《魔法の世界でプログラム》冒険者 その2

「お兄様。」「なんだ。ユリアンネとヒルダがトップか?」「・・・」「主様。違います。私達が終わった時には、ラウラとカウラが終わっていました。」「テディ。」

テディが順番をしっかり把握していた。ラウラとカウラが最初に終わって、次にユリアンネとヒルダ。次が、アンが帰って來て、俺のちょっと前にナーテとルトが帰ってきたらしい。

「俺が最後なのは解っているが、それぞれの依頼容の確認をしたい。」

まずは、ラウラとカウラだが、話を聞いた限りでは、実は能力と依頼がマッチしていたようだ。首都には、地下水路があり、そこに排水をしているようだ。その為に、雑多なゴミも溜まりやすく、ゴミがあれば害獣も湧き出してしまうらしい。それを定期的に駆除しなければならないのだ、ラウラとカウラは、眷屬を召喚して、片っ端から害獣を駆除していった。晝前には終わってしまったので、二人は魔法制の訓練をしていたのだと言っていた。カウラがおこした火を、ラウラの風魔法で拡散するという様な制方法だ。水路にたまったゴミの焼卻を行っていたのだ、それだけではなく、風魔法で淀んだ空気に流れを作る事で、匂いの拡散を行った。環境がよくなれば、害獣の発生も抑えられる。駆除された害獣の數は數えるのが馬鹿らしくなるほどの數になっていた。本來なら、子供のお小遣い稼ぎ程度にしかならない依頼だが、二人は、一匹の害獣の報酬が銅貨5枚の依頼で。20萬ワトほど稼いできた。実に、4,000匹もの害獣を駆除した事になる。數えようとした、職員が面倒になってしまったらしく、最後には重さでの報酬という事になったらしい。駆除した害獣を一箇所に集めて、焼卻処分までしてきた。ギルドポイントも、それに合わせて貯める事ができたようだ。

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アンの"図書館での依頼"は、面倒という事はなかったようだ。リストを渡されて、蔵書があるのかをチェックする業務だ。アンも、眷屬を召喚して全部を並行作業で探す事にしたので、あっという間に終わってしまったらしい。本來なら、ここで依頼達だったのだが、確認されなかった蔵書が3冊あって、その所在確認を行っていたようだ。貸出履歴を見て、3冊とも同じ人が借り出していて、返した事になっていたので、最後に借りた人の所に職員と赴いて、部屋の中に積まれていた本の中から図書館の蔵書を発見したのだ。この人は、常習らしく図書館の本が他にも何冊か見つかった。いつもは、門前払いだったのだが、可の子であるアンが一緒にいたので、部屋までれてしまったのが、そいつの過ちだったのだろう。本が置いてある部屋には通さなかったが、アンの眷屬が本を見つけたのを、アンが職員に耳打ちして一芝居して本を見つけたのだと笑っていた。

ユリアンネとヒルダは、魔法師ギルドの依頼だ。二人は、魔法師ギルドに行ってから、山のように積まれていた魔道を、仕分けしていくというだ。仕分けと言っても、何か指標が有るわけではなかった。二人だけになった、ユリアンネとヒルダは、テディを利用する事を考えた。最初に依頼達しか考えていなかった二人は、仕分けを終わらせる事を、念頭に置いて作業を行うことにした。まずは、"使える(魔力が通るもの)"と"使えない(魔力が通らない)"に分けた。使えないでも、テディが"魔核があれば使えるようになると判斷した"と、"完全に壊れている"か"魔道で無い"に、分類した。使えるでも、"問題がなさそうな"と"修繕が必要な"に分類した。これだけの作業なら、晝前には終了した。時間がかかったのは、整備の方だ、整備と言っても、もともと使いみちが解らなかったも多い。その為に、整備も行う必要はなかったのだが、テディがここで能力を開花させてしまった。もう終わりにしたかった二人を引き止めて、整備に沒頭してしまったのだ。二人にも、メリットがあった。テディは二人に職員と渉して、”魔核があれば使えるようになる”を、理由を付けて貰っていけば、俺が喜ぶと説得されたらしい。そして、職人と渉して、整備が終わったら、持って帰っていいと言われた。そして、テディが全ての整備を終えて、もらうを貰って帰ってきた。依頼料は、ラウラとカウラには及ばなかったが、12萬ワトになった。整備できが危なかったが正常作になった事が評価されたのだ。

