《魔法の世界でプログラム》ヘーゲルヒ街の検問
「ご主人様。」「あぁルト悪い。し待ってくれ」
今ザシャが薬を調べている。「アル。これ、多分毒。」「そうか、どの程度のだ?」「う~ん。致死はない。でも、服用したら苦しむ程度には強い毒」「その程度の毒なら、俺達は恐れなくて良さそうだな。」「うん。アルなら。魔法でなんとかなる。ルトやアンなら飲んでも平気。でも、私やディアナは多分數日苦しむ事になる。」
そんな中途半端な毒を隠し持つ必要か....。ラウゴールが、誰と繋がっているか・・・だな。
そうか、この毒で次男か三男が苦しむ。致死がないという事だが・・・。それを、相手側の責任にする。それで、俺が実行犯として捕まえる。と、いう算段かな?それだけじゃ相手を追い詰める事にはならないと思うけどな。
ヨハナが書いた地図か、ここに、コンラートが居る事になっていて、俺はコンラートに報酬を貰いに來たというじでシナリオを書けば、いろいろと片付きそうだな。
絵としてはかなり荒いが、そんな綿な計畫が立てられる様なら、あんな解りやすい奴を潛り込ませたりしないだろうな。
「ルト。それだけか?」「えっあ。子供たちの話ですが、ご主人様のおっしゃっていた通りでした」「あぁそうか、殘念だな。」「・・・はい。そうですね。」
「別に気にしないけど、二人だけで解った様な會話にしないでほしいのだけど・・・。私やディアナにもわかるようにして」「うん。何が何やら、昨日から"なんでも知っています。”風を裝うのも疲れた」
「あぁごめん。俺がルトに頼んだのは、子供たちと話をしてきてしいって事だけだよ。」「ん?」「それだけ?」「そうだな。その時に、それとなく、”ラウゴールって頼りになるよね”とか”ヨハナは、なんでもできそうだよね”とか振ってしいとお願いしただけだよ。」「へぇ」「それで?」
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「はい。ご主人様は、その後で、多分、子供から否定されると思うから、”それは子供だからわからないよね。”と付け足してしいと言われて、その通りになったのです。」
俺が、ルトにお願いしたのはそれだけだ。そして、多分、子供たちには全力で否定されるだろう。ラウゴールに関しては、野で暴辺りだろう。そして、ヨハナに関しても、怒ってばかりだと答えるだろう。結果予想通りの結果になった。多分、ラウゴールは、子供たちを商品としてしか見てない。子供やヨハナ達を使って、次男か三男に取りって、金を得るか、貴族にでもしてやるとでも言われているのだろう。ヨハナに関しては、し複雑だろう。子供たちを心配しているのはわかるが、それ以上に、子供たちをかばうコンラートが心配なのだろう。だから、”子供たちがおとなしくしていてくれないと困る”と、いうところだろうと想像していた。
俺達に見せた顔と違うという事だ。
「それは解った。でも、アルは”いつ”それに気がついたの?私は、何も思わなかった。」「あぁ””じゃダメ?説明が面倒・・・・ダメみたいだね」
ルトもザシャもディアナも頷いた。まぁ馬車もルトの眷屬が導しているから問題はないだろう。
「まず、簡単な方だけど、ラウゴールだけど、最初から胡散臭かった。いきなり、俺達が何者か言う前に、”審問”への言付けを頼んだだろう?」「そういえば・・・。」「うん。」「それだけ?」「そこから、おかしいって思った。謎解きは好きじゃないのだけどな・・・。」
頭をポリポリかいてみたりしたがダメだった
「その後、俺が帰ろうとしたら、待ってしいといい出しただろう。その時に、”あぁこいつ何か裏がある”と、思ったのだよ。その後も、”子供たち”としか言わなくなっただろう。本當に助けたいと想っている人間じゃないなって思っていたら、ヨハナが出てきただろう。基本同じだと思っていたら、ヨハナは、こちらへのメリットを提示してきた」「あぁ自分をどうにかってやつね」「そう、最初は、このって思ったけど・・・。話を聞くと、結局は自己満足の塊だってことだよ。」「え?」「そう?」「へぇ」「言葉が悪かったな。コンラートに惚れているのは本當だろうね。そのコンラートの為ならなんだってやると言ったじだろうな。