《魔法の世界でプログラム》事前準備

コンラートの屋敷を出て、宿屋に向かっている。今から一番厄介な人と會うことになっている。ザシャのお兄さんだ。別にやましい気持ちがあるわけでもないわけでもないといいきれない(自分でも、何を考えているのか、解らない。だって、ザシャだよ。エルフの巫姫だよ。そんな事知らなかったけど、可いって事は認識していたよ)。

自分の心の聲にツッコミをれてしまうくらいに揺しているし、會いたくないと考えてしまっている。そのせいか足取りがいつもの數倍重くなっている。

宿屋に著いてしまった「どうしました。ご主人様」「なんでもないよ。ルト。行こう」「はい!」

ルトの何気ない笑顔が嬉しい。これが、”癒やし”と、いうやつなのだろう。

宿屋に付いて、部屋にった。すぐさまノックされる音がした。「アル。兄様がお話したいと言っている。」「わかった。どうぞ。」

ドアを開けて、部屋の中に導きれる。普通の宿屋よりもし大きめなのだろうか?3人で居てもそれほど狹くじない。椅子は2腳しかなかったので、ザシャとお兄さんに座って貰って、自分用には、ステータス袋から丁度いい高さの丸太を一本取り出した。今度野営の時に”調理”に使おうと思っていただ。

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沈黙が流れる。再度ドアがノックされる。「ご主人様。飲みをお持ちしました。」

ルトが飲みを持ってきてくれたようだ。俺には、紅茶を、ザシャには、はちみつを溶かした果実水を、お兄さんにはルト特の野菜ジュースを持ってきた。「ありがとう。ルト。」「はい」

ルトは部屋から出ていかないで、俺の後ろに立っている。

「アル。兄様。」「あぁ申し訳ない。アルノルト・フォン・ライムバッハです。」「ロルフ。ロルフ・オストヴァルト。ザシャの兄だ。貴殿が、アルノルトなのだな。」「はい。ロルフ様。それで?お話とは?」

「様はやめろ。」「はい。解りました。」「兄様!さっきから、アルに何をいいたいのか、わからないけど、何か不満なの?」「ザシャ。おまえは黙っていろ。」「黙ってないわよ。兄様。アルが何かした?今回もエルフの為に、考えて、行してくれいるのよ。それなのに・・・。」「解った。解った。ザシャ。アルノルト殿。私の態度が」「いえ、大丈夫です。気にしていないと言えば噓になりますが、何か原因が有るのでしょう。それも後でお話いただけると思っています」「そうだな。」

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ロルフは、盛大に息を吐き出して、背筋をばして、俺を見據える。エルフ族特有の耳を持ち、ザシャと同じ緑の髪のを短くしている。はっきり言って、イケメンだ。藍の瞳で見つめられると、男だと解っていても、グラッと來てしまいそうだ。男があれば、男も食い放題なのだろうな

「アルノルト殿。何か失禮な事を考えていないか?」

そして、が鋭い。

「いえ、ただこうして、ザシャと見比べて、ご兄弟だという事がはっきり解るのですね。」「當然だ。アルノルト殿。今回のご助力謝いたす。」「はい。でも、まだ依頼を完遂したわけではありません。そのお言葉は、無事全員助け出してから頂きたい。」

やっと、顔にも余裕が出たのか、自然に微笑む事ができた。そして、イケメンが微笑んでいる。これはやばい。日本に居たらトップアイドルも足で逃げ出すだろう。

「解りました。それで・・・。アルノルト殿。私の顔に何か有りますか?」「あっいえ、失禮した。それで、攫われた子供の人數は?」「エルフ族が11名。ドワーフ族が7名。だ。本當に居場所はわかっているのだろうな?」「確実とは言えませんが、子供が捕えられている場所はすでに割り出しています。最後の一箇所が、デブレールの屋敷です。」「そうですか、ザシャ。そこを、俺とお前と兵で攻め滅ぼせばいいのだな。」

皆が一斉に、ロルフを見つめる。「兄様。昨日の話を聞いていたのですか?」「聞いていたが、それでは、我らは何もしない事になるのではないか?」「そうしないと問題が発生した時に対処ができないと説明しましたよね。」「あぁ・・・。アルノルト殿。」

