《魔法の世界でプログラム》辺境伯

ライムバッハで、一通りの説明をした翌日、魔道とアーティファクトの仕分けを行う事にした。

「アル!」「なんだよ。ユリウス。」「これ、全部、魔道なのか?」

確認の為に、全部見たが、そうだとしか答えようがない。面倒なので、テディに振る。

「テディだよな?」「主様。アーティファクトは、主様の方が詳しいかと思われますが?」

ブーメランですぐに帰ってきた。

「そうだ・・・。どれから説明するか?」

アーティファクトは”電化製品”が多く含まれている。魔核で作するはずだと言われているが、俺の常識では電源ケーブルを何処かに繋げないとダメだと思うが、本來電源ケーブルがある場所に魔核をれる場所が備わっている。そこに、新しい魔核をれるとき出すというじだ。

魔道に関しては、今まで通り魔力を充填して上げればき出す。

整理をすると、もともと"充電式”や”乾電池”でいていたは、そのまま魔力を充填する事でき出す”魔道”となっている。回路がどう変質しているのか興味がわいたので、その場で分解しようとしたら、クリスに頭を叩かれて、ユリウスに腕を摑まれて、エヴァに魔道を取り上げられた。理不盡すぎる。

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魔道には小が多い印象がある。ラックサーバがこっちに來ているのだから、冷蔵庫とかも來ていてもいいだろうし、電子レンジなんかも來ていてほしかったが、今のところは無いようだ。家電でも、ポットやミキサーの類が多いので、使い方を説明するのが簡単で良かった。

多分、後11個も迷宮ダンジョンがあるのだから、似たような手できるだろう。一通りのを説明した上で、ユリウスとクリスにお願いをする事にした。”魔核を確保しておいてしい”と、いう願いだ。魔道の説明をしてからなので、使い道も分かりやすかったのだろう、クリスとユリウスは承諾してくれた。

魔道の殆どが、魔法で代替出來るようなが多い。

しかし、攜帯電話だけは、まだ魔法でどうこうできそうにない。何か方法がありそうだけど、思いつかない。臺數もある程度揃ったので、俺とヒルダとナーテが持つ事にした。念話が使える俺達はそれほど離れなければ、必要ない。それ以外の攜帯電話は、ユリウスに預けた。カールの名前で、ライムバッハから貴族や王族に貸し出す事に決まった。他の魔道も、問題なさそうなは貸し出す事になった。

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俺も必要なを持っていく事にしたが、それほど必要なはなさそうだ。ディスプレイがあるから、ミニフ○ミコンやミニス○ファミとかがあれば楽しめるのにな・・・。殘念ながら來ていないようだ。気長に待つ事にしよう。異世界で魔法がある世界で、魔法が使えるRPGとかやってみるのも楽しいだろうな。

「あっ聞き忘れていたけど、ザシャ。エルフの街はどこにある?」「共和國との國境近くです。」「それは聞いている。エルフの街は森の中なのだろう?森はどこから行く?」「・・・。ヘーゲルヒ辺境伯の領地を通っていきます。」

「そうか....それで、護衛が必要だと判斷したのだな。ユリウス!クリス!」「アル。」「アルノルト様」

ヘーゲルヒ辺境伯は、多分だが、”あの方”に繋がっている。証拠は出ていないが、関係を疑われる。

辺境伯は、巨大な領地を持ち、子爵や男爵を配下に加えている。常備兵や財力では、王家を上回っているとさえ言われている。それも、共和國と帝國に接している地理的な意味もある。共和國とは、巨大な森を挾んでいる為に、易はさほど盛んではないが、帝國とのやり取りでは、大きな利益を得ている。後継ぎが居なくなってしまった、ルットマンが改易もされないで、殘されているのは、ヘーゲルヒ辺境伯が裏から手を回したからだ。そして、ヘーゲルヒ辺境伯の娘が、ユリウスの父親である皇太子の弟の正妻に向かえられている。

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辺境伯が、敵である事は確実だ。あの時とは違うが、もう失いたくない。ヒルダもナーテも、だ。最低限の人數だけで行くか、最大戦力を投するかだろう。戦爭しに行くわけじゃない。最低限で行けばいい。目立つ可能がある”ユリアンネ”と"ラウラ"と”カウラ”は置いていく。ヒルダもダメだ。ナーテは、連れて行ってもいいが、戦力的に一人だと難しい。