その為なら、自分のも”アルノルト・フォン・ライムバッハ”に差し出しても構わないと思っているのだろうな」「それがわからないよ。アル。」「”自己”と”自己犠牲”の神だよ。自分は、これだけコンラートの事を想っている。自分のさえも惜しくない。ってじだね。」「それは、イカれただね」「俺もそう思うけど・・・。違うかも知れないけど、多分、間違いじゃないよ。」「その拠は?」「最後に、俺の分を言った所だね。」「なんで?」「もし、これで、俺が本當に、ヨハナを奴隷の様に扱ったら、その場で見ていた者達は別にして、事を知らない人にはどう見えるだろうね」「え?」「そうか!」「・・・そうですね」「なんで、解るの?アル。どういう事?」「ザシャ。想像してみて、俺が、ヘーゲルヒ辺境伯の長男に思いを寄せる・・・あぁもしかしたら、両思いかも知れない。を奴隷にして連れ回していたらどう思う。それが、孤児院の子供を助ける時の依頼だったと知ったとしてだよ。世間で言われている、”聖の騎士”がだよ。悪い笑い話にもならないよね。」「あ!そうだね。アル。まるっきりの悪者になるのだね」「そう、それで、長男がこのレースに勝ち殘った場合でも、負けた場合でも、世間的に見て、俺はコンラート・フォン・ヘーゲルヒに借りを作ったと思われるだろうね。ひどい話だよ。」「あ!それで、アルはどうするの?」「思に乗ってやろうかと想っている。ザシャとディアナを送り屆けてから、イレーネとエヴァが來るから、そうしたら、俺とアンとルトで、孤児院の子供全員を救出して、職員含めて希者全員を、ライムバッハに送ろうと想っている。コンラートの出方次第だけど、二人には何も殘らない狀況にするか、何も持たずにライムバッハ領で過ごしてもらうか。の、どちらかになってもらう」「二人は、解った。馬鹿はどうするの?」「あの手の奴は、後々面倒な事になるのが解っているから、おかしな行をしたら、アンに捕縛するように言ってある。その後は、”殺す”かどうかは、馬鹿の出方次第かな」
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結局、俺が殺さないでも、始末されるだろうな。功したら、功を疎まれて、失敗したら、失敗した事が原因で・・・。どのみち殺されるのだろうけどな。自分以外を利用しようとする奴が、手駒を生かしておく意味なんて・・・使えるかどうかだけだろうな。
「アル。そろそろ、ヘーゲルヒ街に著くよ」「あぁルト。頼むな。あぁザシャとディアナも沒収されても問題にならない程度の資をステータス袋から出しておいてくれな。何も無いと疑われるからな。」「了解」「うん。解った」
俺も食料を中心に出しておく、あくまで沒収されたり、盜まれても問題無いものだけだ。
「おい。とまれ!」「なんでしょうか?」「検閲だ!」
あぁ街自が最初からこういう威圧的なじなのか?それとも、俺達だけなのか?周りを見てみると、”またか”の顔になっているので、定期的に犠牲者が居るのだろう。
最初は、ルトが対応を行う。責任者の名前や、ヘーゲルヒ街に著た目的や滯在予定の日數などが聞かれる。目的は、エルフの街に行く為の許可証を求めて居る事。そして、日數は不明だが、1ヶ月位。と答えるようになっている。
責任者は”アルノルト・マナベ”冒険者兼商人。ギルドの証明を提示する。エルフとドワーフを護衛して、エルフの街に向かう事を再度説明する
あぁそんな骨に、上司に確認しに行かなくてもいいと思うのだけどな。ほらきた!
「お前ら、怪しい。しこっちに來い。」「はい。はい。ルト。」
俺が馬車を降りてついていこうとすると、當然・・・・「馬車も調べる。そのまま、移しろ」
まぁそうなるよね。殘念になるくらい悲しい対応だな。
さて、商人ギルドの名前でも出しましょうかね。
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「解りました。何をお調べになるのか、最初にお聞きしてよろしいでしょうか?商人ギルドに登録しているですので、違法なは扱っておりません。もし、別途ご領主様が定める違法があるのなら、最初にお出し致します。」「うるさい。それを決めるのは俺達だ!」
はい。はい。馬鹿確定。自分たちで、法を曲げていますと言っているようなだろう?
