《魔法の世界でプログラム》事前打ち合わせ

最初は、ラウラとカウラとユリアンネも呼び出そうかと思ったが、ルトとアンに止められた。今回は、自分たちだけで対応する事になった。

心配だった事の一つに”力”の問題もあったが、どうやら、デブレールは、魔法も剣技も使えないようだ。そして、”俺的”にしっくり來たのが、名前の通りなのだという事だ。そう、”デブ”なのだ。遠目に見た時に、ハート様と呼びたくなるくらいの巨漢だ。

ザシャには、ザシャのお兄さんに、攫われた人數の把握をお願いした。明日には、伝達してくれると言っていた。

俺は、コンラートに作戦を伝えに行く事にした。今日は、ルトを伴っている。アンは、ラウゴールの尋問を行っている。尋問というよりも、”何もしていない”狀態が正しい。正直、ラウゴールは捉えたが、聞くべき事もなかった。コンラートからの報提供で十分だった。提示された場所に、アンとルトが眷屬を忍ばせて、確認はできている。制圧もできそうな所まで確認している。もし、目の前で子供が傷つけられそうなら、眷屬だけで制圧しなければならない狀態になるが、そこまで馬鹿ではないらしい。商品は丁寧に扱われている。

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コンラートの屋敷に向かっている最中にも眷屬から続々と報がもたらされているようだ。「ご主人様」「ん?」「街中で奴隷商を名乗る帝國の商人を見かけたという話が出てきています。」「そうか、居場所を特定する事は可能か?」「可能です。」「出來る限りマークしておいてくれ。」「はい」

奴隷商を、ここで捕らえて罰する事は、多分不可能に近い。正式ではない場での取引だったとしても、自分たちは、”正式な場”だと思っていたと言われたら、そこから何も言えなくなってしまう。それなら、奴隷商がこの街から出た所で、”何者か”に襲われて居なくなってしまった方あ都合がいい。

捕えた後に、どうするのかは、その後の話し合いで大丈夫だろう。

屋敷の前では、ご老人が待っていた。すぐに、さくじつと同じ部屋に案された。先れを出しておいたと言っても、この対応には頭が下がる。真似しようにも、ここまでしっかりした執事は、そうそう居ないだろう。

された部屋で待っていると、おどおどしたじで、エードルフがってきた。その後ろに、コンラートがってきた。

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「アルノルト様。エードルフが、アルノルト様のおっしゃっていた通りに、家族を連れて逃げ出そうとしていたので、私の権限で捕えました。」「そうか、殘念だな。エードルフ。」「・・・申し訳ない。許してください。仕方がなかった。デブレール様に「様?」あっデブレールに報告に行ったら、娘をよこせば、許してやると言われて・・・。逃げるしか、なかったのです」「コンラート。エードルフの娘と奧方は?」「別室に居ます。言われた通りに、奴隷商を呼びつけて、買い取りの査定が出來る狀態にあります。」「そうか、奧方は、まぁいいか、娘には苦痛だろうな。エードルフ。奴隷商がの奴隷を買い取る時に何を確認するか知っているだろう?」「やめて・・・ください。」

やっぱり知っているようだな。

「コンラート。案しろ。俺も、奴隷商が値付けするところを確認する。そう言えば、エードルフ。おまえの娘。おまえに似ないで人だって話だな。ルトよりも、人なら、俺のペットに加えてやってもいいぞ。」「・・・ほんとうに・・・ゆるしてください。むすめだけは、むすめだけは・・・わたしの命でゆるしてください。」「もう一度いう。娘を俺のペットにしてもいいのだぞ!どうする?」「うぁぁぁぁ」

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エードルフが立ち上がって、俺に毆りかかってきた。ルトがその拳をなんなく捌く。

「ほぉそういう気概があるのだな。おまえにチャンスをやろう。」「ちゃんす?」「あぁそうだ。今から俺の質問に答えろ、そして、俺の役に立て。そうしたら、おまえだけじゃなく、奧方と娘も、デブレールやヘーゲルヒからの干渉を含めて、すべて排除してやる。」「え?」「やるのか?やらないのか?やらないのなら、おまえの娘を奴隷商に奴隷として売る。そうだな。処なら、俺がおまえの前で犯してやってもいい。どうする?」「やる。なんでもやる。知っている事はなんでも話す。だから、だから、娘だけは・・・。」「だとよ。コンラート。」