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最後は、ナーテとルトだが。やることは簡単だ、ただ手間がかかるのは間違いない。首都の夜を照らすように作られている街燈の魔力の補充が仕事容だ。數が多い。全部で、1,200本あると言っていた。勿論、全部ではなく、できるだけ多くで、優先順位が決められている。それに従って、魔力を補充するのが仕事だ。ルトは、最初はナーテに魔力を使わせて、限界まで使ってから、眷屬を使って、殘りを片付けにった。ナーテの回復狀況を見ながら、また補充を行うようにしていた。全部の街燈への補充を終わらせて、ギルドで報告を行った。報酬は、一つの街燈で銀貨1枚。銀貨1,200枚の報酬となる。金貨12枚。120萬ワトの報酬だ。

俺の報酬を置いておくとして、今日だけで160萬ワト近い稼ぎになる。ランクも無事”8”に上がっている。

明日も、今日と同じように依頼をける事になった。今日の報告を聞いている時に、ルトが、後ほど話があるという事だったので、全の話が終わった後で、ルトに話しかけた「ご主人様。本日、私とルトで首都を廻ったのですが、その時に幾つかの噂話を聞きました。」

ルトが聞いてきた話と言うのは、街中を歩いている商人達の噂話で、共和國の一部の國で、獣人やエルフ/ドワーフといった種族を排斥するきがあるという事だ。戦爭になりそうな匂いさえもしてくるという事だ。共和國は、幾つかの國が集まってできている。その為に、共和國が全部で戦爭をする事はないが、紛爭というじで國同士が爭う事があるのだと言う。今回は、それに人族以外の人類の排斥が含まれるので、話がややこしくなる。

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「アル兄ィ」「大丈夫だよ。カウラ。俺達が、その戦爭なり、紛爭なりに、関わる事はないからな。攻められれば対応するけどな」「ねぇアル。」「なに?」「その人族以外の排泄運だけど、妖の涙フェアリーティアが絡んでいたりしないか?」「どういう事だ?」「拠があるわけじゃないけど、なんとなく、妖の涙フェアリーティアの影は見えるけど、ぼんやりとしているよね。その中での噂話だからね。考えすぎかな?」「わからないけど、報がないからな。」「そうだな。」

皆が何かを考えている。不安というじではないが、妖の涙フェアリーティアが敵認定されているのは間違いない。

「あぁぁぁ!!そうですわ」「なんだよ。ヒルダ。びっくりするな。何か大事な事でも思い出したのか?」「えぇ大事な事ですわ。ラウラ。カウラ。今日の勝利の報酬として、アルノルト様に命令出來る権利があるのですわ!何か考えているの?」

余計な事を思い出した。ルトがため息をついているって事は、ルトは気がついていて、最後に話を振ってくれたのだろう。

「アル様。」

一番困った顔をしているのは、ラウラだ。別にラウラとカウラになら、普段から世話になっているし、何でもじゃないけど、してあげるけどな。

「アル様。この勝負を、1週間続けさせていただく事はできませんか?」「ん?俺は別にいいけど、みんなは?」

皆を見ても問題なさそうだ

「それで、1週間となると、勝負の結果はどう判斷するの?」「獲得金額なんてどう?」

アンからの提案だ。確かに、平等に見えるが、俺の獲得金額は、すでに1億近い金額になっている。それを考えると、違う基準の方がいいだろうか?

「いいですわね。」

ユリアンネが引っかかってしまった。まぁいいかぁ

翌日も、冒険者ギルドで依頼をける事になった。ランクも上がったので、討伐クエストをけてもいいかと考えていた。

翌日も冒険者ギルドに行く。

ラウラとカウラは、引き続き”首都の地下水路の害獣処理”をける事にした。ルトとナーテは、”職人が使っている魔道への魔力の供給”をける事にした様だ。ユリアンネとヒルダは、一発狙いなのか、”街道の手配魔の討伐”をける事にしていた。アンは、昨日と同じ”図書館の蔵書チェック”にしたようだ。

俺も、昨日と同じけようと思ったが、ギルド職員に聞いたら、その依頼は終了になったと言われた。しょうがないので、昨日ヒルダとユリアンネがけた魔道の整理と整備をける事にした。付で依頼の処理を行っていると、ギルド職員が、俺に聲をかけてきた。

