《魔法の世界でプログラム》ヘーゲルヒ
ウーレンフート迷宮とブラント迷宮とマラブール迷宮の案も終わった。
クリスは、何に興したのか、すごく興していた。迷宮ダンジョンが復活したばかりのブラント迷宮には、すでに人が集まりだしている。それを見たクリスは、迷宮ダンジョンが、資源として優秀なのだと、しっかりと認識できたようだ。そして、死んでいるとはいえ、迷宮ダンジョンが王家の持ちとして11個ある。それだけでも大きいのだが、王都の近くにも有るのが大きい。一つでも生き返れば、資源を確保出來る事や守備隊の演習目的で使う事が出來る。副産として、魔素材が手にる事の意味も大きい。そして、もうひとつが、利用方法が見つかった”魔核”だ。俺は、武への転用など、魔核の利益の一部でしかないと思っているが、強い魔法が使えない者にも、し強い魔法が使えるようになるのは大きい。それに、アーティファクトとは言わないが、魔法剣を作る事が出來るのも、地力を上げるのに役立つだろう。
おれは、それ以上に、安全に気を使った、この世界発の”家電製品”・・・”家魔製品”とでも名付けようか・・・家電の実現が見えてきた事の方が嬉しい。
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ザシャやディアナの協力もあって、魔道の大規模開発ができそうな事も解った。魔核への配置も上手く出來る事が解った。火の魔法を魔核に配置して、鉄を筒狀にしたに設置する事で、バーナーの様にする事ができた。これは、ディアナが喜んでいた。持ち手を作れば、そのまま鍛冶仕事の時に使えるようになると言っていた。し加工して、風の魔法で空気を送り込む事で、調整が出來るようにもしてみた。大量生産は自分たちで頑張ってみると言っていた。
二日目からは、ナーテとルトも加わって、ちょっとした魔道の作講座になってしまった。技の匿を気にされたが、これで何かが変わるわけではない。そもそもの話、魔法制が1を超えて且つ俺が接続の為の報を配置しないと、魔道作を行う事ができない。SSLでの暗號化はできそうにない・・・経路の盜聴なんて行われる事は無いだろうが、ID/PASS程度の認証機能はそのうち作ろうと思っている。それとも、定期的に変わる鍵を作ることで、アクセス出來る人間を制限する事ができれば良い。定期的に、鍵を配置しないとアクセス出來ないようにできれば、セキュリティ的には十分とは言わないが最低限の事が擔保出來ると思っている。報は出すが、核になっている部分は、俺しかできない狀況を作っておく。最終的には、俺と言うよりも、”王家”で管理させればいい。接続もIPがないが、場所の指定でなんとかできないか、今後の課題にしておく。セキュリティの概念が薄い場所で、セキュリティに関しての話をするのは骨がおれる。すべてのパソコンで、”管理者”権限で使っている企業に、”ユーザ権限”で使わせる意義を教える以上に面倒な事だ。
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二日間に渡った、集中”魔道作と迷宮ダンジョン管理”講座も終わって、宿屋に向かう事にした。
宿屋には、ボロボロになったギードとハンスが疲れ切って”存在”していた。ラウラとカウラとアンは、狩った魔の素材を冒険者ギルドと商人ギルドに売りに言っているらしい。
「ギード。ハンス。どうした?」
ユリウスがわかりきっている狀態を問いただした。
「ユリウス様。3人は・・・別格です。なくても、師団長クラスじゃ太刀打ちできません。」「そうか・・・アル。そうなのか?」「どうだろう。ギード。ラウラ達は、魔法を使ったのか?」「いや、剣技だけだ。アンネリーゼ殿は、弓で応戦してからの剣技だった」「そうか、それじゃ実際の力の1/3程度じゃないかな?ハンス。何階層まで行った?」「あぁ・・・あぁ、20階層だ。」「突破したのか?」「あぁほぼ、彼達の力だけどな」
そんな事を話していたら、ラウラ達が宿屋に戻ってきた。「アル様」「アル兄ィ」「アル」
「うん。10階層は変異種だったのか?」「はい。」
ラウラが答えるようだ。
「そうか、次の出現は確認していないよな?」「申し訳ありません。20階層位までは行きたかったので・・・。」「いや、別にいい。階層主はどうだった?」「前に比べたら、楽に倒せました。」
