奧には、子供だけじゃなく、の姿も見える。皆怯えたように、こちらを見ている。

「アルノルト様。今、ここに居るのが、ヘーゲルヒの孤児院から逃げ出してきた者達です。」「ヨハナ殿。帝國に売られたという事だ、人數はどの程度なのですか？」「はい・・・。私達が確認できただけですが、30名ほどです。」

正直、ないな。それじゃ商売として、り立つのは難しい。それに、もしかしたら”あの方”が絡んでいるのかもしれない。そうしたら、數が10倍でも驚かない。

「全員、帝國に連れて行かれたのか？」「・・・いえ、それが・・・・そうでも無い用なのです。」「それはどういう事？」

ヨハナが語ったのは、現狀”商品”になってしまっている、子供たちは一箇所に集められているのだと言っていた。そこに、帝國からの”奴隷商”が買い付けに來るのだと言っていた。

「ヨハナ殿。その、奴隷商の商談はどのくらいの頻度で行われているのですか？」「・・・。すみません。わかりません。今回が、初めてじゃないかと言われています。」「そうです・・・か、その報はどこから？」「ラウゴールからです。」「ラウゴール殿は、どうやって、そんな機報を取得できたのですか？」「・・・わかりません。」「そうですか、わかりました。その件は、し考えましょう。それよりも、今は、食事をしましょう。私達は、明日の早い時間帯に出かけます。連絡方法ですが、アンを殘しておきます。護衛の役目も果たすでしょう。それでよろしいでしょうか？」「なにから、なにまで、ありがとうございます。」「いえ、依頼人の安全確保は必須事項です。」

ザシャとディアナには、明日の朝には、ヘーゲルヒ街に向かう事を伝えた。アンには、ここに殘ってもらう事にした。ルトには、ザシャとディアナの護衛と者をお願いする事になる。

俺とアンとルトだけになった事を確認して、防音と遮音の結界を張った。「アル。それで？どうしたらいい？」「そうだな。ヨハナの護衛は頼む。後、多分だけど、俺達が出立した直後位に、ラウゴールがくと思う」「わかった。眷屬に監視させておく」「頼む。それから、ルト。悪いけど、子供數名から話を聞き出してしい。男の子との子別々に話を聞いてしい。」「ご主人様。何を聞けばいいのですか？」「ヨハナとラウゴールの事だな。子供のほうが事の本質を見抜いたりするからな」「かしこまりました。それで、ご主人様はどうされますか？」「俺か？寢て過ごすよ」「本當ですね。ヒルダ様やユリアンネ様から強く言われているのですよ。ご主人様は目を離すと、何やら作り始めて、朝まで寢ない事があるから、絶対に寢かしつけるようにと・・・。」「寢かしつけるって、俺は子供か！」「はい。子供です。」「うん。子供だね」「主様は子供だね。」

テディまで參戦してしまった。これでは勝ち目は薄い。今日は、おとなしく寢ることにするか・・・。あてがわれた場所にいくと、寢床が準備されていた。橫になりながら、ステータス袋の中を確認する事にした。詰め込みすぎているじがしていたし、最近ステータスの確認もしていなかった。

名前：アルノルト・フォン・ライムバッハ[異世界日本語変換:1.75][鑑定:3.71]空間把握:2.15時間把握:2.09思考加速:1.11魔法制:5.97霊の加護　地の加護:2.78　火の加護:2.99 炎の加護:2.39　水の加護:2.75 氷の加護:2.15　木の加護:2.49　風の加護:3.41 雷の加護:2.05　闇の加護:2.11　の加護:2.79　武の加護 剣の加護:0.97 刀の加護:2.97　[守の加護]アイテム：349/597　配置(1):71/99　配置(2):41/99　配置(3):19/99　配置(4):7/99　配置(5):1/99

配置を作りすぎているじがする。魔法制もステータス袋を使っているだけでびるのは検証できている。荷も多くるし、かなり楽ができているのは間違いない。ステータス袋のバックアップというか、転送機能みたいなが作られないか、今度試してみよう。トリガー処理が出來るようになったら、それは便利だと思う。リソースの割當の様にできればいいのだろうからな。問題は、繋げる場所だな。ステータス袋は"個數”にしか制限がない。厳には、もうし制限はありそうだが、今のところ"個數”での制限になっている。

そうだ、その前に確認しておくことがあった。もう一度、周りに防音と遮音を施した、その上で、認識阻害になるようなの結界を作した。ステータス袋から、攜帯電話を取り出して、ユリウスに電話をかけた。

5コールしてみたが、出る様子がない。諦めて切ろうとした時に「アル。すまん。」「あぁユリウス。すまない。忙しいようなら掛け直す」「いや、そうじゃない。し・・・な。それで何か様なのか？」

