《魔法の世界でプログラム》テリエメール村

冒険者たちの事は、駆けつけた守備隊に任せた。表に出て、ヒルダ達と合流した。

「ナーテ。”湖の村”の場所はわかるか?」「にいちゃん。そりゃぁわかるよ。何度か、行っているよ。」「そうか、案出來るか?」「うん。でも、あんまりいい印象がないよ。前は良かったみたいだけど、新しい村長になってから、おいら達の村が普段漁をしている所まで來て無理矢理、貝を取っていったり、魚を取っていく。」「そうか、村長が変わったのは”いつ”か、わかるか?」「う~ん。3年位前かな?」「そんなに前なのか・・・。」「うん。おいらはまだ小さかったから、詳しい事は知らないけど、テリエメールって名前に変えて、昔から居た村民をドンドン追い出したりしていたみたいだよ。」「そうか、ナーテ。ありがとう。一旦、宿屋に戻っていてくれ、俺は、領主とし話をしてくる。」

皆を一旦宿屋に戻して、イケメンの領主に會いに行く事にした。幾つか確認しなければならなくなったからだ。領主の屋敷に到著すると、來るのが當然だと思っていたのか、ザールが表で待っていた。

「アルノルト様。どうぞ、レオポール様がお待ちです。」「そうか、ありがとう。」

先程と同じ部屋に通された。今度は、レオポールが先に座って待っていた。

きが早いね。それで、黒幕は解ったの?」「あぁイポリック。俺はよく知らないが、湖の村に居るらしい。」「それはまた、難儀な所ですね。それで、別名を聞いたりはしていないのですよね?」「さぁな」「ほぉ・・・。それは困りましたね。イポリックだけでは調べようがないでしょう。」

困った表ではない。これは、ダメな奴だ。修羅場が大好きな人間特有の匂いがする。それも、わざわざ栗を火中に投げ込んでから、火中の栗を拾うような人間だ。

「困っているようには見えないぞ」「いえ、いえ、本當に困っていますよ。湖の村というと、テリエメールが城でしょうか?」「あぁ捕縛命令が出ていた奴がそう言っていた。」「おやおや、テリエメールの名前をご存知だったのですね。この辺りではまだ昔の名前で呼ぶ奴らが多いし、だいたいは”湖の村”で済ませてしまいますよ。」「・・・こちらにも、事通が居るのでな。」

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にらみ合い。腹の探り合い。こちらの手札は多くない。それをさとられないようにしながら、相手の真意を読み解く。今のところ、目の前に座っている奴は”敵”ではない。味方かどうかは不明だが、なくても、同じ方向を向いている。

「ふっ。まぁいいでしょう。それよりもどうされますか?」「”どうする"とは?」「依頼容から言えば、これで二つの依頼は達した事になります。継続しますか?」「あぁそういう事なら、俺達の次の目的地は、テリエメールの反対にある、村と迷宮ダンジョンだ。食料補給に、テリエメールに寄るかも知れないけどな」「ハハハ。そうか、そうか、あくまで目的地は別にあるという事だね。」「そうだな。それで、何點か聞きたい事がある。」「なんでしょうか?あぁ私が関知していない場所で、村の一つがなくなっても調査はしますが、それほど重大な事ではないでしょうね。」「そうか、その村には、村民も居るだろう?」「そうですね。村民は居るでしょうが、”善良”な村民が居るとは思えませんね。奴隷か捕えられている者はいるかもしれませんが・・・。」「・・・そうか、共和國の選定委員は権力を持っているのか?」「そうですね。わかりやすく言えば、王國や帝國の貴族だと思えば間違いないでしょう。世襲ではありませんが、數家で回しているようなですから、ほぼ世襲ですね。」「そうか、貴族と同等ならやりようがあるという事だな。」「あぁそれで、なんか近くの村にも選定委員の息子が居るらしいのですが、本家から見捨てられて、親からは勘當扱いだと聞いています。そんな人が居たらですけどね。」「へぇそれはありがたい報だな。」「殺してしまうのは、別の首が必要になってしまいます。できれば、捕縛してくれると、渉とかしやすくなるのですけどね」「なるほどな。善処しよう。それよりも、二つ頼みがある。」「なんでしょうか?」「一つは、迷宮ダンジョンの譲渡契約書を報酬の前私でしい。もう一つは、人探しだ。迷宮ダンジョンの村に現れた帝國の二人の商人を探している。まだ共和國に居るのかだけでも知りたい。」「譲渡契約書に関しては、問題ありません。すぐにでも用意しましょう。人探しの手配はしますが、難しいと思います。」「そうだろうな。それでも、俺が探しているという事実が必要なだけだ。」

