《魔法の世界でプログラム》作戦案
--- アルノルト Side ---「偽王軍からは、まだ何も言ってこないの?」「あぁまだ三日目だぞ。後、數日立たないと、”上”は限界にならないと思うぞ」
ギルベルトの言うとおりだろう。下の者達は、かなり疲労が溜まっているようだ。俺達の挑発にも反応できなくなっている。
「アル様」「どうした。カルラ?」「ギード様とハンス様が來られました。どう致しましょうか?」「そうか、もうそんな時間なのだね・・・・。解った。ヘーゲルヒ辺境伯のところで、今後の事を話す」「かしこまりました」
俺は、ギルと一緒に、ヘーゲルヒ辺境伯の天幕に向かった。ギードとハンスも來ていた。
今後の方針は、すでにきまっている。包囲を続ける。
ナーテからの報告もある。王都の中には、市民はもう居ないようだ。兵士と貴族と用商人だけのようだ。
「辺境伯。こうなったら、貴族はどうすると思う?」「どうするとは?」「いや、ここに居る。貴族らしい、貴族は、辺境伯だけで、俺も、ノースに居る奴らも當には出來ない」「あぁそういう意味ですか・・・。そうですね。私なら・・・なんとか、包囲している陣営を確認して、使を送ります。後、できれば、北門を守っている兵士達をし黙らせて、北門から逃げられないか考えますね」「そうか、使は、俺か?ユリウスか?」「そうですね。私なら、貴方に出します。その時の狀況をどこまで把握しているのかに寄って違いますが、包囲しているという事は、攻める意思があるのでしょうから、突時にお味方する事。そうですね。気前よく、門の一つや二つ、側から食い破るので、私達だけは助けてください・・・と、懇願しますね」「ユリウスに行かない理由は?」「二つありますね。まず、貴方なら、偽王に見つかった時に、”仲間に引きれようと思っている”や”騙して、ノコノコ現れたら捕まえて殺しましょう”といえますが、ユリウス殿下ですと、すぐに通者として処分される可能が高いですからね」「なるほどな。それでは、俺達は、通者をどうしたらいいと思う?」「無視されるのがよろしいかと思います」
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辺境伯がいい切った。ギードもハンスもしばかりびっくりしている。ギルだけは、何かじる事が有ったのだろう。頷いている。
「それは?」「はい。幸いな事に、今王都に殘っているのは、兵士だけです。兵士の家族も居ません」「そうだな」「商人も、自らの意思で殘ったのでしょう」「アル。用商人として、甘いを吸っていた奴らだ。そんな奴ら商人でもなんでもない」
なにやら、ギルが怒っている。「そうか、解った。ノース領の用商人は、シュロート商會とマナベ商會、以外のところに、やってもらう事にしよう」「なに?それは、アル。それは、エルフ商會でもいいのか?」「ロルフ。そうだな・・・」「アル。いや、ライムバッハ子爵殿?ノース街の用商人は、是非我がシュロート商會にお願いします」
「なんて、戯れは置いておくとして、辺境伯。どのくらい続ければいい?」「そうですね。ユリウス陛下・・の心次第だと思います」
そういう事か・・・全面的に爭っても、今なら勝ち目は、五分以上ある。無傷とは言わないが、それをユリウスが甘出來るかって事だな。
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「辺境伯。ギード。ハンス。それに、ギルとロルフとカルラとナーテ。明日時間をくれ。ユリウスとヒルダと宰相にも時間を作ってもらって、皆で話をする事にしよう」「アルノルト様」「アル」「アル様」「ライムバッハ子爵殿」
なんとなくいいたい事が解ってしまった。辺境伯が一歩目に出て、頭を俺に向かって下げる「ライムバッハ子爵殿。貴方のおっしゃっている事は、正しいでしょう。でも、我らは、貴方を総大將にした、討伐軍です。貴方の命令に従います。貴方が示された道が間違っていると思えたら、遠慮なく言わせていただきます。ですから、まずは、貴方が私達に方向をお示し下さい」
