《魔法の世界でプログラム》冒険者 その1
1週間が経過した。その間に解った事は、妖の涙フェアリーティアには定期的に訪れる者よりも、ゲストとして招かれる者が多い事だ。ゲストたちは、殆どがリピートしていない。2度3度と訪れる事も無く、殆どが口で確認作業を行われていた。
1週間の調査だからかもしれないが、あいつらの出りも確認できない。
「アルノルト様。」「にいちゃん」「あぁ乗り込んじゃうか?」「にいちゃん。それはダメじゃない?」「やっぱり、そう思うか?」「ヒルダ姉ちゃんもそう思うよね?」「え?あぁそうね。それに、相手の戦力がわからないから。まだ辭めておいたほうがいいと思いますわ」「そうだよな。」
三人で、妖の涙フェアリーティアへの口が見える場所にある。カフェで朝からお茶をしている。明らかに怪しいのに、向こうからのアクションが一切ない。
「明日一日待ってみて、何もなければ、作を変えよう。」「はい」「うん」
夜の方が、きがあるかも知れないと、ラウラとカウラに眷屬を召喚してもらって、監視をしていたが、そちらも空振りのようだ。
翌日も結局きはなかった。
夜に皆を集めて狀況の確認を行うことになった。
「アル様。暫く、監視は眷屬たちで行いたいのですがどうでしょうか?」「そうだな。ユリアンネ。どう思う?」「私も、ラウラと同じ考えです。いつまでも、お兄様をお取りに使うのには反対です。私やラウラやカウラの眷屬を使うのが良いと思っています」「そうか、それで本音は?」「いつまでも、ヒルダとナーテが、お兄様とデートしているなんて、許せませんわ」
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「デートって、ユリアンネ。貴ね。まぁいいですわ。私も、進展がないのはイヤですから。ラウラの意見に賛ですわ」「うん。おいらも、をかすほうが好き。」
基本的に皆が賛してくれているようだ。
「それじゃ、まずは、ラウラとカウラの眷屬で監視してくれ、その後、アンとユリアンネに代。ルトは、皆の連絡係を頼む」「「「「「はい。」」」」」
「それで、アルはどうするの?」「あぁし、冒険者ギルドで仕事を探そうと思っているのだけどな」「へぇそれで?」「首都の事も知らないし、街中を見て回るのに丁度いい依頼でもやってみるよ」「それなら、皆で依頼をけてもいいよね?」「あぁそうだな。1週間程度やってみて、を摑んでから次を考えよう。」
方向が決まった。翌日に、冒険者ギルドに顔をだす事にした。そう言えば、俺達のランクはどうなっているのだろう?それらを含めて聞いてみればいいか・・・。
翌日、監視はカウラとアンが行う事になった。俺とユリアンネとラウラで冒険者ギルドに行くことになった。ヒルダとナーテとルトで商人ギルドに顔を出してから、俺達に合流する事になった。
「ユリアンネ。冒険者ギルドの場所は分かっているのか?」「勿論ですわ。」
ユリアンネを先頭にして冒険者ギルドに向かった。「おかしいですわ」「ユリアンネ様。そちらではなく、こちらになります。」「ラウラ。解っているわよ」「申し訳ございません。」
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そんなやり取りが數回行われた。「ラウラ。悪いけど、冒険者ギルドまで案してくれ」「かしこまりました」「ユリアンネ。ほら、迷子にならないように手をつなごう。」「え?あっはい!」
しだけ、不貞腐れた顔が一瞬で喜びに変わる。手をつなぐだけのつもりが、いつの間にか、ユリアンネは俺の腕に自分の腕を絡ませている。今にでも鼻歌が出てきそうなじだ。
ユリアンネの案ではたどり著けなかった、冒険者ギルドに、ラウラの案でたどり著いた。明日からの監視にはユリアンネを外そう。ルトに頑張ってもらおう事にする。ヒルダとユリアンネは、一人にしてはダメな人種なのかも知れない。
冒険者ギルドにって、まずは自分たちのギルドランクを確認しようと思った。俺は、付に行って、ユリアンネとラウラで依頼票を見に行ってもらっている。今まで、ギルドの依頼をあまりけていないし、個人的な依頼としてけただけだから、ランクが上がっているとは思えない。
「マナベ様。」「あっはい。」
順番がきたのだろう、名前が呼ばれた。付には、一番奧の衝立がある付に行くように言われた。なんだろう?王國での登録だから、ダメって事を言われるのかな?