「解りました。それでは、取り調べを拒否します。エルフの街には、共和國側から回ってります。」「そんな事が出來るものか」「おかしな事を仰る。なぜでしょう。私は、冒険者ギルドにも登録しております。ランクも6になっています。エルフの街がある。森の適正ランクは7だと聞いております。」「え?ランク6。そんなはずない。」「おかしな事をおっしゃいますね。先程、私の冒険者ギルドの証明をお見せしましたよね?それとも、何か、事前に報でもっていましたか?」「うるさい。調べさせればいい話だ。」「だから、拒否します。勝手に商品に手を付けられても困りますし、護衛対象の二人を危険に曬す可能があります。この狀況は、かなり不自然な狀況です。なぜ私が怪しいと思われたのかの報提示もありません。ご説明お願いできませんか?領主様のご命令なのでしょうか?そうしましたら、私としては不本意ですが、王都のギルド本部と審問にご報告上げるしかなくなります。」「ちょっちょっと待て。」
なんだ、もう終わりか?奧から聞こえてくる話し聲は、終わりのようなじがしている。(どうする?デブレール様のご命令だぞ。)
はい。馬鹿確定。魔法で音を拾っているのだとしても、ここでその名前を出しちゃダメでしょ。『アン。聞こえる?』『大丈夫。』『悪いけど、ヨハナとラウゴール以外の奴に、”デブレール”が何者か確認してくれ』『解った。し待っていて。すぐ折り返す。』『頼む』
(それに、ライムバッハ辺境伯なのだろ?皇太孫が後ろ盾だろう。どうする?本當に審問まで話が行くぞ。それにギルドの話も俺、聞いてないぞ)(でも、このまま通してみろ。俺達が・・・。それに、車軸には、毒があるはずだろう)(あぁラウゴールから、そうしたと連絡がっている。)(なら、それさえ見つけてしまえば、後はどうとでもなる!)(そうだな。)
『アル。』『早いな。』『うん。三男の名前が、デブレールだって』『わかった、ありがとう。』『ついでに、次男はルネリートらしいよ』『お。たすかる。』
三男か・・・次男だと想ったのだけどな。それにしても、辺境伯は何をしているのだろう。この狀況を傍観しているのだろうか?
「おい。おまえ。」
ぉ!イベントが進むようだ
「馬車を検めさせてもらう」「だから、何の許可が有ってですか?」「うるさい。俺達が必要だと思ったからだ、それも、なにかやましい事でもあるのか?」「いえ、何もございません。ザシャ殿。ディアナ殿、し予定より、遅れてしまいますが、構いませんか?」「アルノルト殿。晝過ぎにはと聞いておる。」「申し訳ありません。ここの守衛達が、検分しないと通さないと言っているので・・・。」「アルノルト殿。このザシャ・オストヴァルトが乗っている馬車に何か不正なでもあるの?」「いえ、滅相もありません。ですが、この者達がそう言って聞かないのです」「しょうがありませんね。アルノルト殿。さっさと検閲をけて下さい。何もないことは間違いないのでしょう。」「えぇ大丈夫です。車軸を含めて、出る時に點検しております」
必殺。責任転嫁。大手企業がよく使う手だけど、自分たちがやられるのを嫌うのだよな。より、大手や権限を持っている人に判斷を仰ぐのは必要な事だけど、やましい事があるやつほど、この手を使われるのを避けたがるのだよな。
(おい。オストヴァルトって巫姫の家系だろ?俺責任負えないぞ、どうする?)(それに、いま車軸とか言っていなかったか?)(どうする。このまま通したら、デブレール様に殺されるぞ)(分かっている。徹底的に探すぞ。どうせ冒険者や商人と言っても、子供だ。何か適當にでっち上げればいいだろう)(そうだな。何か、見つかれば、巫姫も納得してくれるだろう)