「マナベ様。職人ギルドがいつでもいいので、一度著てしいとの伝言です。」「あっ解りました。」「職人ギルドの會説明をしたいという事です。」「そうですか、解りました、本日中に伺います。」「お願いします。」

全員が依頼を選んだので、パーティとして依頼をける事にしている。

「さて、今日も頑張ろう。」「にいちゃん。おいら達と職人ギルドに行くの?」「あぁ最初に職人ギルドで用事を済ませようと思っている。」「それじゃ一緒に行こう。」

それぞれが依頼の場所に向かう事になった。ナーテとルトと、職人ギルドに向かう。昨日対応してくれた付嬢が空いていたので聲をかけた。「すみません。アルノルト・マナベです。冒険者ギルドの伝言を聞いてきました。」「あっ良かったです。しお待ち下さい。」

小走りに、付嬢は奧に引っ込んでいって、紙を持って帰ってきた。

「マナベ様。これをお渡し致します。」「これは?」「職人ギルドの規約になります。基本は、商人ギルドと同じですので、大丈夫だと思います。」「あっ解りました。でも、いきなり、ランクが上がっていますが?」「それだけの貢獻があったのです。當然の事です。あっもし、他に登録者がいらっしゃるのなら、一括して登録致します。」「そうですか・・・まずは、この二人の登録をお願いします。」

ナーテとルトを登録してもらう。これで手続きが終わった。俺は、挨拶だけ済ませて、魔法師ギルドに向かう。

魔法師ギルドはし離れた所にあった。付で、冒険者ギルドの依頼を見て來た。昨日ここで魔道を整理・整備した者のパーティメンバである事を告げた。

付の話は、昨日ヒルダとユリアンネが行った事と同じようだ。作業は、主にテディが行ったみたいだが・・・。

付に言われた場所に行くと、何に使うのかわからない魔道が大量に置かれていた。ヒルダとユリアンネが仕分けしたものとは違うようだ。

テディの話では、手にとって見て、魔力をじたら魔道で、魔力が通るようならアーティファクトの可能があるという事だ。両方共なければ、ゴミだと判斷してよいとの事で、それをベースに仕分けをしていく。全部で200臺位あるだろうか?魔力切れのが大半だ。俺の作業風景を、ギルド職員が見ているので、話しかけた。

「これだけの魔道をどうされたのですか?」「あぁ共和國のギルドから集められたで、使い道がわからないをここに置いてあるのです。」「そうなのですね。昨日も、私のパーティが仕分けをしたと思うのですが、どのくらいの數があるのですか?」「え?あぁ後同じくらいあります。」「そうなると、後200程度ですか?今日時間が有りますので、全部一緒にやってしまいたいのですが構いませんか?」「え?勿論です。」「よかった。ここで作業をしていますので、殘りの魔道を持ってきていただけるとうれしいです。」「解りました。」

職員が部屋から出ていったので、魔道に魔力を込めていく。テディが俺ならもっと上手く出來るはずだと言っていたのがわかる。魔道には、基本的に加護の魔法が発するようになっている。ただ魔力を込めるだけなら、誰でも出來るが、持っている総量が問題になってくるだけだ。でも、魔道を発させないで何の魔道かを調べるのなら、加護が無いとわからない。魔力を流した時に、魔力に加護をのせる事で、その魔道の屬がわかるのだ。確かに、俺なら、全部の加護が使えるので、調べるのには有効だろう。仕分けついでに、魔道を加護毎に分けておくことにする。

魔核が必要なもあったが、魔核に関してはまだにしているので、別に仕分ける事にしている。これは、ヒルダとユリアンネも同じ事をしていたはずだ。

全部で、400個の魔道の仕分けを終えた。加護毎に魔道を分けた。驚いた事に、複數の加護が施されている魔道も存在した。魔核がないので、魔力を充填してもすぐになくなっていってしまうが、それでも、一応全部の魔道に一斉に魔力を充填しておく。わかったのは、加護を加えた魔力のほうが長持ちするという事実だ。