「・・・それでいいのか?」「はい」
皆がこっちを見て頷くギルだけが複雑そうな顔をしている。
「俺は、お前たちに、死ねと命令するかも知れないぞ」「かまいません。その命令が、作戦上必要な事なら、喜んで、礎になりましょう」「・・・」
沈黙が流れる。ギルが飲み込む、ツバの音さえ聞こえてくる。
「わかった。辺境伯、名前を使わせてもらう」「はい」
作戦を説明する。包囲するのは変わらない。北門近くには、ユリウス達が來ているのだろう。側面支援を行う。
「ギード。ハンス」「「はっ」」
「二人には、陣地に戻って、城門を守っている兵士に呼びかけてしい」「呼びかけるだけでいいのか?」「あぁ」「なんて呼びかける」
「”北門の兵士は、我らに降ると約束したぞ、門を守る兵士よ。王都に居る偽王は、お前たちが命をかけて守る価値があるのか?”程度の事でいい。後は、多のアレンジをしてくれ、北門の兵士が裏切ったと言ってくれればいい」「わかった」「それだけでいいのか?」
「これからが本題だ。二人とも、ここ數日で商人や兵士を捕虜にしているよな?」「あぁ勿論だ」「そんなに數は居ないけどな」
「それを、中央まで連れてきてくれ。逃げ出さないように、警備兵を配置してくれ」「あぁ」「それで?」
「お前たちにやってしいのは、それだけだ。後、ナーテから、ゴーレム隊をし回してもらって、北門の監視を強化してくれ」「わかった」「了解」
「辺境伯には、集まった、捕虜を逃がす役目をしてしい」「アル。せっかく捕まえたのに・・・か?」「あぁその時に、武や防は渡せないが、駄目になりそうな食料を持たせてやってしい」「・・・」「かしこまりた。それだけでは無いのですよね?」
ニヤリと笑って、作戦を説明する。集められた捕虜達に、ヘーゲルヒ辺境伯が、こっそりと警備兵・・・の空きを見て、面會する。その時に、偽王からの書が著ていると、捕虜たちには説明して、ヘーゲルヒ辺境伯は、実は、偽王を裏切っていなかった。今でも、偽王に忠誠を誓っている。その証拠に、今から捕虜全員を逃がす。ライムバッハ子爵には、捕虜を輸送するという名目で、捕虜を自由にして、食料庫から馬車數臺分の大量の資を、盜み出したので、これを持って、王都に戻ってしいと、懇願する事になる。その上で、”西門と東門を守っている奴らが、北門が裏切ったと言うはずだが、それは、ライムバッハ子爵の作戦”だという風に話してもらう。北門の警護を薄くする淺はかな作戦である。と、捕虜達に説明して、騙されない様にしてくれと話す。數日後に、北門が手薄になってきたら、ノース街から軍隊がせめて來る。そして、裏切っている西門と東門の兵士たちは、王城になだれ込む手はずになっている。
そう書かれた、俺のサインがった命令書を渡す事になっている。だから、西門と東門のいう事を信じないようにしてしい。事や、渡す食料は、王城に居る方々や北門を守る兵士で別けるようにしてしい旨を伝えてもらう。
「ハハハ。ライムバッハ子爵もお人が悪い。それでは、王城は、二つのまったく違う報から、どちらが正しいのかを判斷しなければならないではないですか」「そうだな」「それで、両方とも、正しくないのですよね?」「あぁなんで、王者たる、ユリウスが北門や西門や東門かららなければならない。中央につれてきて、正面の門から堂々とってもらう」「それがいいでしょうね」
話しについていけない奴らも居るようなので、辺境伯に細かい説明を任せる事にする。その上で、作の結構やタイミングを詳細に詰めてもらう事にした。
「ナーテ。カルラ。し頼みたい事がある」「なに?」「はい。なんでしょうか?」
「う~ん。ナーテ。偵察はまだ向かわせる事が出來る?」「出來るよ?」