相談がまとまったようだ。
「馬車を検めさせていただく」「はぁ解りました。でも、ここでは、難癖付けられたらたまったものではありません。表に出て、他の商人や冒険者が居る所で検めて下さい」「わかった」「あっそれから、馬車は、私のではなく、借りているですので、”萬が一”傷つけたり、壊したりしたら、賠償金を支払ってもらいます。あっ何か不正なが見つかったら、私の責任にはなるでしょうけどね。商品も傷つけないようにして下さい。っただけで商品価値が下がってしまいます。そうなったら、一つでも傷つけたら、全部”言い値”で買い取ってもらいます。いいですか?」
守備隊は顔を見合わせながら、隊長らしい奴が出てきて「構わない」「それは良かった。後から、”言った言わない”が、あると嫌なので、契約書にします。いいですよね。えぇとお名前をお聞きしてもいいですか?」「あぁ勿論だ。そこには、不正毒があった場合には、責は”アルノルト・マナベ”にあると記載していただきたい。それ以外は、まかせる。俺は、エードルフ・ジンメルだ。」「上司のお名前は?賠償金は、貴方が全部払えるとは思えませんので、保険としてお聞きしてよろしいでしょうか?」「・・・・コンラート様だ。ヘーゲルヒ辺境伯の長男様だ。」「解りました。後継ぎのコンラート様なのですね。」「違う。後継ぎ様は、デブレール様だ!・・・あっ違う。そう、コンラート様が後継ぎで間違いない。」「解りました。ルト。大丈夫か?」「はい。ご主人様。できております。」
そう言って、ルトは二枚の紙を持ってきた。今言った容が、金額の部分が”アルノルトの言い値”と書かれた契約書を持ってきた。それを、エードルフに二部とも渡して、容が、相違ないことを確認させてから、両方にサインをさせた。そこに、俺がサインを行う。両者一部ずつ持つ事になる。
エードルフ達が馬車に近づこうとする「それでは、ルト。契約に基づいて、検査が終わった人から、馬車の検閲をお願いしてくれ」「解りました。ご主人様。」
「なっどういうことだ!」「え?何かおかしな事をいいましたか?検査されて困る事でもありますか?何か持って商品に傷つけられたり、馬車を壊されたくないですからね。賠償金を払っていただけると想っても、商機を失ってしまいますからね。それに、違法毒を持ち込まれて、”後ろの車軸から毒が見つかりました”なんて言われたら困りますからね。ヘーゲルヒ辺境伯の街を守る、守備隊の隊長がそんな事をするとは思いませんが、私も商売を生業にしておりますので、可能が有ることは避けたいと思いますのでね。ダメでしょうか?先程の契約書にもそうかいてありますが?それを拒否されるのでしたら、私も検閲を拒否させて頂くしかありません。」
周りに聞こえるように一気に喋ると、人が集まりだしてきた。籐巻きにして何かを言い出している。
「わかった。好きにしろ。薬が見つかったら、その時には、覚えていろよ」「はい。はい。見つかったらですね。」
ルトとザシャには、検査を行う魔法を配置している。一番うしろにいた若い隊員がたしかに薬を持っていたが、それ以外は持っていないようだ。エードルフがその若い隊員を下がらせるのを見て、一応これで安心する事にして、検閲が始まった。
ないを探すのは大変なのだろうね。10人がかりで、6人乗りの馬車を調べている。
もうすでに30分が経過している。野次馬も増えて居る。ドンドン焦って、ついには、荷をおろし始めた。「車軸だ。後ろの車軸辺りに有るはずだ!」
おいおい。しは隠そうとしようよ。
ついには、分解まで始めたぞ。ラウゴールがそんなにわかりにくい所に隠すはずないだろう?
