《魔法の世界でプログラム》迷宮攻略

今、30階層の階層主だろう部屋の前にいる。部屋で一泊したので、魔力も充実している。

扉を開ける前に確認する「いいな。今までの階層主と同じ戦法で行くからな!」『はい!』

扉を開ける。

へ?なにこれ?

俺の目の前に広がっている景を一言で表現すると「モンスターハウス」だ。

「アン。ルト。ヒルダとナーテの防。ユリアンネ。ラウラ。魔法で攻撃。カウラ。俺に続け」『了解!』「ヒルダとナーテは、結界の展開と回復」『はい!』

「ラウラ。カウラ。アン。ルト。ユリアンネ。構わない。眷屬も使え!」『はい。』

ってきた扉が閉じるのが解った。最後の罠であろう。AIは"くそっカス”だろうが、數の暴力はすごい。それに、魔法を使う奴も居るようだ。

トロールやオーガやサイクロプスと思われる大型種まで居る。數えるのが馬鹿らしい位の數だ。

「にいちゃん。剝ぎ取りは?」「後回しだ!」「はい。」「ナーテ。魔法を使え!」「はい!」

俺とカウラは、風魔法での速度をあげて、魔の集団に突っ込んでいく。”數匹倒したら戻ってくる”を、繰り返している。ヘイトを取る意味もあるが、魔の集団が一箇所に向かわないようにしている。

その間に、大型種から魔法で攻撃を行っている。炎龍でも一発では倒せなくなっている。もっと魔力を込めれば倒せるのかも知れないが、自分たちへの被害を考えるとできない。

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「お兄様!」「大丈夫だ。ユリアンネ。ルト。回復を!」「はい!」「カウラ。右から突っ込め!」「はいにゃ」

「後、半分だ!頑張れ!」『おぉ!』

數十ではなく、數百単位で魔を倒している。やっと全が見えてくる。

「ユリアンネ。上だ!」「はい。」

天井ギリギリを飛行している魔も多く見られる。撃ち落とすしか無い。

「アル様。大型種。片付きました。私も突っ込みます。」「アル。私も!」「ご主人様。私も」

「ラウラ。アン。行くぞ。ルトは、ナーテとヒルダを頼む。最後だ。行くぞ!」

刀と脇差しを抜いて、雷魔法を纒わせて、突っ込んでいく。小型種ならこれで倒せるはずだ。

どの位戦っていたのだろう。1時間・・・2時間・・・3時間・・・。後ろにできている魔の死の數だけの戦いがあったのは間違いない。4桁近い魔と戦っていたのだろう。

でも、これで一つ確信した事がある。迷宮ダンジョンは、"だれ"かが、"何かの目的"の為に、作っただ。拠點防衛なのかも知れないし、修練の場所だったのかも知れない。ただ、何らかの意思が働いているのは、間違いない。

出て來る魔(と、総合するが)が、アンデット系だけなら、食事の必要はないだろう。明らかにそうではない魔も多く見られた。上層階でもじた事だが、これらの魔はどうやって食事をして、どうやって増えているのか?アンデッドだけなら、冒険者が死んだ事で増えているとは考えられるが、”徐々に”強くなるなど都合よく出來るわけがない。それに、魔が食事をするのなら、口近くのほうが、餌が沢山で簡単なのに、そうならない。階層主も一定時間で復活すると言われている。今の部屋で確信した。これは、魔法的な何かで作られている場所だ。目的がわからないのが不気味ではあるが・・・。

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「にいちゃん。剝ぎ取りどうする?」「・・・ナーテ。剝ぎ取りをしたいか?」「うぅぅ。正直にいうとしたくない。ってよりも、終わるとは思えない。」「そうだよな。」「アル。大型種やお金になりそうなだけでもある程度剝ぎ取りすればいいと思うよ」「そうだな。」

「よし、みんな。一休みしたら、適當に散らばって、殘敵が居ないか確認しつつ剝ぎ取りをしてくれ。そんなにすぐに復活するとは思えないが急ごう。目処としては、2時間としよう。」『はい』