「貴殿がアルノルト・マナベ殿か?」「え?あっはい。そうです。」
何かしたかな?怒られるのはイヤだな。そこで、最初に付をしてくれたに変わった
「よかった。やっと來てくれました。」「え?どういう事でしょうか?」
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ギルドの付嬢が説明してくれた。
完全に俺の落ち度の話だ。
マラブールに手紙を屆けた後の報告を、ギルドにしていなかった。そして、ベルナベルに宿屋を教えていなかったので、しょうがなくベルナベルは冒険者ギルドに、指名依頼として、迷宮ダンジョンの捜索依頼を出す事にしたようだ。それから、毎日のようにベルナベルから狀況確認がる。冒険者ギルドとして、俺の捜索依頼を出そうかと本気で考えていたという事だ。そこに俺達が現れたのだ。ベルナベルからの依頼は、指名依頼なので、”けない”という選択肢はないので、手続きを行ってもらう。
一週間は、首都で過ごす予定にしている。迷宮ダンジョン探索の期限は區切られていない。それに、ここから迷宮ダンジョンまで片道で1週間程度は必要だろうと、ギルド職員が教えてくれた。その為の路銀稼ぎに、簡単な依頼をける事にしていると、取ってつけた言い訳をしておいた。
改めて、俺達のランクの確認を行った。パーティとしてのランクが”9”だという事だ。これでけられる近場の依頼を幾つか聞いた。
・首都の地下水路の害獣処理・鉱石の運搬作業・街燈のメンテナンス作業・魔道の整理及び整備・図書館の蔵書チェック
これらの依頼が出ている。常設依頼として、街道の獣・魔駆除や、駆除した魔や獣の買い取りが出されている。ギルド職員に確認して、なかなか処理されない依頼からける事にした。多分、俺達なら大丈夫だろうという気持ちからと、冒険者ギルドに恩を売る意味もある。
選んでいたら、商人ギルドに行っていたヒルダ達も合流した。並行でできそうな依頼はけられるだけ、けてしまおうという事になった。
鉱石の運搬は、ステータス袋が使えれば簡単にできそうだ。害獣処理は、ラウラとカウラに任せれば大丈夫だろう。街燈のメンテナンス作業は、ナーテとルトに任せよう。魔道の整理及び整備は、ユリアンネとヒルダにテディを著けていけば大丈夫だろう。図書館は、アンが行けば大丈夫だろう。
という事で、手分けして行う事にした。今日けて、明日一日で終わらせる事を目標にする。一番遅かった者が、一番早かった者の命令を聞くという罰ゲームまで設定された。俺が一番有利だと思っていたが・・・。実は、それが罠だった。俺が一番不利な勝負を組まされていた。鉱石の運搬の為に、抗場まで行って、そこでけ取って、街の中の職人ギルドに持っていく事になっていた。報酬は持ってきた量に異存するという事だ。問題なのが、抗場まで馬車で1日程度かかる場所にあるのだ。そりゃぁいくら報酬が良くてもけ手がいないわけだ。
それぞれ、そういう小さな罠が組み込まれている依頼ばかりだ。それに、ランクを上げるためのポイントも低い為に、上位の冒険者がけない。低位の冒険者だとけられない。そんな依頼ばかりだ。
けてしまったからには、しょうがない。全力で行う事にした。
翌日から依頼を行う事にして、今日はその為の準備を行う事にした。俺は、カモフラージュの為に荷臺を購した。抗場近くで荷臺を出して、荷臺の上に乗せて、麓まで運んで、そこから首都まで運ぶという手段を考えた。
行き帰りの時間の短は、馬を使う事にしている。作ったばかりの疲労回復の魔道を著けておけば、ある程度はき続けられるだろう。
翌日は、それぞれの依頼主の所に移した。俺は、まずは職人ギルドに行って、抗場への紹介狀を書いてもらった。「持ってくる。鉱石は主に何になりますか?」「あ?そうだな。銀鉱石と魔素に曬された場所が有ったらしくて、ミスリル鉱石も多有るらしいから、ミスリル鉱石を多く持ってきてくれ。」「解りました。」
この依頼をどういう人がけていたのかを雑談レベルで聞いた。その中に、魔法の袋という素敵アイテムが有ることが判明した。
手続き用の書類をけ取って、城壁に向かう。城壁では、抗場に向かう事を告げて手続きを行う。
そこで、馬に乗って魔法を発する。風魔法で追い風の狀態を作る。その後、馬に疲労スタミナ回復の魔道を裝著して、魔力を流す。疲れた様子を見せずに全力で走り続ける。
通常一日(8時間移)かかる行程を、3時間で踏破した。抗場に付いて、責任者を探す。探索の魔法を使えば、人の位置は把握できるのだ、一番近くにいた人に話をして、責任者まで案してもらった