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し雑談をして、領主が一戦申し込んできた。”リバーシ”での戦いだが、返り討ちにした。

宿屋に向かう前に、冒険者ギルドに寄った。一つ目の依頼の達の報告だ。領主からは、印を貰っているので、これを提示すれば大丈夫という事だ。

冒険者ギルドは、靜かなものだ。30名近い冒険者が一気に居なくなっても困らないという事なのか?それとも、まだ知らせがっていないのか?依頼を達したのだ、文句を言われる筋合いはない。

冒険者ギルドを出て、宿屋に向かった。皆揃っている。ルトとラウラで、食料も買い込んできている。

「と、いうわけで、テリエメールに行く事になったけど、異論はないよね?」「なぁにいちゃん。その、トリスチド・ル・テリエって奴がおいら達の村を襲わせたのか?」「どうかな?可能は高いだろうな。」

「アル。そうなると、帝國の奴らとつるんでいたのは・・・。」「そういう事になるかも知れないけど、それにしては迂遠すぎる気がする。」

「お兄様。それは、どういう事ですか?」「あぁユリアンネ。ライムバッハ家を襲った奴らは、多分、その村の出か、トリスチド・ル・テリエの取り巻きだろうと思うけど、なんでそんな事をしたのかって事だよ」「それは・・・。」「遠いよな。俺の參戦が予定どおりだとしても、結局俺は、トリスチド・ル・テリエや共和國の関與をさっきまで考えなかった。帝國の方にばかり目を向けていた。ナーテの話がなければ、多分”湖の村”も行かないという選択肢を選んでいただろう。」「あっそうですわね。」「”帝國の商人”というピースはアイツらから提供された報だろう。でも、それ以外の報は、ナーテが居なければ、俺達は”ゴミ”報として捨てていた可能が高い。」

「でも、アルノルト様。それでしたら、ナーテやルトの事も仕組まれたと考える事はできませんか?」「最初は、それも疑ったけど、ルトがナーテ達を救ったのは、完全に偶然だろう。俺達とナーテが出會ったのも、ユリウスの馬車と問題が発生したからだろう?」「あっそうでしたわね。」

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結論は出ている。ナーテの村に行く。その後で、トリスチド・ル・テリエに會いに行く。そして、迷宮ダンジョンに向かう。この3點セットだ。

「よし、今日は休んで、明日。ナーテの村に行く。それでいいな!」

しモヤモヤするが、いま出ている報だけでは答えが出ない。

朝目が覚めると、ナーテとユリアンネが両脇で寢ている。何故か、両脇で誰かが寢るのが習慣になってしまっている。まぁ妹と弟が寢ていると思えばいいか。

さて、皆を起こして、朝飯を食べたら、早速移を開始しよう。今回は、俺達だけで、帰ってくる予定もあるので、馬車は使わない。魔法で加速しながら進む事にしている。多分だが、昨日の段階で、トリスチド・ル・テリエの所に報を持った誰かが走っているだろう。それを補足できればいいし、補足できなくても、奴らの準備が整う前に強襲できればの字だ。

しながら、配置の見直しはできないから、朝食の時にでも、配置の見直しをしよう。昨日の魔法を見て、オーバーアタックである事は明白だ。もうし抑えないと、死人が出ても不思議ではない。配置の數は、まだあるので、皆の攻撃を単攻撃に絞った魔法を配置する事にした。後は、拘束出來るような魔法が作れないかと思っている。木と土では、イメージも作りやすかったのでできた。風は諦めて、雷で拘束は無理でも無力化を行う程度の出力で行う事にした。火と炎はもう諦めた。フランケンシュタイン博士の所の書を呼んでも、適當な詠唱が見つからない。水と氷は、氷で拘束が出來るが、そんなに強くない。火の魔法で無効化できてしまう。