さて、どうするか・・・正直、王城の中の偵察を、ナーテに頼むのはどうかと思っている。危険は無いとは思うが・・・あの偽王が・・・やらかしている事も考えられる。
「アル様。王城の偵察なら、私がやりましょうか?」
カルラが名乗り出てくれる。それは、それで嬉しいのだが、に頼むような仕事で無いように思えてきた。
「カルラには、もうし違った事を頼みたい」「なんでしょうか?」「し危険だけどいい?」「もちろんです。それが必要な事なのでしょうから、危険を理由に斷るような事は致しません」「そうか、辺境伯が返す捕虜の中に、紛れ込める?」「何をいたしましょうか?」「王城にってすぐに待機していてしい。中から、橋を降ろしてしい」「あっ解りました。その任務、私にけさせて下さい」「うん。中央だけでいいからね。それから、危ないと思ったら逃げ出すのだよ。相手を殺してもいいからね」「はい!」
「なぁにいちゃん。おいらは?」「ナーテ・・・は。ゴーレムを使って、王都の中を監視していてしい。命令は、ナーテが出して。映像は俺が解析を行う」「うん。わかった。」
「それじゃ二人とも頼むな」「うん」「畏まりました」
ナーテとロルフが天幕から出ていったのとれ違いに、ロルフがやってきた。
「ロルフ。いろいろありがとう」「禮を言われる様なことではない。それよりも、俺はどうしたらいい?」「う~ん。ロルフが、今回はお休みかな」「休み?」「うん。流石に、王都の・・・それも、偽王とユリウスの闘いに、エルフ族やドワーフ族が絡むのは、良くないだろうからな」「・・・そうだな。そう言えば、ノース森にった者から連絡が有ったぞ」「おぉ早いね」「あぁ集落が作られそうな場所も見つかったと嬉しそうにしていた」「そう・・・それなら良かった。ロルフ。できれば、ノース森に戻って、エルフ族が安定化させてしいのだけど、出來る?」「出來ないとは言わないが、聞いた話しでは、し厄介な事になるかも知れないぞ」「え?そうなの?面倒事はイヤだな」
「・・・・そうだな。アルノルト・フォン・ライムバッハ子爵。俺達は、ノース森に向かう。問題ないか?」「問題無いよ。どうする?ゲートで送る?」「そうしてくれるか?」「解った。一時間ぐらいで準備出來る?」「問題ない」
ロルフが天幕から出ていった。ギードとハンスとギルが、辺境伯と一緒に戻ってきた。どうやら、作戦容に関しては理解したようだ。
各々の配置に著くようだ。ギルだけは、天幕に殘る事になった。
「アル・・・」「なんだよ?」「作戦は解った。でも・・・よぉ・・・なんで、お前が矢面に立たなければならない?」「え?あぁそうだな。ユリウスが立てばいいのかもしれない。でも、これは俺に與えられたミッションだからな」「・・・ミッション?」「あぁ王都を開放する!」「あっ・・・」「それに、カッコつけるわけじゃないけど、負ける気がしないし、義父さん・・・・の仇を討つのは、子供として當然の事だろう?」「え?あっそうだった。お前の嫁さん候補は、姫君だったな」「そうだぞ。忘れていたのか?」「あぁ悪い。お前の周り子ばっかりで、ソレこそ、”死んでしまえ”って、思う程だからな」「ほぉ・・・ギル。お前がソレを言うのか?」「なんだよ。俺が・・・」「なんでもないよ。ノース街では、いろいろ有ったみたいだからな。ギル。まさか、俺の耳に屆かないと思っていたのか?」「何のことだ。俺は知らないぞ!」「そうだな。そうそう、カトリナさんって人さんだよな?」「なんで、カナの事を・・・」「ギル。語るに落ちたな。まぁ実際には、カトリナさんの妹さんなのだろう?」「え?あっ・・・。そうだ!」
ギルが付き合っているのは、カトリナの妹だというところまでは、報を摑んでいる。どうやら、俺とヒルダ。ユリウスとクリスの婚姻が終わったら、結婚する約束をしているらしい。
「そうだな。まぁしっかり帰ろう。もうすぐ帰られそうだからな」
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