仕分けの終了を、職員に告げた。

「マナベ殿。」「何でしょう?」「貴殿らは、どうやって仕分けているのだ?それに、貴殿は、加護まで書かれている。簡単な使い方が解ったまである様だ」「えぇ・・・。そうだ、もし、私が魔法師ギルドに登録したら、私の報は匿していただけるのですよね?」「え?あっ勿論です。登録がなくても、匿すべき報だと判斷した時には、匿されます。」「例えばですけど、複數の加護を持っているような報も匿されるのですか?」「勿論です。最有力報です。上層部にも、複數の加護持ちの登録があった事は、伝わりますが、個人の名前や所屬などは明らかにしません。」

いわゆる"のり弁"報告書というわけだな。まぁバレても困る事はないし、バレて、妖の涙フェアリーティア辺りからアクションがあれば、それはそれで俺達もく事が出來る。それに、俺の名前は悪い意味でも、王國繋がりだと思われている所がある。

「解りました。仕分けの方法をお教えしますが、私の屋號での登録をお願いしたい。」「解りました。では、先に、マナベ殿の登録を行いたいと思います。」「はい。先に言っておきます。私、複數の加護もありますし、上位霊の加護も持っています。できれば、目立たない方法での登録をお願いしたい。」「・・・そうですか、かしこまりました。ギルド長の判斷が必要になりますので、暫くお待ち下さい。」

10分位待たされたが、職員が戻ってきて、個室を用意できたと話してくれた。

部屋にると、冒険者登録をした時と同じような球が置かれていた。「これにれて下さい。そうしたら、加護のを放ちます」「解りました」

に手を置くと、順番にっていく。その都度、職員の顔が驚愕の表に変わっていく。見ていてなかなか楽しい。

「・・・。申し訳ない。しお待ち下さい。」「えぇいいですよ」

あぁこのパターンだな。やはり、10分位経ってから、職員とギルド長だろうがってきた。もう一人、後ろから似たような球を持ってきた。

「貴殿が、アルノルト・マナベ殿か?」「はいそうです。」「どんなトリックを使ったかわからないが、全加護持ちなど有りえん。もう一度試させてもらう。」「いいですけど、そう、避難されるように言われると、気分が悪くなりますね。それに、私は貴方のことを知りません。」「・・そうだな。儂は、魔法師ギルドのギルド長のヤニクという。」「私は、アルノルト・マナベです。それで、ヤニク殿。もし再測定しても結果が同じだった場合には、ギルドとして何かしてくれるのでしょうか?」「あ?そんな事ありえんが、そうだな。貴殿と貴殿の仲間の登録料は儂が持とう。5年間の年間費もだ。それと、貴殿が気にしていた、報の匿に関しても、ギルド長指定の最高レベルの報だと保証するようにしよう。そうだな。あと、貴殿が見た魔道の中でしいを持っていって良い。どうだ?これだけの事を言わせたのだから、今更やりませんとは言わせないぞ」

あぁギャンブルで負ける人だな。

「解りました。でも、加護は、武と盾は含まれませんよね?」「當然だ。それは魔法師ギルドでは評価されない加護だからな。」

言質もとった事だし、二つの球に同時にる。ギルド長は俺を見據えている。

そして、全部のが順番に放たれた後でギルド長は、まさかという顔をしていた。

ギルド長のヤニクは、立ち上がって、”まさか・・・”と呟いて、部屋を出ていってしまった。殘された俺と職員はお互いの顔を見てから、ため息を著いた。場を荒らすだけ荒らして、負けが確定したら、逃げ出す。まぁ証人も居るので、今更なかった事にはしないだろう。

職員が我に返って、手続きをしてくれた。登録料と年間費は、俺が立替えで払っておく。

立替えなくてもよいとは思ったが、現場の職員は今回は巻き込まれただけだろう。俺が立替えておかないと、部下が上司に取り立てるという図式が生まれてしまう。それも、俺が関わった事で、現場の人間に不利益(心の負擔を含む)が生じる位なら、俺が立替えて、ヤニクに請求しに行く位の方がいい。ヤニクの格は解らないが、”俺に対しての借り”だと思ってくれたらラッキーだ。請求に行く時に、上から目線で、いろいろ話が出來るというメリットもある。

それに、貰えそうな魔道に関しては、”使えるようになった”ではなく・・・・”魔核がなくて使えない”をすべて貰う事にした。

それから、魔法師ギルドの役割とか注意點を教えてもらって、冒険者ギルドへの依頼は達として貰った。仕分けの方法は後日教えに來ますということにした。

冒険者ギルドに帰ると、今日もビリだった。なぜ、みんなこんなに早く依頼達出來るのだろう?

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