一通りの見直しを終えた。聖の魔法では、部位欠損を治す魔法が使えるようだ。詠唱も難しくないので、組み込んでおく事にした。実験してみないとわからないので、今日の戦いで試してみる事にする。部位欠損ではないが、の魔法で、切斷された部位をつなぐ魔法はあるので、これも試してみる事にする。人実験だが、その辺りは許してもらおう。

闇魔法と魔魔法に関しては、まだ書を読み切れていないので、調整はなし。いろいろ面白そうな事が書かれているが、実験しないで使えるようなものではなさそうだ。

さて、ナーテとヒルダが問題になりそうだ。ナーテは、案で絶対に連れて行く必要がある。そうなると、ヒルダだけを殘すわけにも行かない。し行軍速度が落ちるがしょうがないと思っていたら、ヒルダは、アンが。ナーテはルトが、聖獣の姿でフォローすれば、同じくらいの速度で移できる事が解った。

バックハルムの街を出て、早速、加速を行う。ルトとナーテを先頭にして、次にアンとヒルダ。俺とユリアンネとラウラとカウラは最後尾を移する。通常の移のおよそ3~4倍の速度だ。街までは、1日程度かかるが、8時間位で到著できる。夜には、侵出來る事になる。

「にいちゃん。ここが、湖の村だよ」「そうか、ナーテ。ありがとう。前と同じように、ナーテとヒルダは、ルトとここで待機。」「なんでよ。おいらもにいちゃんと行くよ。ここに居るのだろう?」「ナーテ。ここは、俺にカッコつけさせてくれよ。ヒルダもいいよな?」「解りましたわ。ナーテ。待ちましょう。その代わり、迷宮ダンジョンには連れて行ってくれるのでしょうね。」「あぁそうだ。それに、ナーテとヒルダは、逃げてくる奴の捕縛と、多分だけど、駆け込んでくる奴が居るだろうから、そいつらの捕縛を頼む。」「わかった。にいちゃん。おいら達の役割も今度はあるのだね」「あぁそれもかなり重要な役目だ。」「うん!」「そうだ。ナーテ。この村の出り口は一つなのか?」「ううん。湖に拔ける桟橋が一つと反対側にも出り口があるはずだよ」「そうか、桟橋の方はいいか・・。アンとユリアンネで、もう一つの出り口を抑えてくれ、逃げ出そうとする奴らは全員拘束していい。」

「お兄様。全員でいいのですか?」「あぁ全員だ。1人も逃がすな。」「子供もですか?」「そうだな。事前報では、関係者以外居ないという事だからな。子供が居ても、同じだ。関係者として捕縛しろ。違ったら、その時に謝ればいい。抵抗しない者には危害をくわえるな。」「解りました。」「アンもいいな」「了解だよ。ようするに、抵抗したやつはどんな事をしてもいいって事だよね?」「あぁそうだ。投降を呼びかけて、抵抗してきたら、殺さない程度なら何をしてもいい。」「「了解!!」」

「ラウラ。カウラ。一緒に來てくれ。俺達は、正面から正々堂々とのりこむ。」「はい」「はいにゃ!」

全員が配置に著いた事を確認して、正面から堂々と村にっていく。

「誰だおまえ?」「えぇここは、ブラント村では無いのですか?」「ブラント?違うな。個々は、一般人は立止だ。」「そうですか、それは困りましたね。イポリックに會いたいのですが?」「・・・イポリックだと?おまえ何者だ?」「しがない冒険者ですよ。そうですね。イポリックで通じなければ、トリスチド・ル・テリエに會いに來たと言えばいいですかね?」「・・・おい。村長に伝えろ」