し長くなったが、ヘーゲルヒの現狀を聞いた通りに話した

「と、いう話だが、片方の陣営からの告白だからな。どこまで正しいか解らない。証拠もないからな。」「そうか・・・。俺じゃなくて、クリスに聞いてもらった方がいいかもしれないな。」「わかった、クリスにかけなおすよ。」「いや、ちょっと待て、（おい。クリス。アルからだ。おまえに相談があるらしい）（馬鹿、かけなおしてもらいなさいよ。今、何時だと思っているのよ。だから・・・。）」

そういう事なのだな。５コールで出た方を褒めてあげたほうが良さそうだ。それに、今の話は聞こえなかった事にした方がいいだろうな。

「アル。すまん。ししたら、クリスにかけてやってくれ」「あぁ解った。それじゃな。ユリウス。今度、”晝間”に連絡するからな！無理するなよ」「わかった・・・あっな。おい、アル。おまえ。」

30分位待ってから、クリスに電話をかけた。顔がニヤニヤしてしまうのはしょうがない事だろう。

「クリス。夜にすまんな。」「アルノルト様。それはいいのですが、何でしょうか？」

いつも以上に澄ましているのは、そういう事だろう。いつからなのだろうか？まぁ6歳の時からほぼ一緒に居るのだし、婚約もすでに終わっているのだから問題ないだろうな。婚前渉ってこの世界ではどう考えられているのだろう？今度、ギル辺りに聞いてみればいいかな。

「あぁすまん。ユリウスには話したのだが・・・。ちょっと長くなるけど、こっちの狀況を聞いてしい」「いえ、大丈夫です。ユリウス様から、概要はお聞きしました。」

ほぉ隠さないつもりなのだな。それとも、30分で神の安定ができたのだろうか？

「そうか、それは助かる。ユリウスから聞いた話しと違ったらその都度言ってくれ。」「解りましたわ」

まずは、ヘーゲルヒの長男と次男と三男の事を確認した。俺が聞いた話と、クリスが知っている話で大きな違いはなかった。

「なぁクリス。ここの孤児達、ライムバッハで預かれないか？」「できますわよ。でも、し條件がございます。」「俺に出來る事なら、その條件を飲むよ」「えぇアルノルト様にしかできない事です。共和國の子供達と今回の孤児達は、將來、アルノルト様が引き取って下さい。」「はぁ？ライムバッハも人手不足なのだろう？」「えぇだから、將來と言ったのです。共和國の子供たちは、”アルノルト様の領地であるライムバッハ”で働く事を考えています。それは、カール様の下でも、ユリウス様の下でもありません。貴方”アルノルト・フォン・ライムバッハ”の下で、なのです。わかりますよね。この意味？」「・・・あぁ使いにくくなるかもしれないという事だな。」「そうです。今回の子供たちや孤児院の人たちも、同じ結果になるのは間違いありません。」「なぜ斷言できる？」「アルノルト様。一、私達の付き合いがどのくらいなのかご存知ですか？」「・・・・そうだな。友人が婚約者と一緒に居ること位わかるくらいの年月一緒に居るからな」「そっそれは、今は関係ありませんわ。もともとは、ヒルデガルド様が悪いので・・。いえ、なんでもありませんわ！アルノルト様。その條件が飲めるのでしたら、こちらから人材を送り出します。」「あぁ頼む。ちょっと”荒事”に、なるかもしれないから、そのつもりで頼むな。ユリアンネとラウラとカウラ以外で頼む」「解っていますわ。イレーネとエヴァンジェリーナ様に行ってもらいますわ。護衛には、イーヴォとクヌート先生でどうでしょうか？後、數名騎士見習いを付けますわ」「十分だ。俺は、ザシャとディアナを送ってエルフの街に行く。この場所には、アンを殘しておく。」「解りましたわ。それから、審問はどう致しましょうか？」「そうだな。イレーネとエヴァの判斷に任せる事にしたいけど、大丈夫か？」「大丈夫ですわ。それから、私の父にも話をしておきます。アルノルト様に”借り”を返せると喜ぶでしょうからね」「借り？そんなないと思うぞ」「ウフフ。父にも攜帯電話を貸し與えたのですわ。そのおかげで、陛下や殿下との連絡が楽に出來るようになったと喜んでいました。いいのですよ。向こうが”借り”だと思っているのなら、返してもらいましょう。」「わかった。攜帯電話の配布は終わったのだな？」「はい。父も、翌日には私に電話してきましたわ。」「そうか、そうか、カールもこれでひとまずは安心だな。」「あっそれと、あの噓はいいのですか？」「”あの噓”・・・あぁ”攜帯電話がカールの魔力と結びついて、カールが魔力を発せられない狀況になったら、攜帯電話は使えなくなる”って、やつか？　大丈夫だろう。攜帯電話を解して作原理を確かめようなんて、酔狂な人間は俺位だろう？それに、魔力云々は、カールなら大丈夫だろう。」「アルノルト様が言うのなら大丈夫なのでしょうね」