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ユリウスが嬉しそうな顔をして「だとよ。ギード。ハンス。お前たちは殘って、ここで訓練するか?」
お互い顔を見合わせてから、首を橫に振る。「辭めておきます。それに、俺達でもきつかったのですよ。ユリウス様もご一緒しませんか?楽しい地獄が見られますよ。」「俺か?俺は、止めておく、今はそれどころじゃないからな」
確かに、ユリウスが個人の武を振るうのは、負けも同じだ。そうならないようにするのが、ユリウスの仕事であり、役目だ。「そうですわね。ユリウス様には、もっと広い視野を持っていただかないとなりませんからね」
確実に藪蛇だな。俺は、戦略的撤退を決めた。こちらに飛び火する前に、逃げるのも立派な戦略だ。
「アン。疲れている所悪いけど、ルトと一緒に、旅の準備を頼む。目的地が、ヘーゲルヒだから、國と言っても、敵地域だと思って行したい。」「解った。ルト。行きましょう。」「ご主人様。行ってまいります。」
ルトとアンが買いに出かけた。ザシャとディアナも付き合うと言って、二人について行った。
ユリウス達とは、ウーレンフートで一旦別れる事になる。俺は、二人を送った後で王都に向かう事になっている。また、暫くユリウス達とは合わない事になる。攜帯電話もあるので、急事態には連絡も取れる。それに、今回は、ラウラやカウラもライムバッハ領に殘る事になっているので、気持ち的にはかなり楽だ。
アンとルトが買いから戻ってきた。ザシャとディアナも、個人的ながほしかったようだ。二人ともステータス袋があるが、人前では使わない様にしていると話していた。馬車に乗り込んだ所で、買ってきたものを、ステータス袋に詰めている。
ヘーゲルヒまでは、1週間程度の予定だ。途中の街にはなるべく立ち寄らないで、野営をして過ごす事にしている。ヘーゲルヒに関しても、森に向かうための検問があるので、そこを通過する必要があるので、立ち寄るが、朝早くに街中にって、夕方には抜けたいと考えている。その為に、多めに食料を用意している。
ザシャは、エルフからの召喚書類もしっかり確認している。どうせ、街に近づけば監視されるだろう。だったら、街に近づく前から、自分たちで持ってきた以外、飲んだり食べたりしなければいい。街の中では、銅貨一枚も使わなければいい。
ユリウスには、引き続きライムバッハ領をお願いする事になっている。ラウラとカウラはナーテとヒルダと共に、ウーレンフートに殘って、迷宮ダンジョンを攻略するのだと言っていた。地力を上げるのには丁度いいのだろう。それに、変異種が出たときの対応も、ラウラ達なら大丈夫だろう。ユリアンネも殘るので、安心できる。ナーテとヒルダも次は置いていかれないようにすると言っている。
ルトとアンが代で者をする事になっている。ザシャとディアナは、馬車の中で魔道の作に沒頭するようだ。俺も、魔道を作る事にしているが、迷宮ダンジョンの設定変更もし始めようと思っている。
低階層はこのままでいいだろうが、それ以降の階層の魔が弱くじてしまう。思考ルーチンの調整を行っていきたい。実際に、自分では試せる環境では無いので、設定をしいじってみるだけにとどめておくが、何が出來るのかを調べないと、設計もできない。まずは、そのハードウェアで何が出來るのかを把握する事から始めないとならないだろう。
野営も、人がない場所を選んで行う事にしている。周りに人が居ない事を確認して、シャワーとトイレの設置を行う。ザシャとディアナには、これがすごく好評だ。特に、シャワーは諦めていたので、軽く流すだけでも、大分違うと言っている。
全員がった後で、俺もる事にしている。その後は、アンとルトと俺で見張りを代で行う事になっている。ザシャとディアナも見張りをすると言っていたが、俺達がそれは辭めてしいとお願いした。力がない上に、見張りをして倒れられたら日程も変わってきてしまうし、寄らないで済ましたい"街”や”村”に寄る必要が出てきてしまう。
その変わり、二人には食事の面倒を見てもらっている。これで、納得してもらった狀況だ。正直に言えば、料理に関しては、俺がやったほうがいいと思えてしまう出來栄えだが、本人たちにはそんな事は言わないで置いた。
