《魔法の世界でプログラム》マナベ商會

集められた面々を見て頭痛が出始めた。

なんとなく予想はできていたが、大祖母様まで出てくると思っていなかった。ザシャの祖母だけでもお腹いっぱいになるのに、その上が居るとは思っていなかった、長命なエルフ族を甘く見ていました。

席上には、エルフの魔道を行っている擔當者が出て來るのは、覚悟していた。しかし、それが、ザシャの父親だとは思わなかった。ついでにという顔で、母親まで一緒に居る。後で聞いた話だが、二人はラブラブで一時も離れるのを嫌がったそうで、おばばが面倒になって二人を、領地関係から外したそうだ。

ドワーフからも、ディアナの父と兄は當然出席して、責任者たる男も出席している。ここで、ディアナが”姫”と呼ばれている事が判明した。その呼稱も”お姫様”という意味ではなく、タールベルク家がドワーフで一番の鍛冶職人をまとめている家だという事だ。そこの娘だから、”姫”と呼ばれている。自然とエルフに馴染んでいたのも、ディアナはこの里で育ったらしい。俺に取って衝撃の事実が、次々と明らかになっていく、それも、會議の前の雑談レベルでだ。

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俺の事も、マナベ商會のとしての顔と、ライムバッハ家の者として両方とも知れ渡っている。今日は、マナベ商會の代表として商談と報提供のお願いに來た事にしてある。

正念場とは思わない。この程度、笑って切り抜けなければならない。俺は、今まで笑って、火中の栗を拾っていた。皆が無理だと言って、逃げ出した現場でも歯を食いしばっていた。それこそ、灰皿を投げられた事もある。拉致されそうになった事も、実際に、監された事もある。數名の人間と監視をする人間だけで、システムを作り上げろと脅された事もある。そんなのに比べれば、まだまだぬるい。こちらのカードは別に渡してもしくない。前世とは違う。俺には、それに抗うだけの力が武力や権力がある。大丈夫だ!大丈夫だ!俺は一人じゃない!

「アルノルト殿」「なんでしょうか?」「貴殿が、エルフの法と言うべき、魔道の作方法をご存知だとは・・・」「それは、語弊があります。私が知っているのは、フランケンシュタイン博士が殘した、魔道の生方法です」「詭弁ですな」

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なんとなく、勢力図が解ってきた。俺を糾弾したいと思っているのは、一部だけのようだ。オストヴァルト家の者は、糾弾の意見には迎合しないようだ。氏家の一部が、そう言っているようだ。

ドワーフ族は、そんなことよりも、作り方と今後の取り決めをしたい様な雰囲気がある。ディアナからも、開場前に言われた。問題が複雑化したら、俺をドワーフの客人として、里に招待すると、さえ言っていた。

「そうですか、それは困りました、私としては、この技を他で疲披するつもりはなかったのですが、今のお言葉で気持ちが固まりました」「それは、どういう?」

「あぁオストヴァルト殿には申し訳ないが、俺は、魔道を作る事が出來る事を、ギルベルト・シュロートとユリウス・ホルトハウス・フォン・アーベントロートに、言うつもりだ」「うん。アルがそうしたいのなら、しょうがないよ。父様。母様。おばば様。おおばば様。アルの言っている事を指示する。あっ・・・兄様には難しくて解らないから別にいい」「そうじゃな。ザシャが言うとおりだな。この里に來てから、學んだことなら、ぬしにそんな事を言わせないで済むし、そこの馬鹿の発言がなければ、獨占契約を結ぶ事もできただろうけどな」「そうですね。マナベ商會としても、そのつもりで居ましたが、気が変わりました。私が知り得た知識を元に、新しい魔道を作致します。申し訳ありません」

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「そんな事!許されるわけがない。オストヴァルト家はそれでいいのか?」「いいも。悪いも。お前さんのおかげで、マナベ商會は、取引先を変えると言っておられる」「そんな事なら、今から、この者を抑えて、全部喋らせればいい」

「お前さんに、”それ”が、出來るのかえ?」「何?」

あっ解った。部の粛清に俺のネタが使われたって事か?

