《魔法の世界でプログラム》王都開放.1

--- ギード Side ---昨晩からいろいろきが激しい。ハンスの所も同じようだ。

最初は、普段通りだと思われていた。夜半を過ぎて、王城の一角から火の手が上がった。

それから、雪崩を起こしたように、王都を守備していた者達が、投降し始めたのだ。

いつも通り、數名程度のグループが抜け出してきて、救いを求めてきたと思っていたが、夜半過ぎ辺りから、人數が増え始めて、今は數千人が投降してきている。アルノルトから、こうなる予想はけていたが・・・・。ハンスの所も同じことになっていると連絡があった。

數時間後に、アルノルトが居る中央部隊からの、救援資として、食料や布が屆けられた。こうなる事が予測できなければ、出來ない速度だ。

食料を持ってきたゴーレム隊が言うには、食料は、3,000人が1週間程度過ごせる分だけしかないから、足りなかったら言ってしいということだ投降してきた者達の人數を數えさせると、2,873名。アルノルトの予想通りだという事になる。布は、防寒にも使えるで、寢床がすぐに確保出來ない上に、まとめて置く必要があるので、便利だ。

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いろいろ文句が言いたい気持ちになるが、ここはぐっとこらえて、運んできてくれた、ゴーレム達に禮を言って、下がらせてから、アルノルトに連絡した。まずは、食料と布の禮を伝えてから、今後の事を相談した旨を伝えた

『あっそうだ。忘れていた』「何をだ?」『ユリウスとクリスからの頼み事で、ギードとハンスを王城攻略の時に連れていきたいと言っていた』「はぁ?今更そんな事言われてもな」『出來るよね?ユリウスとクリスとヒルダとナーテで、中央門からって、王城に向かう事になっているからね。護衛よろしくね。ヒルダはナーテ達のゴーレム隊が守る事になるけど、ユリウスとクリスは、ギードとハンスで守ってね』「なっアルノルトは、行かないのか?」『俺が行くといろいろ困るでしょ?』「・・・・あっ!そうだな」

確かに、アルノルトが一緒だと、貴族間のバランスが崩れてしまう。アルノルトが治める、ノース街と、ノース子爵家の権限が大きくなりすぎてしまう。アルノルトもそれが解っているのだろう。攻略組に、ヘーゲルヒ辺境伯やギルベルトなどがっていない。あくまで、王家の力で、王城を取り戻したといえる狀況にしたいのだろう。

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『それで、一度落ち著いたら、中央に來てしいのだけど來られる?』「あぁ大丈夫だ・・・それよりも、貴族連中だけ分けているけど、それでいいのか?」『う~ん。本當は、一緒にしておいて、捕虜同士で殺し合いをしてもらいたいのだけど・・・ね』「おまえな・・・そうか、その危険があったな。それで、貴族はどうする?」『ん?ユリウスにプレゼントでいいと思うけど、どうかな?』「・・・そうだな。とりあえず、投降してきた奴で、下級兵士は無罪放免でいいよな?」『うん。そうだね。士以上は、暫くは捕虜になってもらって、將校クラスが居れば、ユリウスの判斷にまかせてしまおう』「了解。それらの指示をだしたら、中央に飛ぶけどいいよな?」『了解。待っている』

指示を出して、一息れる事にした。ハンスにも同じ連絡が行ったようで、準備でき次第中央に向かう事にしたと言っていた。

1時間位、駐屯地での指示をしてから、中央に向かった。もうハンスが來ていた。

「ギード。遅いぞ」

ハンスは、完全武裝の狀態だ

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「アルノルト。もう移するのか?」「う~ん。もうし待って、一応、ユリウスとクリスに、確認しておく・・・まぁクリスに聞くだけだけどね」

本當に、一言多い。それがなければ、良い奴って判斷がされるだろう。面構もいいのだから、なんで、そんなに殘念なじがするのだろう。

「俺達は、ここで待っていればいいのか?」「そうだね。一応、ナーテの代わりに編とか手伝ってくれると嬉しいかな?」「了解した」「わかった・・・ん?代わり?」「うん。ヒルダが向こうだからね。ナーテは一緒に迎えに行こうかと思ったけど駄目?」「そうだな。それがいいだろうな」「あぁわかった」

ゴーレム部隊の編や、王城での話をした。ナーテリンデは、ヒルデガルド様。アルノルトの婚約者殿を守る為に、著いていく事になっているらしい。後、アルノルトの話では、數名王都から出て難民となっている者達の代表が數名一緒に行く事になる。その者達の護衛も、ゴーレム部隊が行う事になる。