「親方。アヴェラヴィルの職人からの依頼で冒険者が來ています。」「おぉ解った。今行く」
5分ほど待つと、見るからにドワーフだと思える人が現れた「おまえさんか?冒険者は?」「はい。マナベといいます。」「そうか、俺の事は・・・いいか、面倒だ、親方って呼べ。」「はい。親方。それで、これが今回の依頼になります。」
職人ギルドからの依頼表を見せる。
「わかった。おい。このにいちゃんを案してやれ」「はい。親方。どっちに?」「ミスリル鉱石と銀鉱石だ」「わかりやした」
「親方。ここは、銀鉱石とミスリル鉱石以外も出るのですか?」「おぉ鉄鉱石も出るぞ。」「え?そうなのですか、し分けてもらえませんか?」「いいけど、どうなって持っていく。」「あぁ大丈夫です。こう見えて力はあります。」「そうか、どのくらい必要なのだ?」「試してみたいだけなので、そうですね剣が2~3本打てる程度で大丈夫です。」「そうか。解った。銀貨5枚でどうだ?」「構いません。お願いします。」「わかった。用意させる。」「ありがとうございます。」
若い職人に付いて行くと、銀鉱石とミスリル鉱石が置かれている場所の様だ。確かに、ミスリル鉱石がない。
職人ギルドで、雑談レベルで聞いた、魔法の袋という素敵アイテムは、首都でも何人かは、エルフから買って持っているということだ。俺が持っているのはステータス袋だが、気にしないで、ステータス袋に詰め込んでいく。何か言われたら、知り合いにエルフが居て、買ったと説明する事にした。
「ぉ。おまえ、魔法の袋を持っていたのだな。」「えぇ知り合いのエルフから買ったのですが、便利ですよ」「だろうな。でも、高いだろう?」「どうでしょう。金を払ったのは、私ではないですからね。」「ほぉそうか、俺が聞いた話じゃ、大金貨10枚とか言っていたからな。」「そんなにするのですか?」「あぁそうらしいぞ。おまえのもかなりるみたいだから、高いと思うぞ」「そうでしょうか?父親がエルフの一族を助けたお禮に安く譲ってもらったらしいですからね。」「へぇいいを貰ったのだな」「はい。」
そうこう言っている間に、ミスリル鉱石が全てってしまった。ステータス袋の中を見たら、ミスリル鉱石で20の箱が埋まっていた。殘りもまだまだあるので、ここからは、銀鉱石をれていく事にする。
全部れるのは不味いだろうと思って、半分位で辭めておいた。
「これでいっぱいのようです。首都に持っていきますね。」「お・・・おぉぉちょっと待っていろ。今、親方を呼んでくる」
「どうした・・・・え?」「親方さん。どうかしました?」「"どうかしました?"じゃないぞ。どれだけ持っていくつもりだ。」「いえ、持てるだけ持ってきてしいと言われていますからね。」「だからっておまえ・・・限度ってがあるぞ。それに、どうやって持っていくつもりだ?」「はい。この魔法の袋があるので、そこにるだけにしたつもりです。」「お!おぉぉそういう事か?おい」
手下っぽい若い奴が紙を持ってくる。何か親方が書いている。
「マナベとか言ったな。」「え。あっはい。」「出す前に、これを職員に渡せ。必ずだぞ」「わかりました。でも、これは?」「今、おまえが持っている量の概算だ。これを見れば、職人ギルドならわかるだろう」「わかりました。ありがとうございます。」
その紙には、走り書きだが。ミスリル鉱石:50鉄鉱石:150とだけ書かれている。単位がわからないが、今俺が持っている量なのだろう。ギルドから渡されている書類にも親方のサインを貰った。大の量も書いてもらった、200と書いてあるので、多分鉱石の単位がなにかあるのだろう。
帰り道はしゆっくりで、城壁が締まる夕方までに著けばいいと思って、探索魔法に引っかかった魔や獣を倒してみた。刀の訓練にもなるし、魔法の訓練にもなって丁度いい。馬に乗りながらの戦闘もなんどか試してみた。
城壁に著いたのは、締まるギリギリだった。り込んだ形になる。こりゃぁビリかなっと思ったが、まずは依頼を完遂させる必要がある。
職人ギルドで、親方から渡された紙と依頼表を渡す。し待っていてしいという事だったので、待っていると、ギルドの奧から偉そうな人が出てきて、付に何やら指示をしている。
「マナベ殿。申し訳ない。2,3お聞きして良いですか?」「構いませんよ」「貴殿が、この依頼をけたのは、ギルドの書類を見ると本日の朝になっていますが間違いないですか?」「はい。そうですね。」
あぁ時間的な事を気にしているのか?
