《魔法の世界でプログラム》城塞街

--- ギード Side ---「先生。それでは!」「今更先生は辭めてしいのですが、ギード君」「クヌート先生は、いつまでも俺達の先生ですよ。それに違いはありません」「そう言われてしまうとね。うれしいですよ。それは間違いないのですが、立場とかいろいろ・・・ね」「それもわかりますが、今更だと思いますよ。陛下・・をファーストネームで呼ぶ子爵とか、その子爵を稱で呼ぶ家臣とかですからね。俺達なんて・・・」「まぁそうですね。気にしたら負けという事なのでしょう。はぁ私の教え方が間違っていたのでしょうかね」

先生は、盛大にため息を吐き出した。俺は、ユリウス様の命令をけて、ライムバッハ領に來ている。そこで、ライムバッハ辺境伯から軍を預かって、アルに合流する。

その後は、王都に進軍する事になるのだろう。今までの報から、王都に居る軍隊は、バルリング軍とミョィルデリンが雇っていた親衛隊だけだという話だ。ヘーゲルヒ領を襲った、魔やアンデットは確認されていない。それでも、頭數だけは揃えたようで、15,000程度は居るようだ。今は、その大半が、北門に配備されているようだ。

「それにしても、先生。よく集まりましたね」「私もびっくりしていますよ」「5,000名も集まるとは・・・。失禮ながら、半分も集まればいいと思っていました」「そうですね。私もですよ。でも、ギルベルト君や、ヘーゲルヒ辺境伯が、依子衆を廻ってくれましたし、何と言っても、ユリウス君からの宣言が効いていますね」「あぁ"參加しない者は、逆賊と見做す"って、やつですか?」「直球です・・・が、まぁそうですね」

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それでも、數名を出して、お茶を濁してくるのかと思っていたけど、結構本気で考えた貴族が多かったようだ。

「練度的には、どうなのでしょうか?」「それは・・・イーヴァ殿に聞いて下さい」

軍の前で、見覚えのある男が、苦笑している

「イーヴォ殿」「これは、これは、ギード様ではないですか?」「辭めて下さい」「ハハハ。それで、ギードは、何が知りたいのだ?」

いきなり変わる辺りは流石だな

「兵の練度や裝備や編なのですね」「裝備や編は、まとめてあるので、そっちを見て下さい」

書類を渡される。編と裝備が書かれているようだ。アルと合流する前に、頭に叩き込んでおけばいいかな

「それで?練度は?」「そうだな。お前さん達が居た頃の、ライムバッハ守備隊を100としたら、遠征軍は、80って所かな?寄せ集めにしては、なかなかだと思うぞ」「へぇそうなのですね。どうやったのですか?」「なぁに、し守備隊と配置転換しただけだ」

話を聞くと、雇われただけの兵士も多數居たために、そいつらだけを殘して、各領主の守備隊は、返したという事だ。諸侯軍として、戦ってもらうにあたっての建前を守るために、各貴族から來ている責任者だけには殘ってもらっているが、それ以外は、全部ライムバッハ家で雇い直したという事らしい

「大丈夫なのですか?」「ん?財政という意味では大丈夫ですよ。このまま、10年も20年も・・・とか言われたら困りますが、長くても、2年程度でしょ?なら大丈夫ですよ。足腰はしっかりしていますからね」「それならいいのですが・・・」

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「おい。ギード。いつまで話すつもりだ。さっさと出立して、アルと合流しなくていいのか?」「その・・・アルからの連絡がないからな」

おっと噂をすればってやつかな

『ギード。またせたかな?』「なに、大丈夫だ。それよりも、どこを目指せばいい?」『兵數は?』「5,000だ。イーヴォが居るから、実質10,000だと思ってくれていい」『ハハハ。それは豪勢だな。それなら、城塞街を全部落としてもらおうかな。今、偵察部隊を出しているけど、どうやら、バルリングの別働隊が守備しているようだからな』「・・・そうか、落としてもいいが、ハンスにも手柄を立てさせないとならないだろう?」『あぁクリスから頼まれている。まぁそっちは、最終的に、なんとかなるだろう』「まぁな。それじゃ、俺達は、ヘーゲルヒ街に向かえばいいのか?」『それじゃ遠回りになってしまうからな。せっかく奴らが、數の優位を捨てて、分散してくれているのだから、各個撃破しようかと思うけど、どうだ?』「どうだと言われてもな。それを決めるのは、アル。お前だろう?」『そうだな。まずは、中央の城塞街近くで合流するか?ハンスにもそう伝えておく』「わかった」