「解りました。」「え?」「エードルフ殿。貴方は、今日からアルノルト様の従者です。奴隷紋を刻みます。よろしいですか?」「はい。」「うん。それで娘さんと奧方ですが、ライムバッハ領に移り住んでもらいます」「え?」「奧方は、娘さんが生まれる前は、教會で子供の世話をしていたのですよね?」「・・・はい。」「娘さんも、食堂の仕事が休みの日には、教會で子供の世話をしているそうですね」「・・・。」「二人には、ライムバッハ領で、學校の先生をやってもらいます」「先生?それは。奴隷ではないのですね。」「えぇライムバッハ領では、孤児院はありません。その代わり、全寮制の學校があって、子供はそこで暮らしながら、勉強をして、食事を貰って、街の雑多の仕事をこなしているそうです。そこは、子供だけですが・・・・、先生の數が足りていません。貴方の奧方と娘さんは、そこで子供相手の先生をしてもらいます。いいですね。」「はい。はい。」「あっそれから、エードルフ殿。貴方が、一定の金額を貯めて、奴隷から解放された時には、その學校で、子供相手に剣技を教える先生になってもらいたいと思っています。」「え?わたしも・・・なのですか?」「はい。それが、アルノルト様が出された、貴方の借金を私が肩代わりする條件なのです。」「貴方が今度アルノルト様の意思に背いた時には・・・。」「はい。はい。逆らいません。デブレールの事も、ヘーゲルヒの事も、なんでも喋ります。だから、お願いです。娘には・・・。お願いです。」

簡単な渉だった。弱みにつけこんで、脅して承諾させる。こんな事はしたくなかったが、今の段階なら、これが落とし所としてはいいだろう。ライムバッハ領なら、監視の目もあるし、そこから報を送ってくれたりしたら、それはそれでいろいろ手間が省ける。それに、俺達もカモフラージュの為の者がしいと思っていた。エードルフなら申し分ない。守備隊の隊長まで上り詰めたのなら、政治力も武力も、ある程度期待出來るだろう。そして、使い捨てても惜しくない人材だ。

「エードルフ。話は終わった。俺達は、作戦を考える。暫く、家族にも會えなくなるだろう。娘とあってくるといい。」「ありがとうございます。」

ご老人に連れられて、エードルフが部屋を出て行く。

「さて、コンラート。借金の返済計畫を聞こうか?」「ありません。」「そうか、それなら、おまえの柄や使用人含めて、俺のだという事だな。」「はい。間違いありません。」「わかった。」「これが、書類になります。確認お願いいたします。」

コンラートから、渡された書類は、ヘーゲルヒ街の中にある建の権利書と、使えている人間たちのフルネームと現在の賃金が書かれていた。

「コンラート。おまえはどうする?」「どうするとは?」「俺と一緒にくか?それとも、ライムバッハ領に殘るか?それとも、死ぬか?」「そうですね。死ぬのは、もうし後ででも出來る事だと思うので、アルノルト様さえ良ければ、ご一緒させていただければ、いろいろご助言出來ると思います。」「そうか、解った。ヘーゲルヒ街の屋敷を維持する為の人員はどの程度必要だ?」「・・・。そのあたりは・・・」「アルノルト様。維持管理するだけなら、8名も居れば十分です。しかし、客人が來るとしたら、10名ほどいないとり立たないかと思います。」

ご老人が、エードルフを部屋に案してから帰ってきていた。即座に人數を答える辺り優秀だ。

「そうか、この屋敷もだが、マナベ商會が借りけて商売をしたりしても問題ないのか?」「ありません。」「そうか、解った」

攜帯電話を取り出して「おぉギル。久しぶり。急に悪いな」「アル。なんだよ。急に。俺の事なんか忘れていると思ったぞ」「わるい。ちょっと立て込んでいて、し聞きたい事とお願いがある」「なんだよ。まぁいい。それでなんだ?」「ヘーゲルヒ街の事は、ユリウスから聞いているだろう?」「あぁおおよその事は聞いた。」「そうか、それで、コンラートの私財一切合切、俺のになった。ここで、マナベ商會の商品を売りたいが、出來るか?」「はぁ?コンラートって、ヘーゲルヒ辺境伯の長男のコンラートか?」「あぁそうだ。それで、出來るか?」「ちょっとまて、話がでかい。」「待てない!マナベ商會の看板だが、全部シュロート商會に任せたい。いつものように丸投げだ。場所も確保してある。どうだ?」「・・・ちょっと、おやじと相談するが、問題はない。願ってもない話だ。」「よかった。場所は、コンラートの屋敷と周りを全部使える。好きにしていい。なんなら、シュロート商會が宿屋をやってもいい。」「まて、まて、コンラートの屋敷って、ヘーゲルヒ街の屋敷か?」「そうだ。知っているのか?」「ばか、當たり前だ。一等地じゃないか!」「そうなのか?まぁ俺のになった、権利書も今貰って手続きを後でやる。」「・・・・。まともに商売しているのが馬鹿らしくなってくるな。」「そうか・・・ギル。シュロート商會ではけないのだな。解った、違う商會に聲を」「馬鹿、誰もやらないとは言っていない。解った。解った。引きける。し手配しなきゃならないから、1週間位かかるがいいのか?」「そのくらいなら問題ない。人員の手配も頼むな。そうだな。諜報活も出來る奴が居るといいかな」「・・・・。わかった。そのあたりは、信頼してくれ。」「おぉ頼むな。」