こっちに振らないでしい。

「あぁロルフ殿。今回は、私とザシャでデブレールの屋敷に乗り込みます。」「なぜですか?」「幾つか理由も有るのですが、一番の理由は、エルフ族が前面に出ないほうがいいと考えているからです。」「・・・。」「おわかりだと思うのですが、デブレールのクズは、たしかにやってはならない事をしています。」「だからこそ。正義は我らにある。違いますか?」「違いません。違わないからこそ厄介なのです。」「??」「確かに、ロルフ殿と鍛えられたエルフとドワーフ族の連合なら、”萬が一”はないでしょう。しかし、終わった後に問題が全く殘らない保証がないのです。まず、第一に、助け出す大義名分がありません。攫われたと言っているのは、誤解を恐れずに言えば、エルフとドワーフの主張です。それを盾に、デブレールの屋敷に攻めれば、たしかに地下から捕えられている子供たちが見つかるでしょう。」「ならば、いいのでは?」「はい。しかし、デブレールは辺境伯の子供です。辺境伯が、デブレールを切り捨てて、デブレールに全責任を押し付けて、その上で、先に手を出した、エルフ側に”非”が、ある。と、言われかねません。」「そんな事・・・」「ないといい切れますか?私が辺境伯なら、デブレールを切り捨てて、強襲したエルフ族に対して、領で暴れたとして難癖を付けます。そうですね。落とし所としては、確かにデブレールのした事は問題がある。だから、デブレールの首を差し出す。しかし、エルフ側も我が領で領民を危険に曬した事には違いはない。エルフの易品の値下げや通行稅の導などを、言い出します。」「そんな事認められるものか!先に、エルフの子供を攫ったのは、デブレールではないか!」「はい。だから、デブレールの首を差し出すのです。これで、エルフ側がさらに文句を言ってきたら、全面戦爭にる事も考えますね。王國に巨編を促してもいいですし、森を焼き盡くしてもいいのですからね。農地が増えますし、もしかしたら奴隷にする事も出來るかもしれません。そして、文句を言ってこなかったら、最低限の落とし所で、喧嘩両敗で幕引きとすると思います。」「・・・。そこまでするか?」「えぇします。息子の首と引き換えなのですから、そのくらいの事は平気でいいます。」「・・・・。それで、アルノルト殿は、それを回避する方法を考えているのか?」「はい。今回は、エルフとドワーフは完全なる被害者の立場を貫いてもらいます。」「被害者?」「はい。俺とザシャが、デブレールの所に行くのは、抗議の意味も有るのですが、”居なくなったエルフの子供の捜査に協力をお願いする”事が目的です。」「?どういう事だ。わかりやすく説明してくれ」

飲みを潤す。思った以上に張していたようだ。

「エルフ族とドワーフ族は、ヘーゲルヒ街で行方不明になった子供たちを探す。」「あぁそれは理解した」「その上で、俺とザシャは、デブレールにそれをお願いする。」「なぜだ?アイツが主犯なのだろう?」「えぇそうですね。デブレールが俺達の話を聞いた時に、どう思うでしょう。”こいつら、知らないのか?”なのか”何か探りをれているのか?”の、どちらかだと思います」「そうだな。」「今まで、奴らが能的にいていたので、それを、的なきに変えます。その上で、”コンラートが、後継ぎで対立しているデブレールの悪事を暴く"為に、孤児院の子供たちを救い出す。」「そうか、後継者爭いだと思わせるのだな」「はい。そうです。その過程で、エルフ族やドワーフ族が捕えられている事が解れば、被害者として、ロルフ殿が領主かルネリートと渉すればいいのです。”どうやって落とし前を付けるつもりか?”と、上から渉するのです。そうですね。エルフ族やドワーフ族が何をんでいるのかわかりませんが、ヘーゲルヒ街の一部に”治外法権”の場所を作らせてもいいかもしれませんね。」「治外法権?」「詳しい話は別にして、例えば、コンラートの屋敷の一部を、エルフ族の持ちにしてしまう。ここまでは、通常の件購と同じなのですが、その建の中は、エルフの街と同じ法律が適用される。簡単に言えば、ヘーゲルヒの街でエルフ族が商売をしようとした時に、稅金をかけられていると思いますし、それ以外にも理不盡な事があると思います。しかし、その建の中なら稅金もエルフの街と同じになるという事です。」「・・・よくわからない・・・おばばに言えば、何か反応があるかもしれん。解った、アルノルト・フォン・ライムバッハ殿。ザシャが信頼している、お前を信じる事にする。」「兄様!!」「ありがとう。何人か、エルフで子供の世話が出來る人を、コンラートの屋敷で待機させておいてしい。助け出した子供たちのケアをお願いしたい」「わかった。すぐに手配する。」