あいかわらずというか・・・。

「ギード?」「あっアルからで、中央の城塞街近くで待ち合わせする事になりました。そこまで、お願いできますか?」「わかった・・・でも、その、をデートにう様な気軽さは辭めてしいのだけどな」「それは、俺ではなく、総大將アルノルトに言ってくれよ」「そりゃぁ駄目だ。戦爭が、ピクニックになってしまう」「全く・・・です」

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俺達は、指定された場所に向かう準備を始める。方の準備が終わっていたので、食料などを馬車に詰め込んで、出立する事した。願わくは、全員揃って帰って來たい。

--- アルノルト Side ---「ロルフ。大丈夫か?」「あぁ」

フォイルゲン防衛戦は、三日間続いた。俺達が、シュヴァイガーを捕えてから、丸1日以上経過して、やっと終息した。

その間。俺達は不眠不休で"事”に當っていた。敵陣崩壊までは、さほど苦労しなかったが、それからが苦労の連続だった。投降してくる者の武裝を解除して、捕虜とした。捕虜は、小集団に分けて、お互いに監視させた。一番苦労したのが、逃げ出している、貴族たちだ。捕まえれば、捕まえたで、それなりの待遇を要求する。ロルフと話をして、殺してしまおうかと思ったくらいだ。ユリウスとクリスに連絡をして、殺す許可を貰おうと思ったが、ハンスにそれさえも辭めてしいと言われてしまった。それでしょうがないので、”殺される”か”首で繋がれる”どちらかを選ばせる事で妥協した。全員が、首に繋がれる事を選んだようだ。

宰相に確認をしたら、その者達の家は、取り潰しになるか、良くても當主を代させられて、多額の賠償金を支払う事になる。

殺さないが正解だったらしい。ごちゃごちゃしてきたので、全員まとめて、ヘーゲルヒ街に連れていく事になった。足首が無くなっている、シュヴァイガー辺境伯は、首をされた貴族達が運ぶことにしているが、こいつらが遅い。行軍が遅れるだけなのだ。「アル」「なに?」「お前たちは、先に行け、この者達は、俺達が、ヘーゲルヒ街に屆ける」「ん?頼んでいいのか?ロルフ?」「あぁこれからは、お前たちの戦いだろう?俺らは、こいつらが逃げないように、死なないように、街まで運ぶ」

「・・・そうだな。頼めるか?」「あぁ任せろ」

ロルフからの申し出をけて、俺とハンスは、部隊を再編した。足の遅い部隊は、ロルフにあずけて、速度重視で、城塞街を目指す。

シュヴァイガーやバルリング領を避けて通るルートは、それしかない。中央の城塞街に向かう道は存在しないので、西側の城塞街の前を素通りして、中央に向かう事になる。ヘーゲルヒ街には、勝利とエルブンガルドを襲わせた人間の首魁を”ロルフ”が、捕らえた事は伝達済みだ。ギルにも連絡したら、明日にも、ヘーゲルヒ街に戻れるという事だ。ヘーゲルヒ辺境伯には、コンラートが組織した遠征軍を率いて、城塞街に向かってもらう事になる。コンラートからの報告では、約5,000は集まっていると言っていた。先に送った、ドワーフの武や防。魔道が提供されて、それらを使って、武裝を行っていると報告をけた。

ナーテ達も、一旦ヘーゲルヒに戻っているが、辺境伯と一緒に城塞街に來る事になった。

三つの辺境伯からの兵の合計が15,000になる。兵站部隊も居るから、実質的に戦えるのは、1萬程度だと思うが・・・王都に居る偽王軍は、30,000だと推測されている。相手がどんな考えでいるのか解らないが、戦力を分散しているのは間違いなさそうだ。斥候に出している者からも、そのような報告が上がってくる。