攜帯電話を切った。「・・・アルノルト様。それは?」「あぁ攜帯電話という遠距離の人間と話が出來る魔道だ。」「・・・。今のは?」「あぁ王都のシュロート商會の後継ぎだ。俺の同級生で信頼出來る奴だ。」「・・・。そうなのですか、報戦が馬鹿らしくなりますね。」「そうだろう。ルト。在庫はまだあるか?作戦に必要だから、コンラートにも渡して、使い方を教えておいてしい。」「解りました。ご主人様。」

やっと作戦の話ができそうだ。コンラートは、攜帯電話をけ取ってしみじみ見ているが、作戦の話になって、意識を作の方に持ってきた。俺とアンとルトで、半日かけて、街中を調べた結果を、大きな紙に書き出してある。デブレールが子供を捕えている場所と周りの建や地形を書き込んである。

「コンラート。4箇所を同時に襲撃する。トリガーは俺が握る。問題はないな」「はい。」「アルノルト様。どうやって?」「それを今から説明する。」

デブレールの屋敷以外の3箇所は・ルトと眷屬・アンと眷屬・コンラートとご老人とディアナそれぞれが制圧を行う。ご老人が居るので、大丈夫だと思うが、ルトとアンが眷屬を使って調べた結果、一番戦力が必要としない場所に行ってもらう事になった。

俺とザシャとラウゴールで、デブレールの屋敷に向かう。エードルフは、この屋敷で助け出された子供を守る事に専念させる事になった。連絡は、実験した”メール”機能を使う。俺から、突というメールを配信する。け取ったと同時に突を開始する。自分の命を第一優先として、子供の命。捕えられている大人の命。そして、それ以外にするように徹底する。これは厳命であり、子供の為に自分の命を危険に曬す事は止とする。そんな事にならないように十分注意する事が大事だと説明した。

「アルノルト様」「何だ?」「デブレールの屋敷にる作戦があるのですか?」「そうだな。ザシャがエルフの巫姫の家系の者だから、エルフからの抗議を出せる立場にある。領主よりも、”次期領主”候補のデブレールに取り繕って貰おうと想っている。辺りなら、馬鹿なら乗ってくるだろう。」「・・・確かに、悲しい事ですが・・・。」「そこで、ラウゴールが暴走してくれたら、ラッキーだからな。」「暴走とは?」「あぁ俺達が、エルフの使者でもなんでもなく、”子供を助けに來ただけの人間”だとか、いい出して騒いでくれたらラッキーだろう?」「そういう事ですか・・・。」「ご主人様。どういう事ですか?」「俺達としては、デブレールの命なんてどうでもいい。子供の救出が一番大事だ。特に、デブレールの所には、エルフの子供とドワーフの子供が居る可能が高い。それなら、そこで、ラウゴールがそんな事を騒げば、俺としては、デブレールに対して、真偽の確認を行う事が出來る。」「・・・。真偽の確認ができない限り、かないという事ですか?」「かないわけじゃないよ。その間に、3箇所が襲撃されたら面白いだろう?」「あっ。デブレールの下に伝令が走れば・・・って事ですか?」「うん。まぁ無理に逃さなくても・・・いいだろう?エードルフ。」

皆が一斉にドアの方に視線を送る。ドアが開けられて、エードルフと奧方と娘が立っていた。「はい。ご主人様。本當に申し訳ありませんでした」「それはいい。それで?」「あっはい。私の元部下に、伝令役をやらせていただけないでしょうか?」「信頼できるのか?」「はい。デブレールからは疎まれて、閑職に回されていましたが、今回の話を聞けば必ず。」「そうか・・・わかった、エードルフに任せる。」「ありがとうございます。それで、私への奴隷紋は?」「あぁコンラート。どうなっている。」「え?アルノルト様。もうすでに、帰らせましたよ。」「だとよ。コンラートのミスだから、エードルフの奴隷紋は後日だな。」「え?あっ・・・。え?」

「エードルフ殿。アルノルト様は、最初から、貴方たちを奴隷にするつもりはなかったのですよ。それどころか、貴方がアルノルト様に寢返ったのではないかと疑われる事を警戒して、ルト殿に命じて、ご家族を見張っていたのですよ。」「コンラート!」「はい。はい。私の獨り言です。そんな事を、アルノルト様からは命令されていません。」「「「ありがとうございます。この恩はけして忘れません」」」

エードルフは、膝から崩れ落ちるように床に座り込んでしまった。頭を下げた、奧方がエードルフの肩に手を置いて、何かつぶやいている。”馬鹿な人・・・。”と、でも言っているのだろう。

「エードルフ。それでは、その伝令役の人間の説得を頼む。決行まで時間がない。出來るか?」「はい。任せて下さい」

「奧方と娘さんには、不自由だと思われますが、暫くここに逗留してください。そして、助け出した子供たちのケアをお願いいたします。」「「はい。おまかせ下さい」」

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