それから、もくもくと剝ぎ取りを行っていた。

「あっ!」「どうした。ユリアンネ。」「まだ死んでいない。ゴブリンが居まして、今留めを指しました。」「そうか・・。そりゃぁ居るわな。」

「アル。もしかしたら、それで、下層への階段が出てきていないの?」「そうかも知れないな。手間だけど、全部確認するか?それに、死をそのままにしておくのもなんとなく気分的に良くないから、焼き払うか?」「そうね。風魔法で一箇所に集めてから、焼き払えばいいと思うよ。」「そうするか・・・。みんな。一通り確認したら、端に避けてくれ。」

皆が部屋に端に避けるのを確認して、風魔法を発する。”風の霊よ。我アルノルトが命じる。部屋の四方から中央に風を拭かせろ。”風がかなり強く拭く。し魔力を込めすぎたか?

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大丈夫。魔が中央に集まっていく。

”炎の霊よ。我アルノルトが命じる。中央に集まりし、魔を焼き盡くせ””風の霊よ。我アルノルトが命じる。中央に風を吹き続けろ"”雷の霊よ。我アルノルトが命じる。中央に集まりし、魔に電撃を落とせ”

10分程度、そのままにしておく。あまりやると、酸欠になる恐れもある。

電撃が落ちた時點で、部屋の両側にあった扉が開くのが確認できた。全部始末できたか・・・。RPGなら大量経験値を得て、レベルアップ音が鳴り響いていただろうな。

「アル様」「あぁ行ってみるか?鬼が出るか、蛇が出るか・・・。」「どっちも出てほしくないな。」

アンのそのセリフで場が和んだ。皆で燃える魔の死に手を合わせてから、更に奧に向かった。

個々までにかかった時間は、17日。後3日しか時間がない。

それに、なんか変な確信がある。これで終わりだと・・・。

モンスターハウスになっていた部屋を抜けて、下層の階段があった。

31階層に降りる。ただの下層への階段が用意されている部屋だ。それから、階段を降りていく、10階層位降りた所だろう。部屋が複數用意されていた。今日は、ここまでにしておく。

「今日は、ここで休もう。ユリアンネ。頼む。魔力は大丈夫か?」「お兄様。大丈夫です。」「そうか、ラウラ。アン。ルト。食事を頼む。ナーテも手伝ってしい。」「かしこまりました」「了解」「はい。ナーテ。料理をしましょう」「うん」

「カウラ。ヒルダと周りを警戒してくれ、無いとは思うが"敵”が居たら教えてくれ」「はいにゃ」「アルノルト様。解りましたわ」

俺は、風呂の準備を始める。それとトイレだ。部屋が沢山あるので、トイレだけの部屋や風呂だけの部屋を作った。ここまで來られる奴らが居たら、使えばいい。そんな気分だ。何か言われても、最初からあったと言えばいい。

食事を取って、明日からの予定を確認した。ルトが、ナーテと風呂にると言ったので、先にらせた。ナーテが眠そうにしていたからだ。風呂の中で寢られて、溺れられても困るからな。風呂は大きめに作った。湯船だけだが、気持ち良くなれることは間違いない。

ナーテとルトが風呂から出てきて、先にヒルダに風呂に行かせようとしたが、面倒だから一緒にらないかとわれて・・・。今日は、みな頑張ったし、タオルを巻けばいいよという事になってしまった。迷ってしまったのだ。そんな返事を期待していなかったヒルダが一番慌てたが、斷ることもなく風呂にった。風呂の明りを暗くする位の配慮はした。なぜか、アンやユリアンネやラウラやカウラもヒト型のままってきた。皆、マナーだと言いながら湯船に浸かる時には、タオルを外しやがったが、自分がいつもの癖で外していたので、文句が言えなかった。