『アン。會議室の周りに気をつけてくれ』『うん。了解。何かあった?』『多分、だけど、後數分もしないで、會議室を取り囲むようにする集団が來ると思う』『了解。全員捕まえていいの?』『あぁ武裝していたら頼む。それと、一応、ザシャの友達だって斷ってから捕まえてね』『了解。あっアル。おばばかおおばばに利用されたって事だね』『多分な。だから、アン。頼むな』『はい。はい。音立てないで捕まえておけばいいのだよね』『あぁ頼む』

まだ何やら言い爭っている。どうやら、巫の一族だと言っても、オストヴァルトは、正確には、ここのトップではないらしい。今喚いているのは、ここのトップの氏家という事だ。話の端々に、きな臭い匂いがしている。もしかしたら、デブレールやルネリートと繋がっていたのかもしれない。前から不思議に思っていた事がある。

森で育ったエルフが、子供とはいえ、デブレールごときの配下に捕まったのだろうと疑問だった。こいつが報を流していたのかもしれない。

「ザシャ。そう言えば、子供たちは全員戻ったのだろう?」「ん?あぁ戻った」「なんで子供たちは、子供だけで、結界の外に居たの?結界の中は確かに安全だけど、結界の外はそれこそ、結界のせいで危ないと思うけど?」「アル。今は・・・」「ザシャ。いい。アルノルト・フォン・ライムバッハ。どういう事だ?」

さっき喚いた男が急に話に割り込んできた「ロルフ。今は、そんな事を聞く場面ではない。この男が、エルフの法を・・・「うるさい。俺は、エルフの法よりも、エルフの民の方が大事だ」」

「それで、アルノルト。どういう事だ?結界の”せい”で危ないとは?」「ロルフ殿。貴方は怖くないですか?私はすごく怖いですよ。結界から外に出る時の事を考えるとね」「だから、どういうことだ!」

喚いていた男が、視線が泳ぎ始めた。「だって、考えてみて下さい。結界の魔道は、どれを使っても結界が作られる。これは、素晴らしい事ですが、あくまで”外側から側”にる事を考えた場合ですこれを逆に考えてみたらどうですか?」「え?」「あっ!」

「ザシャは気がついたようだね」「うん。昨日話していた安全の擔保ってこの事だったの?」「これを含めてだね」

「ザシャ。アルノルト。二人で解っていないで、俺にも解るように話せ!」「ロルフ殿。例えば、私が、ここから逃げ出すと考えた場合どうなりますか?」「そうだな。お前の実力を考えれば、魔法が使われる前に捕えたい。それができなければ、里に被害が出ないように、さっさと結界から出てもらう。その後、結界を違うに変更する。」「それだけですか?」「俺が、何か人質やエルフにとって大切なを持っていった場合でも?」「そんな事、俺が許さない。結界の出口に先回りして・・・・あっ!出口での待ち伏せか!」「そうですね。それが確実だと思いますけどね。”この街”から出る時には、一箇所絶対に通る場所があるのですからね」「そうだな。からくりが解ってきた。早速聞いてくる。ザシャ。お前も來い。おばば。おおばば。いいよな?」

「まったく忙しないね。まぁお前たちが居なくても、困らないからないいぞ。子供たちから、誰が結界の外に行こうといい出したか?どこで、捕えられたかを聞いてこい」「わかった」「はい!」

おばばが、にこやかに笑いながら、俺の方を見る。完全にしてやられたじがするけど、ザシャの足元に通者が居るのは落ち著かない。このくらいサービスだろう。

追い打ちを仕掛けるのは、今だろうが手札のカードで、きれそうなはない。おばばが追い打ちを仕掛けるようだ「アルノルト殿」「はい。なんでしょうか?」「ぬしが、結界の魔道を調べた時に、"誰が”いつ結界を利用したのか解るような事は、なかったのえ?」「全部は、調べていませんが、私が作るのなら、そういった仕組みがあっても不思議ではありません」「そうか、ぬしに調べてもらう事はできるかえ?」「構いませんよ。誰が、今回の事を引き起こしたのかわからなければ、魔道の話しができないのなら、先に結局が付きやすい問題から片付けましょう」「そうしてもらえると、助かるのぉ。エアフルト家も心配じゃろうからの?あぁそう言えば、今回は、おぬし関係からは、誰も子供が連れて行かれなかったのだな」

「いまは、そんな事。おばば様。それでは、儂が・・・なんだ、俺は知らんぞ。そうだ。こんな事を、言い出しているアルノルトとかいう奴が怪しいのではないか?それをかばう。オストヴァルト家も確実に怪しい。そうであろう!」

ダメだね。混して、俺を目につけた所まではいいけど、時系列が合わなくなるし、俺がそんな事していないのは、ザシャもディアナも知っている。

「見苦しい」ザシャのお姉さんが”ぼそっ”と、それでも聞こえる位の聲でつぶやいた

「うるさい。そうだ、オストヴァルト家が、そこのアルノルトとかいう奴に、金で買収されたのではないか?だから、こんなにも簡単に、エルフの法がバレても、鐘がもらえるからなのだろう!」

「はっ」しまった。聲に出てしまった。完全に睨まれてしまった。

「貴様。貴様。貴様!」「他の領のことですし、部族的な事も、ありましたから、口を挾まないように、していましたが・・・」

「(最初から、かなり挾んでいただろう)」心の聲が聞こえてしまっていますよ。お姉さん!

「こんな茶番に付き合うつもりは、ありません。商売にならないのなら、早急に引き返したいと思います。それは、皆さん。長い春平和な時間がやってくるといいですね」

「そうだな。こんな茶番は終わらせよう。お前を捕まえて差し出せば、俺が、領主に貴族に、なれるのだからな!」「・・・・」「今更もう遅い。いくらお前が強くても、10人に囲まれたら何もできまい。おい!皆。このマナベ商會の會長を捕縛しろ」「どのような罪で?」「罪。そんな、後からいくらでも作ってやる」「そうそう、その顔だ。低俗なお前には、その程度で十分だ。おい。オストヴァルト家。及びにエルフ族の皆さん。彼が言う事は、エルフ族の相違なのですか?だとしたら、私は、今から個々が破壊しかねない。巨大魔法を使う準備ができています。」

「アルノルト殿。そんな奴知らない。アルノルト殿の好きにしてくだされ」「そうですか、了解しました。後から、何か言ってきても聞きませんからね」「あぁ安心してくれ」

「ふっふざけるな。俺が、今までエルフ族の為を思って・・・」「え?子供を売買したり、魔道の橫流し。後、書籍の隠匿及び橫流し。希や鉱の橫流し」「・・・そんな事、俺がする・・・そうだ、俺じゃない。オストヴァルト家のロルフがやっていた。本當だ。信じてくれ!」

「何をしている、早く、こいつらを捕らえろ。は、俺が使った後にまわしてやる。早くしろ!」

扉がゆっくりあいて、そっちの方向にみんなの視線があつまる。

「なぁ~にぃ~」「やっちまったなぁ~」

屈強な男共が、なだれ込んでくる・・・。なんて事にならなかった。

最初の一人がってきた時に、”勝ち誇った顔”をしていたが、次の瞬間に絶に変わる。最初にっていた男が、たっていたはずなのに、後ろに居たアンが手を離すと、意識なき人形の様に崩れ落ちた。

「おい。アルノルト。10人ほど捕まえたようだが、これで良かったのか?」「ロルフ殿。申し訳ない」「まぁいい。これでしは、この街も風通しがよくなるだろう。おい。逃げるなよ。逃げたら、同罪とするからな!」

意識ある者から、何か喚き聲が聞こえるが、一人の耳を刀で削ぎ落としたら、誰も何も言わなくなった。

「さて、オストヴァルト家の皆さん。ご説明と今後の関係についてお話したいのですが、問題ないですよね?」

質問の形を取ったが、確定事項だと考えている。これからは、早かった、子供をデブレールに渡していた氏家の者達は、全員捕縛されて、即刻裁判で死刑が言い渡された。助命の話しも上がったが、おばばもおおばばも、許す気は、なかった。トップが処刑された、氏家は、取り壊しが決まった。氏家の直系に、関しては、奴隷落ちが決定された。今回の詫びと褒章の変わりに、俺が全部の奴隷を引き取る事になった。勿論、売卻してしまっても良い。エルフだけあって、通常よりは高く売れるだろうという事だ。

俺としては、全員に奴隷紋を刻んだ上で、ヘーゲルヒの街かライムバッハ領で働いてもらう事にするつもりだ。

魔道に関しては、俺のアイディアである。魔剣の製造を行う事に決まった。ただ、まだ今の方法だと、魔核に配置ができないので、俺が最初に幾つかの魔核に配置を施したを用意して、エルフとドワーフに渡す事が決まった。

そして、作った魔道をマナベ商會で買い取って、転売する事が決まった。実務業務は、ヘーゲルヒの元コンラートの屋敷で行う事になった。

契約まで無事終わった。終わってみれば、マナベ商會にとっては意味ある契約になった。

「ザシャ」「ディアナ」「「お前たちは、アルノルト殿についていけ!」」「うん」「そのつもり」「「かならず、(エルフドワーフ)につれて帰ってこい」」「うん!」「うん」

「えぇアーベントロートの皇太子も狙っているみたいだよ!」

アン。そこで煽らない。俺は、もうこれ以上厄介事を背負い込みたくはない

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