《魔法の世界でプログラム》ノース街の狀態
--- ノース街 Side ---「とうちゃん。ただいま」「おぉおかえり。今日は、どうだった?」「楽しかった!」「給食味しかったよ!」
まだ、數日だけだが、宿屋と食堂の営業を開始した。宿屋の稼働率は、それほどでは無いが、食堂が毎日満席になるくらいだ。難民が食事に來てくれる。領主も食事を出しているようだが、毎日同じ食事を出すことにしていて、それ以外を食べたい場合には、街の食堂を使う様にさせているのだと言っている。その時に、すごいのか、馬鹿なのか、解らないが、食事代に相當する”金に変わる”を、難民に渡している。難民は、領主の所で食事をするか、その”くーぽん”と呼ばれているが、それを使って食事をするのかを決められるらしい。
領主からの要で、”くーぽん”一枚で、銀貨1枚程度の食事を提供してしいと言われている。その代わり、その”くーぽん”を領主の所に持っていけば、銀貨1枚と換してくれるという事だ。なぜ、そんな面倒な事をしているのかと聞いた。銀貨を渡しても、良いのだそうけど、そうすると、食べじゃなくて、武を買ったり、食事をしないで溜め込まれても、困るのだと、言っていた。儂はまだ出來ていないが、”くーぽん”を握りしめて、街中の食事処を回るのも楽しいだろう。
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そして、しばらくしたら、”くーぽん”を10枚分の値段だから、大銀貨1枚で売りに出す事になっているらしい。それには、11回分の食事が出來る様になっている。領主からは、銀貨一枚程度で食べられるだけじゃなくて、銀貨二枚分程度で食べられるで、”くーぽん”二枚分としても大丈夫と言われた。食事の容もある程度は任せてくれるらしい。ただ、あまりにも”お得”がなければ、客が離れてしまうだろうという事だ。”くーぽん”の客は、他の客を呼び込む事にもなるので、しっかりした料理を出しておいたほうがいいと言われた。元々、こんな贅沢な暮らしをさせてもらっている上に、従業員まで與えられている。それで、逆らうほど、恩知らずではない。
それが、今では晝時になると、客が表に並ぶ位になってしまった。本當なら、子供にも手伝いをさせたいが、家族で話し合った結果、子供は學校に行く事になった。それを、従業員に伝えると、それなら、晝時だけ宿屋の従業員を減らして、食事処を手伝うという案が出された。宿屋の方は、それほどでもないので、今はそれで回している。宿屋も込み始めたら、その時は従業員を増やす事になる。領主にそういう報告を上げたら、翌日には、擔當者が來て、従業員を増やしてくれる手はずになった。それと、今までは仕れは、市場に買いに行っていたが、宿屋や食事処専門の商人が居て、その者に頼んでおけば、買いをしてきてくれるサービスまで教えてもらった。
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「オヤジ。いつもの」「いくつだ!」「今日は、4人で來ている」「わかった」
”くーぽん定食を4つ”
定食を手早く作って、客に出す。晝に來る客の8割以上が、”くーぽん定食”だ。換金に行っていない”くーぽん”が溜まってきている。毎日でもいいらしいのだが、なんとなくまとめて換金した方がいいような気分になっている。
暫くしてから、集まりがあり、參加した。その時に、領主から頼まれたのが、”しんぶん”なるを、宿屋におかせてしいという事だった。一冊、大銅貨3枚。なるものを、週の始めにまとまった數を卸すので、宿泊客に”ただ”で配ってしいと言われた。
これが、また客からの評判がいい。ノース街に居ると、平和だと勘違いしてしまうが、今はが発している。その戦況が伝えられるのが、”しんぶん”なのだ。最初は、宿屋への宿泊客だけだったが、今では、食堂でも一部置いておくようにしている。
そうしたら、売ってくれと言い出す者が出始めた。流石に、貰ったを売る事は出來ないので、同じものが”マナベ商會”や”シュロート商會”でも売っていると説明すると、そちらで買うと言っていた。
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「ねぇあなた?」「どうした?何か、問題でもあるのか?」
嫁の真剣な顔で、し不安になってしまった
「あのね」「だからどうした?」「これを見てちょうだい」
そう言って渡されたのは、王都に居る時にも書いていた。宿屋の売上だ。
え?儲かっているとは思っていたけど・・・・
「間違っていないのだよな?」「はい。何度も、計算しましたし、カミルにも見てもらいました。間違っていません」
カミルは、この街に來てから、雇いれた、従業員で、従業員のまとめ役をしてもらっている。領主からの伝達事項や、商人とのやり取りや、宿屋と食堂で働く従業員の管理をやってもらっている。正直、儂らの宿屋程度の規模にはもったいないと思える位の人だ。その人が、間違っていないと言っているのだから、間違っていないのだろう。