今日は、皆神的にも疲れてしまったのが、いつものドタバタも無く、おとなしく湯船に使って、汚れを落として出る。

ユリアンネが作ったベッドに倒れ込むようにして眠ってしまった。

朝になったようだ。迷宮ダンジョンの中なので、正確な時間は分からないが、なんとなく朝になったと思えていた。

朝ごはんを済ませて、今日の予定を確認する。下層に降りていく事になる。今が40階層だ。後10階層で終わってほしい。

「まぁこのじなら、降りるだけってじだろうからな。いくか!」『はい!』

階段を降りていく。予想していた、50階層に來たが、何もなかった。

60階層まで降りてきている。部屋が用意されていたが、ここでしだけ休憩をとった。

64階層にたどり著いた。ここが終著點の様だ。下層への階段はなく、扉が一つ用意されている。前のようなモンスターハウスの危険もあるが、階層から考えて、それは考えにくい。それに、64という數字から、なんとなく、終著點ではないかと思えてくる。これを逃すと、次は128階層になってしまうだろう。

扉を開けた。あぁ終著點だ。間違いない。

だって『おわり!』と垂れ幕がかかっている。正直にいおう。ふざけるな!殺すぞ!

垂れ幕は部屋の中央にかかっている。垂れ幕の裏には、『奧の部屋にどうぞ』と書かれていた。この部屋には、3つのドアがある。俺達がってきた部屋と、もう一つが『地上へ』と書かれた扉と『奧の部屋』と書かれた扉だ。

完全にユーモアを勘違いした人間の仕業で間違いない。10階層までは真面目に迷宮ダンジョンを作って、その後面倒になったが、20階層まではなんとか作ってみたが、それで面倒になって、30階層に突破不可能に近いモンスターハウスを作ったのだろう。試していないが、あの部屋は1PTでしかられないようになっていたのかもしれない。

「アル。」「お兄様」「アルノルト様」「アル様」「アル兄ィ」「にいちゃん」「ご主人様。どうされますか?地上に戻りますか?」

「あぁごめん。ここまで來たら、最後まで付き合おう。”奧の部屋”に行こう。みんな”萬が一”があるから、魔法の準備をしておいてくれ」

そんな事にはならないとは思うが・・・。扉を開ける。

そこには、一般的な執務室の様な部屋が広がっていた。壁一面には、魔法に関する本が並んでいる。さらに奧の部屋もあるようだ。左側の扉には『寢室♡』と殺意が芽生える看板が掲げられている。右側の扉には『キッチンとお風呂とトイレ』となっている。ようするに水回りという事だろう。

そして、機の上には・・・。

1982年10月に発売された、16ビットパソコンの様な外見をしたが置かれている。丁寧に、『98』と書かれている。

重厚な椅子に座って、98に火をれる。電源コードがない。キーボードもない。マウスもない。でも、たしかに、あのブラウン管ディスプレイに火がったときの音がする。”ぶぉーん”となって點滅する。左上に、カーソルが點滅する。

あぁ懐かしい・・・。

OSらしきのロードが始まる。流石に、N○CやMicr○s○ftの文字は無い。そもそも、どうやっていているのかさえもわからない。皆が俺の後ろで興味深そうに見ている。

俺が初めてパソコンを買ったのは、M○Xだったな。それから、PC-8801を高校生ながらにバイトして金を貯めて購した。いつもアンはそうやって俺の肩越しにディスプレイを眺めていた。

なんか、懐かして涙が出てきそうになる。

OSのロードが終了した様だ。

いきなり、『98』から音が流れ始めた。起音とは違う。

『君は誰?あぁ答えなくてもいい。君がこれを見ているという事は、僕は死んでいるのだろう。僕の名前は、ディートフリート・フォン・フランケンシュタイン。』『これを起できたという事は、もしかしたら、君はこれの原型を知っているのか?そんな事が・・・あぁなんで僕は死んでしまったのだろう。君にいろいろ聞きたかった。』

なんか分からないが、このディートフリートという聲の主は、自分語りを始めた。生まれから、初までを語っている。

「お兄様。」「どうした?ユリアンネ。」「今、この魔道は、ディートフリート・フォン・フランケンシュタイン。と名乗りましたか?」「あぁそうだな。それがどうした?」「・・・お兄様。本當に、座學が満點の優秀者なのですか?あの、フランケンシュタイン博士ですよ?」「え?」「・・・ユリアンネ様。アル様の唯一苦手としていたのが、人の名前を覚える事です。アル様。フランケンシュタイン伯爵は、魔道の第一人者として、アーティファクトの複製や解析の方法を見つけた偉大なる博士です。」「あぁそう言えば、そんな奴居たな。確か、宮廷魔道士にまでなったけど、軍部と喧嘩して止めて、行方不明になったのだよな」「えぇそうです。晩年が”なぞ"とされていましたが・・・ここの資料だけでも大変な価値になります。」