馬車の中では、魔道の講義が続いていた。二人が持っていない”加護”の魔道が二人に作られるのかという実験も含めている。結論は、できない。だったが、俺が配置した”二人が持っていない加護”の魔道を使った、別の魔道なら作る事が出來るのが判明した。外部ライブラリを參照するやり方だ。通常の利用と同じようにする事で、利用する事が出來る事がわかった。
これは、実はすごく汎用が高い。結果を取り寄せて使う事が出來るのだ。
俺が、二人が持っていない加護だけじゃなくて、全部の加護の決まった魔法を配置した魔核を用意して、その魔核を使いながら、自分が持っている加護の魔法の補助に使う事が出來る。この前作った、”火の魔法を使ったバーナー”も、風の加護が無くても作る事が出來る。有った方が細かい制ができたり、工夫も出來るのだが、”家電”と考えれば、規格が有ったほうが、作りやすいのは當然だ。二人に言われるがままに、よく使うであろう。魔法を魔核に配置していく作業を、ヘーゲルヒに到著するまで繰り返していた。
「ご主人様。」「どうした?」「いえ。このままだと、夕方には、ヘーゲルヒについてしまいます。どう致しましょうか?」「そうか、眷屬で確認できたのか?」「はい。し行った所に橫道がありまして、その先に、20人ばかりの集団が城にしている場所があります。」「制圧はできそうか?」「私とアンの二人で行けば容易いかと思います。」「そうか、任せる。一応紳士的に渉してから、全員生かして捕らえろ」「かしこまりました」
二人が、聖獣の姿になって、移を開始した「ねぇアル。盜賊?」「さぁな。盜賊だったら、ルトが、有無を言わさずに排除していると思うけどな。俺に報告したって事は、違うと思うぞ」「でも、制圧って言っていたよね」「あぁ渉が決裂したらな。」「私達はどうしたら良いの?」「ん。あぁ。大丈夫。30分もしないで戻ってくると思うからな。」
それから、40分位で、ルトが戻ってきた「ご主人様」「あぁ遅かったな。それでどうだった?やっぱり、難民だったか?」「え?あっし事が単純ではありませんが、難民だと思って頂いて間違いないようです。」「そうか、わかった。案してくれるのだろう?」「はい。向こうでは、アンが最後の調整をしています。」「わかった。ルト。案を頼む。」「かしこまりました」
馬車をかして、脇道に逸れていく。そこから5分進んだ場所で、若い男とアンが待っていた。
「アル。盜賊にもなれなかった者達だったよ。それで、代表の」「ラウゴールだ。貴殿が、アルノルト・マナベか?」「はじめまして、ラウゴール殿。それで、貴方たちの事を教えてください。難民でいいのですか?」
ラウゴールと名乗った男は俯いてしまった。変わりに、奧から一人のが出てきた「アルノルト様。私は、ヨハナといいます。ラウゴールの妻です。」「はじめまして、アルノルト・マナベです。冒険者兼商人です。」
後ろから何やら不穏な空気をじるが無視しておく事にする。
「アルノルト様。私達は、難民ではありません。自分たちから出てきて、ここの開拓を始めたのです。」「そうですか、私達は、訳あって、ヘーゲルヒに宿を取りたくないので、できれば、ここで一泊お世話になりたいと考えております。それなりの料金はお支払いたします。どうでしょうか?」「・・・解りました。何も無い所ですが、それでもよければ、馬車を休めて下さい」「ありがとうございます」「料金なのですが、一つ、私達のお願いをお聞きいただければと思います」「そうですか、必ず出來ると約束出來る立場ではないので、それでもよければ、できるだけ力になりたいと思います。」「十分です。」
それから、二人の語った話しは、ヘーゲルヒ辺境伯・・・というよりも後継ぎの一人の問題の様だ。街の中に有った孤児院を次々につぶして、そこで耕作していた畑を取り上げて、配下の者達に分け與える様な事をしていたようだ。
二人は、そこから孤児を連れ出して、逃げてきたのだと話した。そうしないと、孤児たちだけではなく、自分たちも帝國の奴隷にされてしまう危険があったのだと説明してくれた。
お願いとは、この話しを、王都の審問に伝えてほしいという事だ。
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