勇者じゃないぞ!」「え?あっその事もですが、アリーダ様が來られたのは本當だろうと思いますが、アルノルトは、”転移”ではなく、”転生”なのですね。」「あぁ間違いない。俺は、”転生”だ。髪のや姿も、アンネリーゼの様な姿だった。」「ほぉ・・・・。それだと、私が曾祖母から聞いた話と違うので安心しました。」「安心?」「はい。”時代の変わり目に、異世界から勇者が現れる。黒髪の勇者は、魔王を討伐し、大陸に安穏を與える”という話です。」
そういう事か、俺が勇者だとしたら、魔王の復活や大陸全土を巻き込んだ紛爭が発生する可能がある。しかし、俺が勇者でなければ、とりあえずの危機は回避できたと考える事が出來る。でも実際の所はどうだろう。火種ができているような気もする。
「そうか、俺もだけど、アリーダからは、”好きに生きろ”と言われている。だから、好きに生きると決めた。」
「アル。しいいか?」「なんだよ。ユリウス。」「今の話は、概ね本當だと飲み込む。だが、一つだけ確認したい。」「アル。いや、なんでもない。」
「ユリウス様。貴方が聞かないで、ほかの誰が聞くのですか?」
クリスは、ユリウスが聞きたい事が解っているようだ。
「そうだな。アルノルト・フォン・ライムバッハ。お前は、この世界で生きるのだよな?」「何を・・・當たり前だろう。俺は、アルノルト・フォン・ライムバッハだ。できれば、家名は外したいが、そんな事をしても意味が、無いだろうから、このまま、俺は生きる。そして、この世界をより住みやすくしてみたい。」「そうか・・・それなら、お前が何者でも関係ない。俺の親友のアルノルトで間違いはない。」「ありがとう。」
俺は皆に深々と頭を下げた。
「ユリウス。それに、クリスも聞いてしい。知恵を貸してしい。」「なんだ。まだ何かあるのか?」「あぁ正直にいうと、これからが本題だ」「おいおい。アル。」
ギルが含みを持った顔をしていたが、無視して話をする。”あの人”に関してと、妖の涙フェアリーティアに関してだ。
最初に話したのは、ルトの所に來たという話しで、ルトを浄化したときに、魔晶珠が得られた事。後、ボニートを倒した時にも同じようになった事を伝えた。後、ナーテの村にやってきたのが、エタンとブノアでほぼ間違い事。そして、ライムバッハ領にも寄っていた事を話した。
「エヴァ何かしらないか?」「妖の涙フェアリーティアは聞いた事があります。教會では、危険思想だと言われています。忌に手を出して、魔法に寄る平等を訴えていますが、実は一部の魔法技能に優れた者による支配思想だと言われています。」「そうなのか・・・。アル。それで、お前はどうするのだ?」「取り敢えずは、”お禮”はしておきたいから、”あの方”の正と何が目的なのかを探ろうとは思っている。」「そうか・・・。」「でも、戻ってくる。それは約束する。」「それなら、俺からいう事はない。すぐに旅立つのか?」「いや、そんな無責任な事はしない。ライムバッハ領やカールの事が落ち著くのに、半年位必要だろう?」
「そうですわね。半年もあれば十分とは言わないけど、いろいろ決められると思いますわ。」
それからは、俺とクリスとルステオで調整を行った。全部の街を回るのは現実的ではないという、ルステオの意見から、近隣の街を廻って、その近隣の村や街の代を集める事になった。この辺りのスケジュール手配は、クリスとルステオが行う事になった。俺は基本的についていかなくて良くなった。ルステオがユリウスを紹介する事になった。事説明も、クリスとルステオが行う事になったので、俺は屋敷に殘って、勉強を見たり、領で行われている事の確認をする事になった。
ディアナに”たたら製鉄”を教える。後は、領で行われている、農作業にもなにか出來る事がないかを確認する事になった。空いた時間で、ギルと商品開発を行う事になった。
まず、”たたら製鉄”の方法は教えたが、すぐに出來るようなではない。それに、それができても、刀が打てるようになるとは限らない。刀の打ち方は、Webサイトを作った事があるから、知っている。その知識だけになるが伝えた。後は、試行錯誤でやってみるという事だ。ディアナの一族にも連絡をして、人を送ってもらう事になるかもしれないと言っていた。
ギルには、ゲームに関しては、これ以上なにかあるわけじゃないと伝えた。有るにはあるが、”プログラムが必要なゲーム”になってしまったり、”人○ゲーム”の様なになる。すごろくの開発はできているから、それからの派生でいろいろ作れるとは説明してある。その代わり、エヴァやイレーネとザシャをえて料理に関して教える事になった。エヴァとイレーネとザシャから、俺の転生前に食べていた料理を知りたいと言われた。一人暮らしが長かったから、料理を教えるのは問題ではないが、この世界”調味料”がなすぎる。それに、日本食には欠かせないが足りない。
まずは、米の手が出來るのかを確認したが、ギルは知らないという事だ。ザシャが見たことはあるが、手方法まではわからないということだが、”有る”のなら探せない事はない。
タマゴは、流通こそしていないが、普通に食べられている。その為に、まずはマヨネーズを教える事にした。
次に、ギルにお願いしたのが、ガラスの加工が出來る工房の紹介だ。それができれば、蒸留酒を作る事が出來る。