なぜか、ザシャが耳のさきまで真っ赤にして俯いている。ロルフが立ち上がって、手を出しだしてきた。その手を握った。強く引っ張られるのに任せて立ち上がった「(いいか、お前の事は認めたけど、ザシャの事とは別だからな!)」

あっ最初に俺に対して敵意むき出しだったのは、これだったのだな。聞こえないふりして、握った手に力をれた。

ザシャとロルフは部屋から出ていった。殘ったルトが、何故かニコニコしている。

「ルト。何かいいたいのか?」「いえ、別に・・・・。」「まぁいい。それじゃ、アンとラウゴールにでも會いに行くか?」「はい。宿屋では汚れてしまうと思ったので、別に倉庫を借りて、そちらに監しています。」

ルトの案で、宿屋からし離れた場所にある”倉庫”と呼ばれた建っていく。「アン。お疲れ様。それで、ラウゴール達は?」「うん。全部で4人だけど、別々にしてあるよ。」「そうか、ありがとう。それで何か変わった事はある?」「う~ん。変わらないよ。罵詈雑言ってじで何か喚いているけど、それだけだね。」「そうか、それじゃ罵詈雑言を止めようか。」「うん。何か方法はあるの?」「あぁルト。彼らに、自分が隠した毒を飲ませてあげて!」「わかった」

さて、ラウゴールとの面會に行きますか。「久しぶりですね。ラウゴール殿。」「お前は、アルノルト!」「俺に、こんな事してただですむと思うなよ」「思っていませんよ。あぁそうそう、今、貴方が面會していた、人たちに、貴方が、私の馬車に隠した””を飲ませています。濃度がわからないので、間違って殺してしまっても大丈夫ですよね。」「そんな事・・・。」「おや、どうしました?」

く首を曲げて見る。後ろで、ルトが笑いを噛み殺しているのがわかる。

「あぁそうでしたね。領主様も同じ毒で苦しんでいるのでしたね。貴方が、知り合いで実験して、領主に飲ませている事になるかもしれませんね。それなら、貴方は、生きたまま捕えられたほうが良さそうですね。」「・・・そんな事になったら・・・」

別の場所では、毒を飲ませ始めているのだろう。うめき聲や、何かを吐き出そうとする聲が、音が、聞こえてくる。見えていないので、余計に恐怖が煽られるのだろう。

「たすけてくれ、何をすれば・・・。」

早いな。それに、こいつは助かる為なら、なんだってやるのだろう。

「簡単なお願いがある。デブレールの屋敷に案してしい、俺とエルフの姫君が面會したいと言っているとね。」「・・・・それだけ・・・で?」「あぁそれで、名目としては”次期辺境伯であるデブレール殿に、ヘーゲルヒ街で行方不明になっているエルフとドワーフの捜索許可を貰いたい”と、いう事にしておこう。出來るか?」「はい。はい。大丈夫です。必ず、アルノルト様のご意向に沿うように致します。」「それでは頼むな。」「はい。」「アン。ラウゴールには、毒がっていない食べと飲みを用意してくれ、後、ワインがあっただろう。あれも付けてやってくれ。」「了解。」「ラウゴール。明日にでも、デブレールの屋敷に行くからな。案出來るようにしておけよ」「解りました。」

アンが食事を持ってきた。し離れた所で、俺とアンとルトだけで、ラウゴールに聞こえるかギリギリの聲で、話始めた。「アル。殺さなくていいの?」「"殺す"なんて、いつでも出來るからな。デブレールの屋敷に案させて、渉がまとまった後で殺せばいいだろう。ヨハナからも許可は出ているのだろう。」「うん。別に関係ないって言っていた。」「それなら、今殺す必要はないだろう。それに、孤児院の子供を助け出している間の時間稼ぎなのだし、子供を助けだしたら、ラウゴールなんて居るだけ害悪だろう?」「そうだね。それなら、ルネリートに渡して、殺させる?今回の主犯として?」「それも一つの方法だな。俺達が手を汚さなくてもいいだろうからな。」「うん。ラウゴールが生き殘れるのって、デブレールに必要だと思わせる位しかないのでしょう?」「そうだろうな。」「アルならどうする?」「俺?そうだな。俺なら、デブレールが”捕えている子供たちを、俺が屋敷に居る間に移送させたほうがいい”と、進言するかな。俺が、孤児院の子供を探しているのは、ラウゴールとしては知っているのだからね。」「なるほどね。」

ラウゴールが食事の手を止めて、こちらの話に聞き耳立てている事を確認しながら、作戦容を聞きっている。子供の建てる計畫で、あらが目立つような狀況で話している。特に、戦力を過小評価出來るような狀況にして、話をした。

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