「あっ私は、エルフの魔法の袋を持っているので、手ぶらで向かって、袋に積められるだけ積めて帰ってきたのです。使った馬は、王國にいた時からの付き合いで、優秀な奴なのですよ。それで、ギリギリ本日中に帰ってこられたというわけです。」「そうなのですね。それで、魔法の袋は?」「え。あっこれになります。私以外は使えないようになってしまっていますので、お渡しできないので、どこかに銀鉱石とミスリル鉱石を出します。」「・・・解りました。それではこちらにお願いします。」
ギルドの偉そうな人に案されている時に、付嬢や若い職員が(親方が書いているから噓じゃないでしょう)などと何か不穏當な事を言っていた。俺は噓なんて著いていない。誤解を與える様な言い方をして、その誤解を修正していないだけだ。
育館よりちょっと広めの施設で、鉱石を貯めておく場所の様だ。指示された場所に、銀鉱石を出した。職員の予想以上だったのだろう。俺も実際にはびっくりした。こんなにっているとは思わなかった。続いて、ミスリル鉱石を全部出した。
職員が慌てて、ギルドに走っていくのが見える。
「終わりました。これで全部です。」「え?あっ解りました」
ニコニコして待っていると、我に返った職員が書類にサインして渡してくれた。
書類を持って、ギルドに向かうと先程対応してくれた付が待っていてくれた。「マナベ様。しお時間をいただきたい。」「えぇ構いませんが、この後冒険者ギルドに行くので、できましたら早めにしていただけると助かります。」「はい。わかりました」
付は、また奧の部屋にっていった。別の付嬢がお茶を持ってきてくれた。所謂紅茶だ。なかなか味しかった。
10分位経った頃だろうか、付と上の人だろう。一緒に出てきた。「マナベ様。おまたせいたしました。処理が遅くなってしまって申し訳ありません。それで報酬額なのですが・・・。」「ここからは儂が説明しよう。アルノルト・マナベ殿。儂は、この職人ギルドのギルド長をしている、ケールと言う。」「あっはじめまして、アルノルト・マナベです。それで、ケール様。」「様付けはよしてくれ。マナベ殿。」「解りました。ケール殿。それでなにか有りましたか?」「いやな。マナベ殿のおかげで、ここ數年の銀鉱石やミスリル鉱石不足が解消されたのだが、報酬金額が大きくなってしまった」「そうなのですか?」「あぁ計算したら、大金貨で107枚と金貨7枚と端數になってしまった。流石に、それだけの資金はここに無くてな。それを相談したいのじゃ」「え?そんなになったのですか?」「あぁそんなになったのじゃ。それで、分割で払いたいのだが大丈夫か?」「あっそういう事なら、分割で、商人ギルド・・・ってよりも、私が職人ギルドに會して、口座を作った方が、都合いいですよね?」
「お!そうしてくれるか?」「はい。問題ないですよ。」「そうか、助かる。それなら、わが支所の実勢にもなるし、できればじゃな。今日の依頼は職人ギルドの人間として達した事にしてくれんか?いや、勿論、冒険者ギルドへの報酬も払うし、依頼達の書類も渡す。面倒な事は、儂の方でやっておく。どうじゃ?」「構いませんよ。今すぐにお金が必要ではないですからね。あっそうだ、一つお聞きしたいのですが、日用品を作って貰う場合には、職人ギルドに依頼を出せばいいのですか?」
「そうか、ありがたい。日用品といったが、商店で買えないとなると作るのに時間がかかるぞ、それに、魔法が絡まないしか作られないからな。」「そうですか、何か有りましたら依頼を出すことにします。」「処理はしておく!作依頼はあるか?」「今はないですね。手続きは、どうしましょうか?」
付嬢が橫から口を出してきて話を終わらせるようだ「あっ商人ギルドと同等の登録で良ければ、あちらと共同で作ります。」「え?そうですか、わかりました。お願いします。」
り行きで職人ギルドにも登録してしまった。まぁ必要になるかもしれないし、1億近い預金ができたと思えば問題ない。
次は、冒険者ギルドに行けばいいのだな。
冒険者ギルドに行くと、皆が帰って待っていた。やはり、俺が最後だったようだ。
手続きを済まして、宿に向かった。食事も宿の食堂で済ます事にして、今日の出來事と眷屬たちのきを、確認する事にした。
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