そっちは、商品だって言っているのに、食料を切り始めたぞ。こいつらダメだろう。引き際が解っていない。俺が強く出た時點で通しておくべきだった。その後で、宿屋なりで毒を見つければよかったのだ。
「まだ探しますか?」「うるさい。絶対に、毒が有るはずだ。どこに隠した!」「おかしな事をおっしゃいますね。それに、馬車を壊されて、積荷を全部壊されているのですよ。もうどこを調べるのですか?」「うるさい。うるさい。正直にいえ、どこに隠した!」「知りませんよ。ないものはないと言っているだけですからね。これ以上調べるのなら、遅延料を徴収しますよ。そうですね。1分毎に賤貨一枚から倍になっていくじでどうでしょうか?」「好きにしろ。」「解りました。ここに居る皆さんが証人です。」
周りの人だかりを見て、引くに引けないじになっている。それから15分が経過した。
「いい加減に諦めたらどうですか?今ならまだ被害はないと思いますけどね。」「うるさい。絶対に見つける。あるはずだ」「その自信がどこから來ているのか教えてほしいのですけどね。」
さらに5分経過。馬車も”壊されている”が正しい狀況になっている。
「エードルフ殿。いい加減にしてほしいのですけどね。もうあれから、20分近く経っていますよ。それだけでも、大金貨1枚以上の賠償金になってしまいますよ。」
この時點で、1,048,579ワトの賠償が確定している。乗數を甘く見ていたのだろう。賤貨程度から始めれば、引っかかると想ったけど、ここまでだとかわいそうに思えてくる。
「た・・・隊長。不味いですよ」「う・・・うるさい。今更・・・。」
あぁ今更引けないってかわいそうだな。そろそろ、辭めないと大変な事になると思うのだけどな。
それから、10分が経過した。
「エードルフとやら。どうした、私の護衛が不正をしていた証拠は見つからんのか?」「え・・・いえ、必ず。」「そういい続けて、1時間にもなる。私もあき・・・くたびれた。もう終わりにならんか?」「・・・そうですね。オストヴァルトの巫姫様をおまたせしているわけでは・・・。」「それでは、もういいのですね。」「はっはい。」「と、言うことじゃ。足である馬車は壊されて、お土産にしようとした商品は”見るも無殘な”狀態になっている。アル。なんとかなるか?」「エードルフ殿。”無辜の人間”を調べていたと、お認めになるのですね。」「うるさい。もう行っていい。通過も出してやる。森でもどこでも好きに行けばいい」
あぁ危機管理もリスクヘッジもなにもできない人なのだろうな。
「エードルフ殿。まずは、通過の許可ありがとうございます。次に、エルフの森への許可証もありがとうございます。すぐに用意していただけると助かります。」「解った。そこで待っていろ。」「はい。はい。この時間はおまけしておきますよ」「っは。うるさい。黙っていろ!」
それから、5分位して、別の部署の人間だろうか、割符の様なを持ってきた。それが、森への許可証なのだろう。魔法的な仕掛けでもあるのかと思ったが、何もなかった。
「それでは、ザシャ殿。ディアナ殿。申し訳ないが、先に行って待っていてしい。ルト。最悪は、一泊になるかも知れないが、宿は取らないで、何時になっても、森に向かうからな。」「わかりました」「了解」「ご主人様はどうされますか?」「俺か?決まっている。そこのエードルフ殿と商人ギルドに行って、賠償金に関して取り決めをする。」「かしこまりました。」
「は?なんで、俺様が賠償金を払う話しになるのだ?ふざけるな!」「はぁ?それこそ、ふざけないで頂きたい。契約書をわして、尚且つ口頭とは言え、賠償金を払うというお約束をしたのですよ。約束はまもってもらわないとなりませんからね。馬車も使えなくなって、罪にもこの有様です。商売の邪魔だけではなく、今度の旅程の影響も考えていただかないとなりませんからね。」「そんな事・・・俺は知らん。」「そんな事ないでしょ。ここで見ていた皆さんがご存知の事ですからね。」
辺りを見回した。100人とまではいかないが、かなりの人間が周りを取り囲んでいる。そこで、自分がやってしまった事の問題がやっと理解したのだろう。青い顔になる。おそすぎである。
「うるさい。しるか、そんな事。俺に命じた人間にいえ!」「それは筋が通りませんよね。なくも、現場の責任者は貴方だ、違いますか?」
現場で探しをしていた、守備隊一人ひとりを威圧する。