ザシャとディアナの護衛なら、ルトとアンが居れば、索敵も大丈夫だし、いざという時の対応は出來るだろう。

「ユリアンネ。ラウラ。カウラ。ヒルダ。ナーテ。お前たちは、ライムバッハに殘れ。ルト。アン。二人は、ザシャとディアナの護衛をしろ。」「アル様」「アル兄ィ」「お兄様」「アルノルト様」「にいちゃん。」

殘れと言われた5人から一斉に非難が浴びせられる。でも、こればかりはダメだ。

「ダメだ。お前たちは、連れて行かない。ザシャもディアナもいいな。文句があるのなら、俺は、護衛はしない。」「いいですわ。アルがそれで大丈夫だと判斷するのなら、私に異存はありません。」「僕も問題ない。」

クリスがゆっくりと口を開く。反対はしないようだ。

「アルノルト様。イーヴォを連れて行って下さい。いいですわよね。ユリウス様」「あぁアル。俺は、今回は反対なのだ。でも、ザシャとディアナは、どうしても行かなければならない。おまえに任せる。危険だと思ったら、帰ってきていい。」「わかった。イーヴォさんは、いいのか?」「あ?問題ない。クリス嬢やユリウス様からのご命令ならそれに従うまでだ。」「解った、イーヴォさん。頼みます」「あぁそれに、アルと一緒だと飽きそうにないからな」

日程の調整は、イーヴォさんがしてくれる事になった。食料も、基本はルトとアンが持っていくが、ダミーで馬車にも積んでいく事にしている。イーヴォさんも、ザシャもディアナもステータス袋は持っているが、大きさから、俺やルトやアンが持っていったほうがいいだろうという事になった。

殘される事が決まった人間たちも最初は文句を言っていたが、カールの世話を頼む事と、ナーテは孤児院で話をしてくる必要がある事から、ここに殘っても作業がある事で納得させた。

出発は、3日後に決められた。ウーレンフートの街までは、エヴァやイレーネも一緒に行く、ユリウスとクリスが、迷宮の管理室を見たいといい出したのが理由だ。別に拒む理由もないので、連れていく事にした。

ウーレンフートには、3日位滯在する事になった。クヌート先生も一緒についていく事になった。やはり、迷宮の管理室がどうなっているのかは興味があるようだ。それから、ブラント迷宮とマラブール迷宮にも移する事になった。

全部の事が決まってから、王都に居るギルに連絡した。そんな楽しそうな事があるのなら、帰るといい出したが、ギルがこっちに帰ってくる頃には、もう終わっていると説明して、王都にとどまって、報収集してもらう事になった。後日、迷宮ダンジョンには連れて行く事という曖昧な約束を結ぶ事になった。

翌日は、ナーテに付き合って、ルトの所にいた子供たちの所に顔出しに言った。ナーテが、「”それ”誰の事」という英雄伝説を話していた。子供たちも、その話しを食いるように聞いていた。しかし、話の途中で、ルトが持ってきたお菓子に一気に人気を持っていかれた。ナーテは、多しょんぼりしていたが、頭をでてやったら、嬉しそうにしていた。

午後からは、ルトとアンが食料の調達にイーヴォと一緒に出かけた。俺は、自分の部屋に戻って、クリスとユリウスがまとめてくれていた、ヘーゲルヒ辺境伯に関しての知識を詰め込んだ。途中から、イレーネとエヴァも參加してのクリスからの講義となった。俺が知りたかった事は、ヘーゲルヒ辺境伯の人となりだが、辺境伯自にはあまり悪い噂はないと言うことだ。確かに野心家だが、その野心を上手くコントロールしているといったじのようだ。

ライムバッハとの関わりも表面上は、それほど悪くない。今回の件さえなければ敵対しているとは思えない。話を聞いただけでは解らない事もあるのだろう、今回領地を通る事で、片鱗でも解ればいいだろう。敵対勢力である事は間違いないが、表立って敵対行を取られたわけではない。こちらから手をだすのは愚行の極みだろう。おとなしくしているのがいいだろう。