「すごいな。晝に客がっているから、儲かっているとは思ったけど、ここまでだったのだな」「・・・あなた・・・違うわよ?」「え?」「よくみて、晝の”くーぽん”は、まだ換金していないで、それだけの売上なのよ?」「え?どういう事だ?食材もいいを使っているし、値段も王都に居た時と同じか安い位だぞ。規模が大きくなったからって、ここまで・・・」
そう、儂らは大きく変わっていない。王都でやってきた事を実戦しているだけなのだ。
「・・・」「な・・何が?」
従業員の食事なども含まれている。確かに、計算に間違いはなさそうだ。仕れの金額が安くなっている事に気がついた。
「仕れが安いが?これか?」「えぇそうなのよ。それで、カミルに聞いたら、仕れを、宿屋や商人がまとめて買い付けに行くので、値段が安くなるらしいわ」「・・・そうか、今まで、王都でも大手宿屋がやっていた事を、まとめているって事だな」「えぇそうなの。それで、私達だけしか使わない様な食材でも、かなり安く仕れられるようなのよ」「ちょっと待て、仕れと言っているが、今、王國は中で、どこから、食材がってくるのだ?」「私も気になって、カミルに聞いたら、ノース森からの恵みだと言っていました」「・・・そうか、この街は、自給自足が出來てしまうのだな」
ここの領主は、何を目指しているのだろう。
--- ヒルデガルド Side ---「お兄様!」「おぉヒルダか」「”おぉヒルダか”では、ありませんわ。お兄様が行かれるのですよね?」「あぁそのつもりだ。お前は、アルの不在を守る為に、ノース街・・・ノース城に殘るのだろ?」「そうですわね。勝手に、話の解らない、お兄様に決められてしまいましたからね」「なっそう言っても、お前まで、王都に向かったら、誰が、この街を統治するのだ?」「解っています。単なる愚癡ですわ。でも、コンラートとギルベルト様が戻ってきたら、私も王都に向かいますわ。偽王の最後を、私の最後の仕事としたいと思っています」「そうか・・解った。アルに確認だけ取っておけよ」
「・・・解りましたわ。それは、そうと、お兄様。私は、クリス姉様とユリウス陛下との結婚前に、お腹が大きくなったクリス姉様を見たくないですからね」
私にもその程度の知識はある。お兄様とクリス姉様が、毎晩の様に、理由を付けて一緒に居るのも知っている。そして、何が行われているのかも承知している。別に珍しい事ではないが、やはり、外聞もある上に、婚姻の前には控えるべき行為だろう。両者とも、父親がヴァルハラに旅立っている。その事からも、お世継ぎをまれるのは當然の事だ。ただ、お兄様の場合はし事が複雑なのだ。確かに、お世継ぎがここで産まれるのは、喜ばしい事で、それが、クリス姉様との子供なら余計にそうだ。王家と辺境伯お結びつきが強い事が証明されるのだ。それは、私とアルノルト様でも同じ事だが、アルノルト様は、今辺境伯ではない。ノース街の當主であるが、子爵でしかない。その事から、”皆がんでいる”であろう事は、わかりきっている。でも、婚姻前に、お世継ぎが出來てしまうと、王國の法としては、長子として認められない可能があるのだ。その為にも、お兄様には我慢してもらうのが一番いいのだ。そして、もう一つの問題として、父上には居なかったが、妾や第二夫人という話も必ず出てくる。それも、婚姻前に世継ぎが出來るような”好”な人なら、付ける空きが有ると、勝手に貴族や大商人や、周辺諸國が考えて、嫁候補を送り込んでくる事が考えられる。お兄様に関しては、自業自得なので、勝手に困ればいいのだが、クリス姉様が悲しむのは我慢出來ない。従って、そうなる前に、釘を刺しておく事にしたのだ。
何か文句がありそうな、お兄様を無視する様に、私は次の目的に向かった。「クリス姉様」「あら、ヒルダ。どうしたの?」「はい。しお願いがあります。偽王を、地獄に送る時に、私にも立ち會わせて下さい」「・・・・いいわよ。あなたも犠牲者であるのは間違いないでしょう」
簡単に承諾されてしまった
「でも、偽王や猿や馬が、全部捕えられて、コンラートやギルベルト様が戻ってきてからにしてちょうだいね」「勿論です。アルノルト様と一緒に列席できればと思います」「・・・そうね。それがいいでしょうね。アルノルト様にも承諾をとっておくのよ?私が文句を言われてしまうからね」「はい。ありがとうございます」
一番難関だと思っていた人を簡単に突破できた。アルノルト様には、正直ギリギリにお願いすれば、嫌々でも承諾してくださる。昔からそうなのだ、にはとことん甘い人なのだから・・・。
次に、テディの所に行く。私専用のゴーレムを用意してもらうためだ。
ナーテ達の様に、上手く扱えないが、それでも、一般的な移には使える。”魔法”と言えば・・・・クロネコとほうきのセットだろう。そんな事が出來るのかを、相談しなければならない。