それと、やはり、”念話”を配置する事はできなかった。今、念話に変わる魔法を造ろうとは思っているが、配置するための詠唱が長すぎて斷念している。モジュール化が出來れば、話は違ってくるだろうが、今のところモジュール化を行う方法はない。ザシャに聞いても、そんな事はできないという返事が帰ってきた。父の魔法関連の書籍を探し出して見てみたが、配置までは書かれているが、モジュール化までは書かれていなかった。
何度か、ユリウスに付き合って、領主代理として會議に出席した。父が、カールを後継者指名していた事が効いている。それに、ユリウスの立場も明確だ。皇太孫である為に、ライムバッハ領が直轄領になる事はない事だけ宣言すればいい。乗っ取られる事も考えなくて良いので、皆安心している。それに、ユリウスからの融資も期待出來る上に、シュロート商會の跡取りも居る。それに、俺が”マナベ商會”を作ってあるのもいい方向にいている。
そして、忙しくも充実した6ヶ月が経過した。その間に、共和國から來た商隊が、”聖伝説”なる話を持ってきた。面白かったので、”聖伝説”を本にまとめた。子供たちに文字を覚えさせるのに丁度良かったのだ。絵本にして、販売したら、発的に売れてしまった。準備が追いつかないほどだ。それを知った、エヴァが顔を真赤にして俺に怒ってきた。話だけなら良かったらしいが、絵本という形態にしたのがダメだったらしい。恥ずかしいと本気で怒られてしまった。しかし、売りに出したギルはホクホク顔で、いろんな話を絵本化して販売するようだ。ルトの話や、ユリウスとクリスの話。
ナーテの座學も無事終わった。試験にも無事合格した。先生が良かったのだろう。
「にいちゃん。おいら。しっかり勉強したよ。連れて行ってくれるでしょ?」「ご主人様。ナーテも頑張りました。」「あぁ約束だったからな。ナーテ。今まで頑張ったな。」「えへ!」
ナーテの頭をでながら、別の事を考えていた。明日ユリウスに旅立つ事を伝えよう。
今日中に準備を終わらせれば十分だろう。
ユリウス達の宿舎兼執務を行う屋敷も完した。子供たちの寮も作れた。やり殘した事がないか考えながら、食堂に向かった。
【書籍化&コミカライズ】関係改善をあきらめて距離をおいたら、塩対応だった婚約者が絡んでくるようになりました
【6月10日に書籍3巻発売!】 「ビアトリスは実家の力で強引に俺の婚約者におさまったんだ。俺は最初から不本意だった」 王太子アーネストがそう吹聴しているのを知ってしまい、公爵令嬢ビアトリスは彼との関係改善をあきらめて、距離を置くことを決意する。「そういえば私は今までアーネスト様にかまけてばかりで、他の方々とあまり交流してこなかったわね。もったいないことをしたものだわ」。気持ちを切り替え、美貌の辺境伯令息や気のいい友人たちと學院生活を楽しむようになるビアトリス。ところが今まで塩対応だったアーネストの方が、なぜか積極的にビアトリスに絡んでくるようになり――?!
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※書籍版全五巻発売中(完結しました) シリーズ累計15萬部ありがとうございます! ※コミカライズの原作はMノベルス様から発売されている書籍版となっております。WEB版とは展開が違いますのでお間違えないように。 ※コミカライズ、マンガがうがう様、がうがうモンスター様、ニコニコ靜畫で配信開始いたしました。 ※コミカライズ第3巻モンスターコミックス様より発売中です。 ※本編・外伝完結しました。 ※WEB版と書籍版はけっこう內容が違いますのでよろしくお願いします。 同じ年で一緒に育って、一緒に冒険者になった、戀人で幼馴染であるアルフィーネからのパワハラがつらい。 絶世の美女であり、剣聖の稱號を持つ彼女は剣の女神と言われるほどの有名人であり、その功績が認められ王國から騎士として認められ貴族になったできる女であった。 一方、俺はそのできる女アルフィーネの付屬物として扱われ、彼女から浴びせられる罵詈雑言、パワハラ発言の數々で冒険者として、男として、人としての尊厳を失い、戀人とは名ばかりの世話係の地位に甘んじて日々を過ごしていた。 けれど、そんな日々も変化が訪れる。 王國の騎士として忙しくなったアルフィーネが冒険に出られなくなることが多くなり、俺は一人で依頼を受けることが増え、失っていた尊厳を取り戻していったのだ。 それでやっと自分の置かれている狀況が異常であると自覚できた。 そして、俺は自分を取り戻すため、パワハラを繰り返す彼女を捨てる決意をした。 それまでにもらった裝備一式のほか、冒険者になった時にお互いに贈った剣を彼女に突き返すと別れを告げ、足早にその場を立ち去った 俺の人生これからは辺境で名も容姿も変え自由気ままに生きよう。 そう決意した途端、何もかも上手くいくようになり、気づけば俺は周囲の人々から賞賛を浴びて、辺境一の大冒険者になっていた。 しかも、辺境伯の令嬢で冒険者をしていた女の人からの求婚もされる始末。 ※カクヨム様、ハーメルン様にも転載してます。 ※舊題 剣聖の幼馴染がパワハラで俺につらく當たるので、絶縁して辺境で出直すことにした。
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