『ラウラ。眷屬で、アイツの後を追えるか?』『かしこまりました』

「通してもらえますか?」「無理だな。」「共和國では、村にるのに、許可が必要なのでしょうか?冒険者の印ならお見せできますよ。」「うるさい。ダメなはダメだ。」

『ご主人様。街道を走っていく男が居ます。どうしますか?』『捕らえろ。最初は、話しかけてみろ』『かしこまりました』

「それでこの村の名前は?」「は?」

態度を変えてみよう。見下すようにすれば、しは反応が変わるだろう。

「名前だよ。名前。おまえ、言葉わからないのか?」「ふざけるなよ。」「ふざけていないよ。だって、名前を言えないのだろう。おまえが馬鹿じゃなければ、ここは、名前がない村って事で、共和國的には違法占拠になるのではないのか?」「・・・」「あぁ悪い。悪い。馬鹿に、”いほうせんきょ”なんて言ってもわからないよな?馬鹿にもわかりやすく言うにはどうしたらいい?朱雀。何かいい方法はないか?」「ご主人様。無理です。こんなクズにいくら言っても無駄でしょう。」

『ご主人様。男を捕えました。』『やっぱり、この村に向かっていたのか?』『はい。イポリックに伝言をする為だと言っています。』『そうか、丁重に扱っておいてくれ。』『かしこまりました』

「おまえら。俺は馬鹿じゃない。この村は、イポリック様が治める村で、テリエメールだ。」「テリエの湖テリエメールね。お前たちの湖ってわけじゃないだろうに・・・。」

『アル様。さっきの男がっていった屋敷が解りました。』『そうか、ならこんな茶番終わらせるか』『はい』『はいにゃ』

「そうか、それを聞いて安心した。違う村だと困るからな。」「おまえ、何を言っている。」「イボリックが居るのだろう?あぁ村長は、テリエ家から勘當喰らっている、バカ息子だっけ?」「おま・・「もういいよ。面倒だから、ここで倒れておけ」」

「ご主人様。これじゃ話聞けないよ。」

カウラに言われなくてもわかる。面倒になって、門番をしていた男の腹を氷の礫で攻撃した。その後で、木魔法で拘束した。

走ってくる男が何か言っているが気にしないで、中に踏み込む。周りから男が飛び出してくるのがわかる。夜なのに、ご苦労な事だな。

ラウラとカウラの魔法で片っ端から倒していく。新しく配置した魔法が上手く作しているようだ。致命傷にならない程度の攻撃で無力化できている。一度で無理な場合でも、複數回の攻撃で無力化できているから丁度いいのだろう。魔法の練習にもなるし丁度よい。

「ご主人様。この建です。」

何人無力化してきたかわからないが、數十人は無力化してきているだろう。それでも、この屋敷には後7~8人はいそうだ。

『お兄様。』『どうした?』『逃げてきた奴がいましたので、捕縛しました。』『ありがとう。どんな奴だ?』『はい。なんでも、首都に居る。テリエ家の者だと言っています。』『ふぅ~ん。解った。後で尋問する。無力化だけしておいてくれ』『解りました』

「ご主人様。」「どうした?」「2~3名だと思いますが、桟橋から逃げ出そうとしています。」「そうか、玄武に行かせよう。朱雀と白虎も、眷屬に対応させてくれ。」「はい」「はいにゃ」

1軒だけ、やたら立派な建だな。分不相応ってじだな。

ドアを優しく引っ張った。「弱なドアだな。取れてしまったよ」「ご主人様。このドア”押す"みたいです」「そうか、些細な問題だな。」

「夜分遅くにすみません。アルノルト・マナベといいます。2~3お聞きしたい事が有りまして、お邪魔しました。村長はご在宅か?」

ドアを壊す音が聞こえたのだろう。二人のいかつい”いかにも”の男が出てきた。

「あ”ぁぁおまえ誰だ?」「ここは、馬鹿しか居ないのでしょうか?先程、名乗りましたよ。それとも、子供でもわかる事が、わからない低能しか居ないのでしょうか?それでは疲れてしまいますよ。話が出來る”人間”を出して下さい。たしかに、人の言葉もどきを喋る。猿は珍しいけど、門番に一匹で十分でしょう。こんな家の中で飼うとは、ここの主人は頭のネジが飛んでいるのでしょう。あぁこんな事を言っても、類人猿にはわかりませんよね。餌あげますから、帰ってくれませんか?檻が無いのなら、後で首とセットでプレゼントしてあげますよ。」「ぷっ類人猿って・・・。」「ご主人様。すごい!」