俺とハンスは、ユリウス殿下とクリスティーネ様の護衛を行う事になる。

アルノルトが、後の事を俺達に任せて、ゲートでナーテリンデと共にノース街に向かった

--- ヒルデガルド Side ---ナーテリンデと一緒に向かった部屋では、お兄様とアルノルト様が何やら話し込んでいる。ギードさんとハンスさんもすでに來ている。一緒に行く、難民の代表なのだろうか、アルノルト様に頭を下げながら禮をしているようだ。

これから、死地に向かうような雰囲気ではない。

「ヒルダも來たから、説明をするな」

そう言って、アルノルト様は、今までの経緯と、これからの事を説明してくれた。その時に、アルノルト様の攜帯がなった。

「あぁ解った。し早いな・・・え?そうか・・・それなら、問題なさそうだな・・わかった。後30分位だと思う。カルラに言って、偵察をさせておいてくれ・・・お、さすが・・・そうか、それならいい」

アルノルト様が、電話を切った「アル!」「アルノルト様。何かありましたか?」

「あぁ問題ってよりも・・・」「なんだ、はっきり言えよ」

お兄様がしだけじれて問い詰めるような態度になってしまっている。

「ユリウス。落ち著けよ。今からこれじゃ、今後、困るだろうアーベントロート王國の國王としては・・・な」「・・・」「そうですわよ。ユリウス様。でも、アルノルト様。本當に何か有ったのですか?」「ん?あぁヘーゲルヒ辺境伯からで、どうやら、中央門が”側から”開けられたという話でな。中央からも、下級兵士が、投降してきているらしい。ただそれだけだ。その投降してきている集団に向かって、城壁から、弓や魔法がされているらしい。俺達への被害は無いのだが、その攻撃が収まるまでは、ユリウス達を行かせられないからな」「な?味方に・・・攻撃を、行っているのか?」「味方と言っても、逃げ出した奴らだからな。ギード。軍では、そういう奴らはどうなる?」「・・・・軍法會議で、敵前逃亡の罪に問われるだろうな。その上で、武を持っている場合には、もっと重い罪が適用されて、即刻死刑になるだろうな」「なっ!」

場が靜かになってしまうアルノルト様が、お兄様の肩を持って「おかしいと思うか?ユリウス!でも、法律がそうなっている。何もおかしいことではない。それをおかしいと思うのなら、お前が変えるしか無い。いいか、お前はその立場になる。わかっているのだろう?」

し、強い口調で、お兄様を、アルノルト様が問いただす確かに言われているように、今後、お兄様がその法律を作る立場になる。確かに、議會が存在するので、お兄様が全部自分で決められるわけではない。そのような事を言っているのではなく、覚悟の話をしているのだ。クリス姉様もそれがわかっているのか、何も話さない。

「いいか、ユリウス。お前は、親や祖父の仇を討つだけのつもりなのかもしれない。でも、その先には、王國の最高権力者になるという未來が待っている。わかっているよな?」「・・・あぁもちろんだ。アル!」「そうか、それならいい。でも、その立場になってしまったら、俺やギル・・・ハンスやギードも、お前を手伝えない。これも解っているよな?」「・・・あぁ」「本當か?」「當然だ。俺は、お前たちに命令を出す立場になってしまう。そういう事だろう?」

お兄様がし悲しそうな表をして、言葉を絞り出している。選んでいると言ってもいい。

「ユリウス様。違いますわ」

クリス姉様も、アルノルト様と同じ意見なのだろう

「クリス。何が違う」「・・・そうでしょう。アルノルト様。私から話してもいいのでしょう?」「あぁ俺がいうよりはいいだろうな」

「ユリウス様。確かに、立場的には、貴方が一番上の存在になるのでしょう。でも、いや・・・だからこそ、貴方は、誰にも相談してはならないのです。もちろん、私はいつでも、どこまでも、お味方です。でも、アルノルト様はノース領が存在します。ギードもハンスも、領地持ちの貴族になりましょう。一部の者だけを、王家が優遇しては駄目なのです。公の立場の時には、ギードやハンスは當然の事、アルノルト様に対しても、今までのような付き合い方はしては行けません」「・・・」

當然の事を、もったいぶって話しているような印象をけるが、必要なことなのだろう

「ユリウス様。辺境伯のうち二人は、いです。もうひとりは健全ですが、跡継ぎの問題を抱えています。ノース領は健在ですが、その當主がやる気がない上に、興味がある事以外、指一本かしてくれません」「おい。クリス。俺は・・・」「違うというのなら、貴族會議にも出てくれますよね?もちろん、毎回。代役を立てたりしないで、自らが出席してくださるのですよね?ゲートがあるのですから、それも簡単でございましょう」「あっ」「ヤベ・・ほら、クリス。ユリウスへの話・・・途中だろう?」