『っという事で、僕は、軍部がアーティファクトを戦爭に人を殺す道にするのが我慢出來なかった。軍部の武を全部破壊して、鍛錬所も破壊して、王宮を出て、ここに住むことにしたのだ』『考えてみてよ。人を殺すための道なんて、道じゃないよ。僕も解っているよ。ナイフも槌を最初は道だった。人を殺すになってしまう。それは使う者の心だと言われた。だからこそ、僕は”最初から”人を殺める為の魔道なんて作りたくなかった。この素晴らしいアーティファクトを誰にも渡したくなかった。もし、君がこれを使えるようなら・・・できれば、人を殺める道を作らないでしい。それが僕の願いだ。』『使い方は、どこかに”説明書マニュアル”が、有ったと思う。君が読む時には、言葉も置き換わっているかも知れない。それに期待してしい。置き換わっていなくても、君なら読めるかも知れないけどね。』

『話はこれで終わる。願わくは、君が、僕の気持ちをしでも解ってくれる事を願っているよ。』『あっそれから、この部屋にあるは、君の自由にしていい。譲渡に必要な書類も全部揃っている。引出の番號は、4桁の數字で、”にのじゅうじょう”になっている。』『それじゃ。名殘惜しいけど、サヨナラだ。オーナ権限を変更するパスワードは、”ろくじゅうよんけい”になっている。ユーザ名は、”ルート”だよ』

おいおい。こいつ。この世界の人間に、渡すつもりなんて頭なかったのだな。『98』は、ユーザ名とパスワードの力畫面で止まっている。

話の中で、フランケンシュタイン伯爵の考察として、アーティファクトとは、次元の間から流れ著いてきただろうという事だ。それらの道が、この世界に適応した結果なのだと思っていると言っていた。

まずは、引出を開ける事にした。

「お兄様。暗號が解ったのですか?」「簡単な算數だ。ユリアンネ。2×2はいくつだ?」「4ですわ。」「それなら、4×2は?」「8ですわ。」「そのまま10回繰り返したのが、”にのじゅうじょう”で、答えは、1024だ。」

引出は空いた。そこには、64階層にある全てのを譲るという宣言書があった。後は、空欄に俺が名前をれればいいだけのようだ。迷宮ダンジョンに関しては、誰のものではないが、アーティファクトの『98』がなければかないので、実質俺のになると考えて良さそうだ。もともと、ライムバッハ領にある事から、そこまで複雑にはなりそうにない。帰ってから、ユリウスとクリスとギルに相談すればいい。

引出の中に一つ弾がっていた”攜帯電話”だ。スマホではなく、ガラケと言われるだ。それが6臺。ぼっちだったフランケンシュタイン伯爵には無用なだっただろうが、今の俺なら有意義に使えそうだ。

攜帯なら、Nシリーズよりも、Dシリーズが好きだったのだけどな。あるかな・・・。

それよりも、やらなくてはならない事が多い。『98』の管理者権限の譲渡をけてしまおう。そこでキーボードがない事に考えが至った。どうやってパスワードを力するのだ?

「アル。」「ん?今・・・。アン。それ・・・。」「そこに置かれていた。」

キーボードだ。それも、懐かしい、キーボードだ。

「おぉぉぉ!!」ケーブルはない。その當時無線キーボードなんてなかったが、適応進化したのかもしれない。『98』の前に置いて力を開始する。懐かしいタップ音がする。あぁぁこれだよ。俺が求めているは。指から伝わってくるを楽しむ。

ユーザ名は、"root"で間違いないだろう。パスワードは、”65535"か"65536”だろう。多分、後者になっているだろう。

『98』には、ログイン畫面なんてなかった。OSも、D○Sだったはずだ。

さて、何が起してくるか?”パーン”とエンターキーを押下する乾いた音が部屋に響いた。

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