男たち二人は、自分たちがバカにされた事は解ったが、理解するまで時間がかかるようだ。

「サル並みの知恵と言ったら、可そうですね。主に、さるが!」

やっと理解できたようだ。

「ふっふざけるな!」「やっちまえ!」

お!奧からもさるが一匹出てきましたね。「朱雀。白虎。一匹ずつだ!」「了解」「はい!」

狹くはないが、大柄の男3人が並んで突っ込んでくるには狹い場所だ。剣を持っているが、突き刺すか上段からの振り下ろししか選択肢がない。わかっていればさほど怖くない。ラウラは右の男のアキレス腱を切った。ラウラは、手首を薙ぎ払って、両肩に剣を突き刺して、膝の裏を切った。俺は、真ん中の男が持っていた剣をわして、片耳を切り落とした。そのままラウラとカウラと違って後ろに回り込まないで、を切った。足の付を切って立てなくした。

うるさそうだから、ラウラに言って、遮音の結界を作ってび聲を防いだ。

さて、あとの人間は一箇所に集まっているようだな。

「1人はいい。殘り二人を連れて行け」「はい」「はいにゃ」

ラウラとカウラは、大の男を首だけを持つ形で引きずっている。魔法の強化をしているが、想像して見ればわかるが異様な景だ。15歳の可いと表現していいの子が、大人の男の首を摑んだ狀態で引きずっている。

「ここだな。」「はい」「はいにゃ」

今度は、間違えないように、力をれてドアを押す。力任せに魔法でブーストして居たので、ドアだけではなく、壁の一部が壊れてしまったようだ。今度は、押すのではなく手前に引くようになっていたようだ。

「なんだ!」「誰だ!」「おい。護衛はどうした?」

「はじめまして、誰が、イポリックなのですか?あぁこれはお土産です。使えない猿でしたよ。もうし躾はしたほうが、いいと思いますよ。」

「あぁぁ!誰だ。いい。殺してしまえ!後は、なんとでもなる。」

「おやおや、貴方が、イポリックなのですね。朱雀。白虎。遠慮はいらない。やれ!」「「はっ!」」

勝負は一瞬で著いてしまった。本気はまだ出していないだろうが、それでも、能力の差が出てしまっている。

「さて、貴方が、イポリックで間違いないですか?」「知らんな。そんな奴。俺は、この村の村長だ。」「そうですか、貴方が村長ですか、私が探していたのも、テリエメールの村長をしている。トリスチド・ル・テリエ。裏の名前が、イポリックなのでしょう。バックハルトの冒険者たちが全部話してくれましたよ。おとなしく・・・しなくていいですよ。貴方には、いろいろ聞かなければならない事が有りますからね。素直に答えたくなるまで付き合ってもらいます。」

「俺に、こんな事して」「お父様に泣きつきますか?あぁさっき門から伝令に走った奴と湖から逃げ出そうとした者も捕えていますよ。」「テリエ家を敵に回すきか?」「はぁ?貴方、勘當されているのでしょう。いいですよ。貴方がやった事を、全部並び立てて、お父様にお聞きしますから、この人は、貴方の息子ですか?と、共和國の選定委員のお父様にお聞きしますよ。きっと、息子など居ないと返答が來るでしょうね。」

「なんだおまえは?」「だから、冒険者ですよ。」「俺にこんな事して、”あの方”が許さないぞ!」

その言葉がここで聞けるとは思っていませんでした。

「へぇ”あの方”ねぇ詳しく聞きたくなるな。帝國の商人に有ったのですね。」「・・・。」「領主が守備隊をかすのに、一日。それから、急いでも一日。2日は、貴方を尋問できますね。2日くらいなら寢なくても大丈夫ですよ。」「よせ。本當に、共和國だけではなく、妖の涙フェアリーティアを敵に回す事になるぞ。」

ほぉ妖の涙フェアリーティアの名前をここで聞く事になるとは思わなかったな。やはり、”あの方”と妖の涙フェアリーティアは繋がっていると思っていいようだな。ナーテやルトの仇が俺の仇でもあるのだし、ユリアンネやラウラやカウラの仇でもある。

視線が泳いでいる。誰かが助けに來てくれるのを期待しているのか?”あの方”の関係者か?