大きくばした腕で、王都や周辺地域を抑えているのだろう。取り囲むだけで、勝手に崩壊しそうなじはする。

斥候やゴーレム達からの報告をけながら、合流予定地に指定した場所に、軍を進める。

--- ギルベルト Side ---アルの奴から、ヘーゲルヒ辺境伯と一緒に、中央の城塞街から2時間程度の場所での合流を指示された。ギードも、同じようにしていると聞かされた。

目的地までは、俺達が一番早く到著するだろう。野営地の整備をしていれば、時間などすぐにすぎるだろう。

俺達が、目的地に到著してから、1日後に、ギードが、ライムバッハ遠征軍を率いて、野営地に到著した。久しぶりに見るギードは疲れているが、どこか充実した雰囲気を醸し出している。

そのまま、ギードは、ヘーゲルヒ辺境伯に挨拶をして、ライムバッハ遠征軍とヘーゲルヒ遠征軍の合流を行っている。ヘーゲルヒ辺境伯と二人で話し合いをしているようだ。軍事の事は、二人にまかせて、俺は、野営地が問題なく運営出來るようにするのが、仕事だ。全員が合流したら、アルの言葉を信じるのであれば、15,000程度の人數になる。これだけの人間を食べさせる食料が必要になる。水もだ。水は、最悪は、魔法で作り出す事が出來るが、魔力も有限である上に、戦闘に使う魔力を使うよりは、水を別途確保した方が効率的だ。

食料の問題は、今はまだいいが、今後問題になりそうだ。野営地から、ライムバッハ領とヘーゲルヒ領は、敵の影響範囲から外れているこの間なら資を運ぶことは出來るが、ヘーゲルヒは、今難民や捕虜が大量に居る。今後も増える事はあっても、減る事はなさそうだ。コンラートからは、なんとか送れる様にするとは言っていたが、あまり期待出來ない。そのことから、ライムバッハ領だけが頼みの綱になってくる。ギードと一緒にやってきた者達に、聞いてみても、ライムバッハ領には、まだ余裕が有るようだ。事後承諾になってしまうが、ライムバッハ領に向けて、資の搬送を頼む伝令を出した。

伝令を出してから、二日後に、アルが、ハンスと一緒に野営地に到著した。報のすり合わせ・・・アルが偵察に出している部隊からの報を説明する事になったが、やはり、偽王軍は、三つの城塞街にそれぞれ兵士を配置しているようだ。その兵士の數は、3,000程度だと思われるという話だ。

アルの作戦は、単純明快だ。相手より、多い數で攻め込んで、こちらの犠牲をなるべくなくする。相手の數が、3,000程度だとわかっていれば、簡単な話だ。こちらは、15,000。単純に、3つに割っても相手よりも多い計算になるが、相手は、守って戦う事が出來る。城攻めと同じだと思えば、5倍の兵力で攻め込まなければならないが、そうなると、攻めている最中に、後ろを疲れたら・・・負けるとは思わないが、余計な犠牲を出す事になってしまう。中央の城塞街を牽制しながら、他の二つの街を攻め落とす。

これが基本方針だ。相手の數が、3,000だから、街の監視と出撃してきたときの対処の為に、3,000の兵を野営地に殘す。ここで、ゲート魔法が役立つ事になる。いざ攻められた時でも、取って返す事が容易に出來るのだ。心の余裕が違う。

まずは、東側の城塞街に向けて、野営地に殘る3,000を除いた、12,000で向かう。作戦もそれほど難しい事ではない。先行して、商人にまぎれて、ナーテ達が街の中にる。夜になる前に、宿屋から抜け出して、城壁の屯所を急襲する。ゴーレムにそこを守らせながら、城塞街の要になる。吊橋を降ろす。一箇所の吊橋を降ろして、そこから兵士が街になだれ込むというじになる。