攜帯電話を切ってから考えた。俺達は、たしかに15歳になっている。日本人としての覚では子供だが、この世界では結婚も出來る年齢だ。実際に、ユリウスとクリスに関して言えば、來年早々にも婚姻の儀が執り行われる事になっている。正直な事を言えば、結婚は・・・多分、逃げられないのだろう。ヒルダとの婚約はすでに既定路線で、そのまま婚姻になる事も分かっている。

やめだ、考えても仕方がない。

子供たちの事を考えたが、正直子供と言っても、ナーテとそんなに変わらない。領地かぁ・・・面倒だから、カールに頼みたかったのだけどな。なんとなく、クリスに転がされているじがするのだよな。

今日は、しだけ配置の見直しをしてから寢ることにしよう。結界も頻繁に使うのなら、配置しておいた方がいいだろう。それにしても、配置が増えてきたら面倒になってきたな、配置を管理する方法を探したくなってくるな。カテゴリ分けとか、タグ付けとかできたらいいのだけどな。

異世界に渡って、チート力を得た奴らって魔法を全部覚えているのかな？ゲームの世界ならコマンド式とかで発するだろうけど、詠唱がなくても任意の魔法を発するためには、いろいろ覚えなくてはならないのだろう。あれって、なくても魔法名稱やイメージは覚えているって事だろう。

俺にはできそうにないな。やはり、配置の工夫や呼び出す為の魔法の開発をしないとダメだろうな。

「ご主人様。」「ん？ルトかどうした？」「いえ、もう朝です。もしかして・・・。」「寢たぞ、寢たけど、起きてしまっただけだ」「それは寢ていないのと変わらないと思いますが・・・。大丈夫でしょうか？」「あぁ大丈夫だ。それよりも、今日中にエルフの街に付きたい。ザシャとディアナは大丈夫だよな？」「はい。すでに出立の準備はできています。昨日の件は、後でお話させて下さい。」「あぁ解った。それじゃ挨拶だけして、ヘーゲルヒ街に向かうとするか！」「かしこまりました」

すでに、ザシャとディアナは準備が終わっているようで、馬車の中で待機していた。

「アル。」「どうだった？」「ん。馬車の下にお土産を置いていたよ。」「わかった。ありがとう。どの辺り？」「後ろの車軸の辺りだね。」「了解。そうなると、やっぱり”黒”だな」「うん。そうおもう。」「注意してくれよ。」「了解。アルもね。」

馬車をかす前に、ヨハナを呼んでもらう。

「ヨハナ殿。昨日の間に、俺の仲間に連絡をれた、早ければ、1週間位でここに仲間が到著する。それまで、アンが護衛をする。いいか、絶対に自分でこうとしないでくれ、王都への連絡も、そいつらに頼んでくれたらいい。」「え？あっアルノルト様。解りました。」

さて、もう一芝居必要だろうな。

「ヨハナ殿。ラウゴール殿はいらっしゃらないのですか？」「え？あっそうですね。昨日、あれから姿を見ていません。」「そうですか、解りました。」

「ねぇヨハナ。これ、ラウゴールが、渡してしいって言っていたよ。」

その手を使ったのだな。子供を使うのをためらわないのだな。

「え？ありがとう。」ヨハナは一枚の紙をけ取って、それを一読してから、俺に差し出してきた。

「アルノルト様。ラウゴールからです。」「ありがとう。」

け取った書類には、奴隷となった子供が集められている場所が書かれていた。そこには、奴隷市場が開かれる日時も丁寧にかかれていた。

確実に罠だろうな。さて、どうしようかな。無視する事も出來るけど、最後の一文が気になる。この報は、コンラートにも伝わっているらしい事だ。いやらしい書き方だが、かなければならなくなってしまいそうだな。

『アル。お土産外したよ』

アンからの念話が來た。

『ルトに渡しておいてくれ。ルト。ステータス袋にれておいてくれ。』『うん』『かしこまりました』

『それで、中は何？』『薬だね。分は調べないとわからないけど、多分、ザシャ辺りなら知っていると思うよ』『了解。ありがとう。監視をよろしくね。俺達が居なくなったら、間違いなくくと思うからな』

「ヨハナ殿。それで、コンラート殿に會える方法は有るのでしょうか？」「あっすみません。これをお持ち下さい。」「そうですか、屋敷の場所もわからないのですが・・・。」「それは、これをお持ち下さい。」

街の簡単な地図が書かれた紙をけ取った。もう一つは、髪飾りの様なだ。これだけでわかるとなると、以前から何かを決めていたのだろう。両方をけ取って、ステータス袋にれた。

それから、馬車に乗って、ヘーゲルヒ街に移を開始した。

今度は、間違いなく、口でイベントが発生する。守衛が念りに馬車を検査して、車軸を中心に探すだろう。それこそ、念りに探してくれると嬉しい。どうせ見つからないのだけど、見つからない事を探そうとするのが稽に見える。そのうち、検査や荷検査も行うだろう。それでも見つからなければ、さてどうするのだろうか？楽しみだ。