「白虎。裏口だ。」

カウラが裏口に向かおうとしたが

「ご主人様。この家不用心ですよ。」「玄武。そいつらは?」「なんか、この家の周りをうろついていたから、話を聞こうとしたら襲ってきたから、無力化しちゃった奴らの一部?的な?」「そうか、良かったな。テリエ放息子。おまえの仲間みたいだぞ。」

違った。”あの方”の関係者が居たら、アンやユリアンネでは対応が難しいかもしれない。

「なんで。俺が何をした!」「え?そこから?説明が面倒だよ。そうだね。強いて言えば、目障り?的な?」

「ご主人様。それじゃわからないと思いますよ。」「そうだな。まずは、周りの奴らから尋問していくか?」「おまえは、そこで見ていろ。」

トリスチド・ル・テリエを、座っていた椅子に固定した。男を縛る趣味はないので、魔法で椅子の腳に足を縛り付けるようにして、手を背もたれの後ろで縛った。を座席に固定するようにして、縛った部分から首まで蔦をばして、首を固定した。立ち上がろうとすれば、首が締まる仕組みだ。仕事で、アダルト系のサイトを作った時に図解してあったのを思い出した拘束方法だ!

「お兄様。こんな縛り方をいつの間に・・・。」「青竜。うるさい。昔仕事でやっただけだ。」

ユリアンネも屋敷にってきた。村の中を廻ってきたようだ。

一番屈強そうな男に水を頭からかぶせた。「おい。俺が今から言う事に答えろ。いいな。わかったら、”はい”と返事しろ。」「なんで俺が。ぎゃぁぁ」指を一本折る。「俺は、解ったら”はい”と返事しろと言った。わかったな。」「しらん。ぎゃぁぁやめろ。」今度は、追った指を切り飛ばした。「もう一度だけ言う。次は、殘った指を全部落とす。握れなくて困るだろうな。俺の質問に答えろ。いいな。」「・・・はい。」「初めから、そう言えばよかったのだぞ。アイツは、お前たちのボスだな。はい か いいえ で答えろ。」「ドナルイ。答えなくていい。」テリエの腹に氷の礫を飛ばす。「おまえに聞いてない。」「はい。そうです。」「いい子だ。お前たちは、バックハルムで何をしていた?」「・・・」「どうした。答えないのか?」刀を指に添える。「解った。言う。俺達は、次の選定の時に、トリスチド・ル・テリエが領主になれるように、支援者を潰していた。」「ほぉそうかぁそれって違法行為だよな?」「・・・あぁそうだ。でも、俺達は、命令されただけだ。本當だ。信じてくれ。」「命令されただけね。を攫って來て、壊れるまで犯すのも命令された事なのか?あぁぁ?」「それは・・・。許してくれ。出來心だ。」「そうかぁそうかぁ。ハッハハハ」「ハハハ」殘っていた指9本とも切り落とす。「ぎゃぁぁぁ・・・なん・・・で・・・。」「あぁ悪い。悪い。ちょっとした出來心だ。命取られないだけマシだよな。これなら不自由だろうけど、我慢してくれ。あぁついでだ。」間も切り裂いた。「ぎゃ!!!!」

「なんで、気を失うかな。まぁいいか、他にも居るしな。」「ご主人様。この方が、お話がしたいそうです。」「いえ、ご主人様。こちらの方がいろいろ喋りそうです。」

ラウラとカウラが別の男の首を持ち上げる。顔面蒼白とはよく言ったものだ。全員、真っ青になっている。

「そうかぁそうか、それじゃ、俺が知りたい事を話した奴だけ助けることを考えるか?」

全員を見渡す。

「まずは、この村の者達がどうなったのか?それと、ブラントの村に攻撃したのは、誰の命令なのか?そして、”あの方”とは誰の事だ?」

その場にいて喋れる奴らが一斉に喋りだした。この村に居た者達ではやはり全員み者になった。年寄りは、最初に殺された。ブラントの村はそれほど複雑な事ではなく、ここでの食料が無くなって來たから襲ったという単純な理由と今の領主に味方する者だったためだ。”あの方”の事は殆どの奴らが知らないようだ。

共和國の首都に居た時にから、トリスチド・ル・テリエの手下をやっていた奴が言うには、エタンとブノアは、首都に居た時にも何度か會っているという。こりゃぁ首都に行かなければならないようだ。

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