「それで、ザシャは、なんで今回に限っては、エルフの街に帰ると言いだしたのだ?」「明日にでも、本人に確認して見てください。」「そりゃそうだよな。わかった、ありがとう。クリス。イレーネもエヴァも助かったよ。そうそう、エヴァ。共和國でも、”聖”は有名だったぞ。」「えぇぇぇ本當ですか?」「あぁ名前までは出ていなかったけどな、”教會に聖が現れた”ってな。敵対するまで癒やす聖だって話しになっていたぞ」「・・・・アルの事は?」「ん?あぁ伯爵の子息がって話とかはなくなっていて、皇太子や"亡國の皇子"という設定になっていたぞ。」「もうなんの話かわからなくなっているのですね。」「あぁだから、訂正もしないでそのままにしておいた。」「もういいです。諦めました。”聖様”のせいで、教會に來る人も増えていますから、いいのですけど、複雑ですよ。」「へぇそうなのだね。」「えぇライムバッハ領はそれでも比較的いいみたいです。ひどいのは、王都ですね。噂が噂を呼んでしまっているらしいですからね。」「へぇ。どうせ、ギル辺りが書籍にして売り出しているのだろう?」「え?どうして、知っているのですか?」「そうなのか?」「えぇ”新・聖伝説”とか言い出していますからね。おかげで、私の話は殆ど忘れ去られているような狀況ですけどね。」「へぇそれなら良かったな。」

「良くないですぅ。」

突然、イレーネがびだした。

「どうした、イレーネ。」「ギルの奴が売り出した”新・聖伝説”は、男爵家の娘って設定なのです。それで、作者自らが、モデルが居るとかいい出して、私が疑われているのですぅ」

あぁギルの奴も全くの創作はできなかったのだろうな。それで、エヴァの話は教會がうるさく言い出すかも知れないから、イレーネとして適當な事を書き出したのだろう。

「解った、解った、今度、ギルに會った時に、言っておくよ。」「そうして下さいぃ」「アル。お願いしますね。」「あぁ解った。解った。」

「そう言えば、アルノルト様。ナーテリンデが持っていた、お話は、アルノルト様が教えたと言っていましたが本當ですか?」「どの話?」「絵本は、売り出されていますが、ナーテリンデが子供たちに持っていた本は、それとは違った話でしたので、気になっていました。」「あぁ。あれをナーテは持っていたのか?」「えぇ子供たちに読み聞かせするって言っていました。」「俺が教えた話だけど、なんで?」「いえ、面白そうな話が多かったので、それらを絵本にすれば、”聖伝説”や"新・聖伝説"もなくなるのではないかと思いましてね。」「そうか、別にいいけど、話だけでも聞くか?」「えぇ是非!」「私も!」「もちろん、私も。」

ザシャとディアナも加わって、”ななつの寶玉をあつめる話”や”海賊王を目指す話”や”野獣にやってしまった王子様と可の子の話”を聞かせた。後は、日本昔ばなしの定番を幾つか聞かせたが、こっちは、文化が違うのかあまりピンと來なかったようだ。”ゆめの國”の話はどれも良かったようだ。覚えている限り、話して聞かせた。

話は、翌日も続いた。話は、クリスとエヴァとイレーネがまとめて、絵本にして売り出す事になった。どうせ、すぐに真似されるだろうけど、新しい話をドンドン追加していけば、いいだろう。”ななつの寶玉をあつめる話”や”海賊王を目指す話”のネタは沢山ある。覚えていない所も多いが、そうなったら、キャラクターがしっかりしているから、話を膨らめていけばいい。

俺も話ばかりしていたわけではない。イーヴォやギードやハンスと模擬戦を行っていた。やはり、ラウラやカウラ達とやる模擬戦とは違ってくる。イーヴォは、冒険者らしい戦い方だが、慣れるまでなんどかやばい事があった。慣れてしまえば、イーヴォ一人だけなら対処は困らない。ただ、ラウラやカウラと組まれると一気に対処が難しくなる。後方支援がしっかりある時の戦い方は參考にしたい。

ギードやハンスは、それこそ”対人”戦闘に特化していると思われる。対処事態は出來るが、最悪の事を考えると、ギードやハンスの戦い方は吸収しておきたい。

ユリウスも參加すると言っていたが、クリスが許可を出さなかった。本當に、誰が実験を握っているのか・・・。そんな話は別にして、ユリアンネやアンやルトも加わって模擬戦を繰り返した。ヒルダやナーテも參戦してきた。

模擬戦を繰り返していて、対人戦闘が俺に足りていなかった事が解った。魔法も無力化に特化したものはなく、必然的に力押しになってしまっていた。軍隊同士の戦闘になった時の為に、何かしらの魔法を開発しておいた方がいいかも知れない。

それと、アヴェラヴィルの地下で拾ったガーディアンが作れないか考えてみたい。あれがあれば、野営地を作る時や馬車の護衛が格段と上がる。邸宅の護衛にもいいと思う。

ザシャ達の護衛任務中に、作ってみようかと思った。丁度、魔法の知識を持っているザシャやづくりが出來るディアナが居る。それに、移は馬車での移で3週間近くかかると言っていた。

明日の朝日が登る前に出発する事に決まった。

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