「もう。本當に、いろいろ終わってから、ゆっくりお話しましょう」「・・・わかった」アルノルト様は、何かに捕まったような顔をされている

「ユリウス様」「あぁクリス。それは俺もわかっている。でも、それでは、アルやギードやハンスを優遇してもいいように聞こえるけどな」「・・・ユリウス様。それでもいいとは思いますが、そうしたら、また王國を二分する派閥構造が出來上がるだけでと思います」「あっ」「何も、変わらないのなら、偽王を討伐して、ユリウス様が手柄を獨り占めする必要がないのです。アルノルト様がナーテリンデのゴーレム隊を使って、討伐してきて終わりにすればいいのです。それを、行わないで、ユリウス様の討伐軍が王都を開放した様に演出するのです。その意味が解らない、貴方ではないと思いますが?」「・・・アル。クリス。わかった・・・。俺は、お飾りで終わるのもいいかと思ったが、それでは納得しないのだな」「當然だな」「當たり前です。お飾りなら、自分でいて、面倒な自を作りそうな、ユリウス様よりも、お飾りに徹してくれて、自分の好きな事だけやらせておけばいい、アルノルト様のほうが、都合がいいですわよ。都合がいい事に、婿の形も今なら取れますからね」

そういえばそうなるのだ私の立場は、公には、まだ確定していない事になっている。偽王が、私とアルノルト様の婚約に意義を申し立てて、勝手に解消してしまっている。もちろん、偽王がした事なので、無視すればいいのだが、それを逆手に取ると、逆転でアルノルト様が、最高権力者になる事も夢ではない。アルノルト様は、それに気がついていたのだろう。クリス姉様の言葉を聞いてから、不機嫌なじを隠そうとしていない。

「クリス。俺は、やらないからな」「はい。はい。わかっています」「クリス。それに、アル。悪い。もうし時間をくれ、そうしたら、俺は・・・・」「いいけど、あまり時間はないぞ?わかっているのだろう?」「・・・あぁそうだな」

クリス姉様が、手を數回叩いた「ほら、それなら、さっさと、豚と馬を排除しに行きましょう。準備はいいのですわよね?」「あぁユリウス以外は、大丈夫だろう。ナーテも大丈夫だよな?」「うん。ゴーレム達が300名で、ゲスト王都民の方々を守るよ。ヒルダ姉ちゃんは、おいらが守る」「って事だよ。クリス。どうする?もう行くか?」「お願いしていいかしら?」

「了解」

そう言って、アルノルト様は魔法を展開した。ゲートの魔法だ。テディの話では、空間をつなぐ魔法だという事で、転移の魔法では無いと言っていた。

展開されたゲートを抜けると、ギードさんとハンスさんが出迎えてくれていた

すぐに、ヘーゲルヒ辺境伯が呼ばれて、現狀説明がされている。中央門は、アルノルト様配下の者が部から落とす予定でいたが、それを行う前に、部から崩壊したようだ。現在は、投降してくる者も落ち著いてきていて、城壁を守っていた奴らも徐々に數を減らしているらしい。

問題は、そこではなく、投降してきた者達が居る事で、城壁や場が無秩序になっている事だ。偵察にでていた者からの意見では、小集団による武力衝突が発生しているとの話だ。もともと、偽王は何かがしたくて、王になったわけではない。自分がなることがふさわしいと思っているだけで、何をしているわけではない。王城に閉じこもって居るだけだ。王都の中は混しているが、混を納めれば、そこまでの危険は起きないだろうというのが、皆の統一した見解となる。ヘーゲルヒ辺境伯も、同じ意見だという事から、問題はないと判斷された。

そして・・・私達は、中央門の前に進んだ。ギードさんとハンスさんが、口上を述べている。

大きな聲で、アルノルト様から借りてきた魔道で、聲を大きく數倍にする拡聲を使っている。

しばらくしたら、まばらに聞こえてきた戦闘音が止まった。徐々に、中央門の前に兵士たちが集まってくる。そして、お兄様とクリス姉様が中央になる形で、全面に立たれる。

兵士からは、小さな歓聲があがる。徐々に、その歓聲が大きくなる。そして、兵士たちは、自分たちをこんな目に合わせた無能なる者の存在を認識した。

この戦の意味があるとしたら、兵士や王都民と言った、聲なき聲の存在が認識された事だろう。

兵士たちは、アルノルト様とヘーゲルヒ辺境伯が、預かる事になる。王家の者ではなく、ヘーゲルヒ辺境伯やアルノルト様が、兵士をふるいにかける事になるのだろう。無條件に全員を許すつもりは、ないようだ。

私達は、王城の前まで歩を進めた。ここからが、私達がしなければならない戦いなのだ

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