東側の城塞街は取り囲んでから、半日で陥落した。食料もなくなっていて、すでに戦える狀態ではなかったようだ。

そのまま、西側の城塞街に向かう。中央は、最後にする事が決定している。アルは迷うこと無く、作戦を実行する。

そして、守備隊の隊長を引っ張り出して、一対一での戦いに勝利した。守備隊の隊長は、その場で自害しようとしたが、アルに止められて、生き恥を曬す事になった。

二人の守備隊の隊長を連れて、中央の城塞街攻略に取り掛かる。3つの門を4,000の兵で取り囲んでいる。中央も、東と西の城塞街と同じであろうと考えての作戦だ。

取り囲んでから、3日が経った時に、中央の城塞街の守備を行っている隊長宛に、東と西の隊長が降るように、呼びかけを行う。

それから二日後、中央の吊橋が降りてきた。

「アルノルト・フォン・ライムバッハ殿。お話がしたい」

嫌な予がする。勝てないから、アルを殺してしまえという作戦かも知れない。

でもアルは・・・「解った。兵を、10分位の距離引かせる。それでいいか?」「痛みる」「それでは、中央で待っている。そちらは何人で來られる?」「私と従者二人で、3名だ」「解った。こちらは、俺とヘーゲルヒ辺境伯と護衛二人と、西と東の隊長を予定しているがいいか?」「問題ない」

「アル。そんな・・・なくても、ゴーレムを連れて行けよ」「大丈夫だ。それに、多分、渉も街の中の人や兵士の話になるとおもうからな」「なぜ、そう思う?」「もし、オレ一人倒して終わりにするような考えなら、城塞の中におびき寄せてから、街に火を放つほうが確実だろう?」「・・・そうかもしれないが」「ギル。ありがとう。でも大丈夫だ。ギードとハンスも居るからな」「・・・」「任せろ」「あぁ大丈夫だ」

5人を見送った。話は、3時間にも及んだ。

まずは、辺境伯だけが帰ってきた。簡単に狀況を教えてくれた所では、やはり、食料が無くなっている。それだけではなく、水不足や不衛生で疫病まで出始めているようだ。それらの治療薬や食料を先に送り屆ける事になった。治療薬の數は、數を揃えていなかったので、ライムバッハ領から持ってこさせる事になった。食料も西と東でも大量に分けてしまっているので、ギリギリしかなかったので、ライムバッハ領とヘーゲルヒ街から運ぶ事になった。それらの事は、休憩で一時的に戻ってきた、アルがゲート魔法で現地と繋げる事でかいけつした。

休憩後に、アルとハンスとギードが戻って話を続けるようだ。條件は、概ね問題は無いようだ。

西と東は、アルの軍門に降っている。貴族たちは、捕えられている。問題は、中央の事だ。隊長はすでに死んでいる。その隊長を殺した、貴族を殺したのが、今渉のテーブルについている者だという話だ。隊長は、西と東の話をけて、降伏を申し出ようとしていた。その時に、貴族を北門からの退去を條件に考えていたらしいが、現実を見ていない貴族が、暴発して、隊長を取り囲んで、私刑リンチしてしまった。その貴族たちを、今渉に來ている者が切り捨てて、城塞街に居た貴族共を全員捕らえた。問題になっているのが、その渉に來ている者に、渉の権限がない事にある。副長は貴族が任命されている。その為に、貴族達を殺さない限り、渉が立する事がなさそうなのだ。

「ヘーゲルヒ殿?」

隣に居る、辺境伯に聞いてみる事にした

「そんな事なら、実効支配だけして、さっさと王都を目指した方がよくないか?逆らっている貴族は全員捕えてあるのだろう?」「・・・そうですね。それが一番だと思いますね。シュロート殿から、ライムバッハ子爵に進言してみて下さい」

初めから解っていて、言わなかったのか?まぁいい・・・俺は、アルにその事を告げに言った。し考えてから、渉に來ている人間に、兵士を全員武裝解除して、捕虜の貴族を全員後方に送る事は出來るか?と聞いていた。それで問題なければ、実効支配を行い。王都に攻め上がる事になる。

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