「そうですね。賤貨一枚から賠償金の方だけでも金額は確定できますからね。1分で倍になると宣言して、貴方はそれでOKをだした、違いますか?」「あぁそうだ。払ってやるから、金額を言え、銀貨5枚か?大銀貨3枚程度か?」「はぁ・・・計算ができない悲しい人ですね。約30分、私達は余計に待たされました。その間、1分毎に倍になっていく計算です。」「だからいくらだ!」「1,073,741,824ワトですね」「は?」「だから、1,073,741,824ワトです。大金貨で約1,073枚です。端數はおまけしておきますよ。さぁ払って下さい。」「はぁ?そんな払えるわけ無いだろう?」「いえ、払っていただきます。一生かけてでもね。それから、馬車と積荷の賠償金も私の”言い値”になっています。そちらは、おまけして、大金貨427枚にまけておきます。合計で大金貨1,500枚。さっさと払って下さい。エルフの街に行かなければならないのでね。」「そんな契約はしらん!払えるか!」「はい。はい。解りました。それでは、商人ギルドで正式な借金にしましょう。多分、貴方の持ちを抑えても、大した金額にはならないと思いますが、借金返済の為の利息程度にはなるでしょうからね。」
逃げようとする。エードルフを片手で押さえつける。「はなせ!俺にそんな事をして、ただで済むと思うなよ。俺は、デブレール様が黙っていないぞ!」「はい。それも解りました。それでは、皆さん。ごきげんよう。あぁ守備隊の皆さん。馬車と積荷の破壊は後ほど正式な抗議も、ヘーゲルヒ領主に挙げさせていただきます。それから、後から調べたらついに以外から、毒が出てきたはなしですからね。約1時間探して見つからなかったものが、私達が過ぎ去ったら見つかったというのはダメですからね。」
何か、喚いている隊長を片手で捕まえながら、近くで笑顔が張り付いた顔をしている商人に、商人ギルドの場所を聞いていた。
「アルノルト・マナベ様。この場は、私に預からせて下さい。」
目の前で男が、俺を見つめていた。
【書籍化/コミカライズ決定】婚約破棄された無表情令嬢が幸せになるまで〜勤務先の天然たらし騎士団長様がとろっとろに甘やかして溺愛してくるのですが!?〜
★書籍化★コミカライズ★決定しました! ありがとうございます! 「セリス、お前との婚約を破棄したい。その冷たい目に耐えられないんだ」 『絶対記憶能力』を持つセリスは昔から表情が乏しいせいで、美しいアイスブルーの瞳は冷たく見られがちだった。 そんな伯爵令嬢セリス・シュトラールは、ある日婚約者のギルバートに婚約の破棄を告げられる。挙句、義妹のアーチェスを新たな婚約者として迎え入れるという。 その結果、體裁が悪いからとセリスは実家の伯爵家を追い出され、第四騎士団──通稱『騎士団の墓場』の寄宿舎で下働きをすることになった。 第四騎士団は他の騎士団で問題を起こしたものの集まりで、その中でも騎士団長ジェド・ジルベスターは『冷酷殘忍』だと有名らしいのだが。 「私は自分の目で見たものしか信じませんわ」 ──セリスは偏見を持たない女性だった。 だというのに、ギルバートの思惑により、セリスは悪い噂を流されてしまう。しかし騎士団長のジェドも『自分の目で見たものしか信じない質』らしく……? そんな二人が惹かれ合うのは必然で、ジェドが天然たらしと世話好きを発動して、セリスを貓可愛がりするのが日常化し──。 「照れてるのか? 可愛い奴」「!?」 「ほら、あーんしてやるから口開けな」「……っ!?」 団員ともすぐに打ち明け、楽しい日々を過ごすセリス。時折記憶力が良過ぎることを指摘されながらも、數少ない特技だとあっけらかんに言うが、それは類稀なる才能だった。 一方で婚約破棄をしたギルバートのアーチェスへの態度は、どんどん冷たくなっていき……? 無表情だが心優しいセリスを、天然たらしの世話好きの騎士団長──ジェドがとろとろと甘やかしていく溺愛の物語である。 ◇◇◇ 短編は日間総合ランキング1位 連載版は日間総合ランキング3位 ありがとうございます! 短編版は六話の途中辺りまでになりますが、それまでも加筆がありますので、良ければ冒頭からお読みください。 ※爵位に関して作品獨自のものがあります。ご都合主義もありますのでゆるい気持ちでご覧ください。 ザマァありますが、基本は甘々だったりほのぼのです。 ★レーベル様や発売日に関しては開示許可がで次第ご報告させていただきます。
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蒼総諸島が先々帝により統一されてから百十余年、宮家間の軍拡競爭、対立がありながらも「蒼の國」は戦いのない平穏な日々が続いていた。危ういバランスの中で保たれてきた平和の歴史は、1隻の船の出現によって大きく動き始める。激動の時代の中を生きる、1人の姫の數奇な人生を描く長編大河小説。
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