貓型のゴーレムは可能だと言われた。クロネコになるように、イメージを伝えて、作ってもらった。幸いな事に、デザイン力には自があったので、テディには、貓のデザインを渡してある。問題は、ほうきだ。ほうきは、こちらにもあるので、作られる事はわかっている。これが魔道かゴーレムになれば、って、空を飛ぶ事も可能になる・・・はずである。
「テディ。どうなの?」「ネコゴーレムは出來ました」「え?ありがとう」
うん。渡しが書いた様なゴーレムを渡されて、オーナ登録をおこなった。”ほうき”は、アルノルト様から、許可が出なかったらしい。その代わり、貓ゴーレムを座らせる事が出來る、ナーテが使っているゴーレムを作ってくれた様だ。アルノルト様設計の機だと話していた。
王都包囲作戦中で、そんな暇があるのかと疑問に思ったが、どうやら、作戦中は、アルノルト様は結構暇になってしまっているようだ。やる事がなくて、朝から寢るまでの時間、戦場近くでご飯を食べる以外は、篭ってプログラムを作っているようだ。
それらの、データや”魔道の素”がテディの所に送られてくるようだ。いろいろな家電の素になる、プログラムや、テストをおこなってしいデータなども送られてきて、テディがそれを擔當しているという事だ。手伝いとして、エルブンガルドの民の中から、選抜したエルフやドワーフが手伝ってくれているようだが、それでも、かなりの量が、アルノルト様から送られてきているらしいのだ。
テディも忙しいらしいので、早々にノース迷宮からでて、學校に向かう。學校では、ゴーレムを扱う授業もやっているので、それに參加申し込みをしていたのだ。かなりの人気らしく、予約制になっている。
は、もう終わるだろうという雰囲気が出ている。そうなると、商人がアチラコチラに買い付けに行くのは間違いない。その時に、ゴーレム馬車が使えたら、効率だけではなく、速度面や安全面で一歩も二歩も先を行くことが出來る。その為に、商人は子供を學校にれて、ゴーレムの作を覚えさせたり、子供が居ない所でも、従業員の子供を學校に行かせたりしている。そして、ゴーレム馬車の縦が出來る。子供は、すぐに就職が決まる。孤児が優先的に學校にる事ができるので、孤児の就職先になっている。
私は、5回のカリキュラムが組まれたものに申し込んだ。名前を出せば、割り込ませてくれたのだろうけど、アルノルト様がそういう行為を嫌うので、正式に申込をおこなって、カリキュラムをける事にしている。
今日最後のカリキュラムをけて、試験に合格すればゴーレムを扱う免許がもらえるのだ。
3時間の実踐をえた、ゴーレムのカリキュラムが終わって、最終試験が行われた。
そして・・・「ヒルダ殿。おめでとうございます。合格です。これで、あなたもゴーレム使いです。領主様直臣のゴーレム隊を希するのなら、ナーテ隊長に取り次ぎます。どうされますか?」「いえ、私はやりたい事がございます。おいはありがたいのですが、申し訳ありません」
一禮して、その場を立ち去る。
私が持つ、初めての”免許”だ。アルノルト様デザインらしいが、どう見ても、”運転免許”だ。
でも、これで、ゴーレムを使って、アルノルト様の為になる事が出來る。
【書籍化】隻眼・隻腕・隻腳の魔術師~森の小屋に籠っていたら早2000年。気づけば魔神と呼ばれていた。僕はただ魔術の探求をしたいだけなのに~
---------- 書籍化決定!第1巻【10月8日(土)】発売! TOブックス公式HP他にて予約受付中です。 詳しくは作者マイページから『活動報告』をご確認下さい。 ---------- 【あらすじ】 剣術や弓術が重要視されるシルベ村に住む主人公エインズは、ただ一人魔法の可能性に心を惹かれていた。しかしシルベ村には魔法に関する豊富な知識や文化がなく、「こんな魔法があったらいいのに」と想像する毎日だった。 そんな中、シルベ村を襲撃される。その時に初めて見た敵の『魔法』は、自らの上に崩れ落ちる瓦礫の中でエインズを魅了し、心を奪った。焼野原にされたシルベ村から、隣のタス村の住民にただ一人の生き殘りとして救い出された。瓦礫から引き上げられたエインズは右腕に左腳を失い、加えて右目も失明してしまっていた。しかし身體欠陥を持ったエインズの興味関心は魔法だけだった。 タス村で2年過ごした時、村である事件が起き魔獣が跋扈する森に入ることとなった。そんな森の中でエインズの知らない魔術的要素を多く含んだ小屋を見つける。事件を無事解決し、小屋で魔術の探求を初めて2000年。魔術の探求に行き詰まり、外の世界に觸れるため森を出ると、魔神として崇められる存在になっていた。そんなことに気づかずエインズは自分の好きなままに外の世界で魔術の探求に勤しむのであった。 2021.12.22現在 月間総合ランキング2位 2021.12.24現在 月間総合ランキング1位
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