--- 名もない兵士 Side ---俺達は、新しい陛下に従って、王國をより良くする為に、エルフやドワーフと言った、王國に巣食う害蟲を駆除しているのではなかったのか？ヘーゲルヒ街の近くで、陣を張って、戦況報告をけていた。

エルフの集落や、リザードマンと言った亜人達の集落も次から次へと攻略していった。俺達の部隊の命令は、それらの集落を襲った部隊が、戦利品を持って帰ってくる。それらの品々をけ取って、考課表に記載する。その後で、當面の食料を渡す事になっている。

戦いに関しても、閣下が持ってこられた、魔道で魔やアンデッドをる事で、兵士にはほぼ被害が出ないまま、作戦が進行していた。

2日くらい前から、狀況がおかしくなってきている。エルフ共の街に向かった奴らが帰ってこない。魔やアンデッドだけでも、數萬は居たはずだ。

エルブンガルドとか言っていたけど、魔達に、著いていった兵士も帰ってきていない。

それでも、撤退も出來ない。

閣下の判斷で、後一週間待っても帰ってこなかったら、”攻略に時間がかかっている”と、考えて、全軍を持って、ヘーゲルヒ街に突する事になった。兵士たちの士気は高い。何と言っても、王國の財産を好き勝手に使っている、ヘーゲルヒ辺境伯や、娘を王家に嫁がせて、王國を食いにする、フォイルゲン辺境伯。境遇には、同する部分はあるが、殿下と同級生というだけで、子爵にもり上がった、ライムバッハ辺境伯を斷罪するのが、この挙兵の理由なのだ。陛下を殺したのも、フォイルゲンと宰相だという話だ。皇太子も、それに絡んでいるらしい。そして、ライムバッハの小僧は、心優しい王弟殿下を誹謗中傷して、王都民を人質にするために、自分の街に連れ去ったと説明された。

このままでは、伝統ある王國が、小僧たちの遊び場になってしまう。それを、防ぐために、閣下は兵を出された。お味方となる商人たちから魔道を買って、兵の犠牲を抑えるような事も考えてくださっている。

そんな明日にも突するのかという時に、不審火が発生した。兵站部隊が火の不始末が原因で、食料を燃やしてしまったようだ。それで、閣下は、突を一日早める事に決めたようだ。武や魔道はまだ數が揃っていない。

”逃げろ!敵襲だ！”

そんな聲が、魔部隊の方から聞こえてくる。それを証明するように、発音が沢山聞こえてくる。その度に、魔の咆哮や斷末魔が聞こえる。俺も、一つ部隊を預かる者。皆に命令を出す

「戦利品を持って、速やかに後退する」「隊長。後退と言われても・・・どちらに行けばいいのでしょうか？」

そう言われたら・・・魔部隊の方は論外だ。今、あちらが主戦場になっているのだろう。どのくらいの敵兵なのか解らないが、俺達の部隊は、武や防や魔道を、しっかり閣下に屆けて、次の戦いや、その次の戦いに役立ててもらわなければならない。それならば・・・。

「ヘーゲルヒ方面の道から、森の中にって、大きく迂回して、シュヴァイガー領に向かう」「でも、よろしいのですか？」「何がだ？」「いえ・・・敵が目の前に迫ってくるかも知れないのですよ」「だからだ、俺達の部隊は、俺達を數にれたとしても、100名に満たない。そのうち7割は兵だ。敵に、あの野蠻なヘーゲルヒの部隊に囲まれたら・・・」「解りました」「あぁ戦利品を忘れるなよ。數名。閣下の所に、伝令に走れ」「「はっ。私達が」」

二人の若者が目の前に出てくる。「あぁ頼む。それから、死ぬなよ」「「「はっ」」

「よし。や戦利品を持った者は、先に行け！それ以外の者は、殿を努めよ」”おぉ！！”

森の中にっている、これで大丈夫だろう。敵が、ヘーゲルヒの守備隊なら、もしかしたら、時間をおかずに駆逐出來るかも知れない。

俺達が森のなかにってから、暫く経ってから、閣下が駐留していた辺りから火が出ている事に気がついた。あの慌て方は、もしかしたら、閣下の所に敵襲が來たのが先立ったのかもしれない。

”助けてくれ！””殺さないでくれ””・・・あぎゃぁ・・・”

「隊長」「わからん。何が起こっている。」

「誰だ!」

後ろに人の気配をじて振り向いた。

「たいちょう・・・わたし・・・です」

さっき、伝令に走らせた二人のうちの一人だ

「どうした、何があった、閣下はご無事なのか」「・・・たいちょう・・・やつら・・・ゴーレムを使役している・・・ヘーゲルヒ守備隊じゃ・・・あり・・・ません。かっかは・・・にげ・・・」「どうした。閣下は無事なのか？」

「シュヴァイガー辺境伯は、まだ生きているよ」「誰だ！」

囲まれている？そんな・・・警戒は解いていないぞ・・・。

剣に手をかける

「怖いな。そんな顔しなくても大丈夫ですよ。貴方達のご同胞が、私達におこなった事をやろうとは思っていませんよ」

エルフなのか？もう一人はドワーフか？何を言っている。こいつらが、閣下の求めに応じて、武や魔道を提供しなかったのだろう？

「やだなぁそんな怖い顔して、大丈夫ですよ。先に來ていた、たちは丁重に扱っていますからね。あぁ僕達の仲間から奪っていった武や魔道は返してもらいましたけどね」「なにぃ！あれは、閣下が、正義を実現するために、必要なだ、返せ！」

「正義！正義ですか・・・。便利な言葉ですね。抵抗していない。子供を殺したり、人の前で、を犯しながら殺すのが正義ですか？新しい解釈ですね」「何を言っている？」「貴方たちが、エルフやドワーフの里でおこなってきた事ですよ。あぁ一人の子供を殺して、もう一人の子供を助けたかったら、殺された子供のを喰えでしたっけ・・・。これのどこに正義がある！答えろ！」

このエルフとドワーフは何を言っている。閣下の部下がそんな事をするはずがない。そうだ、これは、ヘーゲルヒのクソ野郎の守備隊がやった事だ。俺達がやるはずがない！

「そんな事を、俺達、シュヴァイガーの軍隊がするはずがない！」「・・・・はっまぁそう思いながら死ね！俺達がけた苦痛の、一萬分の１でも味わいながら、死んでくれ」

そう言って、ドワーフの青年が、槌を振りかぶって、俺の足に降ろした。世界が偉くスローモーションになっていくのがわかる。俺は、ここで死ぬのか？

「・・・足を折るだけにしておこう。こいつが、この部隊の隊長らしいからな」「そうだな。わるい。気持ちが止められなかった」「いい。それよりも、シュヴァイガーは逃げ出したのだろう？」

何をこいつらは言っている。閣下が逃げるなんて事はない。正義は我らにある。負けるはずがない。

「あぁ通路上に居た補給部隊を馬車で跳ね飛ばしながら逃げたみたいだぞ」「そうか」「クズの所業だな」「そうだな。それで、あぁライムバッハ卿が詰めているから、大丈夫だろう」「そうか、それなら、俺達は、こいつらを連れて、野営地に戻ればいいのか？」「そうだな。頼めるか？」

閣下・・・シュヴァイガー閣下。魔道と武。防を、お屆けに參ります。今暫くお待ち下さい。

--- アルノルト Side ---『アルノルトか？』「ハンス？」『あぁ』「間に合ったようだな」『防衛戦は大丈夫だ』「わかった、なるべく急ぐが、持ちこたえてくれ」『守備隊が作った、陣を奴らは抜けられないでいる』「了解。どの辺りだ？」

ハンスが間に合ったようだ。俺は、ロルフに頼んで鋭だけを選び出してもらった。その中から、高速移が出來る者で編した。200名が俺達の戦力だ。その後ろに、ゴーレム達が続く。ゴーレムも、高速移が出來るだけにしている。それ以外のゴーレムは、けが人や捕虜をヘーゲルヒ街に連れて行っている。

ハンスから聞いた場所まで、時間敵距離で、1時間程度に迫った。

「ロルフ。一旦休憩して、最終確認をする」「わかった」

隊を止めて、一息ついてから、皆を集めて、最終確認を行う。相手の數は、減らしたと言っても、7,500程度は居るらしい。ハンスの話では、魔やアンデットも見られる様だ。そこに、200名で突っ込んでいく事になる。

もう一度ハンスに確認する「ハンス！」『なんだ』「し確認したい事がある。大丈夫か？」『あぁ』

10分程度かけて、戦場と敵戦力の狀態を聞いた。疲労困憊だが、相手が弱いと思っているのか、攻め続けているようだ。

ハンス側には、けが人は出ているが幸いな事に死者は出ていないと話していた。ハンスが、ノース街を出る時に、クリスが大量にポーションをもたせたので、それを使ってなんとか凌いでいる狀況だという事だ。

「ライムバッハ卿」「ロルフ。今日だけでいいから、アルと呼んでしい」「解った。アル。それで、どうする？」「あぁ聞いた話しでは、部隊間の連攜も出來ていなければ、構もバラバラらしい。軍隊と言うには、お末な狀況だと言っている」「そうか。でも、數はこちらの數十倍なのだろう？」「あぁ約8,000と考えればいい。でも、だからこそ、勝機があると思っている」「何？作戦があるのか？」「作戦といえるかわからないけどな」「いえよ」「わかった」

ロルフと最終作戦の確認を取る。

作戦と言うには、お末なである事は、自分が一番理解している。200を、180と20に別ける。180は、ドワーフの隊長に率いてもらう。そちらは、ゴーレム隊を連れて、敵の橫っ腹から突撃を行う。正面を向いて戦っている敵の橫っ面を張り倒す勢いで突撃を行う。その時に、先の戦いで使わないで殘った発ゴーレムを敵陣の中に放り込んでおく。後は、それを左右から繰り返すだけ。敵の槍隊が居る部分を重點的に襲撃するようにする。

俺とロルフで、殘り20を率いて、大將首を獲りに行く。「いいのか？」「あぁロルフが嫌なら、俺が取るだけだ」「ふざけるな。俺以外に誰がやる」「わかった。依存はないな」「あぁ」

「よし、それでは、これより作戦を開始する。まずは、移速度を上げるぞ。無理だと思うものは、ここで待機。著いてこられる者のみ著いてこい。行くぞ！」”おぉぉ！！”

速度が重要だ。1時間かかると思っていた場所まで45分程で到著する事が出來た。ロルフ達エルフが、森の中を的確に導したのが、速度を落とさないで済んだ理由でもある。

「フォイルゲン守備隊も疲れているだろう。我らで休む時間と勝利をプレゼントしよう。突撃！」

180名が、一つの塊になって統制の取れていない軍に突っ込んでいく。確かに、全の數から見たら微々たる數だ。誤差範囲だと言われてしまう程度の數でしか無いが、その數で戦場をひっくり返す。戦端が開かれている部分は、相手の統制がしっかりしている軍隊なら、こんな手は通用しなかっただろう。相手は、逃げるか戦うか迷っている間に倒されるだけのでしかない。前方に攻める兵とよこに攻める兵が差する。そこに、逃げようとする兵がぶつかって混を巻き起こす。俺達の狙いは、この無秩序な混だ。ハンスには、砦から絶対に出てくるなと言ってある。敵が混し始めても、攻撃を行えば、一部かも知れないが、反撃で余計なを流すことになる。それなら、砦に閉じこもって、砦に近づく奴らだけを攻撃していたほうがいい。

発ゴーレムが、更に戦場を混させる。敵な、何が行われているのかわからないのかもしれない。戦闘に參加していない部隊が、戦闘が行われている場所に移を開始する。逃げる奴と攻撃に參加をする奴らが差する。そこに、突撃隊が突っ込んでいく。殺す必要はないと言っている。腕や足を傷つけて、戦闘不能にするだけでいい。そうしたら、そいつらを放置出來ない為に、後方に送るために、更に混する。

數な集団の為に、突撃部隊は、移も高速だ。その為に、戦場のアチラコチラで混が始まる。そこで、最初に紛れ込ませていた10名が騒ぎ始める。”裏切り者が出た””辺境伯が逃げた””辺境伯討ち死に””フォイルゲン家の新たな戦力5萬が到著”など、なんの信憑もないが、混に拍車をかけるには十分な流言だ

「アル。そろそろではないのか？」「あぁそろそろ、逃げ出す頃だろう。お出迎えに行くか？」「そうだな」

俺達、20名は靜かにき始める。

戦場から、し離れた場所に見つけていた、豪奢な馬車と、その近くにある天幕に近づく。

捕まえていた、敵兵を天幕の中に放り込む「閣下！お逃げ下さい・・・敵兵が・・・ライムバッハ子爵が・・・」

律儀に、そんな事を言ってくれる。嬉しいなぁ

「何事！」「はじめまして、シュヴァイガー辺境伯。あぁもうすぐ辺境伯ではなく、単なる死になる仁でしたね。失禮しました」「お前は・・・エルフ族？」

「俺の事なぞどうでもいい。それよりも、そこで跪いて命乞いをしろ、そうしたら、せめてものけだ。苦しまないで殺してやる」「ロルフ！」「あぁわかっている」「それならいい」

「・・・なにをしている。小奴らを殺せ！殺したやつには、褒は思うがままだぞ！」

小臭いセリフありがとう。

「おや？誰も來ませんね。それでは」

一歩前に出る。刀に手を添える

「來るな。俺が何を・・・俺は、シュヴァイガー辺境伯様だぞ」「へぇそう・・・。良かったよ。人違いだったらどうしようかと思った」「なっ。お前は・・・」「俺？そんな事よりも、いいのか？誰も居なくなったぞ？」

天幕の中でける者は、俺達を除くと一人だけだ。

「え？」「ほら、俺にばっかり・・・もう遅いな」

「ザシャの仇だ。エルブンガルドで死んでいった、仲間の仇だ。ディアナの仇だ」

そう言って、右耳と右腕と右足首を切り飛ばした

「ロルフ・・・まぁいい」

だけ止めておけばいいだろう。